罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長

恋と匂いとびしょ濡れと……

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 今日は雑用ばかりで、蛍光灯の交換に花壇の水やり、それから簡単な書類作成といった軽作業が中心だった。

「それじゃあ彼方、まずは蛍光灯の交換から済ませよう」

「はい!」

 校舎裏の倉庫にしまってある脚立を持とうとする柚葉先輩を制すると、僕が左手で脚立を抱え、先輩が蛍光灯を持つ形で校舎内を歩く。

「彼方、脚立を持ってもらってすまない……」

「このくらい大丈夫ですよ。それに、最初に会った時、柚葉先輩、脚立を持とうとしてフラフラしてたじゃないですか」

 僕は申し訳なさそうな顔をする先輩に苦笑すると、彼女は少しムッと様子で頬を膨らませていた。

「し……仕方ないだろ……?ミレイにとってはその脚立は少し重たいんだ……!」

「ていうか、あのときはどうやって運んだんですか?」

「そ、それは……休み休み、ちょっとずつ……」

 僕は柚葉先輩のその様子を思い浮かべると思わず笑みがこぼれそうになる。

「わ……笑わなくてもいいだろうっ!?彼方は時々意地悪だ……!」

「すみません、柚葉先輩」

 拗ねて僕から顔を背けた先輩に、僕は空いていた右手でそっと頭を撫でると、先輩は素直にすり寄ってきた。

「その……さっきは少しムッとしたけど、ミレイの頭を撫でてくれたら許す……」

 顔を赤くする柚葉先輩の頭を何度も撫でながら僕は先輩と並んで歩いていく。


 目的の蛍光灯が切れている場所にたどり着くと、僕は脚立に登って蛍光灯を交換していく。

「彼方、大丈夫か……?」

「はい、このくらい余裕です。……よし、交換終わりました」

 下で脚立を支えながら心配そうな顔を向ける柚葉先輩に僕は笑顔で答えると、交換を終えて僕は脚立を降りた。

「よし、では彼方次に行くぞ」

「はい」

 僕は先輩に交換した蛍光灯を渡すと次の場所を目指す。

 そして蛍光灯の交換が終わると、脚立を校舎裏の倉庫になおし、交換した蛍光灯を廃材置き場に捨てた。

「柚葉先輩、蛍光灯の交換終わりましたね」

「ああ、次は花壇の水やりだ。しかし……、その前に……」

 柚葉先輩はそっと抱きついてきて、顔を赤らめながら僕の胸元に顔を埋めるとそっと息を吸い込んだ。

「柚葉先輩……?」

「彼方、少しこのままでいさせてくれ……。彼方のこの少し汗ばんだ匂いがミレイは好きになってしまったんだ……。ちょっと変かもしれないけど、ミレイはこの匂いが好きなんだ……」

 柚葉先輩は顔を埋め、僕の匂いを嗅いでいく。

 知らない他人や普通に仲のいい友達から僕の匂いが好きだと言われたら勿論ドン引きするけど、柚葉先輩なら別に嫌とは思わない。
 僕はそっと腕を回し、先輩の背中を包み込むように抱きしめた。

「いいですよ、先輩。好きなだけ嗅いでください」

「彼方……、こんなミレイを受け入れてくれてありがとう……」

 柚葉先輩は、さらに顔を赤くしながら僕の匂いを吸い込んでいく。
 少しくすぐったいような気はするけど、僕は先輩をそっと抱きしめながら、頭から香る甘い匂いに包まれていた。  

(……この時間が、ずっと続けばいいのに)

 そう思っていると、柚葉先輩は僕から離れた。

「……彼方、もういいぞ」

「柚葉先輩、もういいんですか?」

「本当はもっと彼方を匂いを嗅いでいたいが、それで時間を無駄に潰してしまっては律に怒られてしまう。ミレイは彼方と付き合ってからだらけてしまったと思われたくないし、また彼方にも迷惑は掛けたくない、だから今はやるべきことをやるんだ。だから今は、やるべきことをやろう。……行こう、彼方」

「はいっ!」

 僕は柚葉先輩の言葉に頷くと、手を繋いで花壇の水やりに向かった。


 ◆◆◆


 花壇に着いた僕は、ホースを水道口に取り付けた。

「柚葉先輩、水出しますよ!」

「ああ、お願い!」

 前の方でホースの先端を持っていた柚葉先輩に声をかけてから僕は水道の栓を開いた。
 すると……。

「ぬわぁ……っ!?」

「柚葉先輩っ!?」

 突然柚葉先輩の声が聞こえたため、僕は慌てて先輩の方へと駆け寄ると、ホースが突然暴れ出したのか水が跳ね上がって柚葉先輩は全身びしょ濡れになっていた。

 しかも、半袖の濡れたシャツが肌に張り付き、うっすらと下着の色が透けて見えていた。

「……彼方、見たな?」

 思わず僕は柚葉先輩の下着を見ていると、先輩は腕で胸元を隠しながらジト目で僕を睨んでくる。

「えっと……ちょっとだけ……」

「彼方のエッチ!」

 少しと言いながら本当はしっかりとシャツの下に黄色いものが見えたわけだけど……。
 僕はそこは触れずに答えると、柚葉先輩は顔を赤くしながら頬を膨らませて背を向けてしまう。

 背を向けて頬を膨らませる先輩の姿がなんだか妙に可愛くて、僕は思わず笑ってしまった。
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