無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

前世の記憶〜ノルダとビエラ

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テイマーのノルダはビックルと言う小人族だ。身長は1m程度で小さく、人族の子供に似ていると言われてる。
小人族としては美人なのだが人族は誰もそれを認めようとしないのが不満だ。

ティムしている魔物はリトルと言う空を飛ぶ小型の恐竜とハイドと言う虎に似た四足の獣だ。
常に従えて居るわけでは無くて街の中では檻に入れられて居る。だから今回は外に出され、自分の餌は自分で捕らえるように言ってある。

『暁燿旅団』のヴォルンタリに冒険者をしている時にスカウトされた。冒険者の時は臨時パーティ加入と言う形で参加していたのだ。本当はソロでも良かったのだが冒険者の先達に色々なパーティに参加してビックルと言う種族を受入れてくれる仲間を作った方が良いと勧められた為だ。

仲の良くなったパーティもあったが陰で差別の言葉を吐く輩が多かった。傭兵の方が多種多彩でお互いにリスペクトされて居心地が良かった。
猿人系の獣人族である多剣のビエラとは凄く仲が良い。
ビエラは知っているがこう見えてももう40近くで婚期を逃している。そんなノルダがアンナと言う貴族の護衛として国を出る事になったのはやっぱりヴォルンタリの勧めだった。

護衛の仕事自体はそれ程の難しさはなかったし、旅そのものは楽しかった。だけどこの仕事でとんでもない体験をして仕舞った。
アンナが追っていたディーと言う男の故郷の森に入った時に自分の過去世と言う物を思い出してしまったのだ。

ノルダの過去世は人族の少女だった。名前はリーヒア、若干10歳で殺された。
森の中に新しく開拓された村で生まれた。父親も母親も生きるために何でもしていた。森の木々を伐採して、土を掘り起こし、根を燃やす。土を耕し麦とも雑草ともつかぬような物を栽培してそれを煮て粥にして食べていた。
森の中は魔物も徘徊して人族が生きるにはかなり厳しかったのに何故そんな場所に村を作ったのか分からなかった。村人の境遇はみんな同じようなもので力を合わせて村を守った。
昼は働き、夜は身を寄せ合って神に祈りながら眠った。

だが神は非情だった。村人も太刀打ち出来ないような大型の魔物に襲われたのだった。魔物は大人を襲うより子供を狙って襲っていた。父親母親に逃げるように言われて家を飛び出した所を背中から襲われ理由も分からずに死んだのだ。
リーヒアはそんな死に方だったからか、ビックルと言う小人族でテイマーとして生まれ変わったのだった。


多剣のビエラは猿人系の獣人族で逞しく背も高い。170cmの体躯に剣をぶら下げている。
剣の種類は違えど10本は下らない。防護は急所を最低限しているだけで剣が防具の代わりで俊敏性を犠牲にしない戦い方をする戦士だ。

人族の剣は脆くて、全て使い物に無くなったら逃げしか無い。ビエラの故郷は深い森の中にあり、猿人系の部族が複数暮らしていた。ビエラの夫は部族の中の戦士であり肉体で相手を撲殺する強者だった。ビエラは夫を愛していたし夫よりも強い男なんていないと信じて子供を願って何人も男の子を育てていた。

子供達も夫の強さに憧れて成人したら同じように戦士となって戦いに身を投じていた。でも夫程の強さを持てずに戦に云って返ってくるのは夫だけだった。

だがある戦いで夫は帰って来なかった。人族との戦いに夫は負けたのだ。夫と共に戦いに行って敗残した者が夫を殺した人族の事をビエラに教えた。

ビエラは一族を捨てて夫の敵を打つ為に旅立った。夫は強かったが人族の武器に負けたのだ。だからビエラは人族の武器を使って強くなることにした。

様々な戦いを経て武器の扱いを覚えビエラは強くなった。
そして夫と共に戦いに出て帰っこなかった奴隷となっていた戦士から夫と共に戦いに出た息子達が何故帰って来なかったか知った。

夫は息子達を犠牲にして逃げて帰っていたのだった。人族に捕まり奴隷とされた息子に会った事でそれが真実だと知った。失意に落ちたビエラを救ったのが『暁燿旅団』のリーダーであるヴォルンタリだった。
失意に落ちて出もビエラはどこかヴォルンタリに夫を重ねていたのかも知れない。そんなヴォルンタリの指示でビエラはノルダと共に人族の貴族アンナの護衛の旅に同行したのだった。
ビエラも高齢になって最前線で戦うより護衛の仕事をするしか無いとも思っていたのだ。

だけどこの仕事でとんでもない体験をして仕舞った。アンナが追っていたディーと言う男の故郷の森に入った時に自分の過去世と言う物を思い出してしまったのだ。

ビエラの前世も猿人系の獣人だった。ただし、もっと小柄でかなり人族よりの獣人だった。服を脱がなければ人族としか見えないような弱々しい種族だった。
その時もビエラには夫がいた。そして二人共同じ猿人系の獣人との戦いで殺されたのだ。

その戦いの相手の獣人は今のビエラ達と同じ種族だった。
ビエラが前世の記憶のショックに呆然としている時にハイドゥン村の中から一人の人族の男がふらふらとビエラの名前を呼びながら近づいて来た。

ビエラはひと目見てその男が前世の男だと気付いた。思わぬ場所で夫婦は再会したのだった。





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