体育教師の躾と訓練

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裸祭の夜

エピローグ~それぞれの帰路

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純一は、頬を赤らめながらハンドルを握っている。

いつもはナチュラルに流している髪は、ワックスでツンツンと尖らせたスパンキーヘアとなっている。

朝風呂の後、浜田のたまには別の髪型にしろという言葉に、栗山がセットしたのだ。

運転の時に日差し避けでかけるサングラスも手伝い、ワイルドな純一の新たな魅力を醸し出している。

爽やかな白のポロシャツもにあっている。

しかし、純一は、恥ずかしそうに頬を染め運転している。

身に纏っているのはサングラスとポロシャツのみ、下半身は剥き出しの生まれたままの姿だったからだ。

靴下すら履いていない。

朝になっても浜田は昨夜の純一の失態(仕組まれたものであったが、、、)を許していなかった。

いや、許していなかったわけではない。

浜田は侠気おとこぎのある男で、細かいことは引きずらない。

事実、昨夜、純一に素っ裸の四つん這いのまま山道を登るという罰のシゴキを与え、それに耐えた褒美として思う存分、その尻を抱いてよがらせた後、二人は添い寝した。

そして、朝はスッキリと目覚めた。

が、菊池と栗山が浜田が機嫌良くいることを許さなかった。

「ね、先生、外専だったの?持ててたじゃん」

「外専?」

「外国人好きのことだよ」

そう言って、栗山がスマホの画面を差し出す。

そこに写し出されたのは旅行客とおぼしき外国人達に囲まれた時のものだ。

裸の純一が有無をいわさずターザンのような立派な体格の巨漢からハグされ、頬にキスされた時の様子を写した画像を栗山がスッスとスライドして見せる。

浜田のこめかみが、まるで漫画のようにピキピキと痙攣するのがわかった。

“先生、モてまくりだったよね”

浜田が純一を睨み付ける。

“あれ?お前の前で神輿を担いでたヤツに色気をこいてたんじゃなかったのか?ピタピタ背中にくっついてたじゃん”

菊池の言葉に、純一はあわてて首を振り否定するが、栗山がその言葉にのる。。

“あぁ、あの前で担いでいたガタイの良いイケオジか、、、カッコ良かったもんね。あの裸を前にしたら、勃起もするよね。だから褌がハズレたんだ”

先頭近くで神輿を担いでいた浜田はその場の光景を知らない。

遣り場のない怒りが純一に向く。。

が、本来、それは怒りではなく、嫉妬に基づく感情だ。

教師を独り占めしたい。

他の男に少しでも惹かれるのは許せない。

いつの間にか、純一が生徒である浜田に絡めとられているように、浜田もまた、教師である純一の存在に絡めとられていた。

が、浜田はまだ、その感情に気付いていない。

単に、教師が犯した失態(それは仕組まれたものであったが)に腹を立てていると思っている。

旅館を出発する時、純一に他の宿泊客が話しかけた。

“良い身体をしているね。なにかスポーツをやっているの?”

“サッカーをやってます”

“しっかりと鍛えているね、、、”

何気ない会話。

取り立てて気にするほどのことでもない会話。

その宿泊客は口ひげを生やした30過ぎくらいのがっしりとゴツい体型の男だった。

その光景を見た瞬間、昨日、裸祭に参加したガタイの良い男を純一が見つめていたことを思い出す。

純一が、初めてオナニーをした時の労働者を思い出している時だ。

そして、浜田のなかに言われない教師への怒りが湧く。

嫉妬。

そして、車に乗り込むとすぐ、純一に向けて言った。

「てめぇ、さっき、ヒゲのオッサンに色目使ってたろ」

もちろん純一は、否定する。

が、聞き入れられない。

「ざけんなよ、お前の淫乱ぶりは分かってるんだよ。罰だ。脱げっ!」

純一は、驚く。

裸で運転なんか出来ないと言う。

「じゃ、下だけ脱げっ!てめぇを素っ裸にひんむいて、車の外に放り出しても良いんだせ。四つん這いで帰るか?昨日みたいに、、、」

純一は、観念して、ズボンを脱ぎ、褌を外す。

それを浜田が受けとる。

そして、二人を乗せた車は出発した。

菊池は一足先にツーリングにでかけ、栗山は昨夜見つけた相手が旅館まで迎えに来ると一人ロビーに残っている。

「なに半勃起してるんだよ、、、」

助手席に座る浜田が純一に聞く。

「下半身だけ裸だとスースーして、シートが尻に直に当たって変な感じなんだよ、、、」

純一が恥ずかしそうに言う。

浜田は珍しく嬉しそうに笑った。

下半身を露出した教師は、一人で車を降りることは出来ない。

俺だけのものだ、、、

そんな満足感を自覚せずに生徒は感じている。

ピロン

ナビアプリを起動している純一のスマホにSNSのメッセージが届いたと表示される。

POPには“AKIRA⭐”と差出人が表示されている。

頭の一行だけ表示されている本文には“お久しぶりです”と書かれている。

「誰からのメッセージだ?」

「輝っていう大学の後輩だよ。教職課程についていて、色々と聞いてくるんだ」

「ほう」

下半身を剥き出しにして運転している教師に満足したのか、生徒はそれ以上聞いては来なかった。

そのメッセージは飲み会の誘いだった。

純一が酔い潰れ、落書きをされ、その結果、自分の知らない教師の友人達への嫉妬心に燃え上がった浜田が、常軌を逸した執着から教師へ絶対服従の仕打ちを始める切っ掛けとなる飲み会への誘い。

ここで、浜田が嫉妬心からメッセージを確認し、行ってはならないと命じていたら、これから純一を襲う苦難の道は変わっていたかもしれない。

だが、機嫌の良い生徒とそれに安堵している教師の乗った車は、まっすぐに道を進んでいく。

                            *

午後早く、帰路のバスに乗り込み、シートに座るとすぐに和彦は背もたれに身体を預けた。

ボロボロに疲れきっている。

顔に精気がない。

昨夜から朝方にかけて、揉まれまくった陰茎がジンジンと痛む。

そして、脚を下手に動かすと睾丸に痛みが走る。

身も心もズダボロだ。

何も考えたくない。

目をつぶる。

横に竜之介が座る。

「カズ先生、疲れたろ。肩に持たれて良いぜ」

和彦は素直に従い、竜之介の肩に頭を預け、目をつぶる。

そして、バスが動き出すとすぐに寝息をたて始める。

竜之介は満足そうに筋肉に覆われた和彦の寝顔を見下ろす。

くっ、、、可愛いヤツだぜ、、、

そっと和彦のぶっとい太股に手を置く。

堅い筋肉の感触。

お前は俺のものだぜ、、、

竜之介は思う。

昨夜、竜之介の全く思わぬ方向に祭は進んだ。

フマラ様などというふざけた敬称で奉られ、神輿のように境内に連れ出された。

一晩中、身体を上げ下げされ、局部を揉まれ、最後の方は半分失神したようになっていた。

夜半過ぎ、御神体の投下し盛り上りをみせた後、ようやく喧騒が静まっていき、半分白目を剥いた教師を助けだし、オブって帰った。

そして、トロロを局部に塗りたがる梶山を制し、二人で寝たのだ。

竜之介はそっと頬を教師の髪にあてる。

“俺、テレビ局のクルーの人と連絡交換したぜ。こんど、あのアナウンサーを呼んで、昨日の映像の鑑賞会するから来いって言われたんだ。なんか、すごいタカピーなヤツらしくて、スタッフがお仕置きをしてやるって言ってた”

“ほー”

“あれ?悔しくないの?”

“おれには、警備会社の人のアドレスがあるからね”

“え?いつの間にゲットしたの?”

“教えない~”

他の参加者達もそれぞれに言い思いをしたようだ。

「あれぇっ?」

交差点でバスが停まったとき、梶山がすっとんきょうな声をあげた。

窓の外を見下ろしている。

「どうした?」

隣の結城が聞く。

梶山が振り返りこたえる。

「隣の車のイケメンドライバー、チンポコ出して運転してる」

「え?」

結城は身を乗り出し窓の外を見る。

「なんだよ。履いてるじゃん、、、」

「あれ?おかしいな、見間違いかな」

「スケベ脳だからだろ」

「それは結城も同じじゃん」

                          *

純一の心臓はまだバクバクしていた。

交差点での信号待ち。

普通の車であれば横に停まっても下半身は見られない。

が、その交差点で停まったのは大型バスだった。

ヤバい、見られる?

見上げると高校生くらいの若者が車内を見下ろして目を丸くしている。

み、見られたっ!

心臓がぎゅっと縮む。

その時、浜田が無造作に薄手のサマーセーターを純一の股間から膝の上に無造作に広げた。

これで、大型バスからの視線は誤魔化せる。

信号が青にかわる。

大型バスが発進する。

純一達の車は少し遅れる。

大型バスの後部座席の窓よりには和彦が座っている。

かつて、怪我のため選手生命を断たれ絶望していた時に、知人に紹介された青年体育教師 来生純一の話を聞き、教職につくという希望を持った杉山和彦。

それ以来、和彦は純一を先輩として尊敬し、純一は和彦を後輩として可愛がった。

その先輩後輩がほんの僅かな距離ですれ違う。

互いに気付かない。

その2人の青年体育教師が素っ裸の情けない格好で、顔を付き合わせることになるまで、あともう少し。













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