45 / 159
王都のQT
王都の散策
しおりを挟む
あたしとダリとアンナさんは王都を歩く。
早くDの屋敷へと急ぎたがるアンナさんにDは昼間出掛けていて夜にならないと戻らないからと王都の散策を提案したのだ。
女が3人集まればすることは1つ、そうパーラーでのお喋りだ。
パーラーは軽食は出すが食事をするのではなく、飲み物やデザートを堪能する場所である。
飲み物を注文してお喋りを始めると特にダリアことダリとアンナさんは主従関係だったらしいから離れていた間の事をお互いに聞きたがる。
なぜ二人が主従関係を解消しなければならなかったかの話はあたしには詳しく教えて貰えなかった。どうにも言い難い事だからだけでなく秘密にしなければならない事があるらしい。
3年以上前の話、アンナさんが15歳で学園に通っていた頃の話らしい事は教えて貰えた。あの頃、ヨークゼンの街も浮浪者が増えてたな。
あたしも浮浪者仲間と徒党を組んだり、揉めたりしていた事を思い出す。あの娘はどうしてるかな?死んじゃってるかな?
眼の前でダリが傭兵として北の貴族に雇われて戦っていたことを話していた。
「・・だから、ライザップ領での戦闘は凄く激しくて、あたしもかなり追い込まれたりしたんです。」
ダリはアンナさんに仕えていた為に敬語で話す癖が抜けない。
「団長の指示でたった3騎で撹乱に走った時は死ぬかと思いましたよ。共走りしたジュリアンもドガンさんも大怪我したし」
ジュリアンは同い年の男の人で、ドアンさんは2つ年上の男の人で同じ様に槍を使うとダリが説明する。
槍にも種類があってダリが使うのは軽槍と呼ばれるもので、あたしもこれをダリから習った。ジュリアンは柔槍という持ち手の部分より先端が撓りやすく、刺突より細かな扱いが必要な技が使えるそうだ。ドアンさんは戦槍と呼ばれる太くて重く、先端の刃の部分に返りが付いているものらしい。
ダリが身振り手振りで大げさに説明するのでアンナさんもニコニコと始終笑顔で話を聞いている。
ダリが言う北の貴族というのはスリム•ライザップ辺境伯の事で、更に北にあるアロシア帝国との係争に雇われた事を言っている。
数年に渡ってアロシア帝国とは係争が続いていてライザップ領では傭兵団がかなり雇われている。
だからこの国では傭兵団が幾つもある。
傭兵団が重宝される背景には国軍を動かすとアロシア帝国との全面戦争に至る可能性があるからだとダリが教えてくれる。少しはヴォルンタリ団長から教えて貰っているのだと自慢そうに話す。
また聞きと言えどあたしには知らない事を知っているダリは凄いと素直に思う。むしろアンナさんの方はそれなりに知っているようだ。
「アロシア帝国はあちこちで係争を抱えていますからね」
西部ではウクイラナ王国を征服しようとしていて、東部では東方にある弓月国とも領土問題で揉めているらしいとアンナさんが補足してくれる。
「アロシア帝国は何をしようとしているの?」
あたしが疑問に思ってアンナさんに聞く。
「あたしが知っている所だとアロシア帝国は昔はもっと大きかったらしいわ。西部のウクイラナ王国ももっと西の諸国も含めたソビエント連邦帝国と言ったらしいのよ。その連邦の議長が連邦を解散してそれぞれの国が独立したらしいわ。今のアロシア帝国の皇帝がソビエント連邦帝国の強大さを取り戻そうとして居るって聞いたわ。」
想像も付かない話だがあたしは周りの国々にとっては迷惑な話だなと思った。
「あ、あたしも聞いたことあるわ!ソビエント連邦帝国って世界を二分するほどの国だったのよね。」
二分?もう一方は何と言ったのだろう?
「へ~、二分したもうひとつの国は何という国ですか?」
ダリに聞くとニッコリと笑う。
「当然、この国よ。あたし達の国、マジェント共和王国!!」
「あっ、そうか」
思わず声に出た。
「国と国の戦争になるとアロシア帝国はあたし達の国に勝てないからスリム•ライザップ辺境伯との小競合いに終始てんのよ。」
ダリが解説してくれる。
「まっ、スリム•ライザップ辺境伯が頑張ってくれてるから国との戦争にまで発展してないとも言えるのよね。」
アンナさんも続ける。
「変な所で国の話になっちゃったわね。殺伐とするから話を変えましょ」
「そうですね、アンナ様の言うとおりです。」
各自の飲み物もそろそろ無いので何か他のデザートでも頼もうとなって皆で色々な種類のパンケーキを追加注文した。みんなちょっとだけお腹が空いたのだ。
パンケーキはこのパーラーのお勧めだそうだ。
食べ物の好みから服装の趣味まで色んな事を話している内に昼になったのでパーラーを出て、街中を散策することになった。
王都の店構えが随分と変わったのでアンナさんは良く分らないと言ったから道案内はダリだ。
服飾関係の店は中央にある王宮を囲むように点在しているためそれなりに歩き回る事になった。季節的には秋冬ものが多く、まだ薄着でもいられる気温なので買い物をするというよりも冷やかしで見て回る感じだ。
3人で並んで歩くと身長の高いアンナさんを中心にダリとあたしが付いて廻るように見えるだろう。
仲の良い姉妹に見えたら良いなとちょっぴりあたしは思った。
早くDの屋敷へと急ぎたがるアンナさんにDは昼間出掛けていて夜にならないと戻らないからと王都の散策を提案したのだ。
女が3人集まればすることは1つ、そうパーラーでのお喋りだ。
パーラーは軽食は出すが食事をするのではなく、飲み物やデザートを堪能する場所である。
飲み物を注文してお喋りを始めると特にダリアことダリとアンナさんは主従関係だったらしいから離れていた間の事をお互いに聞きたがる。
なぜ二人が主従関係を解消しなければならなかったかの話はあたしには詳しく教えて貰えなかった。どうにも言い難い事だからだけでなく秘密にしなければならない事があるらしい。
3年以上前の話、アンナさんが15歳で学園に通っていた頃の話らしい事は教えて貰えた。あの頃、ヨークゼンの街も浮浪者が増えてたな。
あたしも浮浪者仲間と徒党を組んだり、揉めたりしていた事を思い出す。あの娘はどうしてるかな?死んじゃってるかな?
眼の前でダリが傭兵として北の貴族に雇われて戦っていたことを話していた。
「・・だから、ライザップ領での戦闘は凄く激しくて、あたしもかなり追い込まれたりしたんです。」
ダリはアンナさんに仕えていた為に敬語で話す癖が抜けない。
「団長の指示でたった3騎で撹乱に走った時は死ぬかと思いましたよ。共走りしたジュリアンもドガンさんも大怪我したし」
ジュリアンは同い年の男の人で、ドアンさんは2つ年上の男の人で同じ様に槍を使うとダリが説明する。
槍にも種類があってダリが使うのは軽槍と呼ばれるもので、あたしもこれをダリから習った。ジュリアンは柔槍という持ち手の部分より先端が撓りやすく、刺突より細かな扱いが必要な技が使えるそうだ。ドアンさんは戦槍と呼ばれる太くて重く、先端の刃の部分に返りが付いているものらしい。
ダリが身振り手振りで大げさに説明するのでアンナさんもニコニコと始終笑顔で話を聞いている。
ダリが言う北の貴族というのはスリム•ライザップ辺境伯の事で、更に北にあるアロシア帝国との係争に雇われた事を言っている。
数年に渡ってアロシア帝国とは係争が続いていてライザップ領では傭兵団がかなり雇われている。
だからこの国では傭兵団が幾つもある。
傭兵団が重宝される背景には国軍を動かすとアロシア帝国との全面戦争に至る可能性があるからだとダリが教えてくれる。少しはヴォルンタリ団長から教えて貰っているのだと自慢そうに話す。
また聞きと言えどあたしには知らない事を知っているダリは凄いと素直に思う。むしろアンナさんの方はそれなりに知っているようだ。
「アロシア帝国はあちこちで係争を抱えていますからね」
西部ではウクイラナ王国を征服しようとしていて、東部では東方にある弓月国とも領土問題で揉めているらしいとアンナさんが補足してくれる。
「アロシア帝国は何をしようとしているの?」
あたしが疑問に思ってアンナさんに聞く。
「あたしが知っている所だとアロシア帝国は昔はもっと大きかったらしいわ。西部のウクイラナ王国ももっと西の諸国も含めたソビエント連邦帝国と言ったらしいのよ。その連邦の議長が連邦を解散してそれぞれの国が独立したらしいわ。今のアロシア帝国の皇帝がソビエント連邦帝国の強大さを取り戻そうとして居るって聞いたわ。」
想像も付かない話だがあたしは周りの国々にとっては迷惑な話だなと思った。
「あ、あたしも聞いたことあるわ!ソビエント連邦帝国って世界を二分するほどの国だったのよね。」
二分?もう一方は何と言ったのだろう?
「へ~、二分したもうひとつの国は何という国ですか?」
ダリに聞くとニッコリと笑う。
「当然、この国よ。あたし達の国、マジェント共和王国!!」
「あっ、そうか」
思わず声に出た。
「国と国の戦争になるとアロシア帝国はあたし達の国に勝てないからスリム•ライザップ辺境伯との小競合いに終始てんのよ。」
ダリが解説してくれる。
「まっ、スリム•ライザップ辺境伯が頑張ってくれてるから国との戦争にまで発展してないとも言えるのよね。」
アンナさんも続ける。
「変な所で国の話になっちゃったわね。殺伐とするから話を変えましょ」
「そうですね、アンナ様の言うとおりです。」
各自の飲み物もそろそろ無いので何か他のデザートでも頼もうとなって皆で色々な種類のパンケーキを追加注文した。みんなちょっとだけお腹が空いたのだ。
パンケーキはこのパーラーのお勧めだそうだ。
食べ物の好みから服装の趣味まで色んな事を話している内に昼になったのでパーラーを出て、街中を散策することになった。
王都の店構えが随分と変わったのでアンナさんは良く分らないと言ったから道案内はダリだ。
服飾関係の店は中央にある王宮を囲むように点在しているためそれなりに歩き回る事になった。季節的には秋冬ものが多く、まだ薄着でもいられる気温なので買い物をするというよりも冷やかしで見て回る感じだ。
3人で並んで歩くと身長の高いアンナさんを中心にダリとあたしが付いて廻るように見えるだろう。
仲の良い姉妹に見えたら良いなとちょっぴりあたしは思った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる