『星屑の狭間で』(対話・交流・対戦編)

トーマス・ライカー

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3月28日(土)…フィフス・ゲーム…3…

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…『ディファイアント』・バーラウンジ…

 入って直ぐにカウンターに座る。

「…おはようございます。アドル艦長…朝食ですか? 」

 3秒でマスター・バーテンダーのカーステン・リントハートが顔を出して、熱々のお絞りを眼の前に置く。

 私は気軽に、チーフ・リントハートと呼んでいる。

「…やあ、おはよう、チーフ…元気そうだね…朝一番の出航と言う事で、急がせてしまって申し訳ない…」

「…とんでもありません…明日は『ディファイアント』の大勝負ですからね…今から気合いが入っていますよ…それに、私達は今夜が大勝負です…4人の艦長へのお持て成しは、お任せ下さい…と、マエストロ・ラウレンティスも仰っていました…」

「…ありがとうございますと、伝えて下さい…君にもね…彼らへの持て成しについては、ここの皆さんにお願いするしかないから…熱っ…このお絞りの熱さで、目が覚めるよ…」

「…(笑)…何にしますか? 」

「…『パルギ』をふたつに、お味噌汁を丼で頼みます…」

「…かしこまりました…景気付けには? 」

「…そうだね…『オルメカ・ブランコ』をワンショットで…」

「…了解…暫くお待ちを…」

 チーフ・リントハートが一旦退がってから15秒で私の端末に着信が入った。

 ポケットから端末を出してカウンターに置き、スピーカーにする。

「…はい…アドル・エルクです…」

「…アドルさん! あの4隻と戦うんですって?! 大丈夫なんですか?! 」

 『カレドン・カサンドラ』の、アシュリー・アードランド艦長だ…

「…耳が早いですね、アシュリー艦長…ええ、そうなんですよ。でも大丈夫です…心配しないで下さい…勝つ為の算段はしてありますから…約束します。必ず勝ちます…ただ…」

「…分かってます…釣られて戦場に入ろうとする艦は、私達で対応します…」

「…宜しくお願いします…ですが、無理はしないで下さい…不利だと感じたら、離脱して下さい。好いですね? 」

「…分かりました。その場合でも、こちらに釣って引っ張り回しますから…」

「…流石はアシュリー艦長…その意気で、宜しくお願いします…すみませんがちょうど今、ラウンジで朝食を摂っていましてね…またこちらからも連絡しますので、ちょっと失礼しますね…」

「…あ、ごめんなさい。お食事中に失礼しました…すみませんでした。またこちらからもご連絡します。ご無事とご健闘をお祈りします…」

「…ありがとうございます…それでは、また後程…」

 通話を終えたタイミングで、チーフが総てをトレイに乗せて持って来た。

「…さあ、どうぞ…」

「…ありがとう…頂きます…」

 先ずショット・グラスを取って、一息にあおる…香り高く心地よいアルコール飲料のショックが咽喉を通って胃に届く。

 (…美味い…)

 味噌汁の丼を持ち上げて、観ながら香りを堪能する。

「…やあ、美味そうだ…頂きます…」

 そう言ってから箸を取り、すすって具も食する。

 丼と箸を置いて茶色の『パルギ』を少し千切り、粉塩を少し掛けて口に入れた。

「…やっぱり想った通りだ…『パルギ』は味噌汁にもよく合う…もしかしたら、どんなスープ料理にも合うのかも知れないな…」

 その後は味噌汁と『パルギ』を交互に食し、味噌汁を少しお替わりして食べ終えた。

「…お飲み物は? 」

 チーフ・リントハートが、また前に立って訊いた。

「…そうだね、チーフ…よく冷えたライト・ビアを、グラス・ハーフで…」

「…直ぐに…」

 手渡しで受け取ったグラス・ビアを一息で飲み干し、そのままグラスを手渡しでチーフに返した。

「…ご馳走様でした…またお昼に来ますね…」

「…ありがとうございました…ご健闘をお祈りします…」

 振り返りながら左手を挙げて、ラウンジを後にする…一度個室に戻り、デスクに着いて一服し…歯を磨き洗顔などもして身嗜みを整えてからブリッジに向かった。

 ブリッジに戻ると、シエナが空けてくれたキャプテン・シートに座る。

「…状況は? 」

「…順調です。変化ありません…」

「…分かった…コンピューター、艦内オール・コネクト・コミュニケーション…」

【コネクト】

「…こちらはアドル、ブリッジより発信中…ほぼ独断で4人の天才艦長達からの挑戦に応え…現在、戦場予定宙域に向けて航行中です…先ずクルー全員による受容と協力に心から感謝したい…これから彼らとどのように戦うかについて説明し、指示を伝えて協力を要請します…ちょっと中断します…コンピューター、ポーズ…」

【ポーズ】

 言葉を切り…口をつぐんで正面を観ていると、左側からナレン・シャンカー副補給支援部長がソーサーに乗せたコーヒーカップを差し出す。

「…アドルさん、どうぞ…」

「…ああ…ありがとう、ナレン…」

 受け取って一口飲み、左のアームレストの上に置く。

「…コンピューター、ポーズアウト…」

【アウト】

「…再開します…彼らとの取り決めにより、戦闘は明朝09:00に開始されます…今夜はナイト・タイムからミッド・ナイト・タイムに入るまで、4隻合同での自由交流食事会です…この間は4隻とも近傍に集合し、シャトルでどの艦に赴く事も許可します…交流会が終わりましたら速やかに帰艦して、アイソレーション・タンク・ベッドにて就寝して下さい…明朝は06:00に全員起床…入浴して朝食も摂り、07:30に第1警戒配置…私が指示する位置にまで『ディファイアント』を移動させます…08:45に、第1戦闘配置です…」

 また話を切ってコーヒーを一口飲む。

「…全スタッフと機関部・保安部の全員は、個々に専用のヴァイザーを装着してメイン・フレームに接続…後程私が割り当てる機能操作と兵装のトリガーを設定して下さい…戦闘行動開始5分前から『ディファイアント』の全機能は私が掌握しますが…スタッフ・クルーの1人1人には兵装ひとつのトリガーと、推進姿勢制御システムひとつのアクセルを担当して貰います…ヴァイザー・ネットワークを通じて私が指示するタイミングで、即時に操作して下さい…おそらく…この体制でなければ彼らには勝てません…この体制で一丸・一体となって切り抜けましょう…宜しくお願いします…昼食休憩時間の後に、改めて具体的な配置を割り振ります…取り敢えず、アドル・エルクより以上です…」

「…アドル艦長…無理はしませんよね? 」

 保安部員のアーシア・アルジャントだ。

「…無理はしないよ、アーシア…心配しなくても好い…スーパー・モードのスピードで操艦しながら指示を出すから、即時に操作してくれ…上手くいけば…1時間も掛からずに決着が付くだろう…」

「…勝敗の判定基準は何でしょうか? 」

 機関部員のキム・キャトラルだ。

「…損傷率が40%に達したら、無力化したと見做される…それが判定基準だ…皆と一緒に『ディファイアント』は勝利して、彼ら4隻は『同盟』に加盟するよ…」

 その後、少し待ったが質問は出なかった。

「…コミュニケーション・オーバー…」

【オーバー】

「…よ~し。それじゃあ、段取り通りに準備を開始してくれ…充分に準備して戦いに臨むのなら、必ず勝つよ…カリーナ…シークレット・チャンネル・フィードに、話があれば応じるとアップしてくれ…私への連絡は端末に転送するように…ナンバー・ワン…控室にいるから、ブリッジは頼む…」

「…分かりました…」

 立って、シートから降りる…シエナが代わりに座るのを左横目で見て、艦長控室に入った。

 デスクに着いて息をく…デスク・パッドのタッチパネルに指を走らせ『ヴェリディアンシックス』の惑星系宙域図を呼び出して、控室中央部に3Dで表示させた。

 あらく観るなら…どの方位から接近するにしても、あまり変わり映えはしない…スタートポイントだけは、お互いに認知されると言う事だ。

 ポケットの端末が鳴る…取り出してデスクに置き、スピーカーにする。

「…アドル・エルクです…」

「…ハイラムです…今は話しても大丈夫ですか? 」

「…大丈夫ですよ…どうぞ? 」

「…貴方の決断ですから、心配していると言う程でもありませんが…勝算はお有りですよね? 」

「…勿論、充分にあります…ありがとうございます、ハイラムさん…大丈夫です…観ていて下さい…これが4隻抜きの連続戦闘だったら、3隻目か4隻目で敗けると思いますが…4対1の戦闘であるからこそ、勝機はありますし…勝算も立ちます…」

「…分かりました。観させて頂きます…そうしながら、戦場宙域に他艦が入らないよう、げんに監視します…」

「…宜しくお願いします…無理だと思ったら、こちらは大丈夫ですから離脱して下さい…こちらでも充分に対応はできますので…」

「…分かりました。健闘を祈ります…」

「…ありがとうございます…アドルより、以上です…」

 通話は、ハイラム艦長の側から切られた。

 通話が切れて2分で手持ち無沙汰になってくる…自室に戻って一杯呑んで、一服点けたい気持ちが強くなってくる。

 また着信音が響いたので、繋いだ。

「…はい…アドル・エルク…」

「…エイミーです…今は、お話しても大丈夫ですか? 」

 『サンダー・ハルヴァード』のエイミー・カールソン艦長だ。

「…ああ、エイミーさん…大丈夫ですよ…どうされましたか? 」

「…あの…大変な戦いに臨まれようとされている処をすみません…アドル主宰の決断ですから、心配はしておりませんが…戦いが終わったら、その4隻は『同盟』に加わるのですよね? 」

「…そうですね…そうなると思います…」

「…そうなると【『ディファイアント』共闘同盟】も30隻を超えますから、艦長と副長のペアでだけでも一度、一堂に会して、顔合わせが出来ればと思います…」

「…それは良いアイデアですね、エイミーさん…そうなったら改めて呼び掛けて…出来るだけ大勢で集まれるように、段取りましょう…」

「…ありがとうございます、アドルさん…ご健闘とご無事をお祈りします…戦場宙域の周辺は私達で監視しますので、お任せ下さい…」

「…宜しくお願いします、エイミーさん…終わったら、またお会いしましょう…」

「…分かりました。ありがとうございます…」

 彼女の側から通話を終えた。

 席を立って端末をポケットに入れる…控室からブリッジに出て、振り向くシエナに個室に居るからと声を掛けてから、ブリッジを後にした。

 個室に入ると、直ぐトレーナーに着替える…クッションを床に敷いて半跏趺坐はんかふざでその上に座る…瞑想を実践する中では、自分に於ける実存の総てと…出来るだけ多くの心理動向側面を…客観的に捉えて、容認できるようにする…今回の戦いで必要となるのは、更なる冷静で迅速な把握・分析・判断・決定・実行だ…迷いと躊躇ためらいは敗退に直結する…自分の思考と言動には、強く自信を持たねばならない。

 キリの良い処で、瞑想状態から自分自身を浮かび上がらせる…立ち上がり、柔軟体操で身体を解した。

 ちょうど80分間の瞑想だった…良い気分だ…トレーナーのままでデスクに着き、深めの呼吸で更に冷静さを深める。

 席を立ち、グレンフィデック・ヴィンテージ35のボトルとウィスキー・グラスと灰皿とプレミアム・シガレット・ボックスとライターをデスク上に揃える。

 グラスにスコッチ・モルトをツーフィンガーで注ぐ…プレミアム・シガレットを1本取り出して咥え、点ける…一服喫って蒸して燻らし…モルトを一口含み、味と香りと感触を堪能して呑む。

 それを繰り返して過ごし、6分で終わらせた…総てを片付け、洗って収納する。

 入念に洗顔してから、トレーナーを脱いでスーツに着替える…髪を整えて個室を後にした。

 ブリッジに戻った時、低い通知音が一度だけ聴こえた…誰かが設定したらしい…振り向いたシエナに右手を挙げて観せて席を代わる。

「…状況は? 」

「…変わりません…目的地に向けてスケジュール通りに航行中です…が、本艦のパワーサインを感知したらしい2隻の軽巡宙艦が別方位から接近中…距離はともに第5戦闘距離の52倍と54倍です…この状況はシークレット・チャンネルフィードに、私の名前で報告しました…」

「…ありがとう、ナンバー・ワン。適切だ…追跡艦1隻に対し、2隻から3隻で対応するように…目的は戦闘ではなく、本艦から注意を逸らして引き離す事が主であると追記してくれ…」

「…分かりました…」

 頷いてコンソール・パネル下部の小物ポケットからピンマイクを取り出して起動させ、胸に着ける。

「…全員、そのままで聞いてくれ…明日の09:00から戦闘開始だがその前までに、本艦を含む5隻は当該惑星系の周辺を取り囲むように、5ヶ所のポイントにて位置する…線で結べば正五角形を形作るようになるだろう…そこから09:00にスタートする…本艦がこれまでに積み上げてきた経験値は、彼らの4隻にも退けは取らない…スタートダッシュで先行して戦場宙域に躍り込む…私は基本的にスーパー・モードで操艦しつつ君達に指示を出すが、時折ハイパー・モードに入るかも知れない…君達には可能な限り迅速に指示を実行して欲しい…反問・確認・復唱は必要ない…基本の戦術としては、超高速で岩塊デプリを盾にしながら彼らからの攻撃を躱しつつ彼らを撹乱しながら、隙を突いてハイパー・ヴァリアントと主砲で攻撃する…また、スタートと同時にセット済みの対艦ミサイルの放出を開始し、宙域内にばら撒きながら飛ぶ…機関部は全員で昼食休憩時間までに、エンジンとパワー・アセンブリの全体に於ける最終点検を頼む…午後に入ったら、対象クルーの一人一人に担当して貰うシステムと兵装のトリガーを割り当てる…あとは私が通信に於いても彼らを撹乱する…全員がひとつになって戦えば、余裕で彼らにも勝てる…勝って彼らを『同盟』に迎え入れる…以上だ…」

 話を切り、ピンマイクを外して元に戻した。

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