チートはないけど異世界頑張って生きて、神様いつかぶっとばす!

桜花龍炎舞

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嫌いなタイプ

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 な!?喋れたのか!?

 それに話が違うとはどういう事だ?

 崩れ落ちたオヤチュウから突き刺さる槍を抜き取り、手から離れた小綺麗な剣を取り上げ満身創痍のオヤチュウに刃先を向ける。

「ハァ、ハァ。」と今にもオヤチュウは死に絶えそうだが、気になった事は聞かないと気が済まない性分だ。

「おい。今のはどういう意味だ?」

 「我ラハ、‥古クカラ此ノ【クジャ族】ト争ッテキタ。‥ダガ、【クジャ族】ガ最近アミ出ダシタ呪術二ヨッテ、結界ガ張ラレ、攻メレナカッタ。」

「そんな昔話を聞きたい訳じゃないんだがな。」

 オヤチュウは俺の言葉を無視し、そのまま話を続ける。

「ソンナ時。‥【クジャ族】ノ男ガ我ノ前ニ現レ、取引ヲ‥持チカケタ。」

「なんですって!?」

 反応したのは先程裸で連れてこられていた褐色肌の美少女だった。

  視線は自然と色んな所へむけられる。

 だって可愛いし、スタイルいいし!

  俺だって純粋な人間の男だもん!

  それに5日間の孤独もあった所為か俺のキングダムが反応しない訳がないだろ!?

 だがしかぁし!!!今は抑えろ俺!耐えるんだ!!

 忍!忍!と自分を戒め、顔を左右に振るい、再びオヤチュウに視線を戻した。

 見てはならん!自我を失いかねん。

 俺の目元は今どうなっているのか?

 クワっとしている!そうクワっとだ!!

 それにしても、今こんな事を思うのは不謹慎かも知れないが、死ぬ前に良く喋る奴だなと俺は思った。

 言っちゃなんだがまぁまぁ血もでていて、まぁまぁ刺したはずだ。

 もう死んでもいいぐらいだが、余裕か?と言いたい。

 いや、諦めの様なものなのかもしれないな。

 とりあえずは質問の答えだけは教えてほしい所だ。

  なので俺は「その取引とは?」と話を続けさせた。

「他ノ村人ノ命ヲ差シ出ス代ワリニ其処の族長ノ娘を拐エロト言ウモノダッタ。」

「私を?それじゃ、…これは一族内の裏切り。そんなの嘘よ!」

  信じられないといった表情を浮かべ美少女は声を荒げたが、オヤチュウは首を横に振る。

「残念ダガ、‥コレハ全テ事実ダ。」

「そうか。だがそれだとお前達にとってのメリットが余り感じられないのだが。」

 「メリットナラ有ル。我ガ一族ハ、人間ノ女ヲ媒体二増エル。我ガ一族ダケデハ繁殖デキズ種族はツイエル。」

 そう言う事か。会話が出来るなら分かり会えるかとも思ったが肝心な場所が相入れ会えず対立していたのか。

 息を切らしながらオヤチュウは更に話を続けた。

「ダガ、ソレデモ人間ニワ強イ者モイル。決断ヲ下スノヲ戸惑ウト、男ハコウ話ヲ継ギ足シタノダ。「俺ガ一族ノ守リ人ヲ一人残ラズ殺ス。ソノ隙二族長ノ娘ヲ拐エロ」ト。ダカラ我ラワ誓イノ刻印ヲ交シタ。ソノ男ノ腕二、コノ紋章ト同ジ物ガツイテイルハズダ。」

 オヤチュウは腕に浮かび上がる独特の文様を見せた。

「そんな‥それは召喚の紋。だから私達の結界をくぐれたのね。守り人を全てを殺したのはゴブリンじゃなかったなんて。」

 少女は口を手で覆い隠し、今にも泣きそうだ。

 召喚?おいおい。そんなもんまであるの?この世界は。

 まぁこんな生き物がいる時点でもう驚きはしないけどね!

 だがその紋章が犯人探しの証拠になりそうだが気になる事が一つある。

「その紋章はお前が死んだら消えるのか?」

「消エヌ。コレハ、我ガ一族トノ契約ノ紋ダ。我ガ死ンダトテソノ契約者ハ消エズ、我ガ配下ガソレヲ受ケ注グ。」

「ならいい。ここまできたら其奴の名ぐらいは聞いておきたいな。其奴の名は?」

「ソノ男ノ名ハ、‥」ズシャァ!!!!

 オヤチュウが名を告げようとする瞬間、後方から槍がいきなり飛んできてオヤチュウの顔面を射抜いた。

な!?

「ルナ様!ご無事ですか!?」

 飛んできた方へ振り返ると、先程ゴブリンを蹴散らしていた美男子が立っていた。
 それに吊られる様に村人らしき人もゾロゾロと3~4人入って来た。

「カリュ!帰って来てくれたのね!それに皆んなも無事だったのね!」

 カリュとやらを見るなり美少女は安心したような表情へと変わった。

 「カリュのお陰で何とか助かったよ。」

「ルナ様こそ良くぞご無事で。」

 正に村の救世主って訳ですか。

  
 しかし後ちょっとで犯人が分かるって時に余計な事を。

  ん?

 待てよ。

  守り人って事は一族の用心棒的な存在なんじゃないのか?

 って事はある程度、腕に覚えが会ってゴブリンと戦っていても良いんじゃないか?

 ゴブリンとの戦闘経験で、戦い方さえ掴めばそんな大した敵では無い事は身を以て承知済みだ。

 傷は追っていたとしても1人2人ぐらいは戦っていても変な話じゃない。

 逃げ惑っている人ばかりと言うのは変じゃないか?

「おい。ルナとか言ったか?戦えるのは守り人だけなのか?」

 俺の不意の質問にルナは表情を止める。

「え、‥ええ。」

 そー言う事ね。

  俺は不敵な笑みを浮かべる。

  カリュは急ぎ足でルナに近づこうとするが、俺は槍でその行く手を拒んだ。

「な!!?」と村人達は俺の行動に慌てだす。

 カリュはそれを「大丈夫だ。」と抑える様に皆をしずめた。

 カリュは眉一つ動かさず、むしろ平然と話かけてきた。

 「済まない。先に礼を言わなければ行けなかったね。状況からして君が先にある程度片付けてくれていた様だ。感謝する。俺はこの集落の守り人のカリュだ。君はその外見からして旅人か?」

 カリュは爽やかに笑うと、色黒の肌から白い歯が輝きを見せた。
 
 男前だからか?いや、無きにしも非ずだが根本的に嫌いなタイプだ。

 かなりいけ好かねぇ。

「まぁ‥そんな所だ。」

 太々しく俺は応えると、またカリュは爽やかに笑う。

「そうか。なら見た所腹も好かせているだろう?助けてくれた礼は村総出でしたいと思う。どうだ?」

「そら‥楽しみだ。」

 俺の答えにカリュはフゥと胸を撫で下ろす様な素振りを見せた。

「そうか。ならこの槍を下ろしてはくれまいか?」

 俺は頬を人差し指で掻き、カリュの腕をチラ見したが布が巻かれていて見えない。

 しかたない。

「すまねぇけど、その腕の布取ってくんねえかな?」
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