無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

私掠船強奪2

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まずは約500m手前から近付く。この距離と深度なら気付かれる事は無い。
海上に人が立っていたとしても見張りには見つけられない波間に紛れて判らない。俺が外に出るのはもっと近付いてから、驚く程に近い所からだ。

100mほどまで近づいた所でリバイアーの背中を海上に曝す。その時に船外へ俺だけが出て、その背に立った。
海面スレスレだから遠目には海獣リバイスの背が見えたかと思ったら人がいたように見えたはずだ。

波風と足元で飛ぶ海水を気にせず俺は私掠船を見詰めた。

スキル『遠目』でその国旗を確かめるとインベントリから魔銛『絶死』を取り出した。コイツなら確実に相手を死に至らしめ、自動で手元に戻って来る。まぁ全員を殺る積りは無いがな。
数人を見せしめにしたら後は放っておく積もりだ。

海上をかなりの速さで近付き、50m程の近さから魔銛『絶死』を適当に私掠船に向けて投げる。普通なら投げられて10m程度で落ちてしまうが魔銛『絶死』は投擲速度を落とすこと無く、船の帆を貫いて飛んで行って、消えた。

そして俺の手元に戻って来た。
海獣艇シーモンスター『リバイアー』が海上を跳ねる様にその全身を見せて近付くと私掠船から悲鳴に似た叫びが上がった。

そして船長の号令一下、船上が船員で溢れ、一斉に魔法を放って来た。
放たれた魔法は水系と雷系の物が数十と船乗りにしては多かったが、如何せん威力と飛距離が足りなかった。

海獣艇シーモンスター『リバイアー』が海上から飛び跳ねた勢いを利用して、俺は海上を空歩で高みに上がる。
海獣艇シーモンスター『リバイアー』は海中に潜る。

その間を雷系の魔法が細く細く糸のような紫電を届かせたが、水系の魔法は半分も届いて居ないからただの放水にしかなっていなかった。

海中に潜り込んだ海獣艇シーモンスター『リバイアー』を見つけようと私掠船の船員達の視線が海中に向かった為に空中を行く俺に向く視線は僅かだった。全く不運な奴らだ。

俺は魔銛『絶死』を視線を俺に向けて驚愕している船員に向けて投げた。魔銛『絶死』は狙い違わずその不運な船員の胸を貫き、消えて手元に戻る。

あと20mと言う距離で見張台の船員が大声を上げて、俺を指差した。
その声に反応した数人が俺に向かって魔法やら銛やらを投げ出した。投擲の才を見せていた船員に魔銛『絶死』を放って殺ると呆気ない程に倒れてしまう。

狙いの定まらない力の無い投擲された銛を空歩で避けながら、俺は護衛艦でない私掠船の甲板に飛び降りた。有象無象の船員真ん中とは言え、みな銛や偃月刀を構えて居る。
飛び降りる寸前に魔銛『絶死』をインベントリに収納して代わりに魔剣『灼熱』を取出していた。

近付けば『灼熱』の餌食だぜ。俺は俺を囲む船員をにやりと笑い掛けた。腕に自信がありそうな上半身裸の大男が輪の中から出て来て、偃月刀を俺に向けて言った。
「何処の馬の骨か知らんがこの商船『バラクーダ号』を襲うとは良い度胸だな!船員頭ジャッカルが相手をしてやる!」

船乗りなのに屍肉狼ジャッカルとは洒落てやんなあ(笑)。

俺はご厚意に甘えて、魔剣『灼熱』を振るって飛び込んだ。
偃月刀で受けに回った船員頭ジャッカルは一刀の元に斬り伏せられて血飛沫を、飛ばした。

あれ?偃月刀ごと斬り伏せちまったぜ。周りの船員もジャッカルが倒されて熱り立った者は掛かって来たが、みんな脇が甘い。
2、3人を斬り伏せれば我先と逃げ出した。

俺は甲板を歩き回り、手当り次第追いかけ回し船から追い出した。それから船の中に入り、船倉に向かうが掛かって来る者は居ない。

みんな逃げ回り怯えている。船倉の扉を蹴破り、様子を伺うが掛かって来る者は居なかった。まぁ手間が省けて助かるわ。

木箱が沢山積まれているのを俺はひょいひょいインベントリに収納していると声が掛かった。
「お、おい!お前もしかして『べゼット•ワイグマ』か?」

これまた古い名前で呼ばれたものだ。かつて商人Bとしてやっていた時の名前じゃないか。
俺が振り向くとドアの陰に裕福そうな服に身を包んだ太った男が居た。その顔に俺は見覚えがあった。
俺が思い出そうとするとその男が言った。
「やっぱり、ビィーじゃないか!」

やっと思い出した。こいつはイクアウト•プコーンじゃないか。

イクアウト•プコーンは俺が商人べゼット•ワイグマとして生きていた頃の商売相手だ。何年前の事か、俺が生まれた村を出て商売が順調に行き始めた頃に食料売買をした相手だ。
こいつはどうやってかマジェント共和王国の食料不足を予知して王宮に対して暴利を貪って居たのだ。
「イクアウトか、変わらん奴だ」

タワン風の服に宝石類をジャラジャラ付けて如何にも金持ちそうな装いなのはあの頃と変わらない。






    
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