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1巡目
第2話 歴史改変寸前?!
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レグナルド歴1447年、雨期の始まり…私がシャルグノール家に迎えられた日だ。本当に戻ってきたのね。
「コピアさん、どうかされましたか?」
「いえ、何でもありません」
「そうですか、お屋敷の広さに慣れないかと思いますが出来るだけ早く部屋割りは覚えてくださいね」
「は、はぁ…」
田舎者に対する嫌味であろう。確かにここは実家の畑の何倍もあるけども…まぁそんな広大な屋敷も潰れてしまうんですがね。
「あなただーれ?」
「え?」
「アリアお嬢様?!コピアさん、自己紹介をしなさい!早く!」
「は、はい…私は今日からここに仕えるコピアです、よろしくお願いいたします」
「コピアね…よろしく!」
太陽のように眩しい笑顔のこの少女こそが渦中のシャルグノールアリア、その人である。思えばこの時からずっとみんなに分け隔てなく眩しい笑顔を向けられていた。そんな優しい御方の幸せ…もとい私の安定と充実の人生を守る!
「…なんでガッツポーズなんかしてらっしゃるのですか」
「何となくです」
「は、はぁ…ともかく当分の間は屋敷内の掃除と庭の植物の世話をしていただきますので」
「はい、分かりました」
ここまでは私の記憶通りに進んでいるわ。水やりやら肥料やりやら雑草抜きでお庭で遊んでらしたお嬢様とよくお話をするようになって、身の回りの世話をするようになる。多分ここまでは正式な歴史でしょう。だから私は不審な動きをせずに役割をやり遂げなくては…いや、だからこそこの時に手立てを打たなきゃいけないのじゃないかしら?
「あーもう分んない!」
「どーしたの?」
「あ、アリアお嬢様?!すみません、大きな声を出して…」
「いいよ、どうしたの?それより迷子になっちゃったの?」
「えーっと、これに関しては凄く説明が難しいというか…」
「ふふっ、あなた面白いのね!お友達になりましょ!」
「め、滅相もございません!主人とお友達なぞ…」
「むーお友達になってくれないの?いじわるね!」
「すみません…」
「いいわ、あたしとお友達になりたいと言わせてあげるんだから!」
「お、お待ちくださ……あぁ、行ってしまったわ」
本当ならここで不敬にもお友達になりますなんて言ったからお近づきになれたのに…自分自身が特異点になってどうするのよ、全く!
「…あれ、良く思い出せばお嬢様はお友達を諦めてなんかないじゃない」
お友達になりたいと言わせてやるとおしゃっていた。つまり次に会う時にお友達になると言えばいいじゃない。その後、屋敷での掃除をしていた時にお嬢様と友達になった私はひとまず胸を撫で下ろした。しかし、これは歴史が繰り返されるという証明でもあった。もしかしたら私がしようとしていることはとんでもなく難しいのでは?そんな悩みを日々考えていたらお嬢様は成長し、幼年期は過ぎ去ったのであった。
「コピアさん、どうかされましたか?」
「いえ、何でもありません」
「そうですか、お屋敷の広さに慣れないかと思いますが出来るだけ早く部屋割りは覚えてくださいね」
「は、はぁ…」
田舎者に対する嫌味であろう。確かにここは実家の畑の何倍もあるけども…まぁそんな広大な屋敷も潰れてしまうんですがね。
「あなただーれ?」
「え?」
「アリアお嬢様?!コピアさん、自己紹介をしなさい!早く!」
「は、はい…私は今日からここに仕えるコピアです、よろしくお願いいたします」
「コピアね…よろしく!」
太陽のように眩しい笑顔のこの少女こそが渦中のシャルグノールアリア、その人である。思えばこの時からずっとみんなに分け隔てなく眩しい笑顔を向けられていた。そんな優しい御方の幸せ…もとい私の安定と充実の人生を守る!
「…なんでガッツポーズなんかしてらっしゃるのですか」
「何となくです」
「は、はぁ…ともかく当分の間は屋敷内の掃除と庭の植物の世話をしていただきますので」
「はい、分かりました」
ここまでは私の記憶通りに進んでいるわ。水やりやら肥料やりやら雑草抜きでお庭で遊んでらしたお嬢様とよくお話をするようになって、身の回りの世話をするようになる。多分ここまでは正式な歴史でしょう。だから私は不審な動きをせずに役割をやり遂げなくては…いや、だからこそこの時に手立てを打たなきゃいけないのじゃないかしら?
「あーもう分んない!」
「どーしたの?」
「あ、アリアお嬢様?!すみません、大きな声を出して…」
「いいよ、どうしたの?それより迷子になっちゃったの?」
「えーっと、これに関しては凄く説明が難しいというか…」
「ふふっ、あなた面白いのね!お友達になりましょ!」
「め、滅相もございません!主人とお友達なぞ…」
「むーお友達になってくれないの?いじわるね!」
「すみません…」
「いいわ、あたしとお友達になりたいと言わせてあげるんだから!」
「お、お待ちくださ……あぁ、行ってしまったわ」
本当ならここで不敬にもお友達になりますなんて言ったからお近づきになれたのに…自分自身が特異点になってどうするのよ、全く!
「…あれ、良く思い出せばお嬢様はお友達を諦めてなんかないじゃない」
お友達になりたいと言わせてやるとおしゃっていた。つまり次に会う時にお友達になると言えばいいじゃない。その後、屋敷での掃除をしていた時にお嬢様と友達になった私はひとまず胸を撫で下ろした。しかし、これは歴史が繰り返されるという証明でもあった。もしかしたら私がしようとしていることはとんでもなく難しいのでは?そんな悩みを日々考えていたらお嬢様は成長し、幼年期は過ぎ去ったのであった。
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