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朝
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飯も食べずに登校。昇降口でコンビニで買ってきたサンドウィッチを頬張る。
「よう、陽ちゃん元気かい?」
掃除のおじさんが今日も声を掛ける。
「おじさんそのちゃんづけやめてっていったじゃん」
このやり取り、何度したっけな。胡座をかきながら、ぼやぼやとした頭でなんとなく考える。
「よう、今日も童顔だな」
なんて、同級生。このやり取りも、毎日しているな。なんだって、挨拶と同じようなものなのかも知れない。
「さんきゅ」
渡された熱いお茶を、舐める程度に飲む。それを見届けるとあいつは屯している奴らの中へと入っていった。
スマートフォンを手に持ち、通話ボタンを押そうか押さぬか、親指を彷徨わせる。あんたの声が、聞きたい。
「なーにしてんの、陽乃」
背中の方から、白くて柔らかい腕が回った。
「んー、考え事してただけー」
生温くなってしまったペットボトルを振ってみると、口の中に滴が落ちた。
「ねー、ひなたって好きな男いるの?」
「んー」
唐突な質問に言い渋って、もう何もないって分かり切ったペットボトルを未練がましく振る。
「なーにその当たり障りない返事」
美希はアヒル口をして、髪を後ろにやった。なんとも色気のある仕草。学校のマドンナ、そんな仕草を見せつけて男を誘惑するらしい。知らないけど。
俺は、背景画像の男を指でなぞる。嫌な焦燥感。「ねぇ、今度陽乃の家行ってもいい?」
ぼけた頭が、霧が晴れたように意識をはっきりとさせた。
「え? 」
「よう、陽ちゃん元気かい?」
掃除のおじさんが今日も声を掛ける。
「おじさんそのちゃんづけやめてっていったじゃん」
このやり取り、何度したっけな。胡座をかきながら、ぼやぼやとした頭でなんとなく考える。
「よう、今日も童顔だな」
なんて、同級生。このやり取りも、毎日しているな。なんだって、挨拶と同じようなものなのかも知れない。
「さんきゅ」
渡された熱いお茶を、舐める程度に飲む。それを見届けるとあいつは屯している奴らの中へと入っていった。
スマートフォンを手に持ち、通話ボタンを押そうか押さぬか、親指を彷徨わせる。あんたの声が、聞きたい。
「なーにしてんの、陽乃」
背中の方から、白くて柔らかい腕が回った。
「んー、考え事してただけー」
生温くなってしまったペットボトルを振ってみると、口の中に滴が落ちた。
「ねー、ひなたって好きな男いるの?」
「んー」
唐突な質問に言い渋って、もう何もないって分かり切ったペットボトルを未練がましく振る。
「なーにその当たり障りない返事」
美希はアヒル口をして、髪を後ろにやった。なんとも色気のある仕草。学校のマドンナ、そんな仕草を見せつけて男を誘惑するらしい。知らないけど。
俺は、背景画像の男を指でなぞる。嫌な焦燥感。「ねぇ、今度陽乃の家行ってもいい?」
ぼけた頭が、霧が晴れたように意識をはっきりとさせた。
「え? 」
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