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「お風呂、先に入れよ」という漣先輩に「いや、そこは先輩がお先に」と譲ったあと、シャワーの音を聞きながら、僕はベッドの縁に腰掛けて、太ももの上に拳を置いてじっと座っていた。
少ししてから、そんな緊張している自分に気がつき、苦笑しながら拳をゆっくりと開いた。
掌にうっすらと汗をかいている。
いくら憧れの先輩とはいえ、何をそんなに緊張しているんだか。
僕は一度立ち上がり、身体をほぐすように両腕を回すと、ベッドの上に乗って、枕を背もたれにして脚を伸ばした。
スーツのジャケットは脱いで、ハンガーにかけてある。
意味もなくテレビをつけてから、スマホに手を伸ばした。
美羽からLINEが届いていたので、のんびりと返す。
《無事にホテルに到着》《予約のミスで、先輩と同じ部屋になっちゃった。緊張する~》
《お疲れ様!》《それは緊張しそう笑》《でも憧れの先輩なんでしょ?》
《そうそう、だから光栄でもあるんだけどね》《明日、18時ぐらいには家着くと思うよ》
《泊まりに行っていい?》
《もちろん》
美羽と付き合い始めたのは、大学三年になった頃。
社会人になって一年が経つので、もう丸三年は付き合っていることになる。
もうそんなになるのか……と思うのは、社会人になってからの一年がとても速く感じたからだろう。
同い年の美羽は、公務員になった。
幸い、別々の環境になっても、仲良く関係は続いている。
そろそろ、結婚の二文字が頭の中でぶんぶんと飛び始めていた。
「ふぃ~、お先」
突然の声に、僕は驚いた。
いつもの癖でぼんやりと考え込んでしまっていたようで、先輩が出てきた音に気がつかなかったらしい。
「八神も、どうぞ」
「ありがとうご……」
ふと何気なく漣先輩の方に目を向けて、僕は固まってしまった。
漣先輩は全裸のまま、タオルでごしごしと髪を拭いていた。
スーツ姿はモデル並みのスタイルの良さで、その中性的な顔立ちから、何となく華奢なイメージを抱いていたが、思ったより筋肉質な腕や上半身。
濡れた髪をかき上げる仕草からは、男の僕でもどきりとするような色気を放っていた。
そして、腰には何も巻かれていない。
勃起していないのに立派に見えるペニスが、丸見えになっていた。
「ちょ、ちょっと先輩!」
僕は慌てて目を逸らした。
「え?」
「何か着るか、隠すぐらいしてくださいよ」
「え?あぁ、悪い悪い。八神って、そういうの気にするタイプ?」
頭にタオルを乗せたまま、素直にボクサーパンツを穿いてくれたので、ほっとする。
別に男同士、恥ずかしいものでもないのはわかっている。
ただ、下ネタに興味がありつつも、友人同士でもあまりそういった話はしてこなかった僕は、性的な話をすることや、温泉や銭湯など、男同士でも裸を見せ合うことについつい恥ずかしがってしまうタイプだった。
自分のを見せるのが恥ずかしいのは、仮性包茎なのもあるかもしれないけれど。
……そんなことはどうでもいい!
僕は先輩と入れ替わりでバスルームに飛び込むと、頭を冷やそうとするように、まずは冷たいシャワーを脳天から浴びたのだった。
少ししてから、そんな緊張している自分に気がつき、苦笑しながら拳をゆっくりと開いた。
掌にうっすらと汗をかいている。
いくら憧れの先輩とはいえ、何をそんなに緊張しているんだか。
僕は一度立ち上がり、身体をほぐすように両腕を回すと、ベッドの上に乗って、枕を背もたれにして脚を伸ばした。
スーツのジャケットは脱いで、ハンガーにかけてある。
意味もなくテレビをつけてから、スマホに手を伸ばした。
美羽からLINEが届いていたので、のんびりと返す。
《無事にホテルに到着》《予約のミスで、先輩と同じ部屋になっちゃった。緊張する~》
《お疲れ様!》《それは緊張しそう笑》《でも憧れの先輩なんでしょ?》
《そうそう、だから光栄でもあるんだけどね》《明日、18時ぐらいには家着くと思うよ》
《泊まりに行っていい?》
《もちろん》
美羽と付き合い始めたのは、大学三年になった頃。
社会人になって一年が経つので、もう丸三年は付き合っていることになる。
もうそんなになるのか……と思うのは、社会人になってからの一年がとても速く感じたからだろう。
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幸い、別々の環境になっても、仲良く関係は続いている。
そろそろ、結婚の二文字が頭の中でぶんぶんと飛び始めていた。
「ふぃ~、お先」
突然の声に、僕は驚いた。
いつもの癖でぼんやりと考え込んでしまっていたようで、先輩が出てきた音に気がつかなかったらしい。
「八神も、どうぞ」
「ありがとうご……」
ふと何気なく漣先輩の方に目を向けて、僕は固まってしまった。
漣先輩は全裸のまま、タオルでごしごしと髪を拭いていた。
スーツ姿はモデル並みのスタイルの良さで、その中性的な顔立ちから、何となく華奢なイメージを抱いていたが、思ったより筋肉質な腕や上半身。
濡れた髪をかき上げる仕草からは、男の僕でもどきりとするような色気を放っていた。
そして、腰には何も巻かれていない。
勃起していないのに立派に見えるペニスが、丸見えになっていた。
「ちょ、ちょっと先輩!」
僕は慌てて目を逸らした。
「え?」
「何か着るか、隠すぐらいしてくださいよ」
「え?あぁ、悪い悪い。八神って、そういうの気にするタイプ?」
頭にタオルを乗せたまま、素直にボクサーパンツを穿いてくれたので、ほっとする。
別に男同士、恥ずかしいものでもないのはわかっている。
ただ、下ネタに興味がありつつも、友人同士でもあまりそういった話はしてこなかった僕は、性的な話をすることや、温泉や銭湯など、男同士でも裸を見せ合うことについつい恥ずかしがってしまうタイプだった。
自分のを見せるのが恥ずかしいのは、仮性包茎なのもあるかもしれないけれど。
……そんなことはどうでもいい!
僕は先輩と入れ替わりでバスルームに飛び込むと、頭を冷やそうとするように、まずは冷たいシャワーを脳天から浴びたのだった。
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