10 / 28
Side Episode 01 グレンの大冒険
第10話(巨躯剛健との様式美)
しおりを挟む
「分からんなぁ……貴様のような奴にオサムネ様が負けるはずがない……っチュー」
部下の中で、頭一つ抜きんでた大柄なものが前に出てくる。
「おぉ、どんぐり傭兵団No3の巨躯剛健のアルゴチュだ!その巨体から繰り出される突撃は、同族どころか、ヤマネコさえ撃退したことがあると言うぞ!!」
オサムネの部下たちから歓声が上がる。
「お前の実力を見させてもらう……っチュー」
そう言うと、俺より二回りはでかいアルゴチュとやらが四つん這いになって、力を溜め始める。
「あーぁ、めんどくせぇなぁ。これ」
俺はとても面倒くさそうにぼやく。
「儀式、様式美ってやつですよ。グレン様」
「アニキ、一発思い知らせてやってください!」
「グレン様の強さを知れば、部下たちは一発で掌を返しますっス」
「グレン……」
俺はやる気なさげにぼやくが、オサムネの部下たちは大盛り上がりになっていて、とても納まりそうにない。
「仕方ねぇなぁ……来いよ、デカブツ」
真正面からの突撃で負かすこともできるが、ここは技で撃退するか……俺はヤレヤレといった感じで身体から力を抜きながら、挑発するように手招きする。
「その油断が命取りになる……っチュー」
そう言うとアルゴチュが力強く地面を蹴り、俺目掛けて猪の様に突進してくる。俺はあくびをしながら、その一撃を横目でチラリと見る。
「猪突猛進撃!!っチュー」
アルゴチュの突進が、俺を捉えようとした瞬間、俺は跳ねるようにバク転しつつ飛び上がる。
「弧月脚!!」
俺の蹴りが突進してくるアルゴチュの鼻先を強く蹴り上げ、上に飛び上がった事で突進をやり過ごす。
ドガガガガガッッッ!!
アルゴチュはそのままバランスを崩して突進の威力そのままに倒れ込み、大きな音を立てる。俺の弧月脚で鼻頭を蹴り上げられ、一瞬で気絶したせいだ。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「わかったか!これがアニキの実力の一部だ!!」
「アニキの足技は最高っス!!」
何が起きたのかわからないのか、オサムネの部下たちは口を半開きにしたまま唖然とした表情を見せると、その部下たちに聞かせるように、オサムネとコジューローが声高に俺を持ち上げる。
「……」
「……」
「……」
「おぉぉぉぉぉぉぉっっっ!アニキっ!アニキっ!グレンのアニキっ!!」
しばらくの静寂の後、その事実を受け入れた部下たちは一斉に大声で俺を称え、その様子を見たオサムネとコジューローが誇らしげに俺に視線を向ける。
こうしてオサムネたちの部下をも取り込み、俺の配下が一気に増加するのだった。
「……っチュー」
誰か、目を回しているアルゴチュを気遣ってやれよ。
そんなすったもんだした後、オサムネのアジトで腰を落ち着けた俺たちだが……
「なんか狭くね?」
「間借りさせてもらっているのに文句とか……よくないですよ、グレン様」
「だってよぉ、フラン姫ともイチャイチャできねぇし」
「なっ!わ、私はそんなっ!!」
「姫のお身体には指一本触れさせぬぞ!!」
「な、こんな調子だからよ」
オサムネの拠点は仮だけあって、整備もされておらず手狭だった。依頼をこなすための前線基地として使っていただけで、居住性など二の次だったからだ。俺とランスロット、フラン姫とジェームズ全員が同じ部屋になってしまっている。
「とりあえず、疲れもとれたから、ここから出るか」
「また、あてもなく旅するんですか?」
「馬鹿野郎っ!!フラン姫との愛の巣になる場所を探しに行くに決まっているだろうがっ!!」
「あ、愛の巣?!」
「○○したり、××したり、△△△するのにいい場所をだな!!」
「○○……××?△△△?!」
俺が発言するたびに、フラン姫が顔を真っ赤にして右往左往する。
「この糞タワケがぁぁぁぁぁっっ!!」
ジェームズのジジイがそんな俺に突撃してくるが、俺は鼻歌を歌いながら、足だけでジェームズの顔を押さえて制する。
「で、何か、いいとこないか、レンスロット?」
「……私に聞かないで下さいよ。土地勘もないのに。ちなみに私はランスロットですからね」
「わ、私も城から出たことがほとんどないから……」
ジジィの相手をしながらランスロットに尋ねるが、わからんらしい。ちなみにフラン姫も同様だ。
「ジジィは……聞くだけ無駄か」
「呪怨がいた為に、使いたくても使えなかった住むのに適した場所なら知っておるが」
「ふんふん。やっぱり知っている訳……知ってんのかいっ!!」
俺は思わずジジィに突っ込みを入れる。
「呪怨を倒したことはまだ知れ渡っていないから、今なら専有できるであろう。ただ……呪怨を倒したとはいえ、ウルヴァリンの住処には近いので、危険には変わりないが……」
「よし、そこに行こう。ウルヴァリンはぶちのめそう!」
「ぶちのめそうって……呪怨の時は偶々うまくいっただけですが」
ランスロットは渋っていたが、俺はジェームズの知っている場所とやらに向かう事を決定したのだった。
部下の中で、頭一つ抜きんでた大柄なものが前に出てくる。
「おぉ、どんぐり傭兵団No3の巨躯剛健のアルゴチュだ!その巨体から繰り出される突撃は、同族どころか、ヤマネコさえ撃退したことがあると言うぞ!!」
オサムネの部下たちから歓声が上がる。
「お前の実力を見させてもらう……っチュー」
そう言うと、俺より二回りはでかいアルゴチュとやらが四つん這いになって、力を溜め始める。
「あーぁ、めんどくせぇなぁ。これ」
俺はとても面倒くさそうにぼやく。
「儀式、様式美ってやつですよ。グレン様」
「アニキ、一発思い知らせてやってください!」
「グレン様の強さを知れば、部下たちは一発で掌を返しますっス」
「グレン……」
俺はやる気なさげにぼやくが、オサムネの部下たちは大盛り上がりになっていて、とても納まりそうにない。
「仕方ねぇなぁ……来いよ、デカブツ」
真正面からの突撃で負かすこともできるが、ここは技で撃退するか……俺はヤレヤレといった感じで身体から力を抜きながら、挑発するように手招きする。
「その油断が命取りになる……っチュー」
そう言うとアルゴチュが力強く地面を蹴り、俺目掛けて猪の様に突進してくる。俺はあくびをしながら、その一撃を横目でチラリと見る。
「猪突猛進撃!!っチュー」
アルゴチュの突進が、俺を捉えようとした瞬間、俺は跳ねるようにバク転しつつ飛び上がる。
「弧月脚!!」
俺の蹴りが突進してくるアルゴチュの鼻先を強く蹴り上げ、上に飛び上がった事で突進をやり過ごす。
ドガガガガガッッッ!!
アルゴチュはそのままバランスを崩して突進の威力そのままに倒れ込み、大きな音を立てる。俺の弧月脚で鼻頭を蹴り上げられ、一瞬で気絶したせいだ。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「わかったか!これがアニキの実力の一部だ!!」
「アニキの足技は最高っス!!」
何が起きたのかわからないのか、オサムネの部下たちは口を半開きにしたまま唖然とした表情を見せると、その部下たちに聞かせるように、オサムネとコジューローが声高に俺を持ち上げる。
「……」
「……」
「……」
「おぉぉぉぉぉぉぉっっっ!アニキっ!アニキっ!グレンのアニキっ!!」
しばらくの静寂の後、その事実を受け入れた部下たちは一斉に大声で俺を称え、その様子を見たオサムネとコジューローが誇らしげに俺に視線を向ける。
こうしてオサムネたちの部下をも取り込み、俺の配下が一気に増加するのだった。
「……っチュー」
誰か、目を回しているアルゴチュを気遣ってやれよ。
そんなすったもんだした後、オサムネのアジトで腰を落ち着けた俺たちだが……
「なんか狭くね?」
「間借りさせてもらっているのに文句とか……よくないですよ、グレン様」
「だってよぉ、フラン姫ともイチャイチャできねぇし」
「なっ!わ、私はそんなっ!!」
「姫のお身体には指一本触れさせぬぞ!!」
「な、こんな調子だからよ」
オサムネの拠点は仮だけあって、整備もされておらず手狭だった。依頼をこなすための前線基地として使っていただけで、居住性など二の次だったからだ。俺とランスロット、フラン姫とジェームズ全員が同じ部屋になってしまっている。
「とりあえず、疲れもとれたから、ここから出るか」
「また、あてもなく旅するんですか?」
「馬鹿野郎っ!!フラン姫との愛の巣になる場所を探しに行くに決まっているだろうがっ!!」
「あ、愛の巣?!」
「○○したり、××したり、△△△するのにいい場所をだな!!」
「○○……××?△△△?!」
俺が発言するたびに、フラン姫が顔を真っ赤にして右往左往する。
「この糞タワケがぁぁぁぁぁっっ!!」
ジェームズのジジイがそんな俺に突撃してくるが、俺は鼻歌を歌いながら、足だけでジェームズの顔を押さえて制する。
「で、何か、いいとこないか、レンスロット?」
「……私に聞かないで下さいよ。土地勘もないのに。ちなみに私はランスロットですからね」
「わ、私も城から出たことがほとんどないから……」
ジジィの相手をしながらランスロットに尋ねるが、わからんらしい。ちなみにフラン姫も同様だ。
「ジジィは……聞くだけ無駄か」
「呪怨がいた為に、使いたくても使えなかった住むのに適した場所なら知っておるが」
「ふんふん。やっぱり知っている訳……知ってんのかいっ!!」
俺は思わずジジィに突っ込みを入れる。
「呪怨を倒したことはまだ知れ渡っていないから、今なら専有できるであろう。ただ……呪怨を倒したとはいえ、ウルヴァリンの住処には近いので、危険には変わりないが……」
「よし、そこに行こう。ウルヴァリンはぶちのめそう!」
「ぶちのめそうって……呪怨の時は偶々うまくいっただけですが」
ランスロットは渋っていたが、俺はジェームズの知っている場所とやらに向かう事を決定したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる