チートはないけど異世界頑張って生きて、神様いつかぶっとばす!

桜花龍炎舞

文字の大きさ
3 / 14

初めての勝利は最悪の味

しおりを挟む
「ギギギギ!!」

 ゴブリンが俺目掛けて剣を振るう。

  俺は其れを避けると、二撃目が振るわれるがそれも後ろへ飛び避けた。

 剣の重たさが釣り合っていないのか、降った後の動作が遅い。

 始めは焦って間一髪だったが、動きも単調で避けれない速さではない。

「ギギギギ。」

 しばし互いに動きを止め、生唾を飲み込む。

 完全に奴は俺を殺る気だ。

 その瞬間、足元にあった枝がパキッと音を鳴らし、緊張の糸を切った。

「ギャギギギ!!」

 ゴブリンはまた正面から突っ込んできて、剣を振り下ろした。

 やはり動作は遅い。

 冷静に其れを避け、ゴブリンの剣は地に当たる。

 その隙に俺はゴブリンに突進しマウンドを取った。

 正直、ケンカなんて小学校低学年ぐらいでしかした事が無い。

 だがそっちが殺す気ならこっちだって加減はしない。

 そのままゴブリンの顔面に拳をぶつける。

 ガン!

「アギャ!」と少し怯んだもののゴブリンも黙ってその状況を良しとせず、必死の抵抗で剣を振り回そうとする。

 それに気づいた俺はゴブリンのその手を押さえつけ、剣をもぎ取ろうとすると、そっちに気をむけた隙を狙いゴブリンの拳が俺の顔面を捉える。

 ガン!!

 痛ぇ!

 単発で意識を失う程ではないが、何回も食らえば確実に意識は朦朧としてくる痛さだ。

 ガン!ガン!

 と、顔や頭に拳が打ちつけられるが、剣だけは取り上げねばとしがみ付き、ヤケ糞ぎみにゴブリンの手に思いっきり噛み付いた。

 こんな時に恥ずかしいとか汚いとか言っていられない!

 っつか不味ッ!臭ッ!!オエっ!

だ、だが離さんぞ!

 必死に食らいついた効果で、ゴブリンの握力が緩み見事に武器を取り上げた。

  取り上げる事に意識を取られ過ぎたのか、その隙にゴブリンは俺の股下から抜け出し、再度俺目掛けて飛び上がった。

  慌てた俺は咄嗟に剣を突き立てる

 グギュリ!!!

  生々しい音と何とも言えない感触が手につ足り、ゴブリンの体を剣が貫いていた。

「ぎ、ギギギギ‥」

 そして、ゴブリンは体全体を脱力させ動きを止めた。

 「はぁ‥はぁ‥」

 息が上がる。

 そして目の前で剣が突き刺さったまま、紫色の血を流す生き物に嘔吐した。


〇〇〇〇


 吐き切った所為なのかは分からないが時間が経つと徐々に落ち着きを取り戻し、今の状況を把握する。

 顔は腫れ上がっているのかジンジンとしていて、体には引っ掻き傷が至る所に付いてた。

生傷だらけだな。

 我ながら情けない勝ち方だ。

 それに生き物を殺したのは勿論始めてで、とても歓喜するような感情がわく事は無かった。

 だが殺るか殺られるか、選択肢は2つしか無かったのだ。

「悪く思わないでくれ。」

 さっきまで生きていた者に手を合わせると、気色悪いが念の為、物体から剣を抜き取り回収した。

「また似たような奴と出くわすかもしれんからな。」

  頭で無限収納をイメージし、剣を入れる。

 そらういや、なんかさっきスコップもあったような?

 イメージすると、スコップがあったので、ゴブリンを埋める事にした。

 たまたま、俺と会い戦闘になった。

 会わなければ殺さなくても良かったかもしれないもんな。

 これで恨みっこ無しにしてくれ。

 ゴブリンを埋め、手を合わせたあと、俺は歩きだした。

 行く当て?と言うよりも何処に行けばいいのかなんて分からない。

 だが俺は気持ちの切り替えは早いほうなのだ。

 取り敢えず川を下る事にしよう。

 変に森の中に入って迷子になるより川を下る方が迷う心配が無いからだ。

 「ま、元々迷ってんだけどな。」

 それに加えて食べ物はまだ無限収納の中に何日かは持つぐらいに残っている。
 
  無くなってしまえば、それこそ問題だが、今は節約しつつ前に進む事に専念するべきだろう。

「ずっとこの場所にいても仕方ないしな。」


 
====== ===== ====== =======

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

家を建てたら創造神に壊されたので、神界に就職しました

猫吉
ファンタジー
事故で死んだ俺は異世界に転生し、 現代の知識を使って商売を成功させ、二年三か月。 やっとの思いで念願のマイホームが―― 粉砕した。 原因は空から降ってきた謎の少年――ではなく、創造神。 曰く、 「この世界の管理に、一般人の視点が欲しくて雇いに来た」 家はもうない。 地上に未練もない。 というわけで俺、神界に就職することになりました。 年収は平均の七十倍! 福利厚生は神! 衣・食・住、すべて一流! こうして俺は、神々が暮らす世界で住み込み勤務を始める。 そんな中、初めて呼ばれた「上級神会議」。 神話でしか聞いたことのない面々がずらりと揃う中、 提示された議題は―― 「今日の夕食、何にする?」 魔法と技術が入り混じるこの世界を、 こんな神々は本当に平和に管理できるのか……? これは、 世界を作った“その後”の神様たちと、 巻き込まれた一般人が送る、 ちょっと人間くさいコメディファンタジー!

処理中です...