ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

文字の大きさ
12 / 80

第012話(栄養摂取?!)

しおりを挟む
 大きなガラス扉をくぐると、そこは大きな広場になっており、昔の商業施設だったのか、ガラス張りの店が円形にすらりと並んでいた。
 しかし、店には何も並んでないというか、マネキンや調度品が薙ぎ倒されていて、誰かに荒らされたように見える。

「この時代の盗賊でも入ったのかな?」
「うーん。御主人様マスターの貧弱な観察力ではそう見えるかもしれないですが、コレはこの拠点閉鎖に伴い慌てて持っていったか、ポメ達が起動する前に、誰かが起動して漁って行ったかのどちらかなのです」
「何で、そう断言できる?」
「昇降機や今まで歩いてきた道などで、セキュリティシステムが正常稼働している事と、店の扉や鍵が破壊された跡がない事から、侵入者が荒らしたという線は消えるです」
 そう言いながら、ポメは一つの店の傍に行き、ガラスの扉の前に立つ。するとピッという音がして、ガラスの扉がスライドする。

「このように入口で認証されないとドアが開かないのです」
「なるほど」
「しかし、本当に何もないのです」
 僕の方を振り向きながら説明し、店の中を見渡して、どういうする僕をヨソに、店内を見渡す。

「とりあえず、こっちなのです」
 何もなくなった店に興味も持たず、ポメはスタスタと歩いていき、やがて広場の端の方のガラス扉ではなく金属製の扉の前に行き、扉を開ける。扉の先は広場に出る前に通ってきたような金属の壁の道で、道幅は広く、所々にカートや、運搬用のケースなどが放置されていた。

 ポメは特に気にする様子もなく、スタスタと先に進む。そして、しばらく歩いた先の扉の前で止まる。扉の上のプレートには『Canteen』と記されている。

「施設で働く人用の食堂です。ここならば、自動で食事が出てくるはずなので、機能が生きていれば、食事を取れるです」
 ピッと認証処理が済むとドアが開き、ポメと一緒に入っていく。食堂は広くて、200人位は同時に食事が取れそうなスペースが有る。そして、壁側にはおそらく食事が出てくるであろう開閉式の窓と、その横には操作盤が幾つも設置されている。
 操作盤の前に立つと、操作盤に光が灯り、メニューが出てくる。幸い文字が読めるものの、固有の料理名となると、何が書いてあって、どういうものになるのかは理解できない。一応小さい写真がついていたので、鶏肉を焼いたような料理のボタンを押して見る。

 すると、画面が数字表示に切り替わり、数字が減っていく。180と記された数字が1秒毎に減っていく。3分かかるという事らしい。カップラーメンみたいだな。

 数字を見ながら待っていると、数字が0になり、操作盤の隣の窓が開き、トレイに載って美味しそうな匂いがする鳥のステーキが出てくる。初めて嗅ぐような匂いだが、美味しそうな匂いと見た目だ。

 僕はトレイを持って、席につくと食事を始めようとする。

「あれ?ポメは食べないの?」
「あ、うん。ポメは大丈夫なのです」
 斜め上を見ながら、僕の視線をそらしながらポメが答える。なにか後ろめたいことがありそうだ。

「だってお腹空いているだろ?」
「お子様の御主人様マスターが気にすることはないのです!ポメは高性能アンドロイドなので平気なのです!」
 ポメが強く否定する。まぁ、いらないと言っているものを無理に食べさせてもね。そう言って僕は鶏肉っぽいものをナイフとフォークで切り分けると口に運ぶ。初めて嗅ぐ匂いだが、食欲をそそられる匂いに期待した俺が口に入れる。

「うぐっ!」
 俺はその食感と味に吐き出しそうになる。ナイフ切った時は、まるで野性味の強い鳥を切り分けるような強い弾力があったのだが、口に入れて噛んでみるとニチャァという食感になり、あれだけ良かった香りが、全く味に反映されておらず、味はただの小麦粉を固めたような味がベースで、さらに何の調和もなく甘み、酸味、苦味、辛味、塩味が無差別に混ざっている味だった。
 まるで小麦粉を水で伸ばして中途半端に火を入れて、中身が半生の状態の塊に、サプリをカプセルに入れず直接振り掛けたものを食っているようだ。

「栄養価については問題ないです。消化にも良い食べ物ですので安心して完食するです!」
 ポメが斜め上を見ながら、完食するように指示する。俺は何とも言えない苦虫を噛み潰したような顔でポメを見るが、ポメは一向に視線を合わせようとしない。コイツわかっててやってるという事が明確にわかる仕草だ。

「ポメに悪気はないです。確実に栄養になるものが出てくるのは、この施設の中でもココだけです。生きるためには栄養が必要なのです!」
「いや、それはそうなんだけどさ……この味と食感はやばいよ」
「栄養効率を突き詰めた結果の食べ物です。うだうだ言っていないで完食するです!」
 確かに腹には貯まるし、半分液体のような状態なので喉の通りはそんなに悪くないけど、この味と食感は吐きそうで仕方ない。
 せめてもと汁物に手をつけて流し込むが……

「プロテインかこれ?」
 見た目は透き通ったすまし汁なんだが、口の中に入れると妙にドロドロした食感になる。以前罰ゲームで飲まされたお湯で溶いたプロテインのような食感と味だ。

「じゃぁコレも……」
 箸休めになるであろう漬物らしきものも、口に入れるとニチャァという食感に早変わりする。

 腹が空いていた俺は、他に食べ物はないと断言されたので、仕方無しに拷問のような食事を進める。確かになんとか食える味なのだが、進んで食べようとは全く思わない味だ。

 時間を掛けて何とか食い切った俺は、トレイと皿を返却口に持っていく。返却口にトレイを置くと、置き場のコンベアのような物が動き、奥へ自動で吸い込まれていく。

「さて、食事も無事に終わりましたし、次は寝床の確保です!」
 まだ口の中に気持ち悪さが残るが、元気よく拳を突き上げたポメに、やれやれと言った調子でついていくのだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...