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窓辺の旋律
しおりを挟む窓辺の旋律
ふとした瞬間に 風が運ぶように
せつなくやさしくノックする。
それは 過ぎた日の小さな灯り
誰にも見つからないように
心の奥の扉を叩くのは
やわらかな白い雲のような
ひとしずくの言ノ葉
耳を澄ませば 聞こえるだろうか。
忘れてしまいそうなほど
か細く けれど温かい調べ
そっと触れてみれば
指先に残るほのかなぬくもり
悲しみも喜びも
ただ静かに 寄り添う
穏やかな淡さを感じてる
五線譜を滑る
小さな黒いしずくたち
鍵盤の海へ
そっと とけゆく
光をすくう
指先のやさしい息づかい
ほら、息をひそめて
空気がひびく
ひとしずくの メロディ
胸の奥から こぼれては
耳たぶを くすぐる
あたたかい 風
やがて すべてが
ひとつに溶けあい
まどろむような
静かな 調べになる
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