24 / 31
第24話 帰還後
しおりを挟む
僕たちは湖賊から押収した船で、ハクシュトアに戻った。
ハクシュトアで、待っていた人たちは、見慣れぬ巨大な船がやってきたのを見て、非常に困惑したようであるが、僕たちであるとわかって安心したようだった。
宝は一旦、領主の館に運び込む。
湖賊から押収した船の改修費用に当てたり、新しい船を買うことに使いたい。
私的な目的で使用する気は、一切なかった。
捕まえた湖賊たちは、どうするか協議した結果、処刑はせずに奴隷として街に売るべき、だという結論に達した。
確かにムカつく奴らではあるが、一応ロンドやレンティは、死んだりはしていない。治らない傷を負ったわけではもないので、殺してしまうほどではないというのが一つと、単純に殺すより売ったほうが、メリットになるからである。
犯罪者の奴隷は、基本的に酷い扱いを受けることが多いので、結局死ぬことになる可能性が、高そうではある。
今まで湖賊として、好き勝手やってきたのだろうから、当然の報いと言えばそれまでかもしれない。
湖賊を売り捌いたり、宝を売りに行ったりするのは、明日にすると決めた。
それから、勝利を祝ったパーティーを開いた後、僕は領主の館に戻り、眠りについた。
○
翌日。
「起きてくださいご主人様。起きてください」
ゆさゆさと誰かが僕の体を揺する。
ゆっくりと目を開けて、揺すっている人の顔を確認した。
「……レンティ?」
ロンドの娘である、レンティが僕の体を揺すっていた。
なぜレンティが?
良くみると彼女は今までとは違う装いをしていた。
ていうかこの服は……
いわゆるメイド服という奴なのでは?
「えーと……なぜレンティが僕を? そしてその服は?」
「身の回りのお世話をすると言ったじゃないですか。それに相応しい格好です。昔この館にはメイドさんがいたらしくて、その人の服を着ています。ちょっとボロボロになっていましたけど、リンちゃんに直してもらったんですよ」
事情を一気に説明した。
「いや……えーと……身の回りのお世話って、確かに言ってたけどさ……そこまでしなくていいっていうか」
「やらせてください! 自分の身と父の身を救われて、何もやらないわけにはいかないんです!」
昨日と同じ主張をレンティはした。
ずっと嫌っていたのに、ここまでころっと変われるものなのかな? と思うくらいの代わりよう。
まあ、確かに命を救われるってのは大きいことだけどさ。
「とにかく、その……どんなことでもご命令ください。何でもやりますから……」
そう言われて、僕は若干良からぬ想像をしてしまった。
レンティの豊満な胸が、僕の目に入る。
その視線にレンティは気づいたようだ。
少し顔を赤くして、
「その……Hな命令でも……大丈夫ですよ?」
と言ってきた。
「いやいやいや、しないから! え、えーとそうだ! 料理作ってくれると嬉しいな!」
「あ、そ、そうですか」
ちょっとだけ残念そうにレンティはいう。
も、もしかしてして欲しかったのか?
い、いやそんわけないか!
レンティは料理を作りにいったが、
「あれ?」
すでに作られていた。
ファリアナが今で通り作っていたようである。
「何でしょうか、レンティさんのその格好は」
「え、えーと、今日からライル様にお仕えしようと思ってたんですけど」
「そうですか。それは良いことです。しかし、すみません。レンティさんの分は作っておりませんでした。今から、急いでお作りします」
「え、ええ? 良いですよ! 自分で作りますから!」
レンティが慌てて止めた。
「あのファリアナさんは、メイドさんだったんですか?」
「いえ、私は騎士です。ですが、メイドのような仕事もこなす事ができます」
「そ、そうですか。いやいや、駄目です! 騎士様がそのような真似をしては! ファリアナ様も、私の恩人です! お二人のお世話を今日からしますよ」
「私の世話……? ふむ……それはまた変わった……まあ、別に問題はありませんが。仕事が減って助かります」
ファリアナは自分が世話をされる立場になることに、違和感を抱いているようだった。
どうやらシンシアの世話をずっとしてきたんだろうな。
レンティは、ファリアナほどではないが、家事はそこそこ出来た。
正直、彼女をメイドにしたままでいいのか、疑問ではあるが、やりたいと言っているんだし、強引に止める必要はないかもな。
僕はその後、宝や捕縛した湖賊たちを連れて、ラーマスへと向かった。
押収したあの船を使うと、ラーマスでは湖賊と間違えられて、大変なことになりかねないので、数隻の漁船を使ってラーマスには向かった。
交易するには大きさが足りないのだが、ラーマスに行く事自体は、問題なく可能である。
ファリアナは今回はついてこない。
ハクシュトアの領地運営を僕がいない間、やってくれることに。
護衛などはバイアーやアンドリュー、魔法の使えるルートにお願いした。
ルートは酒場の経営があるのだが、取引するには口のうまいやつが必要だろと言って、酒場を一時休業にして、来ることになった。
また、ラーマスへは時間がかるということで、その間のお世話がかりとして、レンティはついてくることに
これから先、レンティはずっと僕のそばにいそうな気がする。
彼女は可愛いし、一緒にいて嫌ということはない。
しかし、何でもおっしゃってください、何でもしますよ、などの言葉をよく口にするので、男としては良からぬ行動に出そうで少し怖かった。
船の上で数日過ごして、ラーマスに到着した。
ハクシュトアで、待っていた人たちは、見慣れぬ巨大な船がやってきたのを見て、非常に困惑したようであるが、僕たちであるとわかって安心したようだった。
宝は一旦、領主の館に運び込む。
湖賊から押収した船の改修費用に当てたり、新しい船を買うことに使いたい。
私的な目的で使用する気は、一切なかった。
捕まえた湖賊たちは、どうするか協議した結果、処刑はせずに奴隷として街に売るべき、だという結論に達した。
確かにムカつく奴らではあるが、一応ロンドやレンティは、死んだりはしていない。治らない傷を負ったわけではもないので、殺してしまうほどではないというのが一つと、単純に殺すより売ったほうが、メリットになるからである。
犯罪者の奴隷は、基本的に酷い扱いを受けることが多いので、結局死ぬことになる可能性が、高そうではある。
今まで湖賊として、好き勝手やってきたのだろうから、当然の報いと言えばそれまでかもしれない。
湖賊を売り捌いたり、宝を売りに行ったりするのは、明日にすると決めた。
それから、勝利を祝ったパーティーを開いた後、僕は領主の館に戻り、眠りについた。
○
翌日。
「起きてくださいご主人様。起きてください」
ゆさゆさと誰かが僕の体を揺する。
ゆっくりと目を開けて、揺すっている人の顔を確認した。
「……レンティ?」
ロンドの娘である、レンティが僕の体を揺すっていた。
なぜレンティが?
良くみると彼女は今までとは違う装いをしていた。
ていうかこの服は……
いわゆるメイド服という奴なのでは?
「えーと……なぜレンティが僕を? そしてその服は?」
「身の回りのお世話をすると言ったじゃないですか。それに相応しい格好です。昔この館にはメイドさんがいたらしくて、その人の服を着ています。ちょっとボロボロになっていましたけど、リンちゃんに直してもらったんですよ」
事情を一気に説明した。
「いや……えーと……身の回りのお世話って、確かに言ってたけどさ……そこまでしなくていいっていうか」
「やらせてください! 自分の身と父の身を救われて、何もやらないわけにはいかないんです!」
昨日と同じ主張をレンティはした。
ずっと嫌っていたのに、ここまでころっと変われるものなのかな? と思うくらいの代わりよう。
まあ、確かに命を救われるってのは大きいことだけどさ。
「とにかく、その……どんなことでもご命令ください。何でもやりますから……」
そう言われて、僕は若干良からぬ想像をしてしまった。
レンティの豊満な胸が、僕の目に入る。
その視線にレンティは気づいたようだ。
少し顔を赤くして、
「その……Hな命令でも……大丈夫ですよ?」
と言ってきた。
「いやいやいや、しないから! え、えーとそうだ! 料理作ってくれると嬉しいな!」
「あ、そ、そうですか」
ちょっとだけ残念そうにレンティはいう。
も、もしかしてして欲しかったのか?
い、いやそんわけないか!
レンティは料理を作りにいったが、
「あれ?」
すでに作られていた。
ファリアナが今で通り作っていたようである。
「何でしょうか、レンティさんのその格好は」
「え、えーと、今日からライル様にお仕えしようと思ってたんですけど」
「そうですか。それは良いことです。しかし、すみません。レンティさんの分は作っておりませんでした。今から、急いでお作りします」
「え、ええ? 良いですよ! 自分で作りますから!」
レンティが慌てて止めた。
「あのファリアナさんは、メイドさんだったんですか?」
「いえ、私は騎士です。ですが、メイドのような仕事もこなす事ができます」
「そ、そうですか。いやいや、駄目です! 騎士様がそのような真似をしては! ファリアナ様も、私の恩人です! お二人のお世話を今日からしますよ」
「私の世話……? ふむ……それはまた変わった……まあ、別に問題はありませんが。仕事が減って助かります」
ファリアナは自分が世話をされる立場になることに、違和感を抱いているようだった。
どうやらシンシアの世話をずっとしてきたんだろうな。
レンティは、ファリアナほどではないが、家事はそこそこ出来た。
正直、彼女をメイドにしたままでいいのか、疑問ではあるが、やりたいと言っているんだし、強引に止める必要はないかもな。
僕はその後、宝や捕縛した湖賊たちを連れて、ラーマスへと向かった。
押収したあの船を使うと、ラーマスでは湖賊と間違えられて、大変なことになりかねないので、数隻の漁船を使ってラーマスには向かった。
交易するには大きさが足りないのだが、ラーマスに行く事自体は、問題なく可能である。
ファリアナは今回はついてこない。
ハクシュトアの領地運営を僕がいない間、やってくれることに。
護衛などはバイアーやアンドリュー、魔法の使えるルートにお願いした。
ルートは酒場の経営があるのだが、取引するには口のうまいやつが必要だろと言って、酒場を一時休業にして、来ることになった。
また、ラーマスへは時間がかるということで、その間のお世話がかりとして、レンティはついてくることに
これから先、レンティはずっと僕のそばにいそうな気がする。
彼女は可愛いし、一緒にいて嫌ということはない。
しかし、何でもおっしゃってください、何でもしますよ、などの言葉をよく口にするので、男としては良からぬ行動に出そうで少し怖かった。
船の上で数日過ごして、ラーマスに到着した。
0
あなたにおすすめの小説
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~
スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。
しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。
「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」
泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。
数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。
「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。
地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。
魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。
これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。
「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる