20 / 86
補習授業~和彦
下級生
しおりを挟む
「夜の補習ってなんだろうな」
「天体観測じゃないか?」
「あ、そっか。理科って言ってたね」
「蝉の羽化とか、生き物の夜の生態かもよ」
「特別補習の案内が来た時、マジかよ、、、ッて思ったけど、受けて良かった」
「さっきのステーキ、美味しかったぁ」
二人の下級生が話ながら寄宿舎から校舎に続く渡り廊下を歩いている。
もう暗い。
夏休み。
1学期の成績優秀者3名の家族に宛てて夏休みの特別補習の案内が届いた。
成績優秀者に対し、無料で特別なカリキュラムを組むと言う。
一人は、家族旅行の予定があると辞退した。
その生徒は、せっかくの夏休みに勉強なんてやだよ、お前達、大変だな、、、と言い、実家へ帰って行った。
補習授業の最初の日、生徒の一人、日高は胸を高鳴らせた。
生徒会長の藤崎がその場に居たのだ。
憧れの藤崎竜之介。
下級生の立場では遠くに見ることしか出来ない存在。
その彼が、その場に居て、日高の名前も覚えてくれていた。
補習授業は、藤崎がリーダーとして計画し、すべての特別授業に加わってくれるらしい。
日高は舞い上がる。
藤崎さんと一緒に居られる!
教科書を使わず、楽しく学ぶというのがコンセプトだった。
例えば、古文などお堅い文章ではなく、ちょっとエロティックな滑稽話を教材に使う。
昔の人たちの猥談に笑いながら古語を知る仕掛けだ。
理数系のメインの講師は化学の榎木だった。
これに喜んだのは後藤だ。
「榎木先生、マジ、カッコいいよな~」
日高に言うと、決まって日高は答える。
「竜之介先輩には叶わないよ。でも、お前、杉山先生も好きって言ってなかったっけ?」
「うん。杉山先生は可愛いな。裸で校庭を走ってた時にはビックリしちゃった」
「お前、杉山先生が裸で走ってる姿、スマホで撮ったんじゃない?」
「そんなことしてないよ~」
実際は、驚いてスマホを用意する余裕がなかったのだけれど、他の生徒が撮った画像を送ってもらって、そっと見ていた。
解りやすく楽しい特別授業の合間には、和彦による身体を動かす時間、ストレッチを主として身体の筋や筋肉の動きを確認しつつ身体を動かす時間が設けられている。
それも後藤には嬉しい。
「確かに、榎木先生も杉山先生も、タイプは違うマッチョだもんな。榎木先生はドデカくて、杉山先生は小柄で可愛い感じだな」
数日前の体育館での講義を思い出す。
榎木先生が人体模型を横に、身体の筋肉について解説し、杉山先生が際どい短パン、、、それこそ、裾の隙間からサポーターが見える程の短パン一枚の姿で、鞍馬や吊り輪、床の試技を見せてくれた。
上裸の杉山先生は、それだけで筋肉の塊でカッコいいのに、次々と見せる鮮やかな試技に心を掴まれた。
二人はドキドキしながら、和彦の上半身の、両脚の筋肉の張りと動きを見つめた。
途中から、榎木先生も上半身裸となった。
アマチュアプロレスラーらしく、分厚い身体。
小柄な杉山先生とは対照的だ。
「ほら、俺を倒してみろ、かかってこい」
そう言って、二人の生徒に身体を押させて、身体の軸、重点を教えてくれる。
それを竜之介がニコニコと見ている。
そして、
「優秀な成績と補習を頑張っているご褒美だ。他の生徒には秘密だぞ」
そう言って、寮の食事ではなく、別室で豪華な料理を用意してくれた。
竜之介先輩、榎木先生、杉山先生も一緒に食事を取り、楽しく雑談する。
日高・後藤の二人は天にも舞い上がる気持ちだった。
そして、今夜、最終の補習だと言う。
補習期間最後の夕食は豪華なステーキだった。
「じゃ、補習まで準備で時間があるから、その間、風呂に入っていてくれ。補習は校舎で行う。もう門限時間外だから、気付かれないようにそっと来てくれ。あと、風呂で、キチンと身体を洗っておいてくれよ」
藤崎の言葉だ。
二人はその言いつけ通りきちんと身体を洗った。
だから二人の回りには石鹸の爽やかな香りが漂っている。
「よっ!」
校舎の入口に生徒会長が立っていた。
「さ、入れ」
二人は緊張の面持ちで生徒会長に続き、暗い校舎に入る。
竜之介が懐中電灯を点けた。
「明かりを点けて他の生徒が覗きに来たら不味いんだ」
そう言いつつ、暗い廊下を進む。
日高と後藤はピタッと身体をくっつけその後ろを着いていく。
階段を上がり、廊下の突き当たりの実験室、通称、理科室の前に進む。
扉が開く。
赤く暖かい光が廊下に漏れる。
竜之介に続いて室内に入った下級生が驚きの表情を浮かべる。
理科室内には太い蝋燭が何本も立てられ、室内を照らしている。
机の上だけでなく、何本もの枝を持つ燭台も中央の実験台の回りに置かれている。
今夜は、学園長も居て、照らされた中央の実験台のところに座り、優しく微笑んでいる。
榎木先生はいつもの授業と同じ白衣姿だ。
そして、杉山先生も居る。
杉山先生は、なぜか、ガウンを着ている。
揺れる蝋燭の灯りで良くわからないが、下を向き、いつもとは違う暗い表情を浮かべているように見える。
竜之介が二人に実験台のところに着くように促す。
学園長が腰掛けている反対側だ。
台の下に収納されている木製の四角い椅子を2人は取り出し座る。
「では、榎木先生、お願いします」
竜之介が厳かに言う。
榎木先生がいつもの落ち着いた口調で話し出す。
「今回の補習の目的は、正規のカリキュラムでは出来ないことで学ぶのが目的だったよな。最後の補習は、生物学、人体の仕組みについて学んでいこう。これは、性教育も兼ねている。今日は、杉山先生が実地で教材になってくださる。感謝しろよ」
下級生の二人は、まだ状況を飲み込めていない。
榎木先生が手にしたリモコンを操作する。
カシャッとプロジェクターが反応し、前面のスクリーンに文字が浮かぶ。
“男性の肉体の仕組み”
そう大文字で書かれている。
カシャッ
次のスライドに移る。
“カリキュラム1 通常時と興奮時”
そう書かれている。
「では、杉山先生、よろしく」
榎木先生が言う。
杉山先生が前に出る。
うつ向いている顔がひきつっているように下級生には見えた。
目がギュッと瞑られている。
「さ、お願いします」
すると、急に杉山先生が首を振り始める。
訝しげな表情をうかべ榎木先生が言う。
「どうしたんですか?早く、、、」
だが、杉山先生は少し身を屈めてモジモジしている。
「杉山先生、まさか、今さら教材になるのを拒むんですか?男らしくないですよ」
生徒会長の藤崎さんがキツく言う。
「ち、違う、、、拒むんじゃない。少し、時間をくれ、、、ください、、、」
「早くしましょうよ。下級生達を遅い時間まで拘束することは出来ないんですから」
藤崎さんが言い、榎木先生が杉山先生のガウンに手を掛ける。
杉山先生は、観念したような顔になり、ガウンを脱いだ。
!
下級生の目が見開かれる。
杉山先生は全裸だった。
しかも、テカテカと肌を光らせている。
下級生だけではなく、竜之介、榎木、学園長も驚きの表情を浮かべた。
ガウンを脱ぎ捨てた杉山先生、新任体育教師・杉山和彦は全裸だというのに股間の逸物が見えなかった。
いや、隠すように太股で挟み込んでいた。
だから、股間にはふっさりと生え繁った三角の毫毛のみが見えた。
が、次の瞬間、戒めを自ら解くように勢い良く和彦の分身である巨根が太股の拘束を逃れ、高らかにブルンと跳ね上がった。
新人体育教師・杉山和彦は、“通常時と興奮時”というカリキュラムだというのに、すでに通常ではなく、興奮状態になっていた。
和彦の少年っぽい凛々しい顔が赤く染まり、己への恥ずかしさで歪む。
「天体観測じゃないか?」
「あ、そっか。理科って言ってたね」
「蝉の羽化とか、生き物の夜の生態かもよ」
「特別補習の案内が来た時、マジかよ、、、ッて思ったけど、受けて良かった」
「さっきのステーキ、美味しかったぁ」
二人の下級生が話ながら寄宿舎から校舎に続く渡り廊下を歩いている。
もう暗い。
夏休み。
1学期の成績優秀者3名の家族に宛てて夏休みの特別補習の案内が届いた。
成績優秀者に対し、無料で特別なカリキュラムを組むと言う。
一人は、家族旅行の予定があると辞退した。
その生徒は、せっかくの夏休みに勉強なんてやだよ、お前達、大変だな、、、と言い、実家へ帰って行った。
補習授業の最初の日、生徒の一人、日高は胸を高鳴らせた。
生徒会長の藤崎がその場に居たのだ。
憧れの藤崎竜之介。
下級生の立場では遠くに見ることしか出来ない存在。
その彼が、その場に居て、日高の名前も覚えてくれていた。
補習授業は、藤崎がリーダーとして計画し、すべての特別授業に加わってくれるらしい。
日高は舞い上がる。
藤崎さんと一緒に居られる!
教科書を使わず、楽しく学ぶというのがコンセプトだった。
例えば、古文などお堅い文章ではなく、ちょっとエロティックな滑稽話を教材に使う。
昔の人たちの猥談に笑いながら古語を知る仕掛けだ。
理数系のメインの講師は化学の榎木だった。
これに喜んだのは後藤だ。
「榎木先生、マジ、カッコいいよな~」
日高に言うと、決まって日高は答える。
「竜之介先輩には叶わないよ。でも、お前、杉山先生も好きって言ってなかったっけ?」
「うん。杉山先生は可愛いな。裸で校庭を走ってた時にはビックリしちゃった」
「お前、杉山先生が裸で走ってる姿、スマホで撮ったんじゃない?」
「そんなことしてないよ~」
実際は、驚いてスマホを用意する余裕がなかったのだけれど、他の生徒が撮った画像を送ってもらって、そっと見ていた。
解りやすく楽しい特別授業の合間には、和彦による身体を動かす時間、ストレッチを主として身体の筋や筋肉の動きを確認しつつ身体を動かす時間が設けられている。
それも後藤には嬉しい。
「確かに、榎木先生も杉山先生も、タイプは違うマッチョだもんな。榎木先生はドデカくて、杉山先生は小柄で可愛い感じだな」
数日前の体育館での講義を思い出す。
榎木先生が人体模型を横に、身体の筋肉について解説し、杉山先生が際どい短パン、、、それこそ、裾の隙間からサポーターが見える程の短パン一枚の姿で、鞍馬や吊り輪、床の試技を見せてくれた。
上裸の杉山先生は、それだけで筋肉の塊でカッコいいのに、次々と見せる鮮やかな試技に心を掴まれた。
二人はドキドキしながら、和彦の上半身の、両脚の筋肉の張りと動きを見つめた。
途中から、榎木先生も上半身裸となった。
アマチュアプロレスラーらしく、分厚い身体。
小柄な杉山先生とは対照的だ。
「ほら、俺を倒してみろ、かかってこい」
そう言って、二人の生徒に身体を押させて、身体の軸、重点を教えてくれる。
それを竜之介がニコニコと見ている。
そして、
「優秀な成績と補習を頑張っているご褒美だ。他の生徒には秘密だぞ」
そう言って、寮の食事ではなく、別室で豪華な料理を用意してくれた。
竜之介先輩、榎木先生、杉山先生も一緒に食事を取り、楽しく雑談する。
日高・後藤の二人は天にも舞い上がる気持ちだった。
そして、今夜、最終の補習だと言う。
補習期間最後の夕食は豪華なステーキだった。
「じゃ、補習まで準備で時間があるから、その間、風呂に入っていてくれ。補習は校舎で行う。もう門限時間外だから、気付かれないようにそっと来てくれ。あと、風呂で、キチンと身体を洗っておいてくれよ」
藤崎の言葉だ。
二人はその言いつけ通りきちんと身体を洗った。
だから二人の回りには石鹸の爽やかな香りが漂っている。
「よっ!」
校舎の入口に生徒会長が立っていた。
「さ、入れ」
二人は緊張の面持ちで生徒会長に続き、暗い校舎に入る。
竜之介が懐中電灯を点けた。
「明かりを点けて他の生徒が覗きに来たら不味いんだ」
そう言いつつ、暗い廊下を進む。
日高と後藤はピタッと身体をくっつけその後ろを着いていく。
階段を上がり、廊下の突き当たりの実験室、通称、理科室の前に進む。
扉が開く。
赤く暖かい光が廊下に漏れる。
竜之介に続いて室内に入った下級生が驚きの表情を浮かべる。
理科室内には太い蝋燭が何本も立てられ、室内を照らしている。
机の上だけでなく、何本もの枝を持つ燭台も中央の実験台の回りに置かれている。
今夜は、学園長も居て、照らされた中央の実験台のところに座り、優しく微笑んでいる。
榎木先生はいつもの授業と同じ白衣姿だ。
そして、杉山先生も居る。
杉山先生は、なぜか、ガウンを着ている。
揺れる蝋燭の灯りで良くわからないが、下を向き、いつもとは違う暗い表情を浮かべているように見える。
竜之介が二人に実験台のところに着くように促す。
学園長が腰掛けている反対側だ。
台の下に収納されている木製の四角い椅子を2人は取り出し座る。
「では、榎木先生、お願いします」
竜之介が厳かに言う。
榎木先生がいつもの落ち着いた口調で話し出す。
「今回の補習の目的は、正規のカリキュラムでは出来ないことで学ぶのが目的だったよな。最後の補習は、生物学、人体の仕組みについて学んでいこう。これは、性教育も兼ねている。今日は、杉山先生が実地で教材になってくださる。感謝しろよ」
下級生の二人は、まだ状況を飲み込めていない。
榎木先生が手にしたリモコンを操作する。
カシャッとプロジェクターが反応し、前面のスクリーンに文字が浮かぶ。
“男性の肉体の仕組み”
そう大文字で書かれている。
カシャッ
次のスライドに移る。
“カリキュラム1 通常時と興奮時”
そう書かれている。
「では、杉山先生、よろしく」
榎木先生が言う。
杉山先生が前に出る。
うつ向いている顔がひきつっているように下級生には見えた。
目がギュッと瞑られている。
「さ、お願いします」
すると、急に杉山先生が首を振り始める。
訝しげな表情をうかべ榎木先生が言う。
「どうしたんですか?早く、、、」
だが、杉山先生は少し身を屈めてモジモジしている。
「杉山先生、まさか、今さら教材になるのを拒むんですか?男らしくないですよ」
生徒会長の藤崎さんがキツく言う。
「ち、違う、、、拒むんじゃない。少し、時間をくれ、、、ください、、、」
「早くしましょうよ。下級生達を遅い時間まで拘束することは出来ないんですから」
藤崎さんが言い、榎木先生が杉山先生のガウンに手を掛ける。
杉山先生は、観念したような顔になり、ガウンを脱いだ。
!
下級生の目が見開かれる。
杉山先生は全裸だった。
しかも、テカテカと肌を光らせている。
下級生だけではなく、竜之介、榎木、学園長も驚きの表情を浮かべた。
ガウンを脱ぎ捨てた杉山先生、新任体育教師・杉山和彦は全裸だというのに股間の逸物が見えなかった。
いや、隠すように太股で挟み込んでいた。
だから、股間にはふっさりと生え繁った三角の毫毛のみが見えた。
が、次の瞬間、戒めを自ら解くように勢い良く和彦の分身である巨根が太股の拘束を逃れ、高らかにブルンと跳ね上がった。
新人体育教師・杉山和彦は、“通常時と興奮時”というカリキュラムだというのに、すでに通常ではなく、興奮状態になっていた。
和彦の少年っぽい凛々しい顔が赤く染まり、己への恥ずかしさで歪む。
2
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか
相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。
相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。
ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。
雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。
その結末は、甘美な支配か、それとも——
背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編!
https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる