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冒険者Dとダドンの街
塩漬け案件1ーダゾンの街の依頼
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その街は活気が無かった。
どこの街とも同じ様に高い煉瓦の壁に囲まれ、門兵が人々の入出を見張り、荒野や森からの魔物の侵攻を警戒し、交易で生活を立てていた。当然のように冒険者ギルドもあり、ヤクザ者達がたむろしている。
俺は暇そうにしている受付嬢の一人に声を掛けた。一番胸がでかい女だ。
顔はまぁまぁだ。
「やぁ、依頼を受けたい」
そう言って俺はギルド証を目の前に投げた。受付嬢の名前は「アンナ」だ。
俺のギルド証を見たアンナが顔を顰める。見掛け倒しだとでも思ってるのだろう。
「Aランクですか、ダゾンの街では高レベル過ぎますよ」
そりゃそうかも知れん。この街の周りにゃあ何も無いからな。
交易商人も近寄らなくなったって聞いてるからな。
「塩漬け案件で良い」
俺の言葉に胡乱な目を向けたアンナが席を立ち、後ろの棚の中をコゾゴソやって何枚か紙を持って戻る。アンナが無言で広げた紙を見る。
「王都スベリオン迄の護衛 拘束期間15日 報酬金貨10枚」
「覇王龍ズァークの鱗 1枚当たり金貨2枚」
「毒王レゼの討伐 討伐証明及び素材 金貨7枚」
「強奪王オレンと手下達の討伐 早急 金貨12枚」
護衛は柄じゃねぇ。
覇王龍ズァークなんて何処に居るんだ?
毒王レゼは毒湖沼にしか居ねぇ。
報酬も一番高いから強奪王オレンで良いか。
俺は強奪王オレンの紙を示して言った。
「これな、情報をくれ」
眉をアンナは顰めるが拒否はしないで言った。
「A室にどうぞ」
情報室は誰も使ってないからAから開いてるらしい。
依頼は受付嬢が提示する中から選び受けるなら情報室で詳細を聞く流れだ。依頼失敗するとペナルティを喰らう。大体が割の合わない屑のような仕事だ。しかも減点される。
詳細を聞くと街道を外れた丘陵横にある古い城塞に籠もって街道を行く商隊を襲っているそうだ。
強奪王と自称しているオレンは元王城騎士だそうだ。
騎士階級は剛だったそうだ。
部下たちは素行が悪くて騎士を抜けた者たちが主で30人程だそうだ。
何度かB級冒険者パーティーが挑んだが返り討ちに合っている。
その為塩漬けになったと言う事だった。
良いねぇ、こう言うの好きだぜ。俺に合ってる。
躊躇いもなく一発OKを出した俺にアンナが心配そうな、諦めた様な表情を見せる。
「何だよ、人が死にに行くみたいな顔しやがって。」
「説明聞いたでしょう?B級パーティーが返り討ちに合うんですよ。幾らA級と言ってもソロなんて無理です!」
「ハハハ、俺に惚れたか?」
怒りに燃えてる女は萌える。
「そんな訳ありません!」
「じゃあ、賭けようぜ。依頼を成功させたら俺とデートしようぜ!」
目を丸くしたアンナは更に怒った。
「無理って言ったでしょ!」
「賭けに勝つんなら良いじゃねえか?」
強引な俺に無言で睨むアンナに更に俺は言った。
「賭け成立だな、燃えるぜ!!」
討伐証を掴んで懐に入れると俺は立ち上がり、唖然としているアンナを後に情報室を出て、冒険者ギルドも出て行く。
依頼も受けれたし、宿でも決めるか。
ギルド近くのうらぶれた安宿に決めて、計画を練り始めた。
ギルドから俺の後をつけて今も見張っている奴の気配に気づきながら···
どこの街とも同じ様に高い煉瓦の壁に囲まれ、門兵が人々の入出を見張り、荒野や森からの魔物の侵攻を警戒し、交易で生活を立てていた。当然のように冒険者ギルドもあり、ヤクザ者達がたむろしている。
俺は暇そうにしている受付嬢の一人に声を掛けた。一番胸がでかい女だ。
顔はまぁまぁだ。
「やぁ、依頼を受けたい」
そう言って俺はギルド証を目の前に投げた。受付嬢の名前は「アンナ」だ。
俺のギルド証を見たアンナが顔を顰める。見掛け倒しだとでも思ってるのだろう。
「Aランクですか、ダゾンの街では高レベル過ぎますよ」
そりゃそうかも知れん。この街の周りにゃあ何も無いからな。
交易商人も近寄らなくなったって聞いてるからな。
「塩漬け案件で良い」
俺の言葉に胡乱な目を向けたアンナが席を立ち、後ろの棚の中をコゾゴソやって何枚か紙を持って戻る。アンナが無言で広げた紙を見る。
「王都スベリオン迄の護衛 拘束期間15日 報酬金貨10枚」
「覇王龍ズァークの鱗 1枚当たり金貨2枚」
「毒王レゼの討伐 討伐証明及び素材 金貨7枚」
「強奪王オレンと手下達の討伐 早急 金貨12枚」
護衛は柄じゃねぇ。
覇王龍ズァークなんて何処に居るんだ?
毒王レゼは毒湖沼にしか居ねぇ。
報酬も一番高いから強奪王オレンで良いか。
俺は強奪王オレンの紙を示して言った。
「これな、情報をくれ」
眉をアンナは顰めるが拒否はしないで言った。
「A室にどうぞ」
情報室は誰も使ってないからAから開いてるらしい。
依頼は受付嬢が提示する中から選び受けるなら情報室で詳細を聞く流れだ。依頼失敗するとペナルティを喰らう。大体が割の合わない屑のような仕事だ。しかも減点される。
詳細を聞くと街道を外れた丘陵横にある古い城塞に籠もって街道を行く商隊を襲っているそうだ。
強奪王と自称しているオレンは元王城騎士だそうだ。
騎士階級は剛だったそうだ。
部下たちは素行が悪くて騎士を抜けた者たちが主で30人程だそうだ。
何度かB級冒険者パーティーが挑んだが返り討ちに合っている。
その為塩漬けになったと言う事だった。
良いねぇ、こう言うの好きだぜ。俺に合ってる。
躊躇いもなく一発OKを出した俺にアンナが心配そうな、諦めた様な表情を見せる。
「何だよ、人が死にに行くみたいな顔しやがって。」
「説明聞いたでしょう?B級パーティーが返り討ちに合うんですよ。幾らA級と言ってもソロなんて無理です!」
「ハハハ、俺に惚れたか?」
怒りに燃えてる女は萌える。
「そんな訳ありません!」
「じゃあ、賭けようぜ。依頼を成功させたら俺とデートしようぜ!」
目を丸くしたアンナは更に怒った。
「無理って言ったでしょ!」
「賭けに勝つんなら良いじゃねえか?」
強引な俺に無言で睨むアンナに更に俺は言った。
「賭け成立だな、燃えるぜ!!」
討伐証を掴んで懐に入れると俺は立ち上がり、唖然としているアンナを後に情報室を出て、冒険者ギルドも出て行く。
依頼も受けれたし、宿でも決めるか。
ギルド近くのうらぶれた安宿に決めて、計画を練り始めた。
ギルドから俺の後をつけて今も見張っている奴の気配に気づきながら···
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