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捕獲
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弔いをしている頃、そのはるか上空から紫輝のことを見ている者達がいた。
??「驚いたな…。この数を1人で、しかも魔法攻撃もしないでただの剣技だけで殺るなんて…」
???「そうですね。あれでも一応俺らの精鋭部隊なんですけどね…?。なんかすっごく弱く見える。」
??「いや、俺のところのやつらもそうだぞ。国で言ったら全員が隊長できるくらいのレベルなのに。」
侵入者2人はただ、ただ、震撼した。
これが6大神最強なのか、と。
???「でも俺がもしあいつだったら、魔法攻撃使いますけどね。」
??「同感だな。」
???「わざわざ剣だけで殺る必要ありますか?
あれくらいの実力なら、魔法攻撃で即死させられるでしょ」
??「最近…というかあの事件以来、使ってないというのは本当みたいだな」
???「…となると、やっぱりあの噂は本当ですかね~」
??「だろうな。こちらとしては好都合だが…」
不思議なのだ。あれだけの実力を持っていながら、なぜ得意な自然繰術を使わないのか。
誰がどう考えても変なのだ。そう、紫輝は自然操術を使わないんじゃなく、使えないのじゃないかと思うのが普通だろう。
男達は紫輝の姿をもう一度じっくりと見た。戦闘時は、人を殺すことに躊躇はなくただの戦闘狂のようだったが…。弔いをしている彼は今にも崩れそうなくらい儚い。美しい銀色の髪の毛、形の整ったハッキリとした眉、筋の通った鼻、薄い桃色の唇、奇麗な二重のパッチリした目。人間の顔とは思えないほどの顔面強者だ。どっちかというと男達のタイプの顔である。
しげしげと紫輝の顔を眺めていると向こうもそれに気づいたらしい。なんて奴だ。こんなに距離を取っているのにこちらの視線を感知するとは…。
バチッと目があってしまった。向こうは最初は驚いていたが徐々に冷酷な顔つきになっていく。すでに戦闘モードに入ったらしい。翼がエグい角度で今にも飛び立とうとしている。
もちろんこちらに向かって…。
??「おい…まじか…この距離でも気づかれたぞ」
???「うわ化け物かよ!とりあえず追いつかれる前に逃げましょ!」
撤退しようとしたその時だった。
シュンッー。
時空が歪む音がする。振り返って見てみれば先程の美しい男。
「誰が化け物だって?」
男達は死を覚悟した、と同時に英雄と戦えることに歓喜した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(紫輝視点)
退勤しようとしていたのに。くそったれ。何か誰か俺のことをすごい見てくるやつがいると思ってふっと空を見たらバチッと目があってしまった。人数は2人。空中浮遊を可能としているのでおそらく5大国の王族だろう。服装からして
も才華国と黒妖国の王子っぽい。顔はこの距離じゃ見えないけど。
んで、さすがに放っておくわけにも行かないので切っていた戦闘モードのスイッチをオンにする。王族といえど、この国に攻撃するなら殺すつもりだし。
翼をバサッと羽ばたかせて奴らのもとへ急上昇した。どうやらまだ俺が来たことに気づいてなかったらしい。片方が化け物だと騒いでいた。心外である。
「誰が化け物だって?」
そう問い返すと男達は驚いてこちらを振り返った。年は俺と同い年くらいだろうか。わぁ…。さすが王族、雰囲気とかがもう先程の雑魚とはわけが違う。何より顔が2人とも整ったイケメンだ。1人は黒髪で蒼色の三白眼が印象的。もう1人は茶髪で薄めの二重に大きい涙袋…敵ながら人懐っこい顔をしている。俺の国には顔面強者しかいないけど、そういう奴らを見慣れている俺でも素直にかっこいいなと思ったほどだった。いかにも男って感じの筋肉のつき方、加えての高身長。どっちも185以上はあるなぁ。羨ましい。俺は鍛えても鍛えても筋肉はほっそりとしかつかないいわゆる細マッチョだし、身長も170センチしかない。いいなぁ、何食べたらそんなふうになるんだ?どういう鍛え方をしてるんだろう。ぜひ教えてほしい。………。
いや違う違う。今考えることじゃないだろ俺!。そんな雑念を取り払って極めて慎重に男達の喉元に剣の切っ先を突き立てた。
「才華国と黒妖国の王族様が我が国に何のようですか?」
……数秒の沈黙。
2人ともポカンとしていたがやがて狂喜的な顔
で俺のことを見てきた。何となく、今までにあったこともない敵で全身がゾワッとした。
「はは…光栄だな。まさかこんなに早く会えるとは」
「同感です。うわぁ、楽しみすぎてこんな感情初めてです。俺の国には俺より強い人いなかったので…」
「確かに。それにここまで来たら逃げられないから、上からは戦闘禁止って言われてるけど…。俺らだけでやるしかないよな」
「ですね!作戦を実行しましょう」
駄目だ。全く会話が通じない。2人で楽しそうに会話を続けていた。なぜだかわからないが極度の興奮状態である。
作戦…と言っていたけど何かあるのだろうか?サイコパスっているんだなぁ…と思っていると、2人にとっても綺麗な笑顔を向けられた。
先程も感じた嫌悪感が俺を襲う。
ーよし、殺そう。
戦いが始まった。
??「驚いたな…。この数を1人で、しかも魔法攻撃もしないでただの剣技だけで殺るなんて…」
???「そうですね。あれでも一応俺らの精鋭部隊なんですけどね…?。なんかすっごく弱く見える。」
??「いや、俺のところのやつらもそうだぞ。国で言ったら全員が隊長できるくらいのレベルなのに。」
侵入者2人はただ、ただ、震撼した。
これが6大神最強なのか、と。
???「でも俺がもしあいつだったら、魔法攻撃使いますけどね。」
??「同感だな。」
???「わざわざ剣だけで殺る必要ありますか?
あれくらいの実力なら、魔法攻撃で即死させられるでしょ」
??「最近…というかあの事件以来、使ってないというのは本当みたいだな」
???「…となると、やっぱりあの噂は本当ですかね~」
??「だろうな。こちらとしては好都合だが…」
不思議なのだ。あれだけの実力を持っていながら、なぜ得意な自然繰術を使わないのか。
誰がどう考えても変なのだ。そう、紫輝は自然操術を使わないんじゃなく、使えないのじゃないかと思うのが普通だろう。
男達は紫輝の姿をもう一度じっくりと見た。戦闘時は、人を殺すことに躊躇はなくただの戦闘狂のようだったが…。弔いをしている彼は今にも崩れそうなくらい儚い。美しい銀色の髪の毛、形の整ったハッキリとした眉、筋の通った鼻、薄い桃色の唇、奇麗な二重のパッチリした目。人間の顔とは思えないほどの顔面強者だ。どっちかというと男達のタイプの顔である。
しげしげと紫輝の顔を眺めていると向こうもそれに気づいたらしい。なんて奴だ。こんなに距離を取っているのにこちらの視線を感知するとは…。
バチッと目があってしまった。向こうは最初は驚いていたが徐々に冷酷な顔つきになっていく。すでに戦闘モードに入ったらしい。翼がエグい角度で今にも飛び立とうとしている。
もちろんこちらに向かって…。
??「おい…まじか…この距離でも気づかれたぞ」
???「うわ化け物かよ!とりあえず追いつかれる前に逃げましょ!」
撤退しようとしたその時だった。
シュンッー。
時空が歪む音がする。振り返って見てみれば先程の美しい男。
「誰が化け物だって?」
男達は死を覚悟した、と同時に英雄と戦えることに歓喜した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(紫輝視点)
退勤しようとしていたのに。くそったれ。何か誰か俺のことをすごい見てくるやつがいると思ってふっと空を見たらバチッと目があってしまった。人数は2人。空中浮遊を可能としているのでおそらく5大国の王族だろう。服装からして
も才華国と黒妖国の王子っぽい。顔はこの距離じゃ見えないけど。
んで、さすがに放っておくわけにも行かないので切っていた戦闘モードのスイッチをオンにする。王族といえど、この国に攻撃するなら殺すつもりだし。
翼をバサッと羽ばたかせて奴らのもとへ急上昇した。どうやらまだ俺が来たことに気づいてなかったらしい。片方が化け物だと騒いでいた。心外である。
「誰が化け物だって?」
そう問い返すと男達は驚いてこちらを振り返った。年は俺と同い年くらいだろうか。わぁ…。さすが王族、雰囲気とかがもう先程の雑魚とはわけが違う。何より顔が2人とも整ったイケメンだ。1人は黒髪で蒼色の三白眼が印象的。もう1人は茶髪で薄めの二重に大きい涙袋…敵ながら人懐っこい顔をしている。俺の国には顔面強者しかいないけど、そういう奴らを見慣れている俺でも素直にかっこいいなと思ったほどだった。いかにも男って感じの筋肉のつき方、加えての高身長。どっちも185以上はあるなぁ。羨ましい。俺は鍛えても鍛えても筋肉はほっそりとしかつかないいわゆる細マッチョだし、身長も170センチしかない。いいなぁ、何食べたらそんなふうになるんだ?どういう鍛え方をしてるんだろう。ぜひ教えてほしい。………。
いや違う違う。今考えることじゃないだろ俺!。そんな雑念を取り払って極めて慎重に男達の喉元に剣の切っ先を突き立てた。
「才華国と黒妖国の王族様が我が国に何のようですか?」
……数秒の沈黙。
2人ともポカンとしていたがやがて狂喜的な顔
で俺のことを見てきた。何となく、今までにあったこともない敵で全身がゾワッとした。
「はは…光栄だな。まさかこんなに早く会えるとは」
「同感です。うわぁ、楽しみすぎてこんな感情初めてです。俺の国には俺より強い人いなかったので…」
「確かに。それにここまで来たら逃げられないから、上からは戦闘禁止って言われてるけど…。俺らだけでやるしかないよな」
「ですね!作戦を実行しましょう」
駄目だ。全く会話が通じない。2人で楽しそうに会話を続けていた。なぜだかわからないが極度の興奮状態である。
作戦…と言っていたけど何かあるのだろうか?サイコパスっているんだなぁ…と思っていると、2人にとっても綺麗な笑顔を向けられた。
先程も感じた嫌悪感が俺を襲う。
ーよし、殺そう。
戦いが始まった。
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