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体験学習(京都)自由行動
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"面倒くさい仕事だけ俺がやるはめになってありえねぇよな"
藤田洋一は図書館でひとり残って計画を立てることになってイライラしながら思った。
洋一の通う中学校では毎年京都で2泊3日の体験学習をやることが決まっており、ランダムに決められた5人のメンバーの班で見聞したい行き先を決めて現地に足を運びレポートにまとめる自由行動の時間が設けられているのだ。
行き先を決めるための図書館に集まる約束をヤンキーの直人、オタクの智之はドタキャンし、ランダムサンプリングなのに仲良し同士で同じ班になった直美と芽郁は
「男子2人とも来てないし、そもそも藤田と同じ班とかありえないんだけど。私たちこれから塾だから帰るわ。しっかり決めておいて」
とだけ言って帰ってしまったのだ。
"清水寺、金閣寺、渡月橋めぼしいところはどこも観光客でごった返してるし他にいいところないかなぁ。行き先を決めるのはやらせて、気に入らない場所にしたら、文句言われるだろうしやってらんねぇよなぁ。"
図書館の閉館直前まで、行き先を考えたが、うまくまとまらなかったので、京都観光のガイドブックを借りて帰ることにした。
帰るのが遅くなってしまったので、急ぎ足でいつもの商店街を通過しようとしたところ普段は見かけない屋台があることに気付いた。
" こんなところに屋台なんてあっただろうか? "
と不思議に思ったが、急いでいたのでサッサと通り過ぎようとしたところ
「そんなに急いだところで、たいして帰る時間は変わりゃしないよ。それよりうちの店に寄ってみたらどうかねぇ?」
よく見ると
" 時(人生)買います "
という札が付いている屋台の店員が話しかけてきた。
「この店はあなたの時(人生)・健康を売ることでそれと同程度の契約、モノ、経験が手に入る店だよ。売ってしまった人生の期間中に起こった出来事は思い出に残らないけど、売ってみるかい?」
と店員が洋一に尋ねたので、
「体験学習で京都に行くのですが、自由行動の時間にどこに行けばいいか決められなくて困っているので解決してほしいのですが……」
と洋一が言うと
「その契約だと体験学習の自由行動の直前まで人生を売ってくれればOKです。この契約書にサインして契約成立です。」
と言って店員が契約書を出してきたので洋一はすぐさまその契約書にサインした。洋一はサインするや否や自身が学校指定のジャージを着てトレッキングシューズを履いて山に登っていることに気付いた。
"体験学習で京都にいるはずなのになんで山に登っているんだ?"
と思ったとき
「もうしばらく歩くと休憩場所があるからそこまで頑張りましょ。景色もとっても綺麗よ。」
という直美の声が聞こえた。
洋一が智之の背中を押しながら、景色を見てみると街並みが一望できて確かにとても綺麗だった。
休憩をとった後、またしばらく歩くと、石段と鳥居があらわれ、それを見た洋一は
"あぁ。いま俺たちは愛宕山を登っているんだ"
とようやく気付いた。
足を痛くしながらも、オタクの智之と女子2人とともに山頂の神社に到着したところを、先に到着していたヤンキーの直人が出迎えてくれた。
"人混みの京都でなくこういう京都の方が俺は好きだな。登り切ってよかった。"
と思う洋一には達成感が溢れていたのでした。
藤田洋一は図書館でひとり残って計画を立てることになってイライラしながら思った。
洋一の通う中学校では毎年京都で2泊3日の体験学習をやることが決まっており、ランダムに決められた5人のメンバーの班で見聞したい行き先を決めて現地に足を運びレポートにまとめる自由行動の時間が設けられているのだ。
行き先を決めるための図書館に集まる約束をヤンキーの直人、オタクの智之はドタキャンし、ランダムサンプリングなのに仲良し同士で同じ班になった直美と芽郁は
「男子2人とも来てないし、そもそも藤田と同じ班とかありえないんだけど。私たちこれから塾だから帰るわ。しっかり決めておいて」
とだけ言って帰ってしまったのだ。
"清水寺、金閣寺、渡月橋めぼしいところはどこも観光客でごった返してるし他にいいところないかなぁ。行き先を決めるのはやらせて、気に入らない場所にしたら、文句言われるだろうしやってらんねぇよなぁ。"
図書館の閉館直前まで、行き先を考えたが、うまくまとまらなかったので、京都観光のガイドブックを借りて帰ることにした。
帰るのが遅くなってしまったので、急ぎ足でいつもの商店街を通過しようとしたところ普段は見かけない屋台があることに気付いた。
" こんなところに屋台なんてあっただろうか? "
と不思議に思ったが、急いでいたのでサッサと通り過ぎようとしたところ
「そんなに急いだところで、たいして帰る時間は変わりゃしないよ。それよりうちの店に寄ってみたらどうかねぇ?」
よく見ると
" 時(人生)買います "
という札が付いている屋台の店員が話しかけてきた。
「この店はあなたの時(人生)・健康を売ることでそれと同程度の契約、モノ、経験が手に入る店だよ。売ってしまった人生の期間中に起こった出来事は思い出に残らないけど、売ってみるかい?」
と店員が洋一に尋ねたので、
「体験学習で京都に行くのですが、自由行動の時間にどこに行けばいいか決められなくて困っているので解決してほしいのですが……」
と洋一が言うと
「その契約だと体験学習の自由行動の直前まで人生を売ってくれればOKです。この契約書にサインして契約成立です。」
と言って店員が契約書を出してきたので洋一はすぐさまその契約書にサインした。洋一はサインするや否や自身が学校指定のジャージを着てトレッキングシューズを履いて山に登っていることに気付いた。
"体験学習で京都にいるはずなのになんで山に登っているんだ?"
と思ったとき
「もうしばらく歩くと休憩場所があるからそこまで頑張りましょ。景色もとっても綺麗よ。」
という直美の声が聞こえた。
洋一が智之の背中を押しながら、景色を見てみると街並みが一望できて確かにとても綺麗だった。
休憩をとった後、またしばらく歩くと、石段と鳥居があらわれ、それを見た洋一は
"あぁ。いま俺たちは愛宕山を登っているんだ"
とようやく気付いた。
足を痛くしながらも、オタクの智之と女子2人とともに山頂の神社に到着したところを、先に到着していたヤンキーの直人が出迎えてくれた。
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と思う洋一には達成感が溢れていたのでした。
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