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第九章 戦場の女達
103話 情熱の雨
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その日の雨は、雨季の終わりを告げる最後の力とばかりに降りしきっていた。大雨の日はじっくりと昔のことを思い出す。
故郷の村が踏み潰された日も雨が降っていた。打ち捨てられたままの村人の体を、冷たく雨が打っていた。
生き残った私は、そこを通ろうとした侵略者達に体を売った。ただ生きていくためだっただろうか、既にその時の記憶は曖昧だけど……、何故か、異様な気持ちで惹かれていた。ほかでもない故郷を踏みにじっていった、金髪の異邦者達に……。
ある日の野営地、大雨で視界も霞む中でレジスタンスの奇襲を受けた。雨の中で思うように動けず、呆気なくトレンティアの兵士達は壊滅した。
「女だ……、ズミ人の女がいます。恐らく近辺の町の娼婦かと……」
そんな声を遠くに聞いていた。ズミ人だとかトレンティア人だとか、民族の違いはもはやどうでもよかった。私を“助けた”つもりの同胞に、その時は衝動的に憎悪さえも向けていた。
しかしそのズミの兵士達に囲まれて現れた男は、それもまた金髪の者だった。見たこともないような美しい服を着て、それを雨に濡れるままにして……。
白く霞んだ景色の中でもはっきりと分かるほど光って見えた……その美しい笑顔が。
「大丈夫ですよ、さあその足で立って。……あなたはもう、自由です」
雨の中を泳ぐ美しい精霊を見た、あの日が初めて、私が自分の足で立った日なのだと……。
雨音に紛れて動いていると、晴れている日よりも少しだけ自由になった気分がする。ひっそりと家具の裏に潜めた身を、まるで雨音の中に溶け込ませるようにして息を殺す。
その部屋に入ってきた男達は、始めは緩やかに談笑をしている様子だった。
「こんな前線まで来られるなんて……、ベルタスのお父上はさぞご心配なされているのでは……」
「お気遣いは有り難く思いますが、軍の手を煩わせることはありません。……雨の日は私どもクラネルトの魔道士にとっては独壇場です。自分の身を守ることぐらいはできるようにと……、父上は私に魔剣まで託しておられるのです。雨季だと言うのに怯えて逃げ帰るようでは、逆にどやされますよ」
「レインの魔剣、ですか。しかしお気を付けて、今、軍は魔剣の存在にいやに敏感になっていますから……」
二人が椅子に腰掛ける音が聞こえる。残念ながらこの場にクラネルト領の茶の接待の用意はない。話は端的に始まった。
「……トレンティア王家の牙、フォス・カディアルの騎士が敵方に寝返った……、などという噂は聞こえてきましたが。恐れながらアーサー殿、詳細を聞かせてはいただけませんか」
「貴公には確かパーティルで……叔父上が世話になったそうですね。外交官とはいえ、軍外の者に関わらせるのは面白い顔をされないのですけど……、まあいいでしょう。端的に言うと……あのイグノールがズミに現れました」
片方の男がそう言ったのに対して、もう片方の男は返事をしなかった。数秒、凍ったような沈黙が流れている。
「私どもの世代にとれば既に歴史人物ですからね、エルフィンズに連なる身であっても、にわかに信じ難かったですよ。しかし結論から言えば間違いなく本物です。種の捜索中にも度々妨害をしてきたのは確かにトレントの血門術であったし、種の魔力波が封印された、その直後に彼は現れた。あの種を封印できる術と言えば……、言わずともがなです」
「……すると、何ですか? トレントの種は今イグノールの手にある、と?」
「ええ、私としては屈辱な限りですがその通りです。あるいは前から持っていたのかもしれませんし、詳細な経緯はまだ不明ですが。更に厄介なことはそのイグノールがどうやら……ギルバート陛下憎しのあまりでしょうか、ズミ軍に身を寄せて協力しているようで」
そう言った男の声は、声色からだけで分かるほどに渋そうだった。同じ調子で、大きなため息とともに続ける。
「もともとドミニク殿も陛下とは微妙な距離感がありましたが……、まさかクラウス殿がそのイグノールに従って共に反旗を翻すとは……、嘆かわしいと言うにもあまりある事態ですね」
「なる……ほど。イグノールが……ズミ軍、に?」
ラファエルの声だ、狼狽えるように声を途切れさせているのは、彼にしてはあまりにも珍しい。
「厄介な話は更にあります。そのズミ軍の中の一人の兵士……ええ当然ズミ人である人間の中に、トレントの魔剣を扱う者がいました」
「はあ!?」
反射的に出たのだろう、すぐに素っ頓狂な声が上がった、本当に彼らしくもない。
「イグノールが処刑された……とされた時、彼は密かに逃げ延びていた……王家に伝わる聖剣を持って。それをよりによってズミ人に渡してしまったわけですよ。彼はエルフィンズ家の歴代の中でも、人体魔術についてずば抜けて優れた技術を持っています。トレント本体の加護のない、ズミの荒れ地の上で開門の術をやってのけたとしてもおかしくはないでしょう」
「ずば抜けて優れた技術って……、そんなにですか?」
「ええ、私には確信があります。エルフィンズ家の書庫には彼が執筆した、人体魔術の優れた研究書が複数あるので……。当然陛下の前で話題にすれば面白い顔はされませんが、我が家の魔道士はまずパウル・イグノールの本から学べ、が定石にさえなってましてねえ……、私からしても会ったことのない師のような感覚があります。こんな所で会うなんて本当に因果なものだ……」
「は、は……。それは……驚きましたね。すると何ですか、今ズミ軍には魔剣が……」
「そう、トレントとフォスの二振りが敵の手にある。何よりトレントの種が、よりによってトレント・エルフィンズの血と共にある。この事態に軍は上から下まで大騒ぎです。当然ギルバート陛下がお許しになるはずはありません、しかし……いえ、これ以上のことは言うべきではありませんね」
その男はやがて力の抜けた声で、ため息にまじりに言った。
しばらくの沈黙の後、やがて出たラファエルの声は落ち着いていた。
「パウル・イグノールですか。……確かに私などからすれば社交界に出た時には既にいませんでしたからね、詳しく知る機会さえありませんでしたが……、今その男は何歳ぐらいになるのでしょう」
「歳ですか? 彼が処刑されたのは……十五年前です。その頃二十一だったと聞いていますので、今は三十五か六になるのではないでしょうかね」
「三十五歳の、人体魔術にずば抜けた技術を持つ王子……なるほど危ういですね。……ところでその、トレントの魔剣士であるズミ人というのは何という者で?」
「名前なんて分かっていません。報告によれば男にしては小柄な……、少年とも見える風貌だったとは聞いています。まあ、開門術は若い肉体にしかできませんからそれも当然でしょうが。ズミ人ながらに血門術を使いこなし、殺戮と破壊の限りを尽くす恐ろしい剣士だった、と……」
「少、年……ですか。アーサー殿、その少年は、本当に純粋なズミ人だったのでしょうか?」
「……と、言われますと?」
「だっておかしいと思いませんか? イグノールには当然トレントの聖血が通ってるはずですよね。魔剣だって自分で振ればよかったのに、なぜわざわざズミ人に血門を与えたのか」
「……それは……。ズミは魔道文化が少ない分、優れた剣士が多いと聞きます。魔剣の使い手として望ましいと思ったのか……」
「そのために一振りしかない聖剣を他人に預けるような男なのですか、それは」
「いえ……、彼の著作を読む限り、トレントへの崇敬や人体魔術の禁忌性への深い戒めを持っている者のように思います。本から想像できる人柄の限りでは確かに違和感はあります。……では何ですかロード殿、貴公は何を勘繰っておられるのです」
「……皆まで口にはしないでおきましょう。エルフィンズ家の魔道研究者であるあなたの方が、よっぽど真実に近い所におられるでしょうから。ただ、もしも知ることがあったなら……、こっそり私にも教えてくださいね」
顔を見ずとも分かる。ラファエルは悪戯っぽく、美しく笑ったことだろう。その妖しい迫力に圧倒でもされただろうか、相手の男は何も答えない。
茶さえもない会合はただ淡白で、建物全部を包んでいる大雨の音がただ隙間を縫っていく。
「……まあ、状況は概ね分かりました。確かに、こんな時に魔剣など振ってはそのまま軍に編入させられかねませんね。そろそろ帰国の潮時でしょうか」
ラファエルは軽やかな声で言う。
「潮時も何も……、そもそもどうして外交官である貴公が最前線の基地まで出向いているのか、そちらの方が私には疑問ですよ。私は軍の話をしました、あなたも話してくださいませんかね? ロード殿。クラネルト家は何を目的に動いておられるのですか」
「特段変わったことではありませんよ。クラネルト家が戦前からズミとの外交に手を入れていたことはご存知でしょう。それが戦争になったからと言って、他家に遅れを取りたくないだけです。ここまで来たのはあくまで戦況を確認しにきただけですよ。やはりどんな情報よりも、自分の足で赴き、自分の目で見たものほど信じられるものはありませんからね」
「……本当に、貴公のフットワークの軽さには感服させられますよ」
「先ほども言った通り、雨季ですからね。雨は私を自由にしてくれる」
「はは、違いない。その自由さに任せて、ズミ軍の三本目の魔剣になどなってしまわれないようお気を付けてくださいね」
「冗談がきついですね」
「これは失礼を」
男達は歯が浮くように皮肉を言い合う。……どこまで何の確信があるのか、まったく貴族達の駆け引きは底知れず恐ろしい。
「我が魔剣は間違うことなく祖国のために……」
そうラファエルが語りながら剣を抜く音が聞こえた。どうやら椅子から立ち上がったらしい。
こんな場所で剣を抜くなんて穏やかじゃないな、なんて思っていると、かつかつと高らかに鳴った足音が……ふいに、こちらに近付いてくるではないか。
戸惑っている間すらなく、棚の裏に身を潜めていた私の目前の壁に、その銀色の刃がずしと突き立てられる。棚の側面を僅かに削り取ってまで。
思わず背筋の凍った体を、しかし全力でその場に留めて息を殺した。
「ラファエル、わたしよ、ティファ!」
彼にだけ聞こえるように、声にもならない小声で叫び声を上げた。当然ラファエルは何も答えなかった。
「……ロード殿?」
彼を訝る男の声が聞こえる。すぐに壁に突き立てられた剣は抜かれ、かつと彼の足音が踵を返したのが分かった。
「失礼、毒虫が這っていたので。ズミの夏は虫が多くてたまりませんね」
ラファエルはそう涼しい声で言って誤魔化した。はあ、と相手の男はため息で返したようだ。
「一応今は軍の基地なのですから、あまりむやみに破壊しないでくださいよ」
「それはすみません。どうしても雨が降っていると血が騒いでしまうもので」
「……レインの聖血にそんな作用があるという話は初耳ですな」
「はは、経験的なものですよ。これ以上暴れてしまわないよう、帰国の準備をすることにします。一旦ここもお開きにしましょう。お話をありがとうございました、アーサー・エルフィンズ殿」
そうラファエルが切り上げ始めた。茶もない会合は呆気なく過ぎ去っていく。
二人の足音が遠のき、部屋の中に灯されていた魔法の灯りが消えて、大雨の降る窓の外から入ってくる光は元から少ない、夜のような暗さの中、私はしばらく動けないでいた。
……まったく、あわやラファエルに殺されるところだった。勝手なことをするものではないな。
そうほんの少しだけ反省をして、やっと私が部屋から出られたのはもう夜も近くなる時刻だった。
人目をかいくぐって脱出し、ラファエルの宿部屋を訪ねる。
前もって彼が伝えているのだろう、ラファエル・ロードの情婦だと分かると兵士達も何も聞かずに私を無視していく。本当に便利な肩書きだ。
薄暗い部屋に入ると既に半裸になった男が待ち構えていた……が、その目はまだ甘い色を宿していない。
「まったく勝手なことを」
開口一番に出てくる小言はやっぱりそれだった。
「ごめんなさいって。昼間相手してた兵士はみんな口が固くって……なんにも教えてくれないもの。だから退屈になっちゃって」
そう笑いながら言ってやると、ラファエルは仕方無さそうにため息をついた。
「あまりあからさまに探りを入れるのもやめてくれよ。今の軍は本当にひりついているからね、娼婦一人と言えど隙も見せてくれないだろう。もし君が怪しまれて攻撃されるなんてことがあれば……僕はどうにかなってしまうよ」
私が下手を踏んで殺されたりしたら……、あなたは悲しんでくれるのかしら? そんないたずらな問いは今は引っ込めておこう。私はにやりと笑ってやる。
「わたしはしぶといのよ、そんな簡単にやられたりしないわ。でも、あのアーサーって人との話は実りがあったみたいね?」
その名前を出すと、途端に彼の表情がすっと冷めた。その眉の間に皺を寄せて、ぎらりと細めた目で睨んだのは何も無い空中だ。本当に珍しく、あからさまに怒りを露わにしている。
「……まったく、このロード・レイン・クラネルトをよくもここまでコケにしてくれたものだ。はらわたが煮える思いだ」
そうまで言葉にして怒るなんて更に珍しい。
傍から盗み聞いていて……何の話をしているのかはぼんやりとしか分からなかったが、そこまで彼が怒るような話の流れだったのだろうか。思い起こして、私は平然と聞いてやる。
「もしかして、ズミ軍の三本目の魔剣なんて言われたのに怒ってる?」
怒りに燃えた目が私を刺すように睨んで、しかし口元は凶悪にさえ見える笑みの形を作った。
「そんなこと今更怒らないさ。……なあティファ、君はイグノールという男を知っているか?」
そう尋ねながら、彼はようやく私の体に手を伸ばした。ベッドの上に座って、立ったままでいた私の腰を正面から抱き寄せる。
私はされるがままに片膝を彼の股の間について、その肩に両手を載せて彼の顔を見下ろした。
「アーサーさんとの話題に上がってた名前よね。初耳だけど……有名人?」
ラファエルは両手でじっとりと、服の上から私の尻を撫でながら次第に笑みを深めていく。
「トレンティアの先代の王の長男だよ。十五年も前に死んだと思われていたのが、どうやら生きていたらしくてね……。優秀な魔道士だったらしい、僕は会ったこともない過去の人間だと思っていたんだけど……」
悪戯っぽく笑う。十五年前といえば、彼はまだ十歳になるかならないかという頃ではないか。ロードも優秀な政治家と言えど、全てを見通すにはやはり若かった、ということだろうか。
「ファーストネームはパウルと言うらしい。聞いたことがあるだろう」
そうまで言われるとさすがに、私の頭にも一人の男の顔が思い浮かぶ。トレンティア人の名前などそう数多く知っているわけではないから。
「トレンティアではありふれた名前さ。だけどトレンティアの貴族社会にも、禁忌であるはずの人体魔術にも異様に詳しい男だったね。そしてそれだけのものを持ちながら、以前からズミの味方をしていた……。なあティファ、君は彼の年齢を聞いていただろう」
冷めきった青い目が、上目遣いで私を睨んでくる。……確かそれは、彼らが連れていた女性から零れたみたいに聞いた情報だ。
「二月に聞いた時は三十五歳だと言っていたわ」
「彼に伴っていた、親の分からない混血の剣士は?」
「……十六よ」
そう静かに答える。ラファエルはやがて私のスカートの中へと手を忍ばせてきた。
「どこの馬の骨かと思えば滅びた王家の亡霊か……、このロード・レイン・クラネルトの配下などに扮して、腹の内では私のことを高みから見下ろしていたとでもいうのか? よくもぬけぬけとあそこまで私に近付いて……」
またその声色に激しい怒りが滲む。どうやら怒っているのはアーサー相手ではなかったらしい。
強い感情に燃えながら、彼は器用に服の内側に手を這わせてその薄い布をずるりと剥いていく。その手に素肌を撫でられ、私は彼の耳元で甘い声を上げ始める。
「……今日は何人の男と寝た?」
凄んだ声で聞いてくる。私はずっと微笑みを崩さない。
「寝たのは二人だけよ」
「そう? 三人目ならまだ君の元気も残っているかな」
楽しげに言って、ベッドの上に私の体を投げ出した。そこから見上げた彼の顔は、邪悪ささえ感じさせる、妖艶な微笑だ。
やがて裸にされた私の胸に、顔を埋めるようにして唇を寄せてくる。
「……君はイグノールとも寝たのだろう? 彼はどんなふうに君を抱いたの?」
悪戯っぽく、どこか純真にさえ聞こえる声色で問うてくる。パーティルで共にしたかの魔道士とのひとときを、私は瞼を閉じて思い起こした。
「あの人が王子、ねえ……。話した時は荒っぽくて乱暴な人だと思ってたけど、ちょっと納得しちゃったかも。あんな態度してて、女を抱く時の手つきはびっくりするほど優しいのよ。娼婦を相手にしてるなんて思えないぐらい」
「色仕掛けは効きそうだった?」
私は思わず吹き出すように笑った。
「それが、ぜーんぜん。体はとろけるみたいに甘くて優しいのに……、その心は石の扉で閉じてるみたいに通じない……。もし彼に愛される女がいたのなら、それはよっぽど幸せな人でしょうね」
目を瞑ったまま語る私に顔を寄せ、ラファエルはその首筋に歯を立てた。
「そうまで言われると妬けてしまうな」
「何よ、あなたが聞いたんじゃない」
いつもの茶番に遊んでから、私達はやがて深く唇を重ねた。
湿気を帯びて深まっていく夜、外の空を覆う雨音は、この貴公子に見えない翼を授けているようだ。雨の日の情事には一層強い熱を帯びている……。
そして体の一番深くまでが重なっている時に、彼は私の耳元で囁くのだ。
「君の次の任務だけど……、行き先はクスダン、そしてラズミルだ」
その熱と重みに喘ぎながらも、私は目を開けて彼の興奮した笑みを見上げる。
「……あなたはどうするの? やっぱりズミ軍の魔剣の一振りに数えられるのかしら?」
「それも悪くはないが……、イグノールの行い次第かな?」
悪戯っぽい笑いで誤魔化している、その首の後ろに両手を回して、額同士をぶつけるように抱き寄せた。
「……何でも構わないわ。あなたならきっとズミの未来を見てくれている……」
あなたならきっと、この国を……、私達を自由にしてくれる。だってあの日確かに、その雨の翼を私にも授けてくれたものね。
そう最後までは言葉にしない。噛みつくような口付けに塞がれてしまう。その激しいまでの衝動は、まるで慈雨を通り越した、全てを押し流す濁流のようですらある。
水はその姿を変幻し、この大地に生きる私達をいつでも惑わせる。それは果たして、あなたの生き方の象徴なのかしら?
そんないたずらな問いを口にすることは、きっと私にはずっとできないのだろう。
故郷の村が踏み潰された日も雨が降っていた。打ち捨てられたままの村人の体を、冷たく雨が打っていた。
生き残った私は、そこを通ろうとした侵略者達に体を売った。ただ生きていくためだっただろうか、既にその時の記憶は曖昧だけど……、何故か、異様な気持ちで惹かれていた。ほかでもない故郷を踏みにじっていった、金髪の異邦者達に……。
ある日の野営地、大雨で視界も霞む中でレジスタンスの奇襲を受けた。雨の中で思うように動けず、呆気なくトレンティアの兵士達は壊滅した。
「女だ……、ズミ人の女がいます。恐らく近辺の町の娼婦かと……」
そんな声を遠くに聞いていた。ズミ人だとかトレンティア人だとか、民族の違いはもはやどうでもよかった。私を“助けた”つもりの同胞に、その時は衝動的に憎悪さえも向けていた。
しかしそのズミの兵士達に囲まれて現れた男は、それもまた金髪の者だった。見たこともないような美しい服を着て、それを雨に濡れるままにして……。
白く霞んだ景色の中でもはっきりと分かるほど光って見えた……その美しい笑顔が。
「大丈夫ですよ、さあその足で立って。……あなたはもう、自由です」
雨の中を泳ぐ美しい精霊を見た、あの日が初めて、私が自分の足で立った日なのだと……。
雨音に紛れて動いていると、晴れている日よりも少しだけ自由になった気分がする。ひっそりと家具の裏に潜めた身を、まるで雨音の中に溶け込ませるようにして息を殺す。
その部屋に入ってきた男達は、始めは緩やかに談笑をしている様子だった。
「こんな前線まで来られるなんて……、ベルタスのお父上はさぞご心配なされているのでは……」
「お気遣いは有り難く思いますが、軍の手を煩わせることはありません。……雨の日は私どもクラネルトの魔道士にとっては独壇場です。自分の身を守ることぐらいはできるようにと……、父上は私に魔剣まで託しておられるのです。雨季だと言うのに怯えて逃げ帰るようでは、逆にどやされますよ」
「レインの魔剣、ですか。しかしお気を付けて、今、軍は魔剣の存在にいやに敏感になっていますから……」
二人が椅子に腰掛ける音が聞こえる。残念ながらこの場にクラネルト領の茶の接待の用意はない。話は端的に始まった。
「……トレンティア王家の牙、フォス・カディアルの騎士が敵方に寝返った……、などという噂は聞こえてきましたが。恐れながらアーサー殿、詳細を聞かせてはいただけませんか」
「貴公には確かパーティルで……叔父上が世話になったそうですね。外交官とはいえ、軍外の者に関わらせるのは面白い顔をされないのですけど……、まあいいでしょう。端的に言うと……あのイグノールがズミに現れました」
片方の男がそう言ったのに対して、もう片方の男は返事をしなかった。数秒、凍ったような沈黙が流れている。
「私どもの世代にとれば既に歴史人物ですからね、エルフィンズに連なる身であっても、にわかに信じ難かったですよ。しかし結論から言えば間違いなく本物です。種の捜索中にも度々妨害をしてきたのは確かにトレントの血門術であったし、種の魔力波が封印された、その直後に彼は現れた。あの種を封印できる術と言えば……、言わずともがなです」
「……すると、何ですか? トレントの種は今イグノールの手にある、と?」
「ええ、私としては屈辱な限りですがその通りです。あるいは前から持っていたのかもしれませんし、詳細な経緯はまだ不明ですが。更に厄介なことはそのイグノールがどうやら……ギルバート陛下憎しのあまりでしょうか、ズミ軍に身を寄せて協力しているようで」
そう言った男の声は、声色からだけで分かるほどに渋そうだった。同じ調子で、大きなため息とともに続ける。
「もともとドミニク殿も陛下とは微妙な距離感がありましたが……、まさかクラウス殿がそのイグノールに従って共に反旗を翻すとは……、嘆かわしいと言うにもあまりある事態ですね」
「なる……ほど。イグノールが……ズミ軍、に?」
ラファエルの声だ、狼狽えるように声を途切れさせているのは、彼にしてはあまりにも珍しい。
「厄介な話は更にあります。そのズミ軍の中の一人の兵士……ええ当然ズミ人である人間の中に、トレントの魔剣を扱う者がいました」
「はあ!?」
反射的に出たのだろう、すぐに素っ頓狂な声が上がった、本当に彼らしくもない。
「イグノールが処刑された……とされた時、彼は密かに逃げ延びていた……王家に伝わる聖剣を持って。それをよりによってズミ人に渡してしまったわけですよ。彼はエルフィンズ家の歴代の中でも、人体魔術についてずば抜けて優れた技術を持っています。トレント本体の加護のない、ズミの荒れ地の上で開門の術をやってのけたとしてもおかしくはないでしょう」
「ずば抜けて優れた技術って……、そんなにですか?」
「ええ、私には確信があります。エルフィンズ家の書庫には彼が執筆した、人体魔術の優れた研究書が複数あるので……。当然陛下の前で話題にすれば面白い顔はされませんが、我が家の魔道士はまずパウル・イグノールの本から学べ、が定石にさえなってましてねえ……、私からしても会ったことのない師のような感覚があります。こんな所で会うなんて本当に因果なものだ……」
「は、は……。それは……驚きましたね。すると何ですか、今ズミ軍には魔剣が……」
「そう、トレントとフォスの二振りが敵の手にある。何よりトレントの種が、よりによってトレント・エルフィンズの血と共にある。この事態に軍は上から下まで大騒ぎです。当然ギルバート陛下がお許しになるはずはありません、しかし……いえ、これ以上のことは言うべきではありませんね」
その男はやがて力の抜けた声で、ため息にまじりに言った。
しばらくの沈黙の後、やがて出たラファエルの声は落ち着いていた。
「パウル・イグノールですか。……確かに私などからすれば社交界に出た時には既にいませんでしたからね、詳しく知る機会さえありませんでしたが……、今その男は何歳ぐらいになるのでしょう」
「歳ですか? 彼が処刑されたのは……十五年前です。その頃二十一だったと聞いていますので、今は三十五か六になるのではないでしょうかね」
「三十五歳の、人体魔術にずば抜けた技術を持つ王子……なるほど危ういですね。……ところでその、トレントの魔剣士であるズミ人というのは何という者で?」
「名前なんて分かっていません。報告によれば男にしては小柄な……、少年とも見える風貌だったとは聞いています。まあ、開門術は若い肉体にしかできませんからそれも当然でしょうが。ズミ人ながらに血門術を使いこなし、殺戮と破壊の限りを尽くす恐ろしい剣士だった、と……」
「少、年……ですか。アーサー殿、その少年は、本当に純粋なズミ人だったのでしょうか?」
「……と、言われますと?」
「だっておかしいと思いませんか? イグノールには当然トレントの聖血が通ってるはずですよね。魔剣だって自分で振ればよかったのに、なぜわざわざズミ人に血門を与えたのか」
「……それは……。ズミは魔道文化が少ない分、優れた剣士が多いと聞きます。魔剣の使い手として望ましいと思ったのか……」
「そのために一振りしかない聖剣を他人に預けるような男なのですか、それは」
「いえ……、彼の著作を読む限り、トレントへの崇敬や人体魔術の禁忌性への深い戒めを持っている者のように思います。本から想像できる人柄の限りでは確かに違和感はあります。……では何ですかロード殿、貴公は何を勘繰っておられるのです」
「……皆まで口にはしないでおきましょう。エルフィンズ家の魔道研究者であるあなたの方が、よっぽど真実に近い所におられるでしょうから。ただ、もしも知ることがあったなら……、こっそり私にも教えてくださいね」
顔を見ずとも分かる。ラファエルは悪戯っぽく、美しく笑ったことだろう。その妖しい迫力に圧倒でもされただろうか、相手の男は何も答えない。
茶さえもない会合はただ淡白で、建物全部を包んでいる大雨の音がただ隙間を縫っていく。
「……まあ、状況は概ね分かりました。確かに、こんな時に魔剣など振ってはそのまま軍に編入させられかねませんね。そろそろ帰国の潮時でしょうか」
ラファエルは軽やかな声で言う。
「潮時も何も……、そもそもどうして外交官である貴公が最前線の基地まで出向いているのか、そちらの方が私には疑問ですよ。私は軍の話をしました、あなたも話してくださいませんかね? ロード殿。クラネルト家は何を目的に動いておられるのですか」
「特段変わったことではありませんよ。クラネルト家が戦前からズミとの外交に手を入れていたことはご存知でしょう。それが戦争になったからと言って、他家に遅れを取りたくないだけです。ここまで来たのはあくまで戦況を確認しにきただけですよ。やはりどんな情報よりも、自分の足で赴き、自分の目で見たものほど信じられるものはありませんからね」
「……本当に、貴公のフットワークの軽さには感服させられますよ」
「先ほども言った通り、雨季ですからね。雨は私を自由にしてくれる」
「はは、違いない。その自由さに任せて、ズミ軍の三本目の魔剣になどなってしまわれないようお気を付けてくださいね」
「冗談がきついですね」
「これは失礼を」
男達は歯が浮くように皮肉を言い合う。……どこまで何の確信があるのか、まったく貴族達の駆け引きは底知れず恐ろしい。
「我が魔剣は間違うことなく祖国のために……」
そうラファエルが語りながら剣を抜く音が聞こえた。どうやら椅子から立ち上がったらしい。
こんな場所で剣を抜くなんて穏やかじゃないな、なんて思っていると、かつかつと高らかに鳴った足音が……ふいに、こちらに近付いてくるではないか。
戸惑っている間すらなく、棚の裏に身を潜めていた私の目前の壁に、その銀色の刃がずしと突き立てられる。棚の側面を僅かに削り取ってまで。
思わず背筋の凍った体を、しかし全力でその場に留めて息を殺した。
「ラファエル、わたしよ、ティファ!」
彼にだけ聞こえるように、声にもならない小声で叫び声を上げた。当然ラファエルは何も答えなかった。
「……ロード殿?」
彼を訝る男の声が聞こえる。すぐに壁に突き立てられた剣は抜かれ、かつと彼の足音が踵を返したのが分かった。
「失礼、毒虫が這っていたので。ズミの夏は虫が多くてたまりませんね」
ラファエルはそう涼しい声で言って誤魔化した。はあ、と相手の男はため息で返したようだ。
「一応今は軍の基地なのですから、あまりむやみに破壊しないでくださいよ」
「それはすみません。どうしても雨が降っていると血が騒いでしまうもので」
「……レインの聖血にそんな作用があるという話は初耳ですな」
「はは、経験的なものですよ。これ以上暴れてしまわないよう、帰国の準備をすることにします。一旦ここもお開きにしましょう。お話をありがとうございました、アーサー・エルフィンズ殿」
そうラファエルが切り上げ始めた。茶もない会合は呆気なく過ぎ去っていく。
二人の足音が遠のき、部屋の中に灯されていた魔法の灯りが消えて、大雨の降る窓の外から入ってくる光は元から少ない、夜のような暗さの中、私はしばらく動けないでいた。
……まったく、あわやラファエルに殺されるところだった。勝手なことをするものではないな。
そうほんの少しだけ反省をして、やっと私が部屋から出られたのはもう夜も近くなる時刻だった。
人目をかいくぐって脱出し、ラファエルの宿部屋を訪ねる。
前もって彼が伝えているのだろう、ラファエル・ロードの情婦だと分かると兵士達も何も聞かずに私を無視していく。本当に便利な肩書きだ。
薄暗い部屋に入ると既に半裸になった男が待ち構えていた……が、その目はまだ甘い色を宿していない。
「まったく勝手なことを」
開口一番に出てくる小言はやっぱりそれだった。
「ごめんなさいって。昼間相手してた兵士はみんな口が固くって……なんにも教えてくれないもの。だから退屈になっちゃって」
そう笑いながら言ってやると、ラファエルは仕方無さそうにため息をついた。
「あまりあからさまに探りを入れるのもやめてくれよ。今の軍は本当にひりついているからね、娼婦一人と言えど隙も見せてくれないだろう。もし君が怪しまれて攻撃されるなんてことがあれば……僕はどうにかなってしまうよ」
私が下手を踏んで殺されたりしたら……、あなたは悲しんでくれるのかしら? そんないたずらな問いは今は引っ込めておこう。私はにやりと笑ってやる。
「わたしはしぶといのよ、そんな簡単にやられたりしないわ。でも、あのアーサーって人との話は実りがあったみたいね?」
その名前を出すと、途端に彼の表情がすっと冷めた。その眉の間に皺を寄せて、ぎらりと細めた目で睨んだのは何も無い空中だ。本当に珍しく、あからさまに怒りを露わにしている。
「……まったく、このロード・レイン・クラネルトをよくもここまでコケにしてくれたものだ。はらわたが煮える思いだ」
そうまで言葉にして怒るなんて更に珍しい。
傍から盗み聞いていて……何の話をしているのかはぼんやりとしか分からなかったが、そこまで彼が怒るような話の流れだったのだろうか。思い起こして、私は平然と聞いてやる。
「もしかして、ズミ軍の三本目の魔剣なんて言われたのに怒ってる?」
怒りに燃えた目が私を刺すように睨んで、しかし口元は凶悪にさえ見える笑みの形を作った。
「そんなこと今更怒らないさ。……なあティファ、君はイグノールという男を知っているか?」
そう尋ねながら、彼はようやく私の体に手を伸ばした。ベッドの上に座って、立ったままでいた私の腰を正面から抱き寄せる。
私はされるがままに片膝を彼の股の間について、その肩に両手を載せて彼の顔を見下ろした。
「アーサーさんとの話題に上がってた名前よね。初耳だけど……有名人?」
ラファエルは両手でじっとりと、服の上から私の尻を撫でながら次第に笑みを深めていく。
「トレンティアの先代の王の長男だよ。十五年も前に死んだと思われていたのが、どうやら生きていたらしくてね……。優秀な魔道士だったらしい、僕は会ったこともない過去の人間だと思っていたんだけど……」
悪戯っぽく笑う。十五年前といえば、彼はまだ十歳になるかならないかという頃ではないか。ロードも優秀な政治家と言えど、全てを見通すにはやはり若かった、ということだろうか。
「ファーストネームはパウルと言うらしい。聞いたことがあるだろう」
そうまで言われるとさすがに、私の頭にも一人の男の顔が思い浮かぶ。トレンティア人の名前などそう数多く知っているわけではないから。
「トレンティアではありふれた名前さ。だけどトレンティアの貴族社会にも、禁忌であるはずの人体魔術にも異様に詳しい男だったね。そしてそれだけのものを持ちながら、以前からズミの味方をしていた……。なあティファ、君は彼の年齢を聞いていただろう」
冷めきった青い目が、上目遣いで私を睨んでくる。……確かそれは、彼らが連れていた女性から零れたみたいに聞いた情報だ。
「二月に聞いた時は三十五歳だと言っていたわ」
「彼に伴っていた、親の分からない混血の剣士は?」
「……十六よ」
そう静かに答える。ラファエルはやがて私のスカートの中へと手を忍ばせてきた。
「どこの馬の骨かと思えば滅びた王家の亡霊か……、このロード・レイン・クラネルトの配下などに扮して、腹の内では私のことを高みから見下ろしていたとでもいうのか? よくもぬけぬけとあそこまで私に近付いて……」
またその声色に激しい怒りが滲む。どうやら怒っているのはアーサー相手ではなかったらしい。
強い感情に燃えながら、彼は器用に服の内側に手を這わせてその薄い布をずるりと剥いていく。その手に素肌を撫でられ、私は彼の耳元で甘い声を上げ始める。
「……今日は何人の男と寝た?」
凄んだ声で聞いてくる。私はずっと微笑みを崩さない。
「寝たのは二人だけよ」
「そう? 三人目ならまだ君の元気も残っているかな」
楽しげに言って、ベッドの上に私の体を投げ出した。そこから見上げた彼の顔は、邪悪ささえ感じさせる、妖艶な微笑だ。
やがて裸にされた私の胸に、顔を埋めるようにして唇を寄せてくる。
「……君はイグノールとも寝たのだろう? 彼はどんなふうに君を抱いたの?」
悪戯っぽく、どこか純真にさえ聞こえる声色で問うてくる。パーティルで共にしたかの魔道士とのひとときを、私は瞼を閉じて思い起こした。
「あの人が王子、ねえ……。話した時は荒っぽくて乱暴な人だと思ってたけど、ちょっと納得しちゃったかも。あんな態度してて、女を抱く時の手つきはびっくりするほど優しいのよ。娼婦を相手にしてるなんて思えないぐらい」
「色仕掛けは効きそうだった?」
私は思わず吹き出すように笑った。
「それが、ぜーんぜん。体はとろけるみたいに甘くて優しいのに……、その心は石の扉で閉じてるみたいに通じない……。もし彼に愛される女がいたのなら、それはよっぽど幸せな人でしょうね」
目を瞑ったまま語る私に顔を寄せ、ラファエルはその首筋に歯を立てた。
「そうまで言われると妬けてしまうな」
「何よ、あなたが聞いたんじゃない」
いつもの茶番に遊んでから、私達はやがて深く唇を重ねた。
湿気を帯びて深まっていく夜、外の空を覆う雨音は、この貴公子に見えない翼を授けているようだ。雨の日の情事には一層強い熱を帯びている……。
そして体の一番深くまでが重なっている時に、彼は私の耳元で囁くのだ。
「君の次の任務だけど……、行き先はクスダン、そしてラズミルだ」
その熱と重みに喘ぎながらも、私は目を開けて彼の興奮した笑みを見上げる。
「……あなたはどうするの? やっぱりズミ軍の魔剣の一振りに数えられるのかしら?」
「それも悪くはないが……、イグノールの行い次第かな?」
悪戯っぽい笑いで誤魔化している、その首の後ろに両手を回して、額同士をぶつけるように抱き寄せた。
「……何でも構わないわ。あなたならきっとズミの未来を見てくれている……」
あなたならきっと、この国を……、私達を自由にしてくれる。だってあの日確かに、その雨の翼を私にも授けてくれたものね。
そう最後までは言葉にしない。噛みつくような口付けに塞がれてしまう。その激しいまでの衝動は、まるで慈雨を通り越した、全てを押し流す濁流のようですらある。
水はその姿を変幻し、この大地に生きる私達をいつでも惑わせる。それは果たして、あなたの生き方の象徴なのかしら?
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