罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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澪の章 寡黙なクラス委員長

提示された澪ポイント

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 4時限目のチャイムが鳴り、授業で使ったタブレットを机にしまって弁当を取り出すと、柊さんがやって来た。
 彼女は手に弁当箱を抱えている。

「御堂君……、お昼一緒に食べない……?」

「うん、いいよ。なら中庭に行こうか」

 僕は席から立ち上がろうとすると突然亜希が声を上げる。

「待って……!私も行くわ……!」

 亜希は机を叩くと勢いよく立ち上がる。
 ……亜希は何をそんなにムキになってるんだろう?

「僕はいいけど……柊さんは……?」

「わたしも別に構わない……」

「ねえねえ!なんか面白そうだしウチも一緒にいいっ!?」

「うん……、早乙女さんもいいよ……」

 そしてなぜか、早乙女さんまでノリノリで合流してきた。
 まあいいけど……。

 僕は男子たちから嫉妬に満ちた視線を浴びながら3人の女の子と中庭へと向かう。


 ◆◆◆


 僕たちは弁当を抱えて中庭へとやって来る。
 気づけば僕の両隣には、柊さんと亜希がぴったりと座っていた。

 一方の早乙女さんはと言うと、僕の正面へと座ってニヤニヤとした笑みを向けていた。

「あ……あの……なんで僕が二人の挟まれる形で座ってるのかな……?」

「……御堂君はわたしの隣がいいと思って」

「み……御堂君は私の隣がいいわよね……っ!?」

 そしてなぜか柊さんと亜希が火花を散らしている……。

(なんなんだこのプレッシャーは……!)

 僕は二人から謎の圧を感じ取っていた。

「ねえ……、今日のお弁当は御堂君が作ったの……?」

「うん、今日は僕が作ったんだよ」

 今朝は真奈美さんが寝坊したため、あり合わせの材料と昨日の夕飯の残りで僕が作った。

「そう……なら、この唐揚げもらってもいい……?」

「うん、いいよ。でも昨日の夕飯の残りだけどそれでよければ……」

「全然大丈夫……」

 柊さんは僕の弁当箱から唐揚げを一つ取ると口へと運ぶ。

「……おいしい。この唐揚げも御堂君が作ったの?」

「うん、夕飯はいつも僕が作ってるよ」

「本当に御堂君はすごい……。澪ポイント1ポイント進呈……」

 突然僕は澪ポイントなる不思議なポイントを手に入れた。

「み……澪ポイント……?」

 なにそれ……?
 僕は突然出てきた謎のポイントに首を傾げる。

「澪ポイントはわたしの好感度ポイント……。5ポイント溜まるとわたしからの告白イベントが発生する……。10ポイントでわたしが御堂君にプロポーズ……。今御堂君の澪ポイントは4ポイント……、わたしからの告白イベントにリーチ……」

「はあ……っ!?なによそのふざけた設定は……!」

 柊さんの突然の宣言に声や上げたのは亜希だった。

「わたしが御堂君に告白するのはわたしの自由……、それにわたしの告白を受けるかどうかは御堂君の自由……。だから風原さんの許可なんて必要はない……」

「うぐ……そ……それはそうだけど……」

 柊さんの言葉に気圧された亜希は言い淀むと僕をジロっと睨む。

 いや……、僕を睨まれても困るんだけど……。

「いやぁ~、それにしても御堂君モテモテだねぇ~、今のお気持ちを一言!」

 その様子を黙って様子を見ていた早乙女さんが箸の持ち手の辺りをマイク代わりにして僕へと向けてくる。

「いや……お気持ちって言われても……」

 三角関係のど真ん中に勝手に放り込まれてるのになんて答えろと……?

 でも……もし仮に柊さんに告白されたら……?
 それを想像すると胸がドキドキと高鳴っている僕がいるのもまた事実だった。

「それより御堂君……、さっきもらった唐揚げのお礼……」

 柊さんは自分の弁当箱から唐揚げを箸で摘むと僕へと差し出す。

「いいの……?」

「うん……、これわたしが作ったやつ……。御堂君に食べてほしい……」

「それじゃあ、遠慮なくもらうね」

 僕は柊さんから差し出された唐揚げを受け取るべく弁当箱を出そうとすると、なぜか柊さんは僕の口元へと唐揚げを差し出す。

 え……?これってもしかして……。

「御堂君……はい、あ~ん……」

 ……やっぱりーーーっ!

「い……いや……、流石にそれは恥ずかしいっていうか……」

「はい……、あ~ん……」

 僕はそれをどうにか断ろうとするも柊さんは引くことなく僕の口元へと唐揚げを近づけてくる。

 こ……ここは腹を括るしかないのか……っ!?

 僕が戸惑っているうちに、柊さんの唐揚げがそっと僕の唇に触れた。

「あ……あ~ん……」

 僕は観念して口を開けると柊さんの手によって唐揚げが入れ込まれる。
 口の中へと入った唐揚げを噛むと冷めているのにジューシーな味わいが口の中へと広がる。

「……御堂君どう?」

「うん……!この唐揚げおいしいよ!」

「御堂君の口にあって良かった……」

 柊さんは頬を赤く染めながら少しだけ笑みを浮かべると顔を少し俯かせる。

 その姿に僕は思わずドキッとした。

「み……御堂君……!私の唐揚げもあるわよ……!」

「え……?いや……、それ昨日僕が揚げたやつ……」

「ぐぬぬぬぬ……!」

 亜希が差し出してきた唐揚げを僕は断ると亜希は悔しそうにその唐揚げを自分の口へと放り込む。

「あはは……、亜希ドンマイ……」

 その様子に早乙女さんは苦笑しながら箸を動かし、柊さんは無表情のまま、じっと僕を見つめていた。
 ……その視線の奥に、何を思っていたのかは分からないけれど。
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