都落ちしたB級冒険者アゼスト、頭のおかしい女神に黄金の芋を貰い、荒野を黄金郷に変える。

きゅうとす

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王家

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◆王女現る
マーガレット•フィン•レーデンがお供10人を連れて金貨芋都市にやって来た。正式名称を言う奴は居ない。通称の黄金都市と言う奴がほとんどだ。
俺は芋畑に逃げた。芋掘りの仕事があるからと言い訳して。
先触れはあった。クリスティラだ。様子見と同時に俺が居ることを伝えたのだろう。全く余計な事をしやがる。

マーガレットは第2王女で有力貴族に嫁に行く立場だが俺が王都に居る時に知り合った。と言うか、呼びつけられたんだよ。冒険者に実力はあるのに貴族との繋がりを持とうとしない偏屈な奴が居るとご注進しやがった。これにはクリスティラと冒険者ギルドマスターが絡んでる。某ギルマスは闇討ちでボコって置いたがまだ許しちゃーいねえ。

まぁ王女だけあって美人だし身体もそんじょそこらの女とは違ってた。護衛を何度か務める内に親しくさせては貰っていたが俺に昇級を何度も言うようになってからは避けるようになった。なのに、俺が護衛しなかった時に攫われやがって、頼まれもしないのに勝手に俺が凶賊を全滅させて救い出してからは俺に嫁ぐとか言い出したんだよ。

王女様なんだから王家の為に身を捧げろよ。こんながさつな冒険者の下に来たって幸せになれるわけがねえだろ。それが王の所まで話が進んで、勝手に俺をS級にして王家お抱えの冒険者にしてマーガレットを嫁にする話になっちまったから、俺は王都から密かに逃げたんだよ。

◆王太子現る
マーガレットがコステロの所に泊まり込んでいやがるから俺は自分の家に帰れねえ。帰ればミリアかマーガレットが居るんだよ。勝手に人の家に上がり込んでんじゃねえよ。

そんなこんなでマーガレットが王都に帰らねえからもっと面倒な奴が来た。
王太子マクスウェル•フィン•レーデンだ。この男と知り合ったのはマーガレットのせいだ。俺がマーガレットに呼ばれて王城に呼ばれた時から関係ないのに勝手にやって来て俺に文句を言ったのだ。いわゆるシスコン王太子なのだ。誰がマーガレットの相手でも気に食わない。だから俺に嫌味を言っていたのだ。

今回もマーガレットが俺の所に押しかけた事が気に食わなくてやって来たみたいだ。おうおう、連れて帰ってくれ。

俺には好き勝手言うのにマーガレットに嫌われたくないばっかりにマーガレットの言う事を肯定しやがる。そこは男を見せて連れて帰ってくれ!俺が素直にそう言えば今度はマーガレットの何処が気に食わないんだと言いやがる。押しかけ女房ヅラするのが嫌だって言ってるだろ!埒が明かないぜ。

マクスウェルは黄金都市の最上級宿に泊まって俺に毎日文句を言おうと芋畑の近くまで来るようになった。でも、俺は知ってるぜ。芋女が気に入ってやたらとチラチラ見てやがる。

でも、そいつは芋の魔物だぞ。

◆王妃現る
マーガレットとマクスウェルが帰って来ない為にとうとう王命で王都に引き戻された。良かったぁ。俺の安寧が戻って来たぜ。
と、思っていたら王妃がやって来た。
エトワール•ブレ•レーデンだ。王妃エトワールはコステロの邸宅に泊まらず貴族専用の最高級宿に泊まったらしい。やって来たその日の内に俺を呼び出しやがった。まぁ王妃だからなー、断れないわ。

「アゼスト、久しいな」
「は、王妃様」
「此度はマーガレットとマクスウェルが世話を掛けた。済まなかった。」
「いえ、王妃様のお陰で助かりました。」
そうなのだ、王妃様は常識人なのだ。どちらかと言うと俺側の人なのだ。

「・・・して、金貨芋とはどの様な物なのだ?」
俺は森の泉で糞女神に出会って芋を与えられてからの経緯を話した。

コステロとかから聞いているかも知れないけど一応ね。暫く聞いてからエトワール王妃様は言った。

「ふむ、アゼストがこの地から離れる事は女神の祝福を失うやも知れんな。」
王妃様の意見も一理あるのだ。俺が芋畑周辺から離れて森の奥に魔物退治に行った時も芋女の元気が無くなり、砂漠の魔物が多く発生した事があるんだ。芋掘りをできるのは俺だけだからな。

もう、これは呪いと言っても良いだろうよ、糞女神。

「金貨芋と称される物を妾にも食べさせよ」
貴族専用の最高級宿でも上品に料理された芋を喰っているだろうが俺は芋畑で直焼きした焼き芋を献上した。

常識人な王妃様だけど食い意地だけは誰にも負けない人なのだ。旨い芋を喰わせろと言われるのは承知していて、用意していたのだ。
灰を被って所々焼け焦げている身の締まった芋を割ると黄金に輝く身と繊維が湯気と共に現れる。見ているだけでも涎が出そうだが皮ごと齧り付けば口の中にくど過ぎない甘みが広がるのだ。
色々やってみたがこの喰い方が1番旨い。

食べた王妃も蕩けそうな妖艶な顔で旨味を堪能していた。満足頂けたみたいだった。

少し、失敗したかたも知れない。それから毎日王妃様から献上しろと言われ、王都に帰らなくなった。仕事しろよ!

◆王様現る
エトワール王妃様が黄金都市から帰らないせいでとうとう王様がやって来た。近衛騎士団を大量に引き連れて来た為にコステロはひっくり返った。

都市長なんてお目通りも叶わない相手が来たのだから都市を上げてお迎えする。大袈裟なんだよ、あんなヒヒ親父。

もちろんクリスティラ•ドミオンも一緒だ。あんなポンコツ女騎士だけど近衛騎士団の副団長なんだからな。

ガイウス•ブル•レーデン、レーデン王国の王様たがとんでもない女好きだ。女がいれば手を出さずにいられない性分らしく王妃様から何度も折檻を受けているらしい。あまりに酷さにあそこの管を切除させられたとも噂されている。あそこを切られないだけまだましなのかも知れんが。

クリスティラもお手付きとの話があったが本人は否定していた。未遂で王妃様が止めたらしい。クリスティラは結構堅物だからな。

もちろんガイウスも芋を喰ったがそれよりもマクスウェルと同じで芋女が気になったらしい。やっぱり血筋なのか。



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