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CH20 和彫師
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中央に座った男が荒くれ男に向かい、指を振る。
荒くれ男はその動きを見た瞬間、機敏に動き、ウ~ウ~呻く警察官の両手足首を結んだ結束バンドを掴み、まるで荷物、あるいはゴミ袋のように持ち上げ、ステージの外に運ぶ。
バックヤードに繋がっていると思しき目立たないドアを開けるとその向こうに放り投げ、再び、ドアを閉める。
おそらくドアの向こうで警察官は一人でもがき呻いているのだろう。
彼はそんな警察官には興味を示さずに脱ぐ。
まるで風呂場の脱衣場にでも居るような自然な雰囲気で。
スニーカーと靴下を脱ぎ、続いて、ズボン。
白のTシャツと黒のボクサーパンツ姿になる。
客席の注目が集まる。
そして、、、、
は?
え?
なに?
ザワザワと驚きと落胆と疑問の呟きが客席に広がる。
Tシャツを脱ぎ捨てた彼の腹に現れた黒い文字。
警察官の名と“所有”の文字のタトゥーだ。
「興ざめだな、、、」
「名前か?無粋な真似を、、、、」
「濃いめのファウンデーションでなら隠せるか、、、テーピングじゃかえって目立つしな、、、」
「ショーやサーブ程度ならやらせられるが、この子を直接客に提供することはできないな、、、」
落胆の声が漏れる。
彼は、その雰囲気を察知し、ボクサーパンツのゴムに掛けた手を止める。
その時だ。
「お待ちなさい」
その声の主の方を人々が向く気配がする。
「御子柴さん、、、、」
「誰だね?」
「彫り師の方ですよ」
「あぁ、あの和彫りの匠と言われている、、、」
「関町さん、少し彼の肌を近くで拝見してもいいですかな?」
関町と呼ばれた中央に座った男がどうぞと言うように掌を彼の方へ向けた。
ゆっくりと御子柴と呼ばれた彫り師がステージの上に現れる。
小柄な老人だ。
彼のもとに近付くと、皺だらけの掌を肌の上に這わす。
「おぉぉ、、、」
嘆声、、、、
「なんてキメの細かい、、、弾力も張りも申し分ない、、、」
呟きながら彼の肌をゆっくりと撫で回す。
腹、、、胸、、、脇腹、、、腕、、、大腿、、、、
ざらついた熱い彫り師の掌の感触は不快ではなかった。
そして、彫り師は、無言でボクサーパンツに手を掛けると一気に引き下ろす。
だから、彼は全裸となった。
彫り師は鑑定するように彼の竿を玉袋を摘み、撫でる。
続いて背後に回ると彼の尻をなで上げ、背中を首筋に掌を這わす。
?
!
彼の腹に刻まれた漢字の刺青の登場に冷めかけた客席の空気が再び熱くなる。
彼の竿がまるで、股間に飼っている別の生き物ように頭を持ち上げ始めたのだ。
そして、そんな状況下でも彼の表情は変わらない。
平然としている。
彫り師は再び彼の前面に来ると腹の刺青、、、警察官の氏名四文字と“所有”の二文字、計六つの漢字からなる刺青を指で丁寧に何度もなぞった後、振り返って言う。
「関町さん、この肌を私に預けてくださらんか?」
「和彫りの匠のあなたに?気に入りましたか?」
「えぇ、このきめ細やかで滑らかな肌、この骨格であればこの御子柴の傑作をお目にかけることができるでしょう」
「ほう、、、それは、楽しみだ。お任せしますか、、、この子をお客様に提供するにしても作法を教える時間は必要ですから、、、その間にゆっくりと腕をおふるいください、、、」
彫り師が彼をギラギラと燃える目で見る。
彼を前に、創作意欲が高まっているのだろう。
その時、若い男が警察官が放り込まれた扉を開け、出てくる。
手には数枚の紙。
何かがプリントされている。
中位に座った男に渡し、小声で話す。
「ほぅ、、、あの事件の行方不明の息子か、、、で、奴がこの子を拉致した訳か、、、、」
「あの男の顔が様変わりしていて、あの横領と強請りがバレるのを恐れて逃亡した男とは気付きませんでした、、、申し訳ありません、、、こちらのガキの顔は照合したら身元捜索者のリストからすぐに出てきました」
「ほう、誘拐されていたのか、、、警察を呼べとは訴えてこなかったのか?」
「ええ。私たちが部屋に押し入った時には縛られていましたが、それ以前は普通に外出していて逃げようと思えば逃げられた状態のようです」
「なら、警察の保護は求めていないということか、、、」
「ネットで検索しただけの情報ですが、ヒドい家庭環境だったようですし、身内も少ないようです」
「なるほど、、、ならここで飼っても問題なさそうだが、問題はゴメンだ、もう少し調べてくれ」
「かしこまりました」
「身元捜索者リストに載っているのは厄介だな。あの警察官が起こしたとは言え犯罪絡みだ。この子はそうそう人前には出せないということか、、、まぁ、上玉だからそうそう並の客に提供する気もないが、、、」
スッと立ち上がり男の傍らに近付いてきた者がいる。
真紅のスーツを纏ったロン毛だ。
「私に任せていただけませんか?オーナー」
「おう、ルージュ、気に入ったか」
「ええ、仕込み甲斐がありそうです」
「ちょっと待ったっ!」
低い声が割って入る。
近付いてきたのは黒のスーツ、そして、暗がりだというのにサングラスを掛けたガタイのいい男。
「ルージュ、抜け駆けはやめろっ!俺も目を付けていた」
そう言い、椅子に座る男を挟み、ルージュと反対側に立つ。
「ほう、珍しくルージュ、ノワールが同時に気に入るとはな。なかなかの上玉ということか、、、面白い。どちらが採るかは先でいいだろう。ルージュ、ノワール、お前達それぞれの手管を仕込んでやれ」
赤と黒、二人の男は恭しく頭を下げた。
ステージでは、彫り師がまだ、彼の身体を弄っている。
荒くれ男はその動きを見た瞬間、機敏に動き、ウ~ウ~呻く警察官の両手足首を結んだ結束バンドを掴み、まるで荷物、あるいはゴミ袋のように持ち上げ、ステージの外に運ぶ。
バックヤードに繋がっていると思しき目立たないドアを開けるとその向こうに放り投げ、再び、ドアを閉める。
おそらくドアの向こうで警察官は一人でもがき呻いているのだろう。
彼はそんな警察官には興味を示さずに脱ぐ。
まるで風呂場の脱衣場にでも居るような自然な雰囲気で。
スニーカーと靴下を脱ぎ、続いて、ズボン。
白のTシャツと黒のボクサーパンツ姿になる。
客席の注目が集まる。
そして、、、、
は?
え?
なに?
ザワザワと驚きと落胆と疑問の呟きが客席に広がる。
Tシャツを脱ぎ捨てた彼の腹に現れた黒い文字。
警察官の名と“所有”の文字のタトゥーだ。
「興ざめだな、、、」
「名前か?無粋な真似を、、、、」
「濃いめのファウンデーションでなら隠せるか、、、テーピングじゃかえって目立つしな、、、」
「ショーやサーブ程度ならやらせられるが、この子を直接客に提供することはできないな、、、」
落胆の声が漏れる。
彼は、その雰囲気を察知し、ボクサーパンツのゴムに掛けた手を止める。
その時だ。
「お待ちなさい」
その声の主の方を人々が向く気配がする。
「御子柴さん、、、、」
「誰だね?」
「彫り師の方ですよ」
「あぁ、あの和彫りの匠と言われている、、、」
「関町さん、少し彼の肌を近くで拝見してもいいですかな?」
関町と呼ばれた中央に座った男がどうぞと言うように掌を彼の方へ向けた。
ゆっくりと御子柴と呼ばれた彫り師がステージの上に現れる。
小柄な老人だ。
彼のもとに近付くと、皺だらけの掌を肌の上に這わす。
「おぉぉ、、、」
嘆声、、、、
「なんてキメの細かい、、、弾力も張りも申し分ない、、、」
呟きながら彼の肌をゆっくりと撫で回す。
腹、、、胸、、、脇腹、、、腕、、、大腿、、、、
ざらついた熱い彫り師の掌の感触は不快ではなかった。
そして、彫り師は、無言でボクサーパンツに手を掛けると一気に引き下ろす。
だから、彼は全裸となった。
彫り師は鑑定するように彼の竿を玉袋を摘み、撫でる。
続いて背後に回ると彼の尻をなで上げ、背中を首筋に掌を這わす。
?
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彼の腹に刻まれた漢字の刺青の登場に冷めかけた客席の空気が再び熱くなる。
彼の竿がまるで、股間に飼っている別の生き物ように頭を持ち上げ始めたのだ。
そして、そんな状況下でも彼の表情は変わらない。
平然としている。
彫り師は再び彼の前面に来ると腹の刺青、、、警察官の氏名四文字と“所有”の二文字、計六つの漢字からなる刺青を指で丁寧に何度もなぞった後、振り返って言う。
「関町さん、この肌を私に預けてくださらんか?」
「和彫りの匠のあなたに?気に入りましたか?」
「えぇ、このきめ細やかで滑らかな肌、この骨格であればこの御子柴の傑作をお目にかけることができるでしょう」
「ほう、、、それは、楽しみだ。お任せしますか、、、この子をお客様に提供するにしても作法を教える時間は必要ですから、、、その間にゆっくりと腕をおふるいください、、、」
彫り師が彼をギラギラと燃える目で見る。
彼を前に、創作意欲が高まっているのだろう。
その時、若い男が警察官が放り込まれた扉を開け、出てくる。
手には数枚の紙。
何かがプリントされている。
中位に座った男に渡し、小声で話す。
「ほぅ、、、あの事件の行方不明の息子か、、、で、奴がこの子を拉致した訳か、、、、」
「あの男の顔が様変わりしていて、あの横領と強請りがバレるのを恐れて逃亡した男とは気付きませんでした、、、申し訳ありません、、、こちらのガキの顔は照合したら身元捜索者のリストからすぐに出てきました」
「ほう、誘拐されていたのか、、、警察を呼べとは訴えてこなかったのか?」
「ええ。私たちが部屋に押し入った時には縛られていましたが、それ以前は普通に外出していて逃げようと思えば逃げられた状態のようです」
「なら、警察の保護は求めていないということか、、、」
「ネットで検索しただけの情報ですが、ヒドい家庭環境だったようですし、身内も少ないようです」
「なるほど、、、ならここで飼っても問題なさそうだが、問題はゴメンだ、もう少し調べてくれ」
「かしこまりました」
「身元捜索者リストに載っているのは厄介だな。あの警察官が起こしたとは言え犯罪絡みだ。この子はそうそう人前には出せないということか、、、まぁ、上玉だからそうそう並の客に提供する気もないが、、、」
スッと立ち上がり男の傍らに近付いてきた者がいる。
真紅のスーツを纏ったロン毛だ。
「私に任せていただけませんか?オーナー」
「おう、ルージュ、気に入ったか」
「ええ、仕込み甲斐がありそうです」
「ちょっと待ったっ!」
低い声が割って入る。
近付いてきたのは黒のスーツ、そして、暗がりだというのにサングラスを掛けたガタイのいい男。
「ルージュ、抜け駆けはやめろっ!俺も目を付けていた」
そう言い、椅子に座る男を挟み、ルージュと反対側に立つ。
「ほう、珍しくルージュ、ノワールが同時に気に入るとはな。なかなかの上玉ということか、、、面白い。どちらが採るかは先でいいだろう。ルージュ、ノワール、お前達それぞれの手管を仕込んでやれ」
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ステージでは、彫り師がまだ、彼の身体を弄っている。
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