無能令嬢の数奇な運命。〜上から落ちてきた冷徹宰相様を助けたら、結婚することになりました!?〜

香木陽灯

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先程までプロットが公開されておりました…!
申し訳ありません!
以下が本文となります。

内容自体はかなり変更しているので、その内容を期待した方は申し訳ないです。
読まれた方は一旦記憶から削除してお楽しみください。作者がポンコツで本当に申し訳ありません…!



◇◇◇


「こんな簡単なことも出来ないのか! お前はアンダーソン家に生まれながら魔法が使えない役立たずだ。我が一族の恥め!」

 倒れこんでいるところにお腹を蹴られ、口からうめき声が出る。
 ちらりと父を見ると、汚らしい物を見る目でこちらを睨んでいた。


 門の修繕を命じられ、大雨の中作業を終えたルイーゼは、玄関ホールで倒れていた。
 ロクな食事も与えられず一日中仕事をして、その上雨の中で作業をしたのだ。倒れても無理はない。

 それを当主である父に見られてしまい、「玄関を汚すな!」と怒鳴られてこの惨状だ。

(殺されないだけマシなのかしら……)

 朦朧とした意識の中で、ルイーゼはこれまでのことを思い返していた。


◇◇◇


 『無能』『役立たず』『足手まとい』
 ルイーゼは幼い頃からずっとそう言われ続けてきた。
 魔法が使えないと判明した七歳の時から――。

 アンダーソン家は、代々魔法使いを輩出してきた家系だ。近隣国との争いが絶えなかった時代に、貴重な戦力として名をあげたことで爵位を賜ったらしい。
 平和な時代が訪れてアンダーソン家の力が弱まった今でも、この家では魔力こそが全てだった。
 男も女も、生まれ順も関係ない。魔力が強い者が当主になる。そういう決まりだった。

 ところがアンダーソン家の長女として生まれたルイーゼは、もう十八歳になるのに魔法が使えない。 
 通常なら五歳か六歳で魔力が発現し、魔法が使えるようになるのに……。


 七歳の誕生日の日、ルイーゼの人生は一変した。急に『無能』の烙印を押され、家族から見捨てられたのだ。

「今日からお前はアンダーソンの名を名乗るな。お前はただの居候の小間使いだ」

 父の諦めたような冷たい目がルイーゼを絶望へと突き落とした。

(私は家族じゃないの?)

「お父様、もう少しだけ待ってください。きっと魔法を使えるようになりますからっ……!」
「黙れ。二度と父と呼ぶな!」

 泣いて縋ったが、結局何も変わらなかった。

「ルイーゼ様はどうなるんだ」
「旦那様は使用人として扱えと……」
「仕方がない事だわ。魔法が使えないんだもの」

 使用人たちも最初はヒソヒソとこちらを見て困惑していたが、だんだんとアンダーソン家の方針に従ってルイーゼを虐げ始めた。

「さっさと掃除を済ませな。あんたはそれ位しか出来ないんだから」
「遅い! 買い物にどれだけ時間をかけているんだ」
「雨でも嵐でも関係ないよ。さっさと庭の手入れをしてきな!」

 面倒な仕事は全てルイーゼに任せられた。
 歳を重ねるごとに、難しい仕事や力の要る仕事を振られるようにもなった。
 ロクな食事も与えられなかったルイーゼは、どんどんとみすぼらしく痩せ細っていった。


 幼い頃は熱心にルイーズを教育していた母も、七歳を超えてからは豹変してしまった。

「私の娘が無能だなんて……どうしたらいいの?」

 無能を産んだ女として、周囲から非難されたのだろう。
 父よりも、もっと憎しみを込めた目で見られるようになった。

「生まれてこなければ良かったのに」

 呪いのように毎日毎日その言葉がルイーゼに降り注いだ。

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