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亜希の章 ツンデレな同居人
吸血鬼とミイラ女の休憩時間
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「……誰も来ない」
あれからどのくらい時間が経っただろう……。
僕は棺の中で一人呟く……。
「ね……ねえ、亜希いる……?」
「何よ彼方……あまり話してるとここに隠れてるのバレるでしょ……?」
僕が亜希へと話しかけると、同じく棺の中に隠れている亜希が返事を返す。
良かった……いるんだ。
もし亜希がどこかに行ってたらどうしようかと思ったよ……。
「そうは言うけど誰も来ないよ……?」
「ふぁ……そうね……」
再び僕が亜希へと話しかけると、彼女は欠伸を噛み殺しながら返事を返す。
どうやら亜希も退屈らしい……。
そもそも誰もここに来ない理由、それは柊さんのところで多くの人がリタイヤしているからであり、彼女の演技が上手いのか高藤の特殊メイクのおかげによるものなのかはわからないけど、どちらにせよ僕たちのところまで人が来ないからだ。
「ホント……誰も来ないわね~……」
「そうだね……ん……?」
と、その時誰かが近付いてくる足音が聞こえてくる……!
「亜希……!」
「し……!静かに……!」
僕たちは息を潜めて近付いてくる誰かを待つ……、そして……。
「ふはははは……っ!ようこそ我が棺の前へ……!」
「お……おぉおぉぉおぉ……!」
足音が僕たちの前で止まったところを狙って僕と亜希は棺から飛び出した!
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーー……!っ!?」
なんとそこにいたのは早乙女 瀬玲奈さんというクラスの女子だった……!
早乙女さんは悲鳴を上げてその場に崩れ落ち、腰を抜かしたまま、目を見開いて僕たちを見ている。
……あれ?
「あ……早乙女さん……?」
「ご……、ごめん瀬玲奈……!」
「あは……あははは……、ウチは二人に交代って知らせに来たんだけど……腰抜けちゃった……」
早乙女さんは顔を引きつらせ、完全に腰を抜かしてしまっていた。
僕と亜希が驚かせた第一号はクラスの女子と言うなんとも微妙な結果となってしまった……。
休憩時間の間、僕と亜希は並んで校舎内を歩いていると、周囲からは奇異の目を向けられる。
それもそのはず、僕は吸血鬼のまま、亜希はミイラ女のまま歩いているからだ。
特殊メイクを落とせばいいだけの話なのだが、このあとも出番が控えているため落とすとまたメイクをし直さないといけないのだ。
そのため、僕たちは仕方なくそのままの格好で歩いていた。
「お……おい、あれ2年B組の奴らじゃないのか……?」
「あ……ああ、確かメチャクチャ怖いおばけ屋敷で未だゴールした奴はないらしいぜ……」
そんな僕たちを見て他のクラスの人や他所から来た一般の人たちが話をしていた。
「……僕たち目立ってるね」
「そりゃそうよ……こんな格好してるんだもん……。それよりこのメイク後で落ちるんでしょうね……?」
「ま……まあ……、それは大丈夫だと思うよ……?さすがに高藤も落ちないようなメイクは使わないだろうし……」
「だといいけど……、それより彼方、折角だから何か食べましょう?」
亜希は不満げな表情から一転、笑顔になると僕の腕へと抱きついてきた。
「ちょっと……!亜希……っ!?その……抱きたいてきたら歩きにくいよ……!」
「えぇ~いいでしょ、だって私は彼方のか……彼女なんだから……」
亜希は少し顔を赤くしながら上目遣いで僕を見てくる。
それは反則だと思う……!
こんな顔で見られたら、断れるわけないじゃないか!
僕は顔を赤くしながら、そっと歩調を合わせた。
「わ……わかったよ……」
「えへへ~、ありがと♡」
結局僕は亜希に押し切られる形で亜希に抱きつかれていた。
あれからどのくらい時間が経っただろう……。
僕は棺の中で一人呟く……。
「ね……ねえ、亜希いる……?」
「何よ彼方……あまり話してるとここに隠れてるのバレるでしょ……?」
僕が亜希へと話しかけると、同じく棺の中に隠れている亜希が返事を返す。
良かった……いるんだ。
もし亜希がどこかに行ってたらどうしようかと思ったよ……。
「そうは言うけど誰も来ないよ……?」
「ふぁ……そうね……」
再び僕が亜希へと話しかけると、彼女は欠伸を噛み殺しながら返事を返す。
どうやら亜希も退屈らしい……。
そもそも誰もここに来ない理由、それは柊さんのところで多くの人がリタイヤしているからであり、彼女の演技が上手いのか高藤の特殊メイクのおかげによるものなのかはわからないけど、どちらにせよ僕たちのところまで人が来ないからだ。
「ホント……誰も来ないわね~……」
「そうだね……ん……?」
と、その時誰かが近付いてくる足音が聞こえてくる……!
「亜希……!」
「し……!静かに……!」
僕たちは息を潜めて近付いてくる誰かを待つ……、そして……。
「ふはははは……っ!ようこそ我が棺の前へ……!」
「お……おぉおぉぉおぉ……!」
足音が僕たちの前で止まったところを狙って僕と亜希は棺から飛び出した!
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーー……!っ!?」
なんとそこにいたのは早乙女 瀬玲奈さんというクラスの女子だった……!
早乙女さんは悲鳴を上げてその場に崩れ落ち、腰を抜かしたまま、目を見開いて僕たちを見ている。
……あれ?
「あ……早乙女さん……?」
「ご……、ごめん瀬玲奈……!」
「あは……あははは……、ウチは二人に交代って知らせに来たんだけど……腰抜けちゃった……」
早乙女さんは顔を引きつらせ、完全に腰を抜かしてしまっていた。
僕と亜希が驚かせた第一号はクラスの女子と言うなんとも微妙な結果となってしまった……。
休憩時間の間、僕と亜希は並んで校舎内を歩いていると、周囲からは奇異の目を向けられる。
それもそのはず、僕は吸血鬼のまま、亜希はミイラ女のまま歩いているからだ。
特殊メイクを落とせばいいだけの話なのだが、このあとも出番が控えているため落とすとまたメイクをし直さないといけないのだ。
そのため、僕たちは仕方なくそのままの格好で歩いていた。
「お……おい、あれ2年B組の奴らじゃないのか……?」
「あ……ああ、確かメチャクチャ怖いおばけ屋敷で未だゴールした奴はないらしいぜ……」
そんな僕たちを見て他のクラスの人や他所から来た一般の人たちが話をしていた。
「……僕たち目立ってるね」
「そりゃそうよ……こんな格好してるんだもん……。それよりこのメイク後で落ちるんでしょうね……?」
「ま……まあ……、それは大丈夫だと思うよ……?さすがに高藤も落ちないようなメイクは使わないだろうし……」
「だといいけど……、それより彼方、折角だから何か食べましょう?」
亜希は不満げな表情から一転、笑顔になると僕の腕へと抱きついてきた。
「ちょっと……!亜希……っ!?その……抱きたいてきたら歩きにくいよ……!」
「えぇ~いいでしょ、だって私は彼方のか……彼女なんだから……」
亜希は少し顔を赤くしながら上目遣いで僕を見てくる。
それは反則だと思う……!
こんな顔で見られたら、断れるわけないじゃないか!
僕は顔を赤くしながら、そっと歩調を合わせた。
「わ……わかったよ……」
「えへへ~、ありがと♡」
結局僕は亜希に押し切られる形で亜希に抱きつかれていた。
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