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2月
煮物
しおりを挟むえいどうせ煮詰まってんだ
鍋に煮詰まった白菜を口に入れ
男はそれほど噛まずに呑み込む
時計は深夜の一時
窓から入る風が冷たい
鍋の陶器は熱い
これで男の心も
多少はマシになったようだ
家のドアのポスター
あれは人々の
目に止まるが
みんなまた歩き進める
ノートに並べた数々の
言葉も
そうやって
無き者にされる
空には青い星が
きらきらと瞬いて
男はそっと
ため息を吐いた
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