今日もまた、猫の声が聞こえる

ななふみてん

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おまけ

友人との最後の会話

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「お前さんに会えてよかった。本当にありがとう」

『むしろ僕がお礼を言いたいな。貴重な体験をありがとう。風見さんも、元気になったみたいでよかったよ』

「ああそうだな。……もう葵が俺のことで泣かなければ、いいと思う。葵の笑顔は可愛いだろ?」

『えっ。あ、う、うん。そう、だ、ね』

「あからさまに動揺しおってからに。意識してるのモロばれだぞ」

『なっ』

「まあ、俺は反対しないからな。せいぜい頑張れ」

『なんのことかなっ!?』

「はっはっはっ、青い青い。……なあ、お前さんに一つ頼みがあるんだが」

『なにさ?』

「できれば、お前さんも俺のことを忘れないでくれると嬉しい」

『……こんなことがあって忘れられるわけないでしょ。むしろナルが僕を忘れないでよ。せっかくできた友達のこと忘れたら怒るからね』

「友達……そうか。そうだな。お前さんと俺は友達か」

『嫌かな?』

「いいや。最後に人間の友達ができて嬉しいわ。お前さん、本当に感謝している。ありがとう。最後の友を俺は忘れない。だからお前さんも忘れるな」

『分かってる。絶対に忘れないよ、僕の友達。黒猫のナル』



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