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亜希の章 ツンデレな同居人
彼方は誠実に、そして悠人は叫ぶ……
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「御堂君、風原さん……二人はどこへ行っていたんですか?」
亜希と一緒にみんなの元へ戻った僕を待っていたのは、渡辺先生の説教だった。
「す……すみません……」
「ごめんなさい……」
先生は腰に手を当てて勝手な行動をしたらみんなに迷惑が科かかる……とか、もし迷子にでもなったら……とか正論を言っているのだけど、亜希と仲直りをした僕はニヤけそうになるのを必死にこらえて、なんとか真面目な顔を保つ。
でも、ふと亜希と目が合うと、思わず僕たちは笑みがこぼれそうになる。
「御堂君!風原さんっ!ちゃんと聞いているのですかっ!?」
「は……はい……!聞いています……!」
「すみませんでした……!」
これが災いし、僕と亜希はしばらくみっちりと怒られたのだった……。
◆◆◆
水族館を出ると、もうすでに日が傾いていた……。
そしてバスはいよいよ僕たちが泊まる事になっているホテル「トアールリゾートホテル」へと到着する。
ホテルは白を基調とした外観で、周囲にはヤシの木が並んでいた。
夕日に照らされたその景色は、どこか南国の絵葉書みたいだった。
バスから降りると海が近くにあるせいか、潮の香りと花の香が混ざったような空気が僕たちを包み込む。
ホテルへと入ると、エントランスホールには琉球ガラスで作られたオブジェが置かれている。
さらに吹き抜けのロビーには、シーグラス風の照明がゆらゆらと揺れていた。
その幻想的な光に、僕たち2年生は思わず感嘆の声を漏らす。
「みなさん、ここで部屋の鍵をもらいます!部屋に入ってからお風呂に入ってその後夕食となります!そなあとは消灯時間までは自由行動ですが、消灯時間までには各自部屋に戻るようにしてください!あと、くれぐれも言っておきますが部屋は男女別です!消灯時間を過ぎて男子は女子の部屋に、女子は男子の部屋に行かないようしてくださいっ!」
僕たちは渡辺先生の説明を受けたあと部屋の鍵をもらうと各自部屋へと向かう。
部屋の中には二段ベッドが両端に置かれており、部屋の真ん中にはちゃぶ台とポット、それにお茶のティーパックが置かれていた。
部屋は三人一組で、僕と悠人、それに高藤の三人が同じ部屋となり、一方の亜希は柊さんと早乙女さんと同じ部屋のようだ。
とりあえず……、先にお風呂って言ってたから入るとしようかな……。
僕は自分の荷物から下着やパジャマ代わりの半袖や短パンを出そうとすると高藤が不適な笑みを浮かべた。
「ふふふ……御堂、真壁……。この俺が、お前たちに極秘情報を授けてやろう」
高藤が不敵な笑みを浮かべながら、声を低くして言った。
「極秘の情報……?」
高藤の言葉に僕は思わず身構える……。
なんだろう、高藤が言うとろくでもないような気がする……。
「なんだその情報って、もったいぶらずに言えよ高藤」
「まあ、落ち着け真壁……、俺の極秘情報……それは……」
「それは……?」
高藤の言葉に僕と悠人は思わずゴクリと息を呑む……。
「女湯を覗ける、秘密スポットだ!」
その一言に、僕と悠人は衝撃を受けた!
「な……!」
な……なんだってぇぇぇーーーー……っ!?
「マジかよ高藤……っ!?教えろ!それはどこだ高藤……!」
驚愕する僕とは対照的に悠人は興奮していた!
「ふふふふ……、落ち着け真壁……それはこの地図に示してあるっ!」
高藤は懐から紙を取り出すと、僕と悠人へと手渡す。
その紙はこのホテルの館内マップで、どうやって調べ上げたのかは分からないけど、女性用の露天風呂を覗けるスポットが記されていた。
「高藤!お前マジ神だぜっ!これで柊や早乙女たち女子の入浴シーンがのぞき放題だ……!」
僕は複雑な気持ちだった。
亜希にバレたらと思うと気が進まないし、何より——
他の男に亜希のお風呂姿を見られるなんて、絶対に嫌だった。
「ふふふふ……真壁、喜んでくれて何よりだ……。御堂、お前はどうする?」
「僕は止めておくよ……」
「け……!彼女持ちの余裕ってやつかっ!?来ないのなら来ないでいいが、その代わり感想とか教えてやらねえからなっ!」
悠人はそう言うと高藤と共に部屋を出ていく。
……この紙どうしようかな。
迷った結果、僕はこの紙を渡辺先生へと渡すことにした。
「先生、いいですか?」
部屋を出て少し歩くと丁度渡辺先生の姿を見つけた。
「あら……?とうしましたか、御堂君……?」
「あの……高藤が女子達のお風呂を覗こうとしているみたいなんです」
僕は先生に高藤が準備した紙を渡すと先生は笑い声をあげた。
「あはははは……!バカだね高藤君は……!女子は大浴場の方で、露天風呂は、老人会の方々が使うみたいですよ」
先生はあっけらかんと笑いながらそう言った。
「へ……?」
先生の言葉に僕は呆気にとられる。
「でも、御堂君は誠実なんですね、だから風原さんは御堂君が好きなんでしょうね」
「え……?な……!」
僕の顔は、みるみるうちに真っ赤になった。
「それでは、私はこれで……」
先生はそれだけ言うと、くすっと笑って去っていった。
~サイドストーリー~
部屋を抜け出した高藤と悠人は、地図を片手にこっそりと露天風呂へと向かっていた。
その足取りは、さながら宝探しに向かうかのように軽い。
「真壁……この先が例のポイントだ……」
「マジか……!俺……、今人生で一番テンション上がってるかも……!」
悠人は目をギラつかせながら、拳を握りしめた。
目的の露天風呂が近付くにつれ、高藤は不適な笑みを浮かべ、悠人はニヤニヤとしたイヤらしい笑みを浮かべる……。
そして、辿り着いた露天風呂……!
湯気が立ち込める露天風呂の向こうに、確かに人影が見えた。
その姿に、悠人の目は期待でギラギラと輝く。
「お……おおぉぉぉーー……!」
悠人はさらに露天風呂へと近付くと遂にそれを目撃する……!
「こ……これは……!」
悠人が湯けむりの向こうに見たのは、ゆっくりと肩まで湯に浸かる老人たちの姿……。
誰もがタオルを頭に乗せ、目を細めながら、まるで長年の疲れを溶かすように静かに息を吐いていた。
なんと露天風呂にいたのは修学旅行に来ていた女子ではなく老人の男性たちだった……!
「ふぅぅ~……、この温泉が膝に効くわい……」
「ワシは腰じゃ……、ここの温泉がじんわりと染みるのぉ……」
「ウチのバアさんはどこかのぉ~……」
「あんたんとこの連れは去年亡くなったじゃろ……」
そんな会話が、湯の音に混ざって聞こえてくる。
肌はしわが寄り、髪は白く、でもその表情はどこか子どもみたいに嬉しそうだった。
「ジジイたちじゃねぇかーーっ!!」
悠人の絶叫が、静かな露天風呂に響き渡った!
その声に老人たちが振り向く!
「なんじゃお前は!盗撮か!?」
「若いもんは礼儀を知らんのぉ!」
悠人、パニックで後ずさりしながら辺りを見渡すとなぜか高藤の姿がない……!
「……えっ!? 高藤!? おいっ、どこ行ったんだよっ!?」
「この無礼者を捕まえて折檻せねばならんのぉ……!」
「ジジイだと思って甘く見たら痛い目みるぞい……!」
「う……うわぁぁぁぁーーー……っ!?」
その後悠人は老人たちにあっという間に取り押さえられ、先生たちへと突き出された……。
その後悠人は渡辺先生と別の先生から説教を受けていた……。
そして、高藤は悠人の横を何食わぬ顔で風呂上がりなのか、フルーツ牛乳を片手に廊下を歩いていた。
「やはり風呂上がりは、これに限るな……」
彼の顔には、どこまでも涼しい笑みが浮かんでいたのだった。
亜希と一緒にみんなの元へ戻った僕を待っていたのは、渡辺先生の説教だった。
「す……すみません……」
「ごめんなさい……」
先生は腰に手を当てて勝手な行動をしたらみんなに迷惑が科かかる……とか、もし迷子にでもなったら……とか正論を言っているのだけど、亜希と仲直りをした僕はニヤけそうになるのを必死にこらえて、なんとか真面目な顔を保つ。
でも、ふと亜希と目が合うと、思わず僕たちは笑みがこぼれそうになる。
「御堂君!風原さんっ!ちゃんと聞いているのですかっ!?」
「は……はい……!聞いています……!」
「すみませんでした……!」
これが災いし、僕と亜希はしばらくみっちりと怒られたのだった……。
◆◆◆
水族館を出ると、もうすでに日が傾いていた……。
そしてバスはいよいよ僕たちが泊まる事になっているホテル「トアールリゾートホテル」へと到着する。
ホテルは白を基調とした外観で、周囲にはヤシの木が並んでいた。
夕日に照らされたその景色は、どこか南国の絵葉書みたいだった。
バスから降りると海が近くにあるせいか、潮の香りと花の香が混ざったような空気が僕たちを包み込む。
ホテルへと入ると、エントランスホールには琉球ガラスで作られたオブジェが置かれている。
さらに吹き抜けのロビーには、シーグラス風の照明がゆらゆらと揺れていた。
その幻想的な光に、僕たち2年生は思わず感嘆の声を漏らす。
「みなさん、ここで部屋の鍵をもらいます!部屋に入ってからお風呂に入ってその後夕食となります!そなあとは消灯時間までは自由行動ですが、消灯時間までには各自部屋に戻るようにしてください!あと、くれぐれも言っておきますが部屋は男女別です!消灯時間を過ぎて男子は女子の部屋に、女子は男子の部屋に行かないようしてくださいっ!」
僕たちは渡辺先生の説明を受けたあと部屋の鍵をもらうと各自部屋へと向かう。
部屋の中には二段ベッドが両端に置かれており、部屋の真ん中にはちゃぶ台とポット、それにお茶のティーパックが置かれていた。
部屋は三人一組で、僕と悠人、それに高藤の三人が同じ部屋となり、一方の亜希は柊さんと早乙女さんと同じ部屋のようだ。
とりあえず……、先にお風呂って言ってたから入るとしようかな……。
僕は自分の荷物から下着やパジャマ代わりの半袖や短パンを出そうとすると高藤が不適な笑みを浮かべた。
「ふふふ……御堂、真壁……。この俺が、お前たちに極秘情報を授けてやろう」
高藤が不敵な笑みを浮かべながら、声を低くして言った。
「極秘の情報……?」
高藤の言葉に僕は思わず身構える……。
なんだろう、高藤が言うとろくでもないような気がする……。
「なんだその情報って、もったいぶらずに言えよ高藤」
「まあ、落ち着け真壁……、俺の極秘情報……それは……」
「それは……?」
高藤の言葉に僕と悠人は思わずゴクリと息を呑む……。
「女湯を覗ける、秘密スポットだ!」
その一言に、僕と悠人は衝撃を受けた!
「な……!」
な……なんだってぇぇぇーーーー……っ!?
「マジかよ高藤……っ!?教えろ!それはどこだ高藤……!」
驚愕する僕とは対照的に悠人は興奮していた!
「ふふふふ……、落ち着け真壁……それはこの地図に示してあるっ!」
高藤は懐から紙を取り出すと、僕と悠人へと手渡す。
その紙はこのホテルの館内マップで、どうやって調べ上げたのかは分からないけど、女性用の露天風呂を覗けるスポットが記されていた。
「高藤!お前マジ神だぜっ!これで柊や早乙女たち女子の入浴シーンがのぞき放題だ……!」
僕は複雑な気持ちだった。
亜希にバレたらと思うと気が進まないし、何より——
他の男に亜希のお風呂姿を見られるなんて、絶対に嫌だった。
「ふふふふ……真壁、喜んでくれて何よりだ……。御堂、お前はどうする?」
「僕は止めておくよ……」
「け……!彼女持ちの余裕ってやつかっ!?来ないのなら来ないでいいが、その代わり感想とか教えてやらねえからなっ!」
悠人はそう言うと高藤と共に部屋を出ていく。
……この紙どうしようかな。
迷った結果、僕はこの紙を渡辺先生へと渡すことにした。
「先生、いいですか?」
部屋を出て少し歩くと丁度渡辺先生の姿を見つけた。
「あら……?とうしましたか、御堂君……?」
「あの……高藤が女子達のお風呂を覗こうとしているみたいなんです」
僕は先生に高藤が準備した紙を渡すと先生は笑い声をあげた。
「あはははは……!バカだね高藤君は……!女子は大浴場の方で、露天風呂は、老人会の方々が使うみたいですよ」
先生はあっけらかんと笑いながらそう言った。
「へ……?」
先生の言葉に僕は呆気にとられる。
「でも、御堂君は誠実なんですね、だから風原さんは御堂君が好きなんでしょうね」
「え……?な……!」
僕の顔は、みるみるうちに真っ赤になった。
「それでは、私はこれで……」
先生はそれだけ言うと、くすっと笑って去っていった。
~サイドストーリー~
部屋を抜け出した高藤と悠人は、地図を片手にこっそりと露天風呂へと向かっていた。
その足取りは、さながら宝探しに向かうかのように軽い。
「真壁……この先が例のポイントだ……」
「マジか……!俺……、今人生で一番テンション上がってるかも……!」
悠人は目をギラつかせながら、拳を握りしめた。
目的の露天風呂が近付くにつれ、高藤は不適な笑みを浮かべ、悠人はニヤニヤとしたイヤらしい笑みを浮かべる……。
そして、辿り着いた露天風呂……!
湯気が立ち込める露天風呂の向こうに、確かに人影が見えた。
その姿に、悠人の目は期待でギラギラと輝く。
「お……おおぉぉぉーー……!」
悠人はさらに露天風呂へと近付くと遂にそれを目撃する……!
「こ……これは……!」
悠人が湯けむりの向こうに見たのは、ゆっくりと肩まで湯に浸かる老人たちの姿……。
誰もがタオルを頭に乗せ、目を細めながら、まるで長年の疲れを溶かすように静かに息を吐いていた。
なんと露天風呂にいたのは修学旅行に来ていた女子ではなく老人の男性たちだった……!
「ふぅぅ~……、この温泉が膝に効くわい……」
「ワシは腰じゃ……、ここの温泉がじんわりと染みるのぉ……」
「ウチのバアさんはどこかのぉ~……」
「あんたんとこの連れは去年亡くなったじゃろ……」
そんな会話が、湯の音に混ざって聞こえてくる。
肌はしわが寄り、髪は白く、でもその表情はどこか子どもみたいに嬉しそうだった。
「ジジイたちじゃねぇかーーっ!!」
悠人の絶叫が、静かな露天風呂に響き渡った!
その声に老人たちが振り向く!
「なんじゃお前は!盗撮か!?」
「若いもんは礼儀を知らんのぉ!」
悠人、パニックで後ずさりしながら辺りを見渡すとなぜか高藤の姿がない……!
「……えっ!? 高藤!? おいっ、どこ行ったんだよっ!?」
「この無礼者を捕まえて折檻せねばならんのぉ……!」
「ジジイだと思って甘く見たら痛い目みるぞい……!」
「う……うわぁぁぁぁーーー……っ!?」
その後悠人は老人たちにあっという間に取り押さえられ、先生たちへと突き出された……。
その後悠人は渡辺先生と別の先生から説教を受けていた……。
そして、高藤は悠人の横を何食わぬ顔で風呂上がりなのか、フルーツ牛乳を片手に廊下を歩いていた。
「やはり風呂上がりは、これに限るな……」
彼の顔には、どこまでも涼しい笑みが浮かんでいたのだった。
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