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第十章 分かたれる道
117話 混血の闘い
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パーティルへ向かう道中、村落を見つけることがあれば資材の補給や道具の手入れをし、ちょうど夕暮れ時に余裕のありそうな町に差し掛かった日には宿屋へと宿泊をする。
町の中では髪を隠さねばならないグリスは不便そうだったが、やはりベッドで寝ることができるのは誰しも嬉しい。
そんな半ば場当たり的な旅を何日か続けていくうちに、目的地は近付いた。
森深いジンク地方をもぐるように通り、パーティルはそれが開けた場所に構えている。少しだけ木々の背が低くなってくると、緩んでいた緊張感も次第に高まっていく。
ジンクの森の中はどこを見ても似た景色をしている。前にこの近くを通った時のことを思い出したところで正確な場所の一致は分からないが……、やはり近くまで来たと思うと感慨も出てきてしまう。まだ寒さの引かない春の初めの頃だった。
パウルとジュリとフェリアとの四人で、日銭を稼ぐために仕事を探してパーティルへ向かっていた。狩りの練習をしたがったパウルに付き合っていると、偶然パーティルからの脱走兵であるグリスを捕らえたのだった。
「え、ええ……、懐かしいですね、本当に」
パーティルが近付くにつれ、グリスの顔は緊張に満ちていく。
「緊張感を抜きすぎるのも当然よくないけど、動転はするなよ。今は今の任務だ、割り切れ」
そう声をかけると、グリスは引き締まったままの顔で深呼吸をして頷いた。
やがて生い茂った森の奥に一筋の煙を見つける。誰かが野営をした痕跡だろう。森の中では狩人も珍しくはないが、距離で言えばそろそろパーティルが近いころだ……念の為様子を見ようと、その焚き火の位置だろう煙の位置へ僕達は近付いた。時刻はちょうど正午を過ぎるか過ぎないかというところだろう。
見ると、焚き火のあるじはまだその場に留まっているようだ。それはどうやら、狩ってきた獣を休憩がてら食している兵士達だった。
その統一された灰色の兵装は、遠目から見えづらい髪の色を見ずともトレンティア兵らしいと見当がつく。長くズミに滞在しているうちに、彼らもズミ人のように森で獣を狩って食べる生活も馴染んでいるのだろう。
「位置からして、偵察任務中のパーティルの守備兵である可能性が高いでしょう」
グリスが低く、重い声で言った。既にフードを被り込んで顔を隠している。
草を踏み分けて進む僕達の足音を、彼らが聞きつけるのもそう時間のかかることではなかった。
こちらの正体を測りかねて、向こうもすぐに攻撃を仕掛けてくるということはない。その数は四、五人程度だ。
まずは情報を得よう、そう思って頭を捻るが……どうにも穏やかな話の進め方は思い付かなかった。
どちらにせよ、僕達の任務はパーティルからトレンティア兵を“一人残らず”排斥することだ。交戦を避けることなど考えなくてもいいだろう。
「捕らえる。情報を聞きたいから皆殺しは避けろ」
僕は仲間にそう指示を与えた。すぐに駆け出すのはやはりティガルだ、彼は既に剣を抜いている。
「グリス、お前は後ろからできる限りで援護しろ」
短く言って僕もティガルの一歩後ろを走り出す。抜き身の剣を持って駆けてくるズミ人を見て、敵も戦闘の気配を察知したようだ。
距離を詰める前に魔法攻撃を撃たれては不利になる……僕はそれを先取りするために、魔剣を抜くよりも先に両手を前に突き出した。ラズミルにいる間、クラウスやパウルに訓練に付き合わせた、ソル・サークルでの戦闘魔術も既に手に馴染んできている。
敵もすぐに魔法攻撃の仕草をとっていたが、こちらをズミ人と侮ったのだろうか、動きは遅い。強化の術式を混ぜた僕の炎魔法は素早く空中に魔力を巡らせ、ティガルの体の横を通り抜けて敵を急襲した。
ぎょっとしたのは何やらティガルも同じだったらしい、僕が魔法攻撃をするとも思っていなかったのだろうか。びくりとその足が一瞬強張ったのが分かったが、構いはしない。
球状の塊となった炎に焼かれ、敵の一番手前にいた者は悲鳴を上げて怯んだ。集中を途切れさせた兵士の魔法は不発に終わる。
一発目を撃ち終わった後は強く足を踏み込んで距離を詰める。その目で敵とティガルとの距離を見極め、魔力をもうひと巡り。誤射を割けて次の炎の一撃は細く、矢のようなイメージで……敵の動きを牽制する。
こちらが魔道士と分かると敵も順応が速い。その炎の矢を身を捩って躱す、しかしその頃には両手剣を振り込んだティガルが彼の元へ到達していた。
敵は魔法の構えのまま武器を抜くことすら叶わず、その肩の上からティガルの太刀筋をまともに受けた。鎧を着ていたその体がたちまちにちぎれるようなことはなかったが、重い剣で殴られた衝撃で敵はその場に打ち伏せられる。
それをティガルは踏み越え、その奥で剣を構えていた敵兵の喉元に真っ直ぐ刺突を繰り出した。迷いのない太刀筋だ。一人、死亡。
二人残ったうちの一人は既に剣を抜いていた。すぐにそれへ対応したティガルの剣がそれと交わる。もう一人は僕の方へ向かってくる。習ったばかりの術を試すように、敵が振りかぶってきた剣は物理障壁の魔法陣で食い止めた。
流す魔力の加減に迷う……念の為にと太めに入れたそれはまるで鉄のような強度を持ち、敵の剣の手応えさえ曖昧だ。
しかし障壁の魔法陣は攻撃手段にはならない。一度魔力が駆け抜けて回路の立ち消えた空中、敵は至近で間髪入れずに武器を振るってくる、目の前で爆炎魔法を撃つには間に合わないし、自分も巻き込んでしまう。
やはり魔法は距離を詰められると厳しい戦術なのだな、なんて手応えを確かめて、とにかく敵の刺突を躱し、突き出してきた敵の体の横、鎧の上からそれを蹴り飛ばして距離を取った。
敵の体躯は大柄で、僕の蹴り一つでは倒れもしない。僅かによろめいたそこから空を舞うように僕はくるりと身を翻して後ろに下がる……その最中にぐっと魔力を両手に込めた。
最後に青い目をかっと見開いた敵の眼前、受け身をとらせるより素早く、確実にそこに爆炎を打ち付ける。体の中からぐっと多くの魔力が流れ出ていった。
激しい熱に焼かれて敵は呻きながらその場に倒れた。その奥では、いつの間にか起き上がっていた者と合わせて二人がかりでティガルを追い詰めている姿があった。
最後ぐらいはいいか、と僕はすかさず魔剣を抜いて、しかし魔力は流さずに、こちらに背中を向けている者に真後ろから襲いかかった。
その首筋を狙って真横に振り切った刃が、ずしりとした反動を受けながら敵の首から上だけを宙に飛ばす。……魔力を込めずともすさまじい切れ味だ。
仲間の激しい死に様を見て、一人残った兵士は戦慄してしまったらしい。その途端に鈍った太刀筋をティガルは迷いなく封じ込め、その体を地面へと叩き伏せた。
二人がかりで押さえ込めば殺さずとも力を奪うのは容易い……、彼をうつ伏せに地面に押し付けてその武器を奪い取り、手を後ろに固めて制圧は完了した。
どうやら出る幕のなかったグリスは、遠巻きに僕達を眺めているだけだった。
まだ近くに他の敵がいないとも限らない、念の為周囲を見回しながら警戒を張ってくれている。その間に、僕は捕らえた敵の尋問に取り掛かった。
「パーティルの守備兵か」
頬を地面に擦り付けるようにして上からティガルに押さえ込まれ、敵は苦しげな顔で歯を噛んでいた。返事はしない。
「話が聞けるのなら皆殺しにするつもりはない。答えてくれ」
冷めきった目で見下ろしてそう言うと、やっと敵は唾を飲み込んでから口を開いた。
「……そうだ」
「今パーティルに詰めているトレンティア軍は全部で何人だ?」
「二十五……」
「指揮官は」
そう聞いたのは、名前を聞けばグリスが何か情報を分かるかもしれないと思ったからだ。しかし敵兵はそこで苦しげに言葉を迷わせる。
「指揮は……、カディアル家の貴族が……」
その名前を聞いて僕は目を瞬かせた。こんな遠くまで来てまだそれを聞くとは驚きだ。
「カディアル? まさかカルロスか」
僕がその名前を知っていることも相手にとっては驚くことだったのかもしれない。聞くと、ハッとしたように息を呑んだ。
「カルロス殿は別行動だ。パーティルにいるのは、その……、奥方のオルエッタ様だ」
「カルロスの妻?」
僕は思わずそう聞き返した。その名前は確かにエレアノールから聞いていた。カルロスは妻を伴ってズミに来ていると。
それにしても敵兵の指揮官と尋ねているのに妻の名前が出てくるのは不可解だ。軍人ではないという話だったと思うが……。
「貴族の女が兵士の指揮をしてるっていうのか」
兵士を睨みながらそう確かめると、彼は苦しげに顔を歪めながらも頷いた。本当のことを言っているのかどうかは定かではないが……、嘘を付くにしてもその理由も内容も釈然としない。
数秒だけ考えてから、それ以上彼を同じように尋問しても無駄だろうと諦めをつけた。他に聞くべきことはあるだろうかと思いを巡らせている間、敵の方が怒りのこもった声を上げる。
「お前たちは……何者だ。どこのレジスタンスだ……」
僕は言葉より先に武器で答える。一度は腰に収めた魔剣を抜いて、敵の目の前の地面にずしと突き立てた。その瞬間に彼の喉元をひゅっと恐怖の息が通る。
「“レジスタンス”ではない。我々は……ズミ軍だ」
そう重々しく名乗ってやるが、彼は要領を得なかった。言葉の意味を理解しなかったのか、恐怖のあまり震えていたのかは分からない。
どちらにしても構わない、既に戦闘は行われたのだ……これは宣戦布告だ。
それ以上の尋問は不要だろう。……用は済んだ、殺してしまうか、それとも約束通りに逃がしてやるか……、その判断には迷った。
そんな判断を下す立場になるのは初めてだったのだ。現場の判断はお前に一任する、なんて言ったモルズの言葉が今更重くのしかかってくる。
「ヨハン様!」
やや離れたところからグリスが声を張り上げたのが聞こえた。それが何を意図したものだったのか、言葉で聞く前にそれは唐突に到来した。晴れた夏の空を切って降りかかる、明確に質量を持った何か。
頭で考えるよりも早く、僕はほとんど無意識に魔剣を構えていた。間近に迫るとヒュと風を切る音は鋭く鳴く、そのうちの一つは構えた魔剣の刀身をちょうど叩き、別の一つは目の前で敵兵を押さえ込んでいたティガルの背にずしと突き立った……矢だ。
「ティガル!」
僕は思わず叫んだ。突然訪れた攻撃を受け、ティガルも顔を凍りつかせてその場でよろめいた。
急速に加熱していく頭で、僕はそれでも歯を食いしばって状況の把握に努める。攻撃を受けた。何者だ? 弓矢……?
そして複数の射撃による初手に続いて、彼らはもはや足音を殺さずに猛進してくる。茂った木々の奥から獣のように武器を構えて襲ってくるのは……黒髪の男達。トレンティア兵ではない……行きずりの野党か何かか?
「敵に魔道士がいる! 気を付けろ!」
そう誰かが叫んだ。……誰が? 一瞬で理解が追いつかなかった。叫んだのは、今しがたティガルの下で押さえ込まれていたトレンティア兵だった。
僕はとにかく、襲い来る敵に向かって剣を振ることしかできなかった。
「神聖なるトレント!」
叫ぶように血門を開き、空を振った魔剣の太刀筋から炎の刃を広く飛ばす。横一列になって猛進してきた五人ほどの戦士はその場で足をつんのめらせて、一斉に地面へと身を伏せた。咄嗟に横に降った剣から出た炎は彼らの頭上を通り過ぎていく。
最初の一撃を躱された、その身のこなしはどうにも手練れの戦士のようだ。それでもこちらは魔剣だ、魔力を纏って中へ切り込んでしまえば、それを一網打尽にすることも難しくないだろう。
……だが、敵が何なのか分からない。黒髪の同胞、殺してしまってもいいのか、これは。そんな迷いで僕は踏みとどまる。
しかもどうやら前線に出ている五人が全てではない。更にその奥にも、弓矢を持って控えた戦士らが複数。ひと目で見渡す限りで全体の数は分からない。
そして傍らには既に負傷したティガル……、とにかく彼を守らねばならない。
僕は魔剣に魔力を流し込んでそれを構えた。僕の炎の刃を目の当たりにした敵達は、そのまま距離を詰めてはこない。
それを見て僕は前へ踏み込む、敵は合わせるようにして身を引かせた。そしてその奥から襲い来るのは再び射撃。
左手を柄から離し、刃に添えるように剣とともに構えてそこに物理障壁の魔法陣を大きく張った。矢はそれにぶつかって地面へ落ちていく。
「なんかヤバそうだ、退け! 負傷者を拾え!」
相手の先頭の列にいた男がそう叫んだのが聞こえた。負傷者を拾わなければいけないのはこちらも同じだった。
倒れ込んでいたトレンティア兵は既に自力で立ち上がったようだ、そこから倒れたティガルの元へ寄って敵の追撃に備える。
「ティガル、立てるか!」
そう声をかけると、彼は苦しげに歯を噛み締めながらも頷いたようだ。
治療師は……ジュリにはあらかじめ、戦闘が起こったら後方で身を隠せと言ってある。恐らく近くにはいるだろう。
負傷したティガルを庇いながら僕達も後退する、敵も傷を負ったトレンティア兵を庇いながら距離をとっていく、両者は互いに武器を引いて離れていく……。
僕はただ目を見開いてそれを見ていた。何者かは分からない……ズミ人の兵士がトレンティア兵を庇っている……?
木々の奥に身を隠すように体を引き、相手の一団はすぐに見えなくなった。
退却もお互い素早いようだ。その喧騒が遠のいて聞こえなくなるまでも、そう時間はかからなかった。
「ジュリ! いるか!」
戦闘で既に魔力を消耗した僕よりも、いるのなら治療専門で連れてきているジュリに治療をさせたい。声を張り上げて呼ぶと、やがて茂みの奥から葉っぱにまみれたジュリが駆け出してきた。
念のため目で確かめるが、無事戦いからは離れていたのだろう、無傷らしい。
「矢を受けた。そう深くはないと思うが……」
ティガルの鎧は革製だ、矢を弾くことまではなかったが、致命傷を防ぐことはどうやらできたらしい。
少し痛むぞ、と声を掛けてから矢を引き抜き、ジュリが早速書き始めた魔法陣の上へと寝かせた。
気が付けばやけに鼓動が速い。……落ち着いて、状況を整理せねばならない。
ジュリが回復魔法の施術を行っているのを見下ろしながら、僕はごくりと唾を飲み込み、息を整える。
最初見つけたトレンティア兵は四人、うち二人は殺したが、残りの二人はどうやら彼らの味方であるズミ人の一団に救われて逃げたようだ。
トレンティア兵に味方をするズミ人達は……傭兵か何かだろうか。トレンティア軍は自前の兵力だけで足りずに現地で傭兵を買ったのかもしれない。ズミ人の中にも、金さえもらえれば他は何も問わない、と思う者だって少なからずいるだろう。
一瞬だけ交戦した限り、素人の寄せ集めということはなさそうだ。数少ないトレンティア兵を排除するだけ……と侮ってはいられない、どうやらパーティルでは見込んだ以上の数の敵と相対せねばならないようだ。それも、同胞であるズミ人達と。
ただの傭兵であれば、トレンティア兵との連絡や統率もそう強固ではないだろう。迅速かつ隠密に……極力トレンティア軍だけを叩かなければならない。
そうすれば皆殺しにするまでもなく、ズミ人の傭兵部隊も自然に契約が切れるはずだ。雇い主を選ばないのであれば、その後は味方にすることだってできるかもしれない。
考えを巡らせながらひとつひとつ方針を組み立てていく。遂行不能となれば無理をせずラズミルに判断を仰げ、と言われてはいたが……まだ、僕の判断でどうにかできる範囲のはずだ、たぶん。
ひとつひとつ、行動の判断を自分で切らねばならないという立場の新しさを噛み締めて、僕は強く奥歯を噛んだ。
足元を見ると、ジュリの治療は順調らしく、既にティガルは負傷の気配もなく、ただ不機嫌な顔で空を睨んでいた。
「傷が浅かったのでまだ良かったです。念のため傷口を見てもいいですか」
ジュリが穏やかに言うのを聞いて、ティガルは服を脱いでその背中の肌を突き出している。僕の目から見ても既に傷口は塞がっているようだった。
「ったく、弓矢での奇襲ってのはされる側になるとおっかないな。あいつは大丈夫なのか、グリスは」
ティガルがぼやいたのを聞いて、僕は今更グリスのことを思い出した。ハッと視線を上げて周りを見回すが、その姿が見当たらない。
「グリス! どこ行った!?」
慌てて声を張り上げて周囲を探すが、どうにも返事もない。その場に転がったままになっているのは、僕達が殺したトレンティア兵の死体だけだ。
……最後に見た時、彼は少し離れた場所で周囲の様子を窺っていたはずだ。それで、ズミ人達の襲撃にもいち早く気付いて……。気付いて、どうしたんだろう。
ともかく今周囲に彼の姿はない、死体で倒れているということもない……であれば、どこかへ去ったのだろう。まさか一人で逃げ出すなんてことはこの期に及んでないだろう。となれば。
「敵に攫われた……?」
僕は愕然として言った。既に服を着直したティガルも、はあ、と素っ頓狂な声を上げた。
「……トレンティア人だからな。仮に捕まったのなら相手だって事情を聞こうとはするだろう。まったく、あの間抜けめ!」
ティガルは苛立ちをこめてそう悪態をついた。僕は眉間に深く皺を寄せる。……グリスが敵に攫われた。となると、どうなるんだ……。
いや、そこは判断に迷うようなことではない。生きているうちは助け出さねばならない。同盟軍なのだから……まあそれを抜いても、一応友人とも言える人間なのだから。
もとはと言えば彼はパウルに言いつけられて僕の護衛をしにきているはずだ。主人を守るどころか一人で勝手に攫われるとはどういうことだ、まったく、本当に……間抜けめ。僕はティガルと同じ言葉を胸中で繰り返した。
「とりあえず、騒ぎが大きくなる前に町の中に入り込もう。バルドという同志と連絡がとれればもう少し状況も分かるはずだ。……グリスはトレンティア人だ、トレンティア軍に捕まったのならただちに殺されるということは無い……と思いたいが、早まって僕達が追い詰められたら元も子もないからな、慎重にいくぞ」
そうティガルとジュリに言って、僕達はパーティルの町中への進軍を急いだ。
町の中では髪を隠さねばならないグリスは不便そうだったが、やはりベッドで寝ることができるのは誰しも嬉しい。
そんな半ば場当たり的な旅を何日か続けていくうちに、目的地は近付いた。
森深いジンク地方をもぐるように通り、パーティルはそれが開けた場所に構えている。少しだけ木々の背が低くなってくると、緩んでいた緊張感も次第に高まっていく。
ジンクの森の中はどこを見ても似た景色をしている。前にこの近くを通った時のことを思い出したところで正確な場所の一致は分からないが……、やはり近くまで来たと思うと感慨も出てきてしまう。まだ寒さの引かない春の初めの頃だった。
パウルとジュリとフェリアとの四人で、日銭を稼ぐために仕事を探してパーティルへ向かっていた。狩りの練習をしたがったパウルに付き合っていると、偶然パーティルからの脱走兵であるグリスを捕らえたのだった。
「え、ええ……、懐かしいですね、本当に」
パーティルが近付くにつれ、グリスの顔は緊張に満ちていく。
「緊張感を抜きすぎるのも当然よくないけど、動転はするなよ。今は今の任務だ、割り切れ」
そう声をかけると、グリスは引き締まったままの顔で深呼吸をして頷いた。
やがて生い茂った森の奥に一筋の煙を見つける。誰かが野営をした痕跡だろう。森の中では狩人も珍しくはないが、距離で言えばそろそろパーティルが近いころだ……念の為様子を見ようと、その焚き火の位置だろう煙の位置へ僕達は近付いた。時刻はちょうど正午を過ぎるか過ぎないかというところだろう。
見ると、焚き火のあるじはまだその場に留まっているようだ。それはどうやら、狩ってきた獣を休憩がてら食している兵士達だった。
その統一された灰色の兵装は、遠目から見えづらい髪の色を見ずともトレンティア兵らしいと見当がつく。長くズミに滞在しているうちに、彼らもズミ人のように森で獣を狩って食べる生活も馴染んでいるのだろう。
「位置からして、偵察任務中のパーティルの守備兵である可能性が高いでしょう」
グリスが低く、重い声で言った。既にフードを被り込んで顔を隠している。
草を踏み分けて進む僕達の足音を、彼らが聞きつけるのもそう時間のかかることではなかった。
こちらの正体を測りかねて、向こうもすぐに攻撃を仕掛けてくるということはない。その数は四、五人程度だ。
まずは情報を得よう、そう思って頭を捻るが……どうにも穏やかな話の進め方は思い付かなかった。
どちらにせよ、僕達の任務はパーティルからトレンティア兵を“一人残らず”排斥することだ。交戦を避けることなど考えなくてもいいだろう。
「捕らえる。情報を聞きたいから皆殺しは避けろ」
僕は仲間にそう指示を与えた。すぐに駆け出すのはやはりティガルだ、彼は既に剣を抜いている。
「グリス、お前は後ろからできる限りで援護しろ」
短く言って僕もティガルの一歩後ろを走り出す。抜き身の剣を持って駆けてくるズミ人を見て、敵も戦闘の気配を察知したようだ。
距離を詰める前に魔法攻撃を撃たれては不利になる……僕はそれを先取りするために、魔剣を抜くよりも先に両手を前に突き出した。ラズミルにいる間、クラウスやパウルに訓練に付き合わせた、ソル・サークルでの戦闘魔術も既に手に馴染んできている。
敵もすぐに魔法攻撃の仕草をとっていたが、こちらをズミ人と侮ったのだろうか、動きは遅い。強化の術式を混ぜた僕の炎魔法は素早く空中に魔力を巡らせ、ティガルの体の横を通り抜けて敵を急襲した。
ぎょっとしたのは何やらティガルも同じだったらしい、僕が魔法攻撃をするとも思っていなかったのだろうか。びくりとその足が一瞬強張ったのが分かったが、構いはしない。
球状の塊となった炎に焼かれ、敵の一番手前にいた者は悲鳴を上げて怯んだ。集中を途切れさせた兵士の魔法は不発に終わる。
一発目を撃ち終わった後は強く足を踏み込んで距離を詰める。その目で敵とティガルとの距離を見極め、魔力をもうひと巡り。誤射を割けて次の炎の一撃は細く、矢のようなイメージで……敵の動きを牽制する。
こちらが魔道士と分かると敵も順応が速い。その炎の矢を身を捩って躱す、しかしその頃には両手剣を振り込んだティガルが彼の元へ到達していた。
敵は魔法の構えのまま武器を抜くことすら叶わず、その肩の上からティガルの太刀筋をまともに受けた。鎧を着ていたその体がたちまちにちぎれるようなことはなかったが、重い剣で殴られた衝撃で敵はその場に打ち伏せられる。
それをティガルは踏み越え、その奥で剣を構えていた敵兵の喉元に真っ直ぐ刺突を繰り出した。迷いのない太刀筋だ。一人、死亡。
二人残ったうちの一人は既に剣を抜いていた。すぐにそれへ対応したティガルの剣がそれと交わる。もう一人は僕の方へ向かってくる。習ったばかりの術を試すように、敵が振りかぶってきた剣は物理障壁の魔法陣で食い止めた。
流す魔力の加減に迷う……念の為にと太めに入れたそれはまるで鉄のような強度を持ち、敵の剣の手応えさえ曖昧だ。
しかし障壁の魔法陣は攻撃手段にはならない。一度魔力が駆け抜けて回路の立ち消えた空中、敵は至近で間髪入れずに武器を振るってくる、目の前で爆炎魔法を撃つには間に合わないし、自分も巻き込んでしまう。
やはり魔法は距離を詰められると厳しい戦術なのだな、なんて手応えを確かめて、とにかく敵の刺突を躱し、突き出してきた敵の体の横、鎧の上からそれを蹴り飛ばして距離を取った。
敵の体躯は大柄で、僕の蹴り一つでは倒れもしない。僅かによろめいたそこから空を舞うように僕はくるりと身を翻して後ろに下がる……その最中にぐっと魔力を両手に込めた。
最後に青い目をかっと見開いた敵の眼前、受け身をとらせるより素早く、確実にそこに爆炎を打ち付ける。体の中からぐっと多くの魔力が流れ出ていった。
激しい熱に焼かれて敵は呻きながらその場に倒れた。その奥では、いつの間にか起き上がっていた者と合わせて二人がかりでティガルを追い詰めている姿があった。
最後ぐらいはいいか、と僕はすかさず魔剣を抜いて、しかし魔力は流さずに、こちらに背中を向けている者に真後ろから襲いかかった。
その首筋を狙って真横に振り切った刃が、ずしりとした反動を受けながら敵の首から上だけを宙に飛ばす。……魔力を込めずともすさまじい切れ味だ。
仲間の激しい死に様を見て、一人残った兵士は戦慄してしまったらしい。その途端に鈍った太刀筋をティガルは迷いなく封じ込め、その体を地面へと叩き伏せた。
二人がかりで押さえ込めば殺さずとも力を奪うのは容易い……、彼をうつ伏せに地面に押し付けてその武器を奪い取り、手を後ろに固めて制圧は完了した。
どうやら出る幕のなかったグリスは、遠巻きに僕達を眺めているだけだった。
まだ近くに他の敵がいないとも限らない、念の為周囲を見回しながら警戒を張ってくれている。その間に、僕は捕らえた敵の尋問に取り掛かった。
「パーティルの守備兵か」
頬を地面に擦り付けるようにして上からティガルに押さえ込まれ、敵は苦しげな顔で歯を噛んでいた。返事はしない。
「話が聞けるのなら皆殺しにするつもりはない。答えてくれ」
冷めきった目で見下ろしてそう言うと、やっと敵は唾を飲み込んでから口を開いた。
「……そうだ」
「今パーティルに詰めているトレンティア軍は全部で何人だ?」
「二十五……」
「指揮官は」
そう聞いたのは、名前を聞けばグリスが何か情報を分かるかもしれないと思ったからだ。しかし敵兵はそこで苦しげに言葉を迷わせる。
「指揮は……、カディアル家の貴族が……」
その名前を聞いて僕は目を瞬かせた。こんな遠くまで来てまだそれを聞くとは驚きだ。
「カディアル? まさかカルロスか」
僕がその名前を知っていることも相手にとっては驚くことだったのかもしれない。聞くと、ハッとしたように息を呑んだ。
「カルロス殿は別行動だ。パーティルにいるのは、その……、奥方のオルエッタ様だ」
「カルロスの妻?」
僕は思わずそう聞き返した。その名前は確かにエレアノールから聞いていた。カルロスは妻を伴ってズミに来ていると。
それにしても敵兵の指揮官と尋ねているのに妻の名前が出てくるのは不可解だ。軍人ではないという話だったと思うが……。
「貴族の女が兵士の指揮をしてるっていうのか」
兵士を睨みながらそう確かめると、彼は苦しげに顔を歪めながらも頷いた。本当のことを言っているのかどうかは定かではないが……、嘘を付くにしてもその理由も内容も釈然としない。
数秒だけ考えてから、それ以上彼を同じように尋問しても無駄だろうと諦めをつけた。他に聞くべきことはあるだろうかと思いを巡らせている間、敵の方が怒りのこもった声を上げる。
「お前たちは……何者だ。どこのレジスタンスだ……」
僕は言葉より先に武器で答える。一度は腰に収めた魔剣を抜いて、敵の目の前の地面にずしと突き立てた。その瞬間に彼の喉元をひゅっと恐怖の息が通る。
「“レジスタンス”ではない。我々は……ズミ軍だ」
そう重々しく名乗ってやるが、彼は要領を得なかった。言葉の意味を理解しなかったのか、恐怖のあまり震えていたのかは分からない。
どちらにしても構わない、既に戦闘は行われたのだ……これは宣戦布告だ。
それ以上の尋問は不要だろう。……用は済んだ、殺してしまうか、それとも約束通りに逃がしてやるか……、その判断には迷った。
そんな判断を下す立場になるのは初めてだったのだ。現場の判断はお前に一任する、なんて言ったモルズの言葉が今更重くのしかかってくる。
「ヨハン様!」
やや離れたところからグリスが声を張り上げたのが聞こえた。それが何を意図したものだったのか、言葉で聞く前にそれは唐突に到来した。晴れた夏の空を切って降りかかる、明確に質量を持った何か。
頭で考えるよりも早く、僕はほとんど無意識に魔剣を構えていた。間近に迫るとヒュと風を切る音は鋭く鳴く、そのうちの一つは構えた魔剣の刀身をちょうど叩き、別の一つは目の前で敵兵を押さえ込んでいたティガルの背にずしと突き立った……矢だ。
「ティガル!」
僕は思わず叫んだ。突然訪れた攻撃を受け、ティガルも顔を凍りつかせてその場でよろめいた。
急速に加熱していく頭で、僕はそれでも歯を食いしばって状況の把握に努める。攻撃を受けた。何者だ? 弓矢……?
そして複数の射撃による初手に続いて、彼らはもはや足音を殺さずに猛進してくる。茂った木々の奥から獣のように武器を構えて襲ってくるのは……黒髪の男達。トレンティア兵ではない……行きずりの野党か何かか?
「敵に魔道士がいる! 気を付けろ!」
そう誰かが叫んだ。……誰が? 一瞬で理解が追いつかなかった。叫んだのは、今しがたティガルの下で押さえ込まれていたトレンティア兵だった。
僕はとにかく、襲い来る敵に向かって剣を振ることしかできなかった。
「神聖なるトレント!」
叫ぶように血門を開き、空を振った魔剣の太刀筋から炎の刃を広く飛ばす。横一列になって猛進してきた五人ほどの戦士はその場で足をつんのめらせて、一斉に地面へと身を伏せた。咄嗟に横に降った剣から出た炎は彼らの頭上を通り過ぎていく。
最初の一撃を躱された、その身のこなしはどうにも手練れの戦士のようだ。それでもこちらは魔剣だ、魔力を纏って中へ切り込んでしまえば、それを一網打尽にすることも難しくないだろう。
……だが、敵が何なのか分からない。黒髪の同胞、殺してしまってもいいのか、これは。そんな迷いで僕は踏みとどまる。
しかもどうやら前線に出ている五人が全てではない。更にその奥にも、弓矢を持って控えた戦士らが複数。ひと目で見渡す限りで全体の数は分からない。
そして傍らには既に負傷したティガル……、とにかく彼を守らねばならない。
僕は魔剣に魔力を流し込んでそれを構えた。僕の炎の刃を目の当たりにした敵達は、そのまま距離を詰めてはこない。
それを見て僕は前へ踏み込む、敵は合わせるようにして身を引かせた。そしてその奥から襲い来るのは再び射撃。
左手を柄から離し、刃に添えるように剣とともに構えてそこに物理障壁の魔法陣を大きく張った。矢はそれにぶつかって地面へ落ちていく。
「なんかヤバそうだ、退け! 負傷者を拾え!」
相手の先頭の列にいた男がそう叫んだのが聞こえた。負傷者を拾わなければいけないのはこちらも同じだった。
倒れ込んでいたトレンティア兵は既に自力で立ち上がったようだ、そこから倒れたティガルの元へ寄って敵の追撃に備える。
「ティガル、立てるか!」
そう声をかけると、彼は苦しげに歯を噛み締めながらも頷いたようだ。
治療師は……ジュリにはあらかじめ、戦闘が起こったら後方で身を隠せと言ってある。恐らく近くにはいるだろう。
負傷したティガルを庇いながら僕達も後退する、敵も傷を負ったトレンティア兵を庇いながら距離をとっていく、両者は互いに武器を引いて離れていく……。
僕はただ目を見開いてそれを見ていた。何者かは分からない……ズミ人の兵士がトレンティア兵を庇っている……?
木々の奥に身を隠すように体を引き、相手の一団はすぐに見えなくなった。
退却もお互い素早いようだ。その喧騒が遠のいて聞こえなくなるまでも、そう時間はかからなかった。
「ジュリ! いるか!」
戦闘で既に魔力を消耗した僕よりも、いるのなら治療専門で連れてきているジュリに治療をさせたい。声を張り上げて呼ぶと、やがて茂みの奥から葉っぱにまみれたジュリが駆け出してきた。
念のため目で確かめるが、無事戦いからは離れていたのだろう、無傷らしい。
「矢を受けた。そう深くはないと思うが……」
ティガルの鎧は革製だ、矢を弾くことまではなかったが、致命傷を防ぐことはどうやらできたらしい。
少し痛むぞ、と声を掛けてから矢を引き抜き、ジュリが早速書き始めた魔法陣の上へと寝かせた。
気が付けばやけに鼓動が速い。……落ち着いて、状況を整理せねばならない。
ジュリが回復魔法の施術を行っているのを見下ろしながら、僕はごくりと唾を飲み込み、息を整える。
最初見つけたトレンティア兵は四人、うち二人は殺したが、残りの二人はどうやら彼らの味方であるズミ人の一団に救われて逃げたようだ。
トレンティア兵に味方をするズミ人達は……傭兵か何かだろうか。トレンティア軍は自前の兵力だけで足りずに現地で傭兵を買ったのかもしれない。ズミ人の中にも、金さえもらえれば他は何も問わない、と思う者だって少なからずいるだろう。
一瞬だけ交戦した限り、素人の寄せ集めということはなさそうだ。数少ないトレンティア兵を排除するだけ……と侮ってはいられない、どうやらパーティルでは見込んだ以上の数の敵と相対せねばならないようだ。それも、同胞であるズミ人達と。
ただの傭兵であれば、トレンティア兵との連絡や統率もそう強固ではないだろう。迅速かつ隠密に……極力トレンティア軍だけを叩かなければならない。
そうすれば皆殺しにするまでもなく、ズミ人の傭兵部隊も自然に契約が切れるはずだ。雇い主を選ばないのであれば、その後は味方にすることだってできるかもしれない。
考えを巡らせながらひとつひとつ方針を組み立てていく。遂行不能となれば無理をせずラズミルに判断を仰げ、と言われてはいたが……まだ、僕の判断でどうにかできる範囲のはずだ、たぶん。
ひとつひとつ、行動の判断を自分で切らねばならないという立場の新しさを噛み締めて、僕は強く奥歯を噛んだ。
足元を見ると、ジュリの治療は順調らしく、既にティガルは負傷の気配もなく、ただ不機嫌な顔で空を睨んでいた。
「傷が浅かったのでまだ良かったです。念のため傷口を見てもいいですか」
ジュリが穏やかに言うのを聞いて、ティガルは服を脱いでその背中の肌を突き出している。僕の目から見ても既に傷口は塞がっているようだった。
「ったく、弓矢での奇襲ってのはされる側になるとおっかないな。あいつは大丈夫なのか、グリスは」
ティガルがぼやいたのを聞いて、僕は今更グリスのことを思い出した。ハッと視線を上げて周りを見回すが、その姿が見当たらない。
「グリス! どこ行った!?」
慌てて声を張り上げて周囲を探すが、どうにも返事もない。その場に転がったままになっているのは、僕達が殺したトレンティア兵の死体だけだ。
……最後に見た時、彼は少し離れた場所で周囲の様子を窺っていたはずだ。それで、ズミ人達の襲撃にもいち早く気付いて……。気付いて、どうしたんだろう。
ともかく今周囲に彼の姿はない、死体で倒れているということもない……であれば、どこかへ去ったのだろう。まさか一人で逃げ出すなんてことはこの期に及んでないだろう。となれば。
「敵に攫われた……?」
僕は愕然として言った。既に服を着直したティガルも、はあ、と素っ頓狂な声を上げた。
「……トレンティア人だからな。仮に捕まったのなら相手だって事情を聞こうとはするだろう。まったく、あの間抜けめ!」
ティガルは苛立ちをこめてそう悪態をついた。僕は眉間に深く皺を寄せる。……グリスが敵に攫われた。となると、どうなるんだ……。
いや、そこは判断に迷うようなことではない。生きているうちは助け出さねばならない。同盟軍なのだから……まあそれを抜いても、一応友人とも言える人間なのだから。
もとはと言えば彼はパウルに言いつけられて僕の護衛をしにきているはずだ。主人を守るどころか一人で勝手に攫われるとはどういうことだ、まったく、本当に……間抜けめ。僕はティガルと同じ言葉を胸中で繰り返した。
「とりあえず、騒ぎが大きくなる前に町の中に入り込もう。バルドという同志と連絡がとれればもう少し状況も分かるはずだ。……グリスはトレンティア人だ、トレンティア軍に捕まったのならただちに殺されるということは無い……と思いたいが、早まって僕達が追い詰められたら元も子もないからな、慎重にいくぞ」
そうティガルとジュリに言って、僕達はパーティルの町中への進軍を急いだ。
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