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序章
第15話 サミエムの昔話
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「どうしてお前は出来ないのだ!」
俺がよく父に言われた言葉だ。幼少期に勉学や剣術、その他もろもろの教養と言われるものを叩き込まれたが、何一つとして優秀とは言い切れない微妙な成績しか残せなかった。もちろん、努力はしていた、家庭教師の言うことを聞き、それを実行してきた。だが、いまいち結果には繋がらなかった。その上、俺には優秀な兄がいる。いつも比較されて落ちこぼれだなんだって言われ続けた。そんな日々が続いたからかは分からない、いつしかサボることが身に着き始めた。初めはほんの些細な気持ちだった、だけど次第に悪化していき、いつしか毎日のようにずる休みをしていた。そんなある日のこと‥‥
「坊ちゃん‥‥サミエム坊ちゃん!」
「うん、まだ眠い‥‥」
「お昼寝も大概にしてください、ご主人様がお呼びでございます」
「どうせまた小言だろ?俺は行かないからな」
「大事なお話と聞かされております、もしもの時は‥‥」
「はぁ、もう分かった分かった‥‥行くよ、行きますよ」
「左様でございますか、私はこれで」
全く可愛げのないメイドだな、さて、どんな言い訳をしようかな?考えてから行っても問題はないだろう。ゆっくり歩いてこう。
「失礼します、お父様」
「何度目だ、お前が仮病で稽古を休むのは‥‥」
「‥‥」
「もう良い、ワシも甘かったのだ、家庭教師をつけるのはやめる」
「え?」
「代わりにワシ自らが学ぶ姿勢を叩き込む、お前が努力を怠らないようにな」
その一言から俺の生活は地獄と化した。まず朝早くから馬車馬のように走らされ、それが終われば、座学が休憩なしに続けられる。寝ようものなら叩き起こされ、サボるものなら地の果てまで追いかけられた。しかし、そんな日々を過ごしても全く結果は出なかった。日に日に苛立ちからか父の言葉は厳しさを増し、それはもはや暴言となっていた。いつしか父の姿は尊敬と敬愛の存在から、恐怖を感じる存在と成り果てていた。そんな特別教育を始めてから、数年が経ったある日。
「サミエム、少し話がある」
「‥‥はい」
「レイサムが、帝国騎士団に入団した、史上最年少でな‥‥それ以外にもあいつは成績を残している、だがお前はどうだ?何か残したか?」
「‥‥」
「何もだ!何も残さなかったのだ!落ちこぼれの出来損ないめ、いつまでワシの顔に泥を塗りたくるのだ、全く」
「ごめんなさい」
「はぁ、ほとほと呆れた‥‥ちょうどいい、ここに冒険者ギルドの優待券がある、これを貴様にくれてやる、この意味が分からないとは言わないな?」
「はい‥‥すぐにでも出立の準備を整えます」
普通ならば貴族の家系に生まれた者は冒険者にならない。何故なら、仕事にありつけるからだ。例えば兄のように騎士になったり、土地を治めたり出来る。だが、父は優待券を押し付けた。その意味は家を出ていけと言う意味だろう。仕事を引き継げば名前を汚すと、感じたという意味だろう。それを理解した時、自然と涙が流れていた。旅支度を整え、もう二度とくぐらないであろう門をくぐった時、お礼や感謝が口に出るのではなかった。
「あぁ、この家に居場所なんてなかったんだ、ははは‥‥」
「何言ってるんだ、サミエム」
「兄さん‥‥?」
「‥‥今の私には父を止める権力はない、だから‥‥せめて、これは持っていけ」
「これは‥‥お金?」
「冒険者は金を稼ぎにくいと聞いた、それだけあれば1年くらいは余裕で暮らせるだろう」
「いいの?」
「‥‥達者でな」
兄は返答を拒んだ。多分このことは彼も納得していないことだったんだろう。でも、その行動は俺に希望を持たせてくれたんだ。だから、今日までいろんなことを言われたが、頑張れたんだ。サミエムはゆっくりと口を閉じ、彼の昔話を語り終えた。
俺がよく父に言われた言葉だ。幼少期に勉学や剣術、その他もろもろの教養と言われるものを叩き込まれたが、何一つとして優秀とは言い切れない微妙な成績しか残せなかった。もちろん、努力はしていた、家庭教師の言うことを聞き、それを実行してきた。だが、いまいち結果には繋がらなかった。その上、俺には優秀な兄がいる。いつも比較されて落ちこぼれだなんだって言われ続けた。そんな日々が続いたからかは分からない、いつしかサボることが身に着き始めた。初めはほんの些細な気持ちだった、だけど次第に悪化していき、いつしか毎日のようにずる休みをしていた。そんなある日のこと‥‥
「坊ちゃん‥‥サミエム坊ちゃん!」
「うん、まだ眠い‥‥」
「お昼寝も大概にしてください、ご主人様がお呼びでございます」
「どうせまた小言だろ?俺は行かないからな」
「大事なお話と聞かされております、もしもの時は‥‥」
「はぁ、もう分かった分かった‥‥行くよ、行きますよ」
「左様でございますか、私はこれで」
全く可愛げのないメイドだな、さて、どんな言い訳をしようかな?考えてから行っても問題はないだろう。ゆっくり歩いてこう。
「失礼します、お父様」
「何度目だ、お前が仮病で稽古を休むのは‥‥」
「‥‥」
「もう良い、ワシも甘かったのだ、家庭教師をつけるのはやめる」
「え?」
「代わりにワシ自らが学ぶ姿勢を叩き込む、お前が努力を怠らないようにな」
その一言から俺の生活は地獄と化した。まず朝早くから馬車馬のように走らされ、それが終われば、座学が休憩なしに続けられる。寝ようものなら叩き起こされ、サボるものなら地の果てまで追いかけられた。しかし、そんな日々を過ごしても全く結果は出なかった。日に日に苛立ちからか父の言葉は厳しさを増し、それはもはや暴言となっていた。いつしか父の姿は尊敬と敬愛の存在から、恐怖を感じる存在と成り果てていた。そんな特別教育を始めてから、数年が経ったある日。
「サミエム、少し話がある」
「‥‥はい」
「レイサムが、帝国騎士団に入団した、史上最年少でな‥‥それ以外にもあいつは成績を残している、だがお前はどうだ?何か残したか?」
「‥‥」
「何もだ!何も残さなかったのだ!落ちこぼれの出来損ないめ、いつまでワシの顔に泥を塗りたくるのだ、全く」
「ごめんなさい」
「はぁ、ほとほと呆れた‥‥ちょうどいい、ここに冒険者ギルドの優待券がある、これを貴様にくれてやる、この意味が分からないとは言わないな?」
「はい‥‥すぐにでも出立の準備を整えます」
普通ならば貴族の家系に生まれた者は冒険者にならない。何故なら、仕事にありつけるからだ。例えば兄のように騎士になったり、土地を治めたり出来る。だが、父は優待券を押し付けた。その意味は家を出ていけと言う意味だろう。仕事を引き継げば名前を汚すと、感じたという意味だろう。それを理解した時、自然と涙が流れていた。旅支度を整え、もう二度とくぐらないであろう門をくぐった時、お礼や感謝が口に出るのではなかった。
「あぁ、この家に居場所なんてなかったんだ、ははは‥‥」
「何言ってるんだ、サミエム」
「兄さん‥‥?」
「‥‥今の私には父を止める権力はない、だから‥‥せめて、これは持っていけ」
「これは‥‥お金?」
「冒険者は金を稼ぎにくいと聞いた、それだけあれば1年くらいは余裕で暮らせるだろう」
「いいの?」
「‥‥達者でな」
兄は返答を拒んだ。多分このことは彼も納得していないことだったんだろう。でも、その行動は俺に希望を持たせてくれたんだ。だから、今日までいろんなことを言われたが、頑張れたんだ。サミエムはゆっくりと口を閉じ、彼の昔話を語り終えた。
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