都落ちしたB級冒険者アゼスト、頭のおかしい女神に黄金の芋を貰い、荒野を黄金郷に変える。

きゅうとす

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災厄は突然に

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◆更に広がる芋畑
芋畑は勝手に広がって行った。芋女が現れてからは芋女が指図しているせいか砂漠の強力な魔物を餌にするようになったみたいだった。
これもミリアが知恵を付けさせたせいかも知れない。余計な入れ知恵して居ないよな。俺は責任持てないぞ。

まぁ芋女の事は気にしたら負けな気がする。金貨芋も不思議だけど芋女も相当不思議だからな。俺みたいな頭の悪い冒険者になんか分からんな。

と言う風に金貨芋畑は順調に広がって行った。俺の仕事は荷車に芋畑から金貨芋を掘り起こして乗せて街長コステロの邸宅に持っていく事だ。
毎日毎日朝から晩の日が暮れる前まで何度も往復して運ぶ。

たまに、何も知らない賊や冒険者が俺を集団で襲うが全部返り討ちにしてやる。まぁ殺したりはしないが、襲った事を後悔するくらいな傷は負わせてやる。単調な仕事の合間のお楽しみみたいなものだ。

俺を倒したいならS級冒険者を連れてこいったんだ。ランクはB級だけど昇級するのが嫌でゴネていた俺は強いぞ。

◆街が都市に
あっという間に1年が過ぎ、更に人口が増えた。

俺は芋畑から芋を掘り返して外に出すだけで後は街長コステロの雇った信用の置ける冒険者が運び出して行くようになっていた。相変わらず金貨芋畑に入り込める者は俺以外に居ない。
あ、いや女は居たな。街長コステロのひとり娘のミリアだ。まぁミリアは芋畑に入っても芋掘りをしようとはしない。俺が焼いた芋は喰うがな。手伝えよと言ったら何がゴニョゴニョ言うだけで俯いて逃げていったよ。

金貨芋の出荷が順調で人口も爆発的に増えて街はとうとう都市に指定されたぜ。俺には関係ないけどな。
金貨芋の生産都市、通称黄金都市が爆誕だぜ。

◆女騎士現る
王国のハズレ、荒野に近い場所にあった村が僅かな間に都市に成長した。その黄金都市の真相を探るべく王家は配下の女騎士を派遣した。
王国の主食である小麦にも引けを取らない収穫量を誇る金貨芋はその甘さと旨さで瞬く間に国民の間の人気を得た。その美味さはまさに金貨に匹敵した価値があった。誰もが金貨芋を食すればその魅力に取り憑かれあらゆる手段で欲したのだ。王家も同様だったのだ。

都市長コステロに呼ばれて俺は豪邸となった家の中に入った。豪華な応接室で俺はコステロから話をされた。

「実はな、王家から騎士が派遣される事になった。対応するからアゼストにも立ち合って欲しいんだ。」
騎士だって?俺には嫌な予感しか無い。即座に断ったよ。

「なんでまた、俺が立ち会わなくては成らないんだよ。勘弁してくれ。」
「そう言わずに頼む」
コステロは頭まで下げて来る。

「何でだよ」
「何でも金貨芋の収穫の状態を見たいらしいんだ。」
「勝手に芋畑に連れて行けば良いだろ」
「そんな事をしたら王家から派遣された騎士様が芋に襲われて俺の責任になっちまう」
「それなら娘のミリアに対応させれば良いだろ。あいつなら芋女と仲が良いから芋を掘らせなけりゃ襲われないぞ」
「だからさ、芋を掘り出すところを確認したいと仰せなんだよ」
「ま~た、面倒な事を言ってきてるんだよ!」
「仕方ないだろ、王家の意向には逆らえないんだ」
そこまで言われたら俺も渋々でも頷くしか無い。

数日後何時も荷車に掘った芋を渡す場所で俺はコステロを待っていた。
俺は芋畑の育成状態を眺めていたからコステロに声を掛けられるまで相手の騎士に気づかなかった。振り向いた途端に俺は逃げの体勢に入ったのに騎士に俺は抱き着かれて居て倒れていたぞ。

「アゼストー!アゼストじゃないか!こんな所に居たなんて知らなかった!良かったぁー!」
重い銀の甲冑を着たまま頬ずりしながら言う騎士は俺の知り合いだった。

コステロはこの状況を理解できずにあ然としていた。

「頼むからクリスティラ、離れてくれ。」
俺は女騎士のクリスティラ•ドミオンの両肩を押し返す。
クリスティラは立ち上がると俺に手を貸してくれたが俺の腕を抱いたまま離さなかった。

「アゼスト?どういう事だ?」
コステロが茫然自失から立直り、クリスティラと俺を交互に見て言った。

「アゼストはわたくしの元婚約者だ!」
クリスティラが余計な事を言いやがった。

「嫌、違うから。クリスティラが勝手に言っているだけだからな」
俺がクリスティラを見るとにこやかに笑うだけで否定しない。

「とにかく、クリスティラは芋畑を見に来たんだろ」
俺はやんわりとクリスティラの身体を再び押してひっつき虫状態を解消する。クリスティラは不満そうに唇を尖らせたが取り敢えず離れてくれた。

その後俺が芋畑の中から芋を収穫して、荷車に乗せて見せるとクリスティラもやりたがり、芋蔓に絡め取られたりする一幕もあったが何とか視察と言う名前のクリスティラと言う女騎士との再会は終わったのだった。

クリスティラ•ドミオンと言う女騎士は俺をドミオン伯爵家の冒険者にしようとした女だった。
クリスティラとの出会いは魔物暴走(スタンピード)と言う災害を共に戦った事から始まった。だが、話すと長くなるので割愛しよう。




    
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