機械と花 ロボットだろうが感情はあるんだから恋愛くらいしてもいいだろ?

トリカブト

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老兵と若輩者 2

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 凍り付いたリアトリスの表情と顔を歪めながら膝をつくアカンサスを見ながら、俺は体勢を立て直す。
「なんでなんだ‥‥なんで俺様をかばったんだよ!」

「はぁ‥‥はぁ‥‥気が付いたら動いていたのじゃ‥‥説明なんて出来ん‥‥」

「はぁ?意味わかんねぇよ!ジイサン!」

「いいか‥‥小僧‥‥お前は、センスがワシらの中でもトップじゃ‥‥それは認めてやる」

「だがな‥‥お前のその高慢な態度がそのセンスをかき消して居る‥‥!口で何度言おうが、聞かぬお前でも分かるじゃろう?この状況が何故起きているかを‥‥!」

「ああ‥‥分かってるよ」

「全く‥‥老兵に無理させんじゃない‥‥」

「悪かったよ、ジイサン‥‥俺様は、いや、俺はもう敵を嘗めない!」
 そう言うと、奴は戦斧を構え、戦闘態勢に入る。今までとは違い、スキがない。これは、不味いな‥‥唯一の活路が閉ざされたか?いや、実質1対1だ。これまで通りの戦闘じゃないか。
 そんなことを考えていると、奴がこう言い放った。
「そういえば、お前の名前聞いていなかったな?」

「俺は、7号だ」

「それは、製造番号かなんかだろ?調子狂うぜ‥‥全く」

「俺の名前かどうか分からんが、漆山一将ってのがある」

「ああ?人間みてぇな名前だな?まぁいい、こんだけ追い詰められんのは久しぶりだ。その名前忘れないぜ」
 そう言い終えると、奴は俺の懐に飛び込んできた。


 
奴が鋭く切り込んでくるのを確認すると、俺は、牽制で射撃する。しかし、奴はその弾丸ごと切りかかってきた。恐ろしい速度と予想しなかった攻撃が相まって、俺の反応が遅れる。辛うじて、後方へ回避するも虚しく、奴の斧が体を切りつける。だが、幸いにも致命傷ではなかった。
しかし、奴の連撃は続く。やはり、こういう攻撃ばかりだなと少し呆れながら、間合いを一気に詰め、銃剣で切りつけようとする。しかし、今度は軽く躱された。あれほど踏み込んできていたのに、回避できるだと‥‥アカンサスが言う通りセンスが抜群に良いな。
今度は、俺が、銃剣で奴を追い立てる。しかし、攻撃がことごとく避けられる。何かおかしい‥‥こいつは、何かを企んでいる‥‥!そう気が付いたときは、もう遅かった。

「小僧よくやった‥‥!この一刀にわしは賭ける!一刀流居合 羅刹!」

 その言葉を認識すると共に、目の前にいたリアトリスが消えたようにいなくなり、アカンサスの達人のような抜刀術が光った。瞬きも終わらないほどの刹那、俺の身体は深々と引き裂かれた。



 数秒にも満たない攻撃を食らった俺は、よろめき膝をつく。
「やったぜ、ジイサン!」

「はぁ‥‥はぁ‥‥ああ、後は頼んだぞ‥‥リアトリス‥‥!」
 そう言い終えると、アカンサスが倒れる。俺は、倒れた奴にとどめを刺すため、銃弾を放つ。しかし、上空に避難していたリアトリスが戦斧でそれを防ぐ。圧倒的に不味い状況に俺は、静かに活路を探した。
勝機を探す俺に、ゆったりと時間を与えられることなく、リアトリスの猛攻が始まる。その攻撃を回避しながら、あるひらめきを思い出す。そうか‥‥!確かに、あの剣術はまだ試していなかった。
 俺は、奴の攻撃を避けながら、アカンサスの太刀を拾い上げ、構える。
「なっ、お前‥‥!二刀流だったのか?!」

「いや、ただのひらめきさ‥‥我流剣術アマリリス‥‥!貴様の仲間を倒したのもこれだった‥‥行くぞ!」
 そう言い終えると、俺は、奴に銃弾を放ちながら突進する。



 俺は、奴の懐へ飛び込むと、太刀で切りつける。しかし、悠々と避けられる。すかさず俺は、銃弾を奴の回避した足元へ放った。これも奴は、避けたが先に打っていた銃弾に暴発し、奴の装甲を削る。
 攻撃にひるみ、動きが弱まった奴を逃さず、太刀で切りつける。奴の体を深々と切り裂くと、銃剣で突き刺し追い打ちをする。リアトリスが顔を歪めながら、苦し紛れに反撃する。
 それをものともせず、突き刺したまま、銃弾を放つ。半壊した奴の体を確認した後、倒れたアカンサスの方向へ向かおうとした時、振り絞るような声が聞こえてきた。
「待て‥‥!お前は‥‥俺が倒すんだよ‥‥!まだ俺は死んじゃいねぇ!」

「その体で勝機があるとでも?」

「はぁ‥‥はぁ‥‥お前も、変わらねぇだろ?ようやく‥‥口うるさいジイサンに認められたんだよ‥‥!だから‥‥期待に応えるために‥‥負けらんねぇんだよ‥‥!」
 そう言い終えると、咆哮しながら立ち上がる。やれやれ‥‥!?奴の武器が‥‥光っている‥‥!一体何が起きたんだ?!



 月明かりの下で、眩いばかりに光り輝く奴の武器に、驚きながら武器を慌てて構える。

「はぁ‥‥へへ、やったぜ‥‥!この土壇場でようやく認めやがった‥‥!リジルよ!限界を超えて、暴れまわれ‥‥!」
 
 そう言うと、奴がこれまでのどの敵よりも、早く突進してきた。光り輝く斧が、俺の頭上にあった。辛うじて避けるが、どんどん追撃してくる‥‥!しかも、先ほど以上の猛攻撃だ。ほとんど瀕死だったはずだろ‥‥?ふざけやがって‥‥!
 そんなことを考えていると、奴の斧が俺の左手を軽々と切り飛ばした。嘘だろ‥‥?まさか、ここまで来て負けるのか‥‥?いや‥‥!あきらめるわけにはいかないんだ‥‥!俺も、負けたくない理由はある!そう思いながら、奴の攻撃を、躱し、受け流し、いなす。
 何分経っただろうか‥‥?奴の攻撃は留まることを知らず、今もまだ続いている。威力は弱まらず、技のキレも持続している。だが、単調な攻撃になっている。これなら、カウンターを食らわせられる‥‥!
 そう思い、奴の攻撃に合わせ、銃弾を放つ。俺の放った攻撃は、奴の右上半身をとらえ、片腕が空中に跳ね上がる。よし‥‥!これで俺の勝ちだ‥‥!
 そんなことを考えていると、俺は、目の前の状況に目を疑った。リアトリスの意識‥‥いや、もはや命はそこに存在していなかった。いや、正確には、そう見えたというべきか。ただ目の前の敵を倒そうとしている‥‥そういう風に見えたのだ‥‥実際に、片腕を吹き飛ばされても尚、表情を変えずに立ち向かってきている。

「楽にしてやるよ‥‥」

 そう呟くように言うと、俺は、銃剣でリアトリスの頭を切り飛ばした。そうすると、ようやく攻撃の手を止め、その場に崩れ落ちた。
 俺は、ほぼ瀕死の体を引きずりながら、倒れ込んだアカンサスの元へと歩みだし、奴の頭を銃弾で吹き飛ばした。
「はぁ‥‥はぁ‥‥お前の武器‥‥返すぞ」
 そう言うと、俺は、アカンサスの手元に大太刀を返した。
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