《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

文字の大きさ
498 / 688
連載

498 もふもふぱわーあっぴゅ!

しおりを挟む
もふもふもふもふ~♪ふへへへ~
『サーヤ~、くすぐったいよ~』
もふもふもふもふ~♪すりすりすり~
『サーヤ、肩から落ちちゃうよ』
『転がっちゃうよ』
もふもふもふもふ~♪なでなでなで~
みゅ~『くぅ~す~』むにゃむにゃ
もふもふもふもふぱわーあっぴゅ~♪
もふもふもふもふもふもふ~♪ごくらくごくらく~♪ふへへへへ~

『あ~見事にもふもふに埋まってるな』
『すごいですね。背中にハク、両肩にフライとフルー、膝の上じゃココロが寝てる』
もふもふに埋もれて目も口もキラキラにさせてるサーヤを呆れて見ているゲンさんとクゥ。
見事な埋もれっぷり。ブラッシングでふわふわもふもふになったハクにはサーヤが寄りかかってるだけじゃなく、髪を梳かしてもらって天使の輪っかが出来まくった妖精トリオに姫が寝ている。はずだ⋯埋もれて見えない。
モモとスイは硬めのブラシで擦るようにした後、ホットタオルで拭いてやったらサーヤの両隣でハクに埋もれて寝てるな。ぽっこりしたお腹だけ規則正しく上下してる。
そんなもふもふ天国状態でサーヤがもふもふを堪能して上機嫌だ。

『いや、ゲンさん、あれ壊れてますよね?』
上機嫌なんだよ⋯それより

『凛さんが使ってんの樹皮だよな?あれ鞣したらモモとスイの鱗磨くのに使えないかな。それとも代わりになるようなもんが他にあるかな』
磨けば光ると思うんだけどな。やっぱり気持ちいいやつじゃないとな。痛いのは論外だ。ミトンみたいな形に出来ればサーヤが撫でるようにして使えると思うんだが⋯

『凛さん、なんだか大変そうですね』
『そうだな。しっかりやらかしてるな』
そんなことを話してたら、サーヤがようやく凛さんの状況に気づいたらしい。双子も起きたか?

 「う?おばあちゃん、にぇいりゅりしゅしゃんになってりゅ?」
『サーヤ、それを言うならネイリストだな。ネイルリスってなんだよ』
おいちゃんが突っ込んできました。

ぴゅい『おばあちゃんはくまさんなの』
きゅい『りすさんじゃないの』
「ぶー」
りすさんじゃないのは知ってるの。でも~
「どちて、にぇいりゅしゅちょ?」
『微妙に言えてないぞ。ネイリストな』
「しょうちょもゆー」
『そうとしか言わないだろ⋯まあ、難しいし仕方ないか。それであの状況はな?』
あの状況は?説明の続きを待ってると

『サーヤ~、見て見てぇ♪つやつやピカピカなのよぉ♪』
おいちゃんが何か言う前に、結葉様が爪を見せながらふわふわ飛んで来ました。

「ふあ~♪むすびはしゃま、ちゅめ、ぴかぴかちゅるちゅりゅ、きりぇいにぇ~」
きゅい『ほんとだ~』
ぴゅい『きれいなの~』
『そうでしょお?うふふ』
うん。きれ~。

『まあ、結葉様が客一号らしいからな』
「うにゅ?」
結葉様が一号?どういうことかな?

『あのねぇ、凛たら、とぎとぎの木の樹皮からねぇ、えっと、ねいるばっふぁー?とか言うのを作り出してねぇ。私の手を実験台にしたのよぉ。くすくす』
ん?実験台とか言いながら笑ってるってことは?

「むすびはしゃま、おもちりょがってりゅ、でちょ?」
じとーっ
『うふふ。ばれたぁ?でも、実験台はホントよぉ。凛が失敗するとは思わなかったしぃ?面白そうだから大人しく付き合ってあげたらぁ、こんな綺麗になっちゃってぇ。ラッキーだったわねぇ。うふふ』
結葉様、すっごくピカピカな爪気に入ったみたいです。とってもご機嫌です。

『そんで、それをジーニ様とフゥに見られてってとこだな』
なるほどぉ。逃げられないやつだねぇ。

『それでねぇ、凛がギンの爪にも使えるんじゃいかとか言い出しちゃったもんだからねぇ、ほら、あっち見てぇ?』
あっち?

『ギン様!頼むよ!少しでいいんだ!爪くれ!』ドタドタっ
『断る!爪は我らフェンリルにとって大切なもの!簡単に渡せるわけなかろう!』ダダダダっ
『そこをなんとか!』ドタドタ
『絶対に無駄にしねぇから!』ドタドタ
『断固断る!』ダダダダダッ

うわ~あああ。ヒゲもじゃなドワーフさんたちが大きなフェンリルさんを追いかけてる~
『あ~お父さんが大変だ~』
『なんとも言えない絵面だな⋯』
『ギン様、お気の毒に』
クゥ、拝んじゃダメだよ。
ぴゅい『おとなもおいかけっこ』
きゅい『しゅるんだね~』
ほんとだねぇ。

『それでねぇ?サーヤとゲンに試して欲しいことがあるんだけどぉ、いいかしらぁ?』
「うにゅ?」
『俺もか?』
『そうよぉ♪』
なんか楽しそうな結葉様。思わずおいちゃんと何だろ?って見つめあっちゃいました。

『凛に聞いたんだけどぉ、ゲンは前の世界で動物たちの爪のお手入れもしてたんですってぇ?』
『え?ああ、そうだな。伸びすぎた爪は危ないからな。怪我をしないようにやってたぞ。動物によって足の形が違うし、一通り勉強はしたぞ』
うんうん。おいちゃんは何でも屋さんだからね。出来ないことはないのです。エッヘン!
『なんでサーヤが胸張ってんだよ⋯それで?何をするんだ?』
あっ、そうでした。

『うふふ。ハクの爪をね?試しにサーヤとゲンで整えてみてくれないかしらぁ?』
『は?』
「ふあっ?」
ハクの爪を?どうして?おいちゃんを見るとなんか考え始めてる?

『え~?ぼく~?』
『そう。ハクの爪よぉ』
『ん~いいけど~痛くしないでね~』
『それはゲンとサーヤだから大丈夫よぉ、きっと♪』
『それならいいよ~。はい。どうぞ~』
ハクが前足を出してきました。

「ふお?」
待って待って?サーヤ、やり方わからないよ?あれ?でもおいちゃんは、なんか真面目にハクの爪見てる?

『結葉様』
ハクの爪を一通り見たおいちゃんが、結葉様の方を見ます。その目は、結葉様、何企んでんだよ?って言ってる気がするよ?

『なぁに?』くすくす
ほら、結葉様なんかおもしろがってるよ。きっと。

『野生の動物はな、家の中で飼われるような動物と違って、外を自由に活発に動くから、自然に削られたりしてあまり爪を切ったり、ってことはしなくて大丈夫なんだ。現にハクの爪はいい状態だ。逆に切りすぎたりしてしまうとバイ菌などが入ってしまう可能性もある。だから、必要以上にいじらない方がいいと思うんだが、結葉様のことだ。その位知ってるよな?それでもやらせようとしてるのはなぜだ?』
さあ、答えろってお顔してるね~。

『う~ん、ゲンは媒体って分かるわよねぇ?』
『ん?もちろん』
それがどうした?ってお顔だね。
『じゃあ、この世界の人間が魔法を簡単に使いたいと思う時、どうすると思うぅ?』
結葉様が質問に質問を返してきました。

『ん~?マンガや小説なんかだと魔力を増幅するような物を持つよな?杖だったり指輪だったり』
おいちゃん、それはお話の世界の⋯
『そうねぇ~。魔力を通しやすい木や石を使うことが多いから、杖とかアクセサリーが多いわねぇ』
えっ?あるの?ホントにあるんだね~

『うふふ。そうよぉ?だから精霊樹は常に狙われてたのよぉ』にこにこごごごご
あっ、結葉様それはおばあちゃんの怒り方⋯

「ふおお~」がくぶる
『そ、そうか。それで、それがどうしたんだ?』
おいちゃん、強引に話戻した!

『うふ。そうだったわねぇ。ごめんなさいねぇ、つ・い♪それでね?これよ~』
これ?
『爪?』
『そうよぉ、凛が磨いてくれた爪よぉ』
結葉様がお顔の横で爪を見せるようにおてて見せてます。
おばあちゃんが磨いた爪?

『うふふ。あのねぇ?凛に爪磨いてもらってから、魔力の通りというか、巡りがよくなってることに気がついたのよぉ。指先に集まる魔力を操作しやすくなってるのぉ』
「ふえ?」
『はい?』
なんですと?

『ハク、みんなもサーヤにブラッシングしてもらったあとの体の調子はどうかしらぁ?もしかして、体が軽かったり強くなってる気がしないかしらぁ?』
結葉様がみんなに聞きます。

『あれぇ?そう言えば~?』
『調子いいかも?』
『元気かも?』
そうなの!?

〖そりゃそうよ。あれだけ無意識で魔力流してるんだもの。今のあなた達なら少し位の攻撃魔法なんか無傷で跳ね返しちゃうわよ〗
ひょいって、ジーニ様が結葉様の肩の所から顔を出しました。
『あらぁ、ジーニ様来たのぉ?』
〖来たわよ〗
も、もしかしてジーニ様も?

〖そうよ。凛もね、無意識で魔力を流してたのよ。でも、サーヤほどではないわね〗ニヤ

「ふえ?」
サーヤ何もしてないよ?

『だからねぇ?無意識なのよぉ。ね?ジーニ様ぁ』
〖そうね。浄化に癒しに強化に守護⋯ハクたちだけじゃなく、しっかり鹿の子にもかかってるわよ〗

「ふえ?」
『は?』

なんですと?
しおりを挟む
感想 1,709

あなたにおすすめの小説

転生したらちびっ子になって、空を落ちていた件 〜もふもふたちのお世話はお任せあれ。ついでに悪もやっつけます!〜

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした高橋凛は、お詫びとして理想の世界へ転生することに。しかし気がつけば幼児の姿で、しかも空を落下中だった!? バカ神、あいつまたミスったな!? そう思いながらも、凛はどうすることもできず、空を落ちていく。しかも更なるアクシデントが凛を襲い……。 が、そのアクシデントにより、優しい魔獣に助けられた凛は、少しの間彼の巣で、赤ちゃん魔獣や卵の世話を教わりながら過ごすことに。 やがてその魔獣を通じて侯爵家に迎え入れられると、前世での動物飼育の知識や新たに得た知識、そして凛だけが使える特別な力を活かして、魔獣たちの世話を始めるのだった。 しかし魔獣たちの世話をする中で、時には悪人や悪魔獣と対峙することもあったため、凛は、『魔獣たちは私が守る!!』と決意。入団はできないものの、仮のちびっ子見習い騎士としても頑張り始める。 これは、凛と魔獣たちが織りなす、ほんわかだけど時々ドタバタな、癒しとお世話の物語。

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

ドラゴンともふ魔獣に懐かれて〜転生幼女は最強ドラゴン騎士家族と幸せに暮らします〜

ありぽん
ファンタジー
神様のミスで命を落としてしまった高橋結衣(28)。そのお詫びとして彼女は、様々な力を授かり、憧れだった魔法と剣と魔獣の存在する、まるで異世界ファンタジーのような世界へと転生することになった。 しかし目を覚ました場所は、街の近くではなく木々が生い茂る森の中。状況が分からず混乱する結衣。 そんな結衣に追い打ちをかけるように、ゾウほどもある大きな魔獣が襲いかかってきて。さらにドラゴンまで現れ、魔獣と激突。数分後、勝利したドラゴンが結衣の方へ歩み寄ってくる。 転生して数10分で命を落とすのか。そう思った結衣。しかし結衣を待っていたのは、思いもよらぬ展開だった。 「なぜ幼児がここに? ここは危険だ。安全な俺たちの巣まで連れて行こう」 まさかのドラゴンによる救出。さらにその縁から、結衣は最強と謳われるドラゴン騎士の家族に迎え入れられることに。 やがて結衣は、神から授かった力と自らの知識を駆使し、戦う上の兄や姉を支え、頭脳派の兄の仕事を手伝い。可憐で優しい姉をいじめる連中には、姉の代わりに子ドラゴンやもふ強魔獣と共にざまぁをするようになって? これは神様の度重なるミスによって、幼児として転生させられてしまった結衣が、ドラゴンやもふ強魔獣に懐かれ、最強のドラゴン騎士家族と共に、異世界で幸せいっぱいに暮らす物語。

転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する

ありぽん
ファンタジー
25歳の高橋舞は、気がつくと真っ白な空間におり、そして目の前には土下座男が。 話しを聞いてみると、何とこの男は神で。舞はこの神のミスにより、命を落としてしまったというのだ。 ガックリする舞。そんな舞に神はお詫びとして、異世界転生を提案する。そこは魔法や剣、可愛い魔獣があふれる世界で。異世界転生の話しが大好きな舞は、即答で転生を選ぶのだった。 こうして異世界へ転生した舞。ところが……。 次に目覚めた先は、まさかの海のど真ん中の浮島。 しかも小さな子どもの姿になっていてたのだ。 「どちてよ!!」 パニックになる舞。が、驚くことはそれだけではなかった。 「おい、目が覚めたか?」 誰もいないと思っていたのだが、突然声をかけられ、さらに混乱する舞。 実はこの島には秘密があったのだ。 果たしてこの島の正体は? そして舞は異世界で優しい人々と触れ合い、楽しく穏やかな日々を送ることはできるのか。

もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。 10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!! 江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。 先生、ありがとうございます。 今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。       ********* 小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。 次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。 そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。 すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。 そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。 ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。 そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。