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お転婆姫、冒険者になる
ステラの怒り
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「ニーナ……っ!?」
あたしは慌てて走り出すと、間一髪の所でニーナを抱きとめることができた。
よかった……、危うくニーナがケガをするところだったわ……。
「うぅ……!ひっく……!ぐす……っ!ああぁぁぁぁーーーー……っ!!うわぁぁぁぁぁぁーーーーー……っ!!」
ホッとしたのも束の間、ニーナはやはり怖かったのだろう、あたしの腕の中で大声で泣くとあたしの服へとしがみつく。
「ニーナちゃん……っ!ルーナさん、ありがとうございます……!」
そして、すぐにエレナさんが駆けつけると、あたしは彼女にニーナを渡した。
許せない……、いくら何でももう許せないわ……っ!
こんな小さな子をまるで物のように放り投げるなんて……っ!!
あたしの胸の内で怒りが込み上げてくる……!
「なんて事を……っ!あんな小さな子供を投げ飛ばすなんてあんまりよっ!」
「酷いわっ!あの子が怪我したらどうするのよっ!!」
「謝りなさいよっ!あの子に謝りなさいよっ!!」
ゴブル村の女性達もそう思ったのか、非難の声を兵士達へと上げる。
そしていつしかそれはここにいた街の人達にも伝わり、辺りから兵士たちを非難する声が湧き上がっていた。
「えーいっ!黙れ黙れ黙れ……っ!我らの意向に逆らう者は容赦はしないぞっ!!」
兵士達は槍を構えると村の女性達や街の人々へとその穂先を向ける。
この人達……!自分達のやっていることが……っ!!
もういいわっ!あたしの正体がバレようがもう関係ないわっ!
あたしは腰の剣へと手を伸ばすとそのまま剣を抜いた。
すると、さすがにこの状況にクロトもルーカスを頭にきたのか、剣へと手を伸ばし、今にも剣を抜こうとしていた。
「き……貴様……!我らに抵抗する気か……っ!?」
剣を抜いたあたしへと兵士の一人が槍を向けると周囲からは悲鳴が上がる。
「あなたは誰に刃を向けているのか分かっているの……?」
声にドスを利かせながら目の前にいる兵士を睨みつける……。
あたしは一歩、また一歩と兵士へと向かっていくとその度に兵士は恐怖に顔を歪めながら後ずさっていく。
「う……うぅ……うわあぁぁ……っ!!」
恐怖に駆られた兵士があたしへと突きを放ってくるが、あたしはそれを剣で払って槍の穂先を地面へと突き刺した。
「ひいっ……!?」
穂先を地面に縫い付けられた兵士は恐怖に戦くと、その場に尻餅をついて後ずさる。
あたしは剣を振りかぶるとそのまま兵士の目の前へと剣を突きつけた。
「ここにいる兵士達よ!聞きなさいっ!あたしの名は……っ!」
あたしはチョーカーを外し、「ステラ・ムーン・トリエステ」だと周囲へと叫ぼうとすると前方から数人の騎士達がやって来た。
その中には見知った顔があった。
ダニエル騎士団長だ。
「街で騒があると聞きやってきたが何事か!」
「だ……ダニエル騎士団長……!この者が剣を抜いて我らに逆らうのです……っ!」
ダニエル騎士団長が一喝すると、先ほどまで怯えきっていた兵士が慌てて彼の下へとすがりついた。
「む……?あ……あなた様は……っ!?此度は兵が御無礼を働き申し訳ございませんっ!ステラ様っ!!」
ダニエル騎士団長はあたしの前へと歩み寄ると直ぐ様跪き、頭を垂れた。
その光景に兵士達のみならず、周囲からも動揺が広がっていた。
「ダニエル騎士団長、これはどういう事かっ!あたしやここにいるルーカス殿を始めとした者達はゴブル村を襲った野盗達を倒し、生き残った女性達を保護するためにここへと連れてきたと言うのに、なぜこのような不当な扱いを受けねばならないのかっ!?」
「恐らくは、ステラ様のその身なりに兵士が気が付かなかった事が原因かと思われます……」
「確かにこれは服とはとても呼べないもの……。しかしゴブルの女性達は皆このような姿とされたのだっ!村の男達や高齢の者達は皆殺され、子供達は拐われ……!村の家屋は破壊され、焼き払われ……っ!住む所を失い、大切な家族を奪われ……、さらにはこの女性達は野盗達に犯せれたのだ……っ!おまけに着るものと言えば、このようなろくに肌も隠せぬとても服とは呼べぬものしか無いっ!そのような人達の前でこのステラ・ムーン・トリエステに一人のうのうと当たり前のように服を着ていろとお前は言うのかっ!?そのような恥をあたしに晒せとお前は言うのかっ!?答えなさいダニエル騎士団長っ!!」
「申し訳ございませんステラ様っ!このダニエル、失言でございましたっ!」
あたしの逆鱗に触れたダニエル騎士団長は、地面に額を擦り付けて謝罪をする。
その姿に先ほどまであたし達を散々罵倒していた兵士達はうろたえていた。
「そこの兵たちの処分はダニエル騎士団長に一任します。しかしそこのお前っ!我がトリエステ王国に子供を放り投げるような兵士は必要ないっ!即刻このトリスタから立ち去るか、あたしのこの剣のサビに消えるか好きな方を選びなさいっ!!」
「ひ……ひいぃぃぃぃーーー……っ!!」
あたしは先ほどニーナを放り投げた兵士に向かって剣先を突き抜けるとその兵士は逃げるようにこの場から慌てて走り去った。
「あたし達はこのまま父上と兄上の下へと向かいます。後のことはダニエル騎士団長に任せます」
「はっ!このダニエル、しかと承知致しましたっ!」
後のことをダニエル騎士団長へと任せると、あたしは剣を鞘へと納め、父上と兄上に合うためお城へと向かったのだった。
あたしは慌てて走り出すと、間一髪の所でニーナを抱きとめることができた。
よかった……、危うくニーナがケガをするところだったわ……。
「うぅ……!ひっく……!ぐす……っ!ああぁぁぁぁーーーー……っ!!うわぁぁぁぁぁぁーーーーー……っ!!」
ホッとしたのも束の間、ニーナはやはり怖かったのだろう、あたしの腕の中で大声で泣くとあたしの服へとしがみつく。
「ニーナちゃん……っ!ルーナさん、ありがとうございます……!」
そして、すぐにエレナさんが駆けつけると、あたしは彼女にニーナを渡した。
許せない……、いくら何でももう許せないわ……っ!
こんな小さな子をまるで物のように放り投げるなんて……っ!!
あたしの胸の内で怒りが込み上げてくる……!
「なんて事を……っ!あんな小さな子供を投げ飛ばすなんてあんまりよっ!」
「酷いわっ!あの子が怪我したらどうするのよっ!!」
「謝りなさいよっ!あの子に謝りなさいよっ!!」
ゴブル村の女性達もそう思ったのか、非難の声を兵士達へと上げる。
そしていつしかそれはここにいた街の人達にも伝わり、辺りから兵士たちを非難する声が湧き上がっていた。
「えーいっ!黙れ黙れ黙れ……っ!我らの意向に逆らう者は容赦はしないぞっ!!」
兵士達は槍を構えると村の女性達や街の人々へとその穂先を向ける。
この人達……!自分達のやっていることが……っ!!
もういいわっ!あたしの正体がバレようがもう関係ないわっ!
あたしは腰の剣へと手を伸ばすとそのまま剣を抜いた。
すると、さすがにこの状況にクロトもルーカスを頭にきたのか、剣へと手を伸ばし、今にも剣を抜こうとしていた。
「き……貴様……!我らに抵抗する気か……っ!?」
剣を抜いたあたしへと兵士の一人が槍を向けると周囲からは悲鳴が上がる。
「あなたは誰に刃を向けているのか分かっているの……?」
声にドスを利かせながら目の前にいる兵士を睨みつける……。
あたしは一歩、また一歩と兵士へと向かっていくとその度に兵士は恐怖に顔を歪めながら後ずさっていく。
「う……うぅ……うわあぁぁ……っ!!」
恐怖に駆られた兵士があたしへと突きを放ってくるが、あたしはそれを剣で払って槍の穂先を地面へと突き刺した。
「ひいっ……!?」
穂先を地面に縫い付けられた兵士は恐怖に戦くと、その場に尻餅をついて後ずさる。
あたしは剣を振りかぶるとそのまま兵士の目の前へと剣を突きつけた。
「ここにいる兵士達よ!聞きなさいっ!あたしの名は……っ!」
あたしはチョーカーを外し、「ステラ・ムーン・トリエステ」だと周囲へと叫ぼうとすると前方から数人の騎士達がやって来た。
その中には見知った顔があった。
ダニエル騎士団長だ。
「街で騒があると聞きやってきたが何事か!」
「だ……ダニエル騎士団長……!この者が剣を抜いて我らに逆らうのです……っ!」
ダニエル騎士団長が一喝すると、先ほどまで怯えきっていた兵士が慌てて彼の下へとすがりついた。
「む……?あ……あなた様は……っ!?此度は兵が御無礼を働き申し訳ございませんっ!ステラ様っ!!」
ダニエル騎士団長はあたしの前へと歩み寄ると直ぐ様跪き、頭を垂れた。
その光景に兵士達のみならず、周囲からも動揺が広がっていた。
「ダニエル騎士団長、これはどういう事かっ!あたしやここにいるルーカス殿を始めとした者達はゴブル村を襲った野盗達を倒し、生き残った女性達を保護するためにここへと連れてきたと言うのに、なぜこのような不当な扱いを受けねばならないのかっ!?」
「恐らくは、ステラ様のその身なりに兵士が気が付かなかった事が原因かと思われます……」
「確かにこれは服とはとても呼べないもの……。しかしゴブルの女性達は皆このような姿とされたのだっ!村の男達や高齢の者達は皆殺され、子供達は拐われ……!村の家屋は破壊され、焼き払われ……っ!住む所を失い、大切な家族を奪われ……、さらにはこの女性達は野盗達に犯せれたのだ……っ!おまけに着るものと言えば、このようなろくに肌も隠せぬとても服とは呼べぬものしか無いっ!そのような人達の前でこのステラ・ムーン・トリエステに一人のうのうと当たり前のように服を着ていろとお前は言うのかっ!?そのような恥をあたしに晒せとお前は言うのかっ!?答えなさいダニエル騎士団長っ!!」
「申し訳ございませんステラ様っ!このダニエル、失言でございましたっ!」
あたしの逆鱗に触れたダニエル騎士団長は、地面に額を擦り付けて謝罪をする。
その姿に先ほどまであたし達を散々罵倒していた兵士達はうろたえていた。
「そこの兵たちの処分はダニエル騎士団長に一任します。しかしそこのお前っ!我がトリエステ王国に子供を放り投げるような兵士は必要ないっ!即刻このトリスタから立ち去るか、あたしのこの剣のサビに消えるか好きな方を選びなさいっ!!」
「ひ……ひいぃぃぃぃーーー……っ!!」
あたしは先ほどニーナを放り投げた兵士に向かって剣先を突き抜けるとその兵士は逃げるようにこの場から慌てて走り去った。
「あたし達はこのまま父上と兄上の下へと向かいます。後のことはダニエル騎士団長に任せます」
「はっ!このダニエル、しかと承知致しましたっ!」
後のことをダニエル騎士団長へと任せると、あたしは剣を鞘へと納め、父上と兄上に合うためお城へと向かったのだった。
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