ハッピーガール

床間四郎

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 背が高かったり、勉強ができたり、運動ができたり、手品がうまかったり、お話が面白かったり。優しかったり、一緒にいるだけで安心できたり、よく気が利いたり、とにかく必死だったり。人それぞれ、才能というものがあります。才能には、目立つ才能と目立たない才能があります。私には、背が高いという、目立つ才能がありました。また少し前までは、妖精さんみたい、という目立つ才能がありました。そしてそんな才能の持ち主は、人々から賛嘆されると同時に、不幸な、心の狭い人々からイジメられてしまいます。
 か弱い妖精さんは、肉体的なイジメを受けました。今の私は、精神的なイジメを受けることになりました。きっかけなんてものは、当然ありませんでした。私が学校生活を送っているだけで、悪口の対象となりました。私が何かをしているだけで、クスクスと笑ってきました。廊下ですれ違う度に、歪んだ汚い笑みをこちらへ向けてきました。始めは当然、無視をしていました。こんなことはもう慣れっこです。しかし、中学校の時とは状況が全く違いました。誰も、私を助けてくれないのです。友達に助けを求めても、知らんぷりされてしまうのです。大きいのにそんなことをするなんてと、時に軽蔑すらされました。
 中学校の時は、なんだかんだ、周りが助けてくれました。周りは私に優しくしてくれました。しかし、私はもうか弱い妖精さんではないのです。背の高い、強い女の子なのです。だから、誰も助けてはくれないのです。背が高いというだけで学校中のあらゆる人の好奇の目にさらされ、人々は汚い笑みを浮かべて私を笑いものにします。私はその一切を無視しました。友達は自然といなくなり、誰もが私を避け、笑いものにしました。助けてくれる人は誰もいませんでした。当然です、私は背が高く強い子なのですから。
 ある日私の心の電源が、プツンと落ちました。そしてある日、動けなくなりました。中学校の時は、イジメられてもなんだかんだ、助けてくれる友達がいました。学校生活の目立たない所で親切にしてくれる人がいました。しかし今の私には、そんな人はいません。学校中の誰もから指差され、笑われます。女子で背が高い、ただそれだけで笑われます。もちろん、悪口を言わない人もいます。しかし、そういう人はただ沈黙し私を避けます。稀に声をかけてくれる時もありますが、それだけです。私は、天涯孤独となってしまいました。陰湿で大規模なイジメを、私は受けることになりました。
 身長は伸びました。しかしだからといって、強くはなりませんでした。この精神的なイジメを耐えぬくほどの精神力を、私は持っていませんでした。体力には多少の自信がありました。中学校の時のように肉体的なイジメを受けても耐えぬく自信はあります。しかしいま現在、進行形で行われているこの精神的で陰湿なイジメに耐えぬく自信は、私にはありません。誰からも助けられず、声を上げて今の状況を打破する勇気もなく、ただただ1人で耐えぬく。学校に行かなくなった私をメールで励ましてくれる友達はいましたが、私は一切を無視してしまいました。メールで励ましてくれても、学校では避けられるのが目に見えていたからです。
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