サーシェ

天山敬法

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第十章 分かたれる道

126話 フォスの首輪

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 襲撃の夜はやがて明け、陥落したナートの砦は次第にズミ兵の警備が整っていく。
 そんな中で私達も落ち着きを取り戻していくが、果たして捕らえたトレンティアの捕虜達をパウルはどうするつもりなのだろうか……。
 少しベッドで休んでも眠気はこなかった。パウルやジャックと違って血門を持たない私は戦闘での消耗具合も軽い。寝入ってしまったジャックを置いて、結局状況が気になって私は休憩室から這い出していく。
 再び魔道制御室に赴くと、やはりやつれた様子のパウルと……意外なことに、捕虜のはずのアーサーが腕だけを縛られた状態でそこに立っていた。
「ああ、グロリアか……。いやなに、細かいところの解読までは結局作者に聞くのが手っ取り早いからな、協力してもらってるだけだよ。こいつは軍人じゃないしそう危険はない」
 パウルは椅子の上に座ったところから気の抜けた声で言った。
 対するアーサーも既に慣れてしまっているのか、あまり恐怖しているような感情を表には出していない。私の顔を見ても疲れたようなため息をつくだけだ。
「まさかエレアノール様までイグノール殿と一緒におられたとは……。軍の者はみな、あなた様はトレンティアに帰国したものと思っていましたよ」
 そんなことを言われて私は思い起こした。確かに私が正規軍を離れたのは、表向きには単身で帰国することになったからだった。
 今更そのことを弁明したところで意味はない、私はアーサーには何も返事をせずにパウルの方へ視線を向ける。
「兄様、血門術で相当消耗してるでしょう、早く休んだ方がいいわ。まだ交代できないの?」
「ああ……そうだな、もう最低限は動かせるだろうし、じゃあ頼もうかな」
 パウルはやはり気の抜けた声で言う。交代できるのならさっさと言えばいいのに、と文句を言う私に、パウルはふっと笑みを浮かべた。
「今はほとんど休んでいるようなものだ。ついでにアーサーと雑談をしていただけさ。若造だと思っていたが、さすがに優秀な学者だ。魔法学の話が弾んでしまって」
 そんなことを言ったのは皮肉だろう、とそう思ったのだが存外に、それに合わせるようにしてアーサーまで不敵な笑いを飛ばした。
「ええ、そうですね。本当に……あなた様が王室に残っていれば、あの学会は今よりよほど発展をしていただろうと思うと、一学者としては惜しくてなりませんよ。今後研究者として復帰される予定はないのですか」
「お前は曲がりなりにもギルバートの配下だろう、この状況で今後の話なんてするなよ」
「これは……失言でしたね。どうかお忘れを」
 そう笑いながら軽口を交わす男達を、思わず私は思い切り眉を寄せて見つめてしまった。……交戦したばかりの敵同士とは思えないほど、まるで和やかな空気ではないか。
 アーサーはもともと軍人ではなかったはずだ、だからなのだろうか。あるいは彼にとっては慣れない戦場の、極限の緊張状態が恐怖を麻痺させてしまっているのかもしれない。
 パウルは手元で纏めた紙束――おそらく、先程言っていた魔法陣の操作方法とやらの資料だろう――を無造作に私に突き出しながらも、言葉はまだアーサーに向いているようだった。
「まあもし、この戦争を生きて終えることができたのなら……、それが許されるのなら、当然学術活動に励みたいとは思うさ。だけどその時に私が専門に研究することはもはや、エルフィンズ家伝統の人体魔術ではない」
「と、申されますと?」
「もっとやってみたいテーマが見つかった。ズミ魔道だ」
 アーサーは腕を縛られたまま、まるで毒気のない顔で首を傾げた。
「ズミ魔道……というと、ズミの国で発展した魔法学、ということでしょうか」
「ああ、その通りだ。正直言ってズミは魔道で言えば後進国だ、トレンティアの魔法学を輸入したばかりの未熟な学問しかまだないだろうと侮っていたが……、実際にその魔道の使い手に会ってみれば、その認識が間違っていたことが分かって恥ずかしくなったよ。あの魔道は私達の魔法学の常識を覆す、まさに未知の理論の為せるわざだ。私はあの魔法を探求したい」
 真剣な顔で言う、パウルの言葉が指し示しているものが何であるのか、私にもすぐ思い当たることができた。“ズミ魔道”の唯一の継承者であるというリョドル、彼の扱う魔法は確かに私の目にも異様に映るものだった。
 その語った内容にはアーサーも興味を惹かれたらしい、身を乗り出すようにして目を見開いた。
「そのような魔道の使い手がいるのですか? それは一体どんな……」
「おっと、気になるのも当然だろうがあの技術は“ズミ”のものだ、彼らに敵なすトレンティア軍の関係者に詳しいことは言えないさ」
 パウルは冗談めかした声で笑い飛ばした。
 どうやら魔法学の話が弾んだのは本当のようだが、敵同士である彼らが分かち合えるものはさすがに少ないだろう。アーサーは少しだけ苦い表情を浮かべて目を伏せた。
 やがてパウルはゆったりと口元で笑みを作ったまま、少し掠れた声でぽつりぽつりと言葉を続ける。
「もしも叶うのなら、お前とも……お前達とも、武器や戦闘魔術ではなく、学術の言葉を交わしあう未来を見たいものだ。学問の礎は知性と良心への信頼だからな、戦争中に学問はできない」
 アーサーは切なげに目を伏せたまま黙っていた。私も何も口は挟まなかった。
 楽天的にさえ響くその希望は、しかし策略家の顔を取り繕うための冗談ではないことは分かってしまった。私も、そしてきっとアーサーも、魔法学者としてのパウル・イグノールの姿をも知っているのだから。せめて言葉は何も言わないでおく。
 私はパウルから受け取った魔法陣の説明書に目を通し始めた。そこに書いてある魔術の操作方法は至って端的で簡潔で、魔道文字に恋をしていた学者の情熱は鳴りを潜めている。
「それじゃあ私は少し休んでこようか」
 そう言ってパウルはゆらりと椅子から立ち上がった。促されるようにしてアーサーももとの来賓室へ戻っていくようだ。そこからは私が一人で、制御室から砦全体の魔力探知を始めることになる。
 しかし私がその説明書とにらめっこを始めて間もなく、そこへ慌ただしく駆けてくる者の足音があった。
「エレアノール殿! トレンティア軍はシュナート市街で隊列を整え、反撃の準備を進めている模様です、ズミ軍も迎撃の準備に当たっており……」
 そうきびきびとした声で報告をしたのは、しばらく市街の偵察に駆け回っていたルヴァークだった。一旦の偵察を終えて合流したのだろう。
 私は魔法陣の説明書を脇に置いて、結局休み始めたばかりのパウルと、一人で魔剣を抱いて寝ているジャックとを起こしに行くことになった。

 程なくして私達は制御室へと集った。そこにはこの休憩時間中に合流してきたルヴァークとアルドの姿もある。
 戦闘の開始からずっと市街に紛れて戦況を見て回っていたのはルヴァークだ、彼女からの報告を私達も、そして今ここに詰めているズミ軍の兵士も聞いていた。
「既にナートがこちらの手に落ちたことはシュナート市街の兵士らにも伝わっている様子で、始めは撤退の準備を進めている風だったのですが、敵の援軍と思しき一隊が東から入ったのも確認しています、それを受けてどうやら戦闘態勢を整え始めたようで」
「東から援軍? 規模は」
 パウルが鋭い声色で聞く。ルヴァークはいつも通りに落ち着いた態度だ。
「十名ほどのごく少数しか確認していません。よほどの強兵が入ったのでしょうか……」
「あるいは指揮官となりうる将軍だろうな。ナートに詰めていた司令官は殺してしまったから、引き継ぐやつがいなければ戦闘の継続は不可能なはずだ。クラウス、ズミに来ている軍人のうちで全軍の指揮を担うほどの将軍格はあとどれほどの心当たりがある?」
 パウルに聞かれてジャックも冷めた顔で目を伏せた。
「私が本軍を離れたのもひと月以上前ですが、その時点で言えばもうシモン・エルフィンズ殿とカルロス・カディアルほどしか心当たりはありませんね……」
「ああ、シモンはクスダンの近郊で戦死したぞ。討ち取った現場をズミ軍の立場で私も見た」
「……であれば、この一ヶ月の間に本国から新たに来た者である可能性が高いでしょうね、見当はつきません」
 パウルは仕方がなさそうにため息をついた。敵の司令官が誰であるかは不透明だが、どうせそれが分かったところで変えられる判断はないだろう。
「ともかく砦はこちらが押さえている、この優位性をわざわざ捨てる理由はない。基本は籠城戦だ。魔道防衛装置の使い方については私が把握していることだ、すまないがズミ軍も今は私の指揮下に入って……」
 パウルがズミ軍の兵士達に言葉を振ったその時、会議の場へまた慌てて駆けてくる者があった。今度はズミ軍の兵士の誰かだ。
「おい、イグノール! 使者だとかいう敵兵がお前宛てに手紙とか言って渡してきた」
 そう言って彼は手元で一枚の紙をひらひらとさせた。周囲では既にそれを興味深そうに覗き込んでいるズミ軍の兵士がいたが、トレンティアの文字で書かれたそれを読める者はいなそうだ。
 それをパウルは乱暴に受け取って読み始めた。難しそうに眉を寄せていた不機嫌な顔が、見るうちに驚嘆の色に変わっていく。
「向こうから堂々と名乗り上げてくれたよ。敵将の名前は……ドミニク・フォス・カディアルだ」
 彼が重く言い渡した、その名前を聞いて息が止まる思いをしたのは当然私だけではなかった。
「父上が!? 馬鹿な、あの方がギルバート陛下の警護を離れるなんて、そんなことが」
 ジャックが思わずと言ったふうに上げた声は、ほとんど混乱したようなものだった。パウルは目を見開いたまま、やがてその瞳を震わせ始めた。
「……これは停戦要請だ。これ以上は抵抗することなくトレンティア軍はシュナートから撤退する代わりに、ナートで捕えている捕虜の解放を要求してきている」
 その声までわずかに震えていた。かつてトレンティア王国最強と謳われたあの騎士の名前を目にして、動揺せずにおれないのはどうやら彼も同じらしい。
 私達は半ば呆然として聞いていた、それを必死に飲み込んで冷静な思考を努めなければならなかった。
「……何を言っているの? 勝ったのはこちらだし、このまま戦闘を継続したとしても、有利なのは砦を押さえている私達でしょ。負けた相手が撤退するのに捕虜をわざわざ放してやる必要なんかないはずよ」
 私がそう言うと、パウルはぐっと目を瞑った。苦しげな感情に満ちた顔だ。
「ああ……、向こうはもうひとつ対価を差し出すことを約束している。……他でもない、司令官ドミニクの首だ」
 その言葉の意味を、すぐに理解できなかった。ジャックも愕然とした顔で固まってしまっていた。
「有り体に言えば、奴は自分の命と引き換えに捕虜を放せと、そう言っている」
 その捕虜の中に今はカルロスもいる。……子のために命をなげうつ父親の姿だとでも言うのだろうか。
「……それを、飲むおつもりですが、殿下」
 ジャックの声は、彼らしくもなく弱々しく掠れていた。パウルは自分の額の上でぐっと拳を握って、苦しげに顔を俯ける。
「ドミニクは言わずともがな、ベルタス王城の最後の盾のはずだ。ギルバートの首を落とすことを考えるならば、どのみちいずれはぶつかる壁だろう。それをここで無力化できるのならばその判断はあまりに大きい……」
 その言葉のひとつひとつが、じっとりと胸の底に落ちていくような気がした。……そう、敵となった以上はどのみちいずれ会っていたことだろう。既にイグノールの歩みは進み出している、あの名乗りを上げた月夜から既に。
 そしてそれに連なる覚悟を決めたのは、私もジャックも同じことだ。確かに父を、夫を裏切ると、二人で重ねた唇に誓った。今更嘆くことは何も。
「つまり要求を飲むと……、捕虜を本当に放すのですか?」
 ルヴァークが静かに、鋭い声で確かめてくる。パウルは苦しげな表情のまま頷いた。
「お互いに対等な争いだったならそれに理もありましょう。しかし彼らは侵略者です。一方的に私達の国を蹂躙してきたのは彼らの方からではありませんか。ナートでの戦いには勝ったというのに、相手の取引に応じるなど……、ズミ人は納得しませんよ」
 彼女の力強い言葉に、私もジャックも思わず視線を引かれてしまう。表情を取り繕うこともできなかった。しかしパウルの顔は変わらなかった。
「分かっている。だからこそ私達だけでこの砦を落としたんだ。ズミ人に任せてしまうと何も考えずに皆殺しにするだろうからな。ルヴァーク、お前はズミ人だが私の部下になることを受け入れたんだ、今更文句を言うなよ」
「分かっておられるのなら……分かった上でそう判断されるというのなら私も文句など言いません。出過ぎたことをお詫びします。しかし殿下、もうひとつお知りおきを。ズミの兵士の中には、やはりイグノールもトレンティア人なのだ、トレンティア軍は敵だと口では言っていても、同胞相手に情を持っているのではないか……と疑う者もまだ少なくないということを」
 同盟を組んでいるとはいえ別の部隊だ。そして私達とズミ軍とでは、根本から分かり合えないものがあるのかもしれない。
 それでも互いに協定を組んで進めていく戦争の中で、その判断ひとつひとつが敵軍だけではない、同盟軍であるズミ人達との緊張関係にも変化をもたらしていく。……ああ、政治というのは面倒くさいものだ、本当に。
 ルヴァークの忠告には、パウルが返事をする前にジャックが重たく口を開いた。
「心配には及ばない。殺すべき者は殺す、それは私の役目だ。殿下のためなら何者の血でも浴びてやる」
 その言葉が示していることを察して、私はぐっと唇を噛む。……今、首を差し出すと言っている敵兵は紛うことなく彼の父親なのだ。
 パウルも静かに目を閉じて、細くため息を吐いた。
「忠告はありがたく受け取っておこう。だがこの判断に変更は無しだ、すぐに返事を書く」
 そう言い切って彼は表情を切り替えた。彼の判断を私達は確かに飲み込んでいく。殺すべき者は殺す。そういう戦争だ。
 その後使者を通じて二度ほど彼らは書簡をやりとりし、互いに差し出す身柄の引き渡しはナートの門の前で行われることになった。既に夜は明け、外の空は白く曇っていた。
 捕虜を解放するため全員を集め、やがて砦の門を潜らせる時、その先頭にはジャックが立ってそれを引率し、その一番後ろにパウル本人も付き従った。後尾の近くにいたアーサーがどこか切なげにパウルを振り向く。
「これまでですね、イグノール殿。あなたとはもっと話がしたかった」
 パウルは乾いた笑みを飛ばす。
「生きてまた会うことがあればな。ミュロス・サーシェ」
 そうズミの神への祈りを口にしたのは、ここで神聖なるトレントの加護を祈ることはお互いにできないからだろうか。アーサーは何も返事をせず、ゆっくりと前を向いて歩き出した。
 それを傍らでじっと見ていた私と、そしてその隣に控えたルヴァークの方にパウルの視線がちらりと向く。すぐにそれは逸らして、進んでいく捕虜の背中を見つめたようだ。
「……なあルヴァーク。正直に言うが……彼らに同胞の情は確かにあるよ。いくら頭の中で整理をつけたって、心はどうにもできない。せいぜい一生懸命頭で考えて判断して、その度それを乗り越えていくしかない」
 前を見たままパウルは穏やかな声で言った。私もルヴァークも何も言わずにその横顔を見つめる。
「だけどそれは……、たぶん、お互い様だからな……」
 それは何のことを言ったのか、ルヴァークには分からなかったかもしれない。彼女は少しだけ眉を寄せて、しかし何も言わなかった。
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