罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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一章 突然始まる新生活

エリシア・オンライン

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 夕飯を済ませた僕は、真奈美さんの「洗い物はしておくから彼方くんはゆっくりとしてて」というお言葉に甘え二階にある自分の部屋へとやって来ていた。

 この6畳くらいの部屋には白を基調とした家具が置かれている。

 具体的にはマンガやライトノベルが入っている本棚とベッド、そして勉強机兼パソコンが置かれてあるデスク、あとは床に置いてある小さめなローテーブルがあるくらいで、あとは服が入っているタンスと特にこれといって目立つものはない。

 僕は着ていた制服を脱ぐと私服へと着替えるとエアコンのスイッチを入れた。

「学校のシャツを着たままカレーを作ったから匂いが染み付いたかな……。まあ、でも洗えば匂いは落ちるかな……」

 本来ならこの後すぐにお風呂へと入るのだけど今は風原さんが入っている。

 父さんの提案で食事をしながらお風呂の入る順番を決めたのだけど、基本的には1番が風原さんで、次が由奈ちゃん、その後に僕、父さん、そして最後に真奈美さんという順番。

 少なくとも風原さん的には僕の後は絶対に嫌らしく、「御堂君の後なんて絶対に嫌!」と豪語し、さらに言えば「私のすぐ後に御堂君というのも嫌っ!」と言う訳で風原さんの後に由奈ちゃんが入ることとなった。

 由奈ちゃんは「あたしはどっちでもいいよ」と言ってくれていたので気分的に少し助かるけど、風原さんの男嫌い……っていうかそう言うのは正直疲れるなぁ~……。

 とりあえず、今日は宿題は出てないし……今日買ったラノベを読むか……ゲームをするか……どっちにしようかな……。

「う~ん……よし決めた!ゲームにしよう!」

 少し悩んだ結果僕はゲームをするためパソコンを起動させると「Elythia Onlineエリシア・オンライン」と言うゲームをスタートさせる。

 エリシア・オンライン、それはファンタジー系のアクションが売りのゲームで、キーボードによる操作も出来るけど、コントローラーによる操作が推奨されているアクションゲーム。

 でも、アクションだけでなく仲間とのチャットを楽しむ目的でプレイしているユーザーも少なくはない。

 僕はどちらかと言えば、後者の方でゲーム自体は楽しみつつも仲間とのチャットも楽しんでいる。

 そしてゲームが起動すると「カナタ」と言う銀髪に剣と盾を持ち、鎧を着た人間の男性キャラクターを選択してゲームを始める。

 なぜ自分の名前にしたのかと言うと考えるのが面倒くさかっかから、ただそれだけで深い意味はない。
 さらに言えばキャラクターの見た目も僕に近かったりする。

 髪の色は白にしようかと思ったけど、白髪っぽく見えるのでシルバーにした。

『こんばんは!』

 ゲーム内にログインすると流れて来るBGMを聞きながらグループチャットで簡単に挨拶をする。

『こんばんは、今日は遅かったな』

『何かあったんですか?』

『いろいろあってね……みんなどこにいるの?』

『チームルームにいる』

『分かった、すぐに行くよ』

 僕はメニュー画面を開くとチームルームを選択しそこへとキャラクターを移動させた。


 チームルームへと向かうとそこには鎧を着て背中に槍を背負ったエルフの男性キャラと、軽鎧を身にまとい背中に弓を背負った人間の見た目に猫耳と猫の尻尾を生やした獣人の女性キャラの姿があった。

『来たな、カナタ!』

 そう言いながら僕へと手を振っているのは槍を背負い、鎧を着ている男性キャラこと「スズタク」さん。
 彼はこの「私立グレイス学園」というチームのリーダーを務めている。

『今日はログインされないので何かあったのかと思って心配していました……』

 心配げな声をかけてくれたのがグレーの髪をした猫耳の女性キャラこと「ミオリネ」さん。

 この私立グレイス学園の主要メンバーは主に僕を含めたこの三人。
 他に人はいるけどログインしていない人が多い。

 ちなみに、なぜ私立グレイス学園と言うチーム名なのかと言うと、リーダーであるスズタクさんが学園みたいな雰囲気のチームにしたいから付けたと言っていた。

『ミオリネさん、心配してくれてありがとう!さっきも言った通りちょっといろいろあってINするのが遅くなったんだよ』

『ふむ……もしよければ理由を聞いても……?』

 スズタクさんの言葉に僕は少し思案してからチャットを打った。

『いいですよ、実は親が再婚をしましてそれで相手方のお子さんと同居することになったんですよ。ですが、それが何も聞かされていない状況だったので凄く驚きましたよ!』

『うわ……!いきなりはキツイな……!』

 スズタクさんはそう言いながら苦笑するポーズを取っていた。

『ところでカナタさん……その同居することになったお子さんとは……もしかして女の子ですか……?』

 ……なんだろう、ミオリネさんから何か圧のようなものを感じる。

『は……はい、女の子二人ですよ。一人は僕と同い年でもう一人は年下ですけど……』

『はっはっは……っ!いきなり歳の近い女の子二人と同居とはまるでマンガや小説の世界みたいだな!』

『カナタさん……まさかその二人に手を出したりしてませんよね……?』

『しないよ……っ!』

 そんなことをしようものならこれからの生活気まずくなるだけだよ……!

 僕は自分のキャラクターと共にミオリネさんへとツッコミを入れていると部屋のドアがノックされた。

 誰だろう……?

「は~い」

「あ、お兄ちゃん?あたし。ね、部屋に入ってもいい?」

 声からして由奈ちゃんのようだ。

「あ、うん。いいよ」

「それじゃあ……おじゃましま~す!」

 由奈ちゃんは元気よく部屋のドアを開けると僕の部屋を見渡す。

「特に変わったところなんてないよ……?」

「いやいや、そんなことないよ!あたしやお姉ちゃんの部屋とは違ってこれが男の子の部屋なんだなぁ~って思ってたところ……それにしてもお兄ちゃんの部屋って白が多いんだね」

「うん、なんか白が落ち着くっていうか、好きなんだよね」

「へぇ~……て、それはエリシア・オンラインっ!お兄ちゃんエリシアしてるのっ!?」

「え……?あ……う……うん……」

 由奈は僕のパソコンの画面を見ると僕の直ぐ側へとすぐに近付いてきた。
 な……なんでこんなに距離が近いの……?

「あたしも最近エリシア始めたんだっ!ねえねえ!あたしもお兄ちゃんのチームに入ってもいいっ!?」

「ち……ちょっとまってね……」

『スズタクさん、僕の知り合いがこのチームに入りたいみたいなんだけどいいかな……?』

『もちろん歓迎だ!その知り合いがINしてきたら教えてくれ!』

『ありがとう!』

「由奈ちゃん、いいみたいだよ」

「やったーっ!それじゃあ、あたし自分の部屋でエリシアにログインしてくるね!」

 僕は由奈ちゃんの距離の近さに戸惑いながらもスズタクさんの言葉を伝えると彼女は文字通り僕の部屋を飛び出し、新しく割り当てられた隣にある自分の部屋へと向かっていった。

「……なんか台風みたいな妹が出来たな」

 僕は由奈ちゃんが出ていった部屋のドアを閉めながらそうつぶやいたのだった……。
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