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第一章
9. 目的
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クレープを食べ終えた後、俺達は目的の場所へと向かっていた。
「どこへ行くの?」
楽しそうに弾む声に、歩きながら答える。
「ちょっと買いたいものがあってさ」
「ふぅん。あ、服とか?一緒に選ぼうか。間宮くんって、いつもパーカーばっかりだし」
「服じゃねぇけど。ってか、色んな色のやつ持ってるから間に合ってる」
「でも、パーカーでしょ?」
「パーカー舐めんなよ」
そんな会話をしながら、時間をかけて何とか目的地へと辿り着いた。
到着予定時刻を大幅にオーバーしたのは、早川が歩く度に逆ナンされまくったせいだ。
この人は無駄に顔が良いくせに、無駄に身長まで高かった。腹が立つからあえて聞いたことはないが、ゆうに180センチは超えているだろう身長はとにかく目立つ。
あげく何やら怪しいスカウトまでされる姿は、まさに歩く人間ホイホイだった。
「この人用事あるから!ごめんね!!そこ腕引っ張らないで下さいっ!!!」
俺は、お姉さん達に囲まれるたびに、とにかく吠えまくった。
世話のかかる雇い主を、番犬の如く全力で守り切った英雄を誰か褒めてくれ。
「え、買い物ってここ?」
早川の言葉に頷きながら、渋るその背中を押して店内へと入る。
そこは、大きな書店だった。
ブックカフェも併設されており品揃えも素晴らしい。
「えー、間宮くんの服選びたかったなぁ」
若干駄々をこね始めた早川を引きずりながら、目当てのコーナーを目指して歩く。
「ほらっ、着いたぞ」
俺は、棚一面の本を指差した。
そこにはー……
見目麗しい男、男、男達!
早川に負けないくらいキラキラ?していたのは、BL漫画のコーナーだった。
全くどれが良いか分からんが、とりあえずポップがついているものや、新刊を手に取ってみる。
「早川さんさ、たぶん……っていうか絶対に知識が偏ってると思うんだ。だから、ちゃんと正しい参考資料見つけようぜ。まずは流行のリサーチだろ!」
ほい、と早川にも手渡しつつ裏表紙のあらすじを目で追っていく。
しかし、彼は本を受け取り固まったまま、一向に動かなかった。
「え。ど、どうした?」
その様子に心配になり、声をかける。
すると、早川は片手で口元を抑えながら呟くように言った。
「僕の仕事のためにわざわざ本屋来たの?せっかくの休日なのに」
不思議そうな声に、俺の方が首を傾げた。
「だって、協力し合おうって約束したじゃん。一発逆転すんだろ?」
そう言えば、彼は両手で顔を隠してついにその場にしゃがみ込んでしまった。
「え、まじでどうしたの?」
「……これが受けか」
「ウケ?何か面白かった?」
「…………と、尊い」
そんなやりとりをしている時だった。
視線を感じて、振り返る。
けれど、その先の通路には誰もいなかった。首を傾げつつ、項に触れる。
そこには、今だにチリチリとした嫌な視線が残っているような気がしてならなかった。
「どこへ行くの?」
楽しそうに弾む声に、歩きながら答える。
「ちょっと買いたいものがあってさ」
「ふぅん。あ、服とか?一緒に選ぼうか。間宮くんって、いつもパーカーばっかりだし」
「服じゃねぇけど。ってか、色んな色のやつ持ってるから間に合ってる」
「でも、パーカーでしょ?」
「パーカー舐めんなよ」
そんな会話をしながら、時間をかけて何とか目的地へと辿り着いた。
到着予定時刻を大幅にオーバーしたのは、早川が歩く度に逆ナンされまくったせいだ。
この人は無駄に顔が良いくせに、無駄に身長まで高かった。腹が立つからあえて聞いたことはないが、ゆうに180センチは超えているだろう身長はとにかく目立つ。
あげく何やら怪しいスカウトまでされる姿は、まさに歩く人間ホイホイだった。
「この人用事あるから!ごめんね!!そこ腕引っ張らないで下さいっ!!!」
俺は、お姉さん達に囲まれるたびに、とにかく吠えまくった。
世話のかかる雇い主を、番犬の如く全力で守り切った英雄を誰か褒めてくれ。
「え、買い物ってここ?」
早川の言葉に頷きながら、渋るその背中を押して店内へと入る。
そこは、大きな書店だった。
ブックカフェも併設されており品揃えも素晴らしい。
「えー、間宮くんの服選びたかったなぁ」
若干駄々をこね始めた早川を引きずりながら、目当てのコーナーを目指して歩く。
「ほらっ、着いたぞ」
俺は、棚一面の本を指差した。
そこにはー……
見目麗しい男、男、男達!
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全くどれが良いか分からんが、とりあえずポップがついているものや、新刊を手に取ってみる。
「早川さんさ、たぶん……っていうか絶対に知識が偏ってると思うんだ。だから、ちゃんと正しい参考資料見つけようぜ。まずは流行のリサーチだろ!」
ほい、と早川にも手渡しつつ裏表紙のあらすじを目で追っていく。
しかし、彼は本を受け取り固まったまま、一向に動かなかった。
「え。ど、どうした?」
その様子に心配になり、声をかける。
すると、早川は片手で口元を抑えながら呟くように言った。
「僕の仕事のためにわざわざ本屋来たの?せっかくの休日なのに」
不思議そうな声に、俺の方が首を傾げた。
「だって、協力し合おうって約束したじゃん。一発逆転すんだろ?」
そう言えば、彼は両手で顔を隠してついにその場にしゃがみ込んでしまった。
「え、まじでどうしたの?」
「……これが受けか」
「ウケ?何か面白かった?」
「…………と、尊い」
そんなやりとりをしている時だった。
視線を感じて、振り返る。
けれど、その先の通路には誰もいなかった。首を傾げつつ、項に触れる。
そこには、今だにチリチリとした嫌な視線が残っているような気がしてならなかった。
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https://openai.com/policies/terms-of-use
■Claude
https://www.anthropic.com/legal/archive/18e81a24-b05e-4bb5-98cc-f96bb54e558b
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