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偽者の第三王女
カティアを捜すルーナ
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ー話しは少し前へと遡る……。ー
「クロト、カティア・セルジーヌを目なかったかしら?」
部屋を出て、城内でカティアを探していたあたしは、偶然出会ったクロトへと訊く。
「カティア?俺は見ていないが、他の者がフリードリヒ公爵と城を出て街へと向かったと言う話なら聞いたな……」
クロトは周囲を見渡し、他に誰もいないことを確かめるとタメ口で教えてくれた。
「街か……、ありがとう、クロト。さっそく行ってみるわ」
「それは構わないが、カティアがどうかしたのか?」
「ええ、最近街を騒がせているあたしの偽者はカティアの可能性が高いわ」
「何だって……?何か証拠でも掴んだのか?」
「実は昨日の夜にその偽者と遭遇したの。髪型こそ違ったけど、顔はあたしそっくりだった。それに、さっきカティアと模擬戦で戦った時、彼女の剣筋と昨日出くわした偽者の剣筋は同じ人物のものだったわ」
「なるほど、確かに相手の剣筋は剣を合わせた者にしか分からないな。俺もカティアを探すのを手伝ってやりたい所だが、別の仕事が入っているんだ……」
「いえ、構わないわ」
「すまない、それじゃ気を付けてな」
あたしはクロトと別れて、街へカティアを探しに行くことにした。
◆◆◆
お城を出て街へとやって来たあたしは、カティアを探してフリードリヒ公爵の屋敷の前へとやって来た。
彼女はフリードリヒ公爵と一緒だったし、いるとしたらここの可能性が高いわね。
でも、正直フリードリヒ公爵の顔は出来れば見たくないのよね~……。
何と言うか、あの野心的と言うか人を見下しているかのようなあの目……。
しかも、女性を舐め回すかのように見てくるのであたしだけでなく、お城の女性達全員が出来ればフリードリヒ公爵とは関わりたくないと思っている。
でも、カティアに話を聞かないとあたしの偽物による街への被害は止まらないだろうし、アリアから聞いた話ではその背後に何か大きな陰謀のようなものも感じる。
(何にしろ、あたしの偽物はあたし自身でどうにかするしか無いか……)
あたしは意を決するとフリードリヒ公爵の屋敷の扉をノックする。
『はい、どちら様ですか?』
玄関の扉をノックして待つこと暫く、ドアの向こうから彼の使用人と思われる女性の声が聞こえた。
「あたしはルーナ・ランカスターと言う者だけど、こちらにカティア・セルジーヌという方はいるかしら?」
最初本名を名乗ろうかとも思ったけど、変にステラ・ムーン・トリエステと名乗って後々警戒されても困るため、あたしは一先ず偽名であるルーナ・ランカスターの名前を出す事にした。
『カティア様……ですか?いいえ、そのような方はいらしておりませんが……』
「そう……、ならフリードリヒ公爵様はご在宅かしら?」
『いいえ、フリードリヒ公爵様も今はご不在でございます』
「そう、分かったわ。突然お伺いして悪かったわね。あたしはこれで失礼するわ」
あたしはそう言い、フリードリヒ公爵の屋敷を離れる。
ここに居ないとなると、カティアはどこに行ったのかしら……?
勿論、使用人が嘘をついている、もしくはフリードリヒ公爵自身が誰が来ても自分やカティアはいないと伝えるように命じている可能性もある。
何にしろ、正当な理由もなしに、ただ怪しいからで強引に屋敷へと押し入る事は出来ない。
それに、もしかしたら本当にいないのかも知れない。
「仕方ない、街を探し回ってみようかしら……」
あたしは一人呟くと、カティアを探して街を宛もなく歩き始めた。
「クロト、カティア・セルジーヌを目なかったかしら?」
部屋を出て、城内でカティアを探していたあたしは、偶然出会ったクロトへと訊く。
「カティア?俺は見ていないが、他の者がフリードリヒ公爵と城を出て街へと向かったと言う話なら聞いたな……」
クロトは周囲を見渡し、他に誰もいないことを確かめるとタメ口で教えてくれた。
「街か……、ありがとう、クロト。さっそく行ってみるわ」
「それは構わないが、カティアがどうかしたのか?」
「ええ、最近街を騒がせているあたしの偽者はカティアの可能性が高いわ」
「何だって……?何か証拠でも掴んだのか?」
「実は昨日の夜にその偽者と遭遇したの。髪型こそ違ったけど、顔はあたしそっくりだった。それに、さっきカティアと模擬戦で戦った時、彼女の剣筋と昨日出くわした偽者の剣筋は同じ人物のものだったわ」
「なるほど、確かに相手の剣筋は剣を合わせた者にしか分からないな。俺もカティアを探すのを手伝ってやりたい所だが、別の仕事が入っているんだ……」
「いえ、構わないわ」
「すまない、それじゃ気を付けてな」
あたしはクロトと別れて、街へカティアを探しに行くことにした。
◆◆◆
お城を出て街へとやって来たあたしは、カティアを探してフリードリヒ公爵の屋敷の前へとやって来た。
彼女はフリードリヒ公爵と一緒だったし、いるとしたらここの可能性が高いわね。
でも、正直フリードリヒ公爵の顔は出来れば見たくないのよね~……。
何と言うか、あの野心的と言うか人を見下しているかのようなあの目……。
しかも、女性を舐め回すかのように見てくるのであたしだけでなく、お城の女性達全員が出来ればフリードリヒ公爵とは関わりたくないと思っている。
でも、カティアに話を聞かないとあたしの偽物による街への被害は止まらないだろうし、アリアから聞いた話ではその背後に何か大きな陰謀のようなものも感じる。
(何にしろ、あたしの偽物はあたし自身でどうにかするしか無いか……)
あたしは意を決するとフリードリヒ公爵の屋敷の扉をノックする。
『はい、どちら様ですか?』
玄関の扉をノックして待つこと暫く、ドアの向こうから彼の使用人と思われる女性の声が聞こえた。
「あたしはルーナ・ランカスターと言う者だけど、こちらにカティア・セルジーヌという方はいるかしら?」
最初本名を名乗ろうかとも思ったけど、変にステラ・ムーン・トリエステと名乗って後々警戒されても困るため、あたしは一先ず偽名であるルーナ・ランカスターの名前を出す事にした。
『カティア様……ですか?いいえ、そのような方はいらしておりませんが……』
「そう……、ならフリードリヒ公爵様はご在宅かしら?」
『いいえ、フリードリヒ公爵様も今はご不在でございます』
「そう、分かったわ。突然お伺いして悪かったわね。あたしはこれで失礼するわ」
あたしはそう言い、フリードリヒ公爵の屋敷を離れる。
ここに居ないとなると、カティアはどこに行ったのかしら……?
勿論、使用人が嘘をついている、もしくはフリードリヒ公爵自身が誰が来ても自分やカティアはいないと伝えるように命じている可能性もある。
何にしろ、正当な理由もなしに、ただ怪しいからで強引に屋敷へと押し入る事は出来ない。
それに、もしかしたら本当にいないのかも知れない。
「仕方ない、街を探し回ってみようかしら……」
あたしは一人呟くと、カティアを探して街を宛もなく歩き始めた。
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