はじめまして

ぽてポテチ

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第5話

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仕事を終えて帰宅する。
波留(はる)が料理をしているみたいだ。2人分のご飯を作ってくれている。いつも仕事終わりに適当に作って作り置きのものと食べての生活だったからとても助かる。「ただいま」「…」こちらを向いて笑う。「ありがとう。ご飯作ってくれて。」波留は何か書いてこちらに見せてくる。“一緒に住んでるから力にならないと”彼女は本当にいい子なんだなって思う。そしてまた書く。“あと、家にいるとすることあんまりないんだよね”そういえばそうだな。自分も家にずっといるだけじゃすることがない。でも最近の女の子って何してるんだろう。ゲームとか動画とか何見てるんだろう。ふと気づく。「そういえばスマホって持ってる?」少し戸惑うような間を開けて書く。
“捨てちゃった”無くしたとか、持ってないとかだったらわかるけど捨てたってどういうことなんだろう。「じゃあスマホ、開いた日にでも一緒に買いに行こうか。」彼女は首を横に振る。いらないってことなんだろう。「いいの?」聞くと首を縦に振る。最近の子はもうスマホから離れちゃってるのかな?いや、そんなわけないな。電車に乗っている乗客ほとんど全員スマホを触っている。じゃあ彼女はなぜ欲しがらないのだろう。何か、スマホを毛嫌っている気がする。
彼女が作ってくれた料理を食べる。美味しい。自分が作っているものとは全然味が違う。
食事を終え特にすることもないのでパソコンでネットサーフィンをする
“月潮区(つきしおく)夏祭り 7月18、19日に月潮区相句町(そうくまち)にて夏祭りを開催…”
夏祭り…か。
夏祭りなんて行ってないな。大学の2年の夏に行ったのが最後だったはず。別に理由があるわけじゃないけれど単純に飽きてしまったんだと思う。花火も見れるのか。花火もテレビでしか最近は見ない。と言うか仕事と買い物以外で最近家出たっけ…。
そんなことを考えていると後ろから手が伸びてきた。パソコンの画面を指差しているようだ。
「最近こういうの行ってなかったし一緒に行こうか。」「…」
波留は首を縦に振っている。結構勢いよく振るものだから少し髪が崩れている。
「ははは、髪めっちゃ乱れちゃってるぞ」驚いたかのように彼女は頭を押さえる。
「あ、そこじゃないもうちょっと右の…」そして少し彼女の髪に触れる。

ザザザザザ
脳裏にノイズが走る。
こんなことしてた気がする。当たり前の日常の中にある当たり前のような仕草。そんな感じだったんだ。

波留は少し戸惑って僕の顔を覗き込んでいる。
「ごめん、ちょっとぼーっとしちゃってた。」彼女の頭から手をどかす。
「じゃあ18と19どっち行きたい?」「…」波留は18日を指差す。18日はあと3日後の土曜日だ。あと行き方も調べないとな。そう思い画面をスクロールしようとするが波留がその手を止める。そしてまた画面を指差す。彼女は花火大会がどのような感じかを表す参考写真を指差していた。別に変わったところはない誰かはわからない人が花火大会を楽しんでいる写真だった。片手には食事、片手にはプラスチックの容器に入った飲み物を持っている。そこでふと思いつく。「もしかして浴衣?」「…」彼女は先ほどと同じように首を縦に振っている。少し首を振る勢いは落ち着いた。そういえば波留は女子高生だしそういうの着て楽しみたいよな。この歳になると、なんておじいちゃんみたいなことを言うようだが浴衣を着ることも少し面倒くさく感じてしまう。レンタルの時はレンタルした場所まで戻らなくてはいけないし、浴衣を買うのであれば値段は今は問題ないけれど今後着ることも無くなってしまうし、と少し踏みとどまってしまう。こういう優柔不断な自分が少し嫌いだ。少し画面を下にスクロールすると浴衣の着付け予約へのボタンがあった。そこをクリックする。
花火大会の会場から程遠くない、徒歩5分程度の場所だった。これなら行くのも面倒じゃないな。どこかで聞いたことがるのだが、めんどくさいと言うのは感情ではなく今までの経験からなる経験則だと誰かが語っていた。つまり面倒臭いと心から思わなけれ面倒臭くなくなるという理論出そうだ。根性論という感じだが世の中そんなもんらしい。
「これ、ちょうど良さそうだし行こうか」「…」喜んでくれたらしい。
後ほど行き方も検索しある程度場所は掴むことができた。ただ着付けの予約は電話で取り合わなければいけないものなので、夜中遅くに電話するのは申し訳ないと思いまだできていない。というのは建前で実際はもう眠くなってきてしまっていたのでやめておいた。
波留をまたベットに寝かせ僕はソファーで寝る
その日また夢を見た。でも前とは全く違う夢だ。それは波留と夏祭りに行く夢。まるで予知夢みたいなそんな夢だった。
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