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高尾と黒川
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マシーンルーム。
放課後の喧騒が去った室内には、機械的な金属音と、重い呼吸音だけが充満していた。
「、、、九、十。はい、ラスト一回!」
黒川の気迫のこもった声に合わせ、高尾はインクライン・ベンチプレスのバーベルを押し上げる。
大胸筋がちぎれんばかりに膨らみ、その表面を太い血管が網目状に走る。
高尾の筋肉は、一つ一つのパーツが独立した彫刻のように主張しており、凄まじいボリュームを誇っていた。
フゥゥ、、、
大きな息を吐き、高尾が立ち上がる。
今度は黒川がラットプルダウンのマシーンに向き合う。
野球選手特有の動ける肉体の凄み。
バーを胸元に引き込むたび、Tシャツを突き破りそうなほど広背筋が翼のように広がる。
高尾のような重厚さとは対照的に、黒川の体躯は鞭のようにしなやかで、かつ鋼のような強靭さを秘めていた。
二人は交互に、レッグプレスで下半身を追い込む。
高尾が重りを静かに、そして、丁寧に押し返す様を、黒川はじっと見つめている。
その瞳には熱を帯びた崇拝の色が混じっていた。
トレーニングを終えた二人は、棟内の教職員・修習生専用の浴場へと向かった。
湯気の立ち込める洗い場。
他に人影はない。
「高尾先生、背中をお流しします」
「いや、大丈夫だ。気にしないでくれ」
遠慮する高尾の肩を、黒川は逃がさぬよう強引に、それでいて慈しむように押し止めた。
「これも修習生の務めですから」
黒川の熱意にこれ以上拒むのもと思い、高尾は背中を向け椅子に座る。
慣れた手つきで泡立てたタオルを握る黒川の視界には、湯気に濡れて鈍い光を放つ、高尾雄一の広い背中が、壁のようにそそり立っていた。
黒川は、祈りを捧げる巡礼者のような手つきで、丁寧にその肌に触れた。
石鹸の細かな泡が広がる高尾の背筋が彫刻のように美しい。
僧帽筋から広背筋にかけて、幾重にも重なり合った筋繊維が、高尾が息を吸うたびに生き物のように蠢き、隆起する。
その強靭な筋肉の合間には、かつて激しい空手の練磨で刻まれたであろう微かな傷跡が幾筋も走っており、それが選ばれし者だけが持つ神聖な紋様のように艶かしく浮かび上がっている。
黒川の指先は、トレーニングで固まった高尾の筋繊維を丁寧に解す。
高尾の身体の熱さが指に伝わる。
指腹に伝わる硬質の筋肉の弾力。
肩甲骨の縁をなぞれば、その下にある深層筋の微かな震えまでもが掌に伝わってくる。
黒川は陶酔したような表情となる。
高尾の逞しい項から腰の鋭いくびれにかけて、何度も、何度も、丁寧に掌を動かした。
高尾の肌の熱が指、掌を通じ自分を侵食してくるような気がする。
黒川の呼吸は次第に熱く、湿り気を帯び乱れていった。
「フゥ、、、マッサージまでしてもらって申し訳ない。疲れが解れたよ。次は、俺が流そう」
高尾が振り返り、濡れた髪をかき上げながら立ち上がった。
その瞬間、眼前に晒された分厚い大胸筋と腹筋の、圧倒的な造形美に黒川は息を呑む。
交代を促す高尾の大きな掌が、今度は黒川の肩に置かれた。
「遠慮するな。お互い様だ」
高尾は黒川を椅子に座らせると、たっぷりの泡をその背に滑らせた。
野球で極限まで絞り込まれ、一分の贅肉もない黒川の背中。
高尾の太く、節くれだった空手家の指が、黒川の背骨の節々を一つずつ確かめるように、ゆっくりと、執拗になぞり始めた。
高尾の指先が、広背筋の谷間を深く割り込み、そのまま脊柱起立筋を圧するように下りていく。
黒川は、己の脊髄を直接愛撫されているかのような、背筋が泡立つほどの快感に襲われた。
高尾の指が腰の鋭い窪みへと滑り落ち、その熱い掌が黒川の腰を抱きしめるように支えた瞬間、黒川の全身を痺れるような衝撃が突き抜けた。
た、高尾先生、、、
黒川は膝を震わせ、奥歯を強く噛み締めた。高尾の無垢な親切心が、黒川の理性を粉々に打ち砕いていく。
背を流されるたびに、高尾の体温が、石鹸の香りが、皮膚の奥までじりじりと浸透してくる。
黒川は前屈みになり、太腿の内側を爪が食い込むほど力を込め抓り、肉体が示そうとする反応を必死に沈めた。
高尾の前では、醜態を晒したくない、、、
その光景を、洗い場の鏡に偽装されたマジックミラーの奥から、江波と藤堂が冷徹に見つめていた。
「見てください。あの修習生の目、、、完全に高尾に取り込まれている、、、」
藤堂が、愉悦に歪んだ声で囁く。
「やはり、司祭の素質を持つ者は、無自覚であっても至高の『ニエ』の匂いに惹かれるらしい。黒川君もまた、あの肉体に吸い寄せられている訳だ、、、」
江波は、黒川の背中を流す高尾の男らしい表情を、値踏みするように眺めた。
「“土”の末裔、、、武村、そしてこの黒川、、、自分たちの血筋も、内に秘めた眷属としての役割も知らないまま、ここで無邪気に過ごしている、、、ふふ、、、我らにとっては暁光だ、、、」
「どこまで知らせようか。久我が使えなくなった今、彼らの“役割”をいつ、自覚させるか、、、」
藤堂の問いに、江波はニヤリと笑った。
「焦ることはない。いずれは二人のどちらかに絞ることが必要だろうが、今は、高尾と接触することで、その本性、そして、その素質が顕在化するのを待つべきだろう。真の姿を確かめた上で、熟成を進ませる方が良いだろう。“土”の“カリョウ”には、外の世界でせいぜい慌てさせるが良いさ、、、」
マジックミラーの向こう、湯気の中で寄り添う逞しい二人の影、、、
本人達には自覚はないが、マジックミラー越しの姿は檻の中に閉じ込められた実験動物のように見えた。
藤堂が思い出したように言葉を継いだ。
「そう言えば、、、涼宮が帰国する。“風”の“カリョウ”の、あの男が」
その名を聞いた瞬間、江波の整った眉が不快げに跳ね上がった。
柔和な社交用の仮面が剥がれ、嫌悪を隠しきれない険しい表情が浮かぶ。
「劣勢の“風”を再興するために、海外にルーツを見出そうと高飛びしていた涼宮が? 予定ではまだ先のはずだろう。もう帰国の時期か」
「予定を早めたようです」
「なに?」
江波は眉間に深い皺を刻み、苛立ちを隠さずに問い返した。
「“土”と“水”の覚醒を嗅ぎつけたか、、、内通者が居るな、、、まあ、あの男のことだ、内通者を炙り出そうとしたところで二重、三重に策を弄しているだろうから、探るのも無駄か、、、それで、“風”の司祭の動向はどうだ」
「宍倉については抜かりありません。おそらく彼のクラスの生徒たちは、既に“風”に浸潤され始めている。奴を中心に、見えない糸で繋がった『群れ』を形成しているのでしょう。そして皮肉なことに、そのクラスの担任こそが」
「高尾雄一、、、か。皮肉も何も、お前が導いたんだろう、、、まぁ、良い。滝川様がしくじった時には、背に腹は変えられん。“風”でも、“火”でも、“土”でも、我らの手駒として“ナミ”様をお迎えせねば、、、」
江波は獲物を狙う鷹のような目で、マジックミラーの向こう、黒川の背を慈しむように洗う高尾を凝視した。
放課後の喧騒が去った室内には、機械的な金属音と、重い呼吸音だけが充満していた。
「、、、九、十。はい、ラスト一回!」
黒川の気迫のこもった声に合わせ、高尾はインクライン・ベンチプレスのバーベルを押し上げる。
大胸筋がちぎれんばかりに膨らみ、その表面を太い血管が網目状に走る。
高尾の筋肉は、一つ一つのパーツが独立した彫刻のように主張しており、凄まじいボリュームを誇っていた。
フゥゥ、、、
大きな息を吐き、高尾が立ち上がる。
今度は黒川がラットプルダウンのマシーンに向き合う。
野球選手特有の動ける肉体の凄み。
バーを胸元に引き込むたび、Tシャツを突き破りそうなほど広背筋が翼のように広がる。
高尾のような重厚さとは対照的に、黒川の体躯は鞭のようにしなやかで、かつ鋼のような強靭さを秘めていた。
二人は交互に、レッグプレスで下半身を追い込む。
高尾が重りを静かに、そして、丁寧に押し返す様を、黒川はじっと見つめている。
その瞳には熱を帯びた崇拝の色が混じっていた。
トレーニングを終えた二人は、棟内の教職員・修習生専用の浴場へと向かった。
湯気の立ち込める洗い場。
他に人影はない。
「高尾先生、背中をお流しします」
「いや、大丈夫だ。気にしないでくれ」
遠慮する高尾の肩を、黒川は逃がさぬよう強引に、それでいて慈しむように押し止めた。
「これも修習生の務めですから」
黒川の熱意にこれ以上拒むのもと思い、高尾は背中を向け椅子に座る。
慣れた手つきで泡立てたタオルを握る黒川の視界には、湯気に濡れて鈍い光を放つ、高尾雄一の広い背中が、壁のようにそそり立っていた。
黒川は、祈りを捧げる巡礼者のような手つきで、丁寧にその肌に触れた。
石鹸の細かな泡が広がる高尾の背筋が彫刻のように美しい。
僧帽筋から広背筋にかけて、幾重にも重なり合った筋繊維が、高尾が息を吸うたびに生き物のように蠢き、隆起する。
その強靭な筋肉の合間には、かつて激しい空手の練磨で刻まれたであろう微かな傷跡が幾筋も走っており、それが選ばれし者だけが持つ神聖な紋様のように艶かしく浮かび上がっている。
黒川の指先は、トレーニングで固まった高尾の筋繊維を丁寧に解す。
高尾の身体の熱さが指に伝わる。
指腹に伝わる硬質の筋肉の弾力。
肩甲骨の縁をなぞれば、その下にある深層筋の微かな震えまでもが掌に伝わってくる。
黒川は陶酔したような表情となる。
高尾の逞しい項から腰の鋭いくびれにかけて、何度も、何度も、丁寧に掌を動かした。
高尾の肌の熱が指、掌を通じ自分を侵食してくるような気がする。
黒川の呼吸は次第に熱く、湿り気を帯び乱れていった。
「フゥ、、、マッサージまでしてもらって申し訳ない。疲れが解れたよ。次は、俺が流そう」
高尾が振り返り、濡れた髪をかき上げながら立ち上がった。
その瞬間、眼前に晒された分厚い大胸筋と腹筋の、圧倒的な造形美に黒川は息を呑む。
交代を促す高尾の大きな掌が、今度は黒川の肩に置かれた。
「遠慮するな。お互い様だ」
高尾は黒川を椅子に座らせると、たっぷりの泡をその背に滑らせた。
野球で極限まで絞り込まれ、一分の贅肉もない黒川の背中。
高尾の太く、節くれだった空手家の指が、黒川の背骨の節々を一つずつ確かめるように、ゆっくりと、執拗になぞり始めた。
高尾の指先が、広背筋の谷間を深く割り込み、そのまま脊柱起立筋を圧するように下りていく。
黒川は、己の脊髄を直接愛撫されているかのような、背筋が泡立つほどの快感に襲われた。
高尾の指が腰の鋭い窪みへと滑り落ち、その熱い掌が黒川の腰を抱きしめるように支えた瞬間、黒川の全身を痺れるような衝撃が突き抜けた。
た、高尾先生、、、
黒川は膝を震わせ、奥歯を強く噛み締めた。高尾の無垢な親切心が、黒川の理性を粉々に打ち砕いていく。
背を流されるたびに、高尾の体温が、石鹸の香りが、皮膚の奥までじりじりと浸透してくる。
黒川は前屈みになり、太腿の内側を爪が食い込むほど力を込め抓り、肉体が示そうとする反応を必死に沈めた。
高尾の前では、醜態を晒したくない、、、
その光景を、洗い場の鏡に偽装されたマジックミラーの奥から、江波と藤堂が冷徹に見つめていた。
「見てください。あの修習生の目、、、完全に高尾に取り込まれている、、、」
藤堂が、愉悦に歪んだ声で囁く。
「やはり、司祭の素質を持つ者は、無自覚であっても至高の『ニエ』の匂いに惹かれるらしい。黒川君もまた、あの肉体に吸い寄せられている訳だ、、、」
江波は、黒川の背中を流す高尾の男らしい表情を、値踏みするように眺めた。
「“土”の末裔、、、武村、そしてこの黒川、、、自分たちの血筋も、内に秘めた眷属としての役割も知らないまま、ここで無邪気に過ごしている、、、ふふ、、、我らにとっては暁光だ、、、」
「どこまで知らせようか。久我が使えなくなった今、彼らの“役割”をいつ、自覚させるか、、、」
藤堂の問いに、江波はニヤリと笑った。
「焦ることはない。いずれは二人のどちらかに絞ることが必要だろうが、今は、高尾と接触することで、その本性、そして、その素質が顕在化するのを待つべきだろう。真の姿を確かめた上で、熟成を進ませる方が良いだろう。“土”の“カリョウ”には、外の世界でせいぜい慌てさせるが良いさ、、、」
マジックミラーの向こう、湯気の中で寄り添う逞しい二人の影、、、
本人達には自覚はないが、マジックミラー越しの姿は檻の中に閉じ込められた実験動物のように見えた。
藤堂が思い出したように言葉を継いだ。
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その名を聞いた瞬間、江波の整った眉が不快げに跳ね上がった。
柔和な社交用の仮面が剥がれ、嫌悪を隠しきれない険しい表情が浮かぶ。
「劣勢の“風”を再興するために、海外にルーツを見出そうと高飛びしていた涼宮が? 予定ではまだ先のはずだろう。もう帰国の時期か」
「予定を早めたようです」
「なに?」
江波は眉間に深い皺を刻み、苛立ちを隠さずに問い返した。
「“土”と“水”の覚醒を嗅ぎつけたか、、、内通者が居るな、、、まあ、あの男のことだ、内通者を炙り出そうとしたところで二重、三重に策を弄しているだろうから、探るのも無駄か、、、それで、“風”の司祭の動向はどうだ」
「宍倉については抜かりありません。おそらく彼のクラスの生徒たちは、既に“風”に浸潤され始めている。奴を中心に、見えない糸で繋がった『群れ』を形成しているのでしょう。そして皮肉なことに、そのクラスの担任こそが」
「高尾雄一、、、か。皮肉も何も、お前が導いたんだろう、、、まぁ、良い。滝川様がしくじった時には、背に腹は変えられん。“風”でも、“火”でも、“土”でも、我らの手駒として“ナミ”様をお迎えせねば、、、」
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