魂術師(ソウルテイカー)は産廃最強職!

トリカブト

文字の大きさ
57 / 107
嫉妬の章

第1話 交差する思惑の原点は同じ

しおりを挟む
 ※注意※主人公視点ではありません。





 こんな時なんて来て欲しくなかった…いや、今頃考えた所で無駄なことだ。誰もいない暗い空間でネガティブな感情を振り払う。ここは私が治める土地にある場所…かつて世界の混沌と戦争を起こさないと同志と誓い合った聖地だ。しかし、それは今…これから行われる会議で覆される。

「……本当に彼とは気が合わないな」

 ガシュー…強欲帝と呼ばれる彼が今回の議題を持ってきた張本人だ。我々7帝王の1人であるゼクス、暴食帝が何者かによって殺されたという大事件を……彼はどちらかと言えば平和主義な方だったのにも関わらず。

「やぁやぁ、揃っているかな?」

「いや、まだ僕だけだ」

「慈愛帝か?相変わらず真面目で助かるよ」

「ガシュー……今回の議題」

「それは皆が揃ってからにしよう」

 僕は座席の背もたれに映る彼を睨む。不敵な笑みを浮かべているあの憎らしい顔を。7帝会議まではあと数分だが、全員が集まった試しがない。欠席常習犯である2人がそれを阻害しているのだ。1人は怠惰帝。名前から察してもらえるとは思うが、彼については致し方ない事情があるのは僕も重々承知している。問題はもう1人の方だ。不遜帝、アイン……あいつもガシューと同じくらい気が合わない。奴は気分屋でこの大事な会議を遊びか何かと考えているらしい。全く何とか考え直して欲しいものだ。

「おーい、慈愛帝ちゃーん?」

「あっ、すみません」

「全員…じゃないけど揃ったね」

「おうおう、俺様が久しぶりに出てやったのによぉ!全員参加じゃないなんてどういうことだよ!」

「怠惰帝にも事情はあるのだろう、委任状も貰っている…それに君が言えた義理じゃないだろ?不遜帝」

「チッ、相変わらずお前はうるせぇなぁ?慈愛帝の坊ちゃんよぉ!」

「…」

「もうそろそろ喋ってもいいかな、そこの喧嘩しているお2人さん?」

「おう!俺様は寛容な心を持っているから許してやるぜ、それよりも今回の議題はマジなのかよ?」

「あぁ、それに関して話すつもりだよ…第8回7帝会議、開始だ」



 始まって早々全ての帝王が息を呑んだ。強欲帝が最初に見せたのは、豪華絢爛であった食都の変わり果てた姿だったからだ。不自然に抉られた建物に所々血だまりが見える…どんな地獄が繰り広げられたのかが容易に想像が出来た。

「OK、もういいぜ」

「そうかい?」

「要するに強大な暴食帝だけでなく、これほどまでの大立ち回りが出来る化け物がどこかにいるということでしょう?」

「ご名答!しかし、誰かではないよ?」

「もう調べたのかよ、さては」

「自分で言うのもなんだが俺の情報網は確かなものだよ?」

「まぁそういうことにしといてやろう、どのみちこりゃあ身を守るためにこちらも行動しなきゃなぁ?」

「そういう飲み込みが早い所は流石だね、不遜帝」

「ま、待ってください!」

「待つも何もないと思わないのかい?」

「どういうことですか!さっぱり分からない…ここにいる全員で平和を乱す奴を倒せばいいじゃないですか!」

「何にも分かってないようだね、慈愛帝くん」

「はぁ?」

「何故こんなことになったと思う?偶然か?」

「…」

「それは俺たちが使命を忘れ、競うことなく平和を享受したからだよ…停滞をした罰に手痛いお返しをされたという訳だ」

「カッカッカッカ!くっそくだらねぇ駄洒落だが俺様もそう思うぜ」

「…つまりあの時代に戻れと言いたいんだね?」

「そうさ、俺たちは元々敵で同志なんてものじゃない」

「ふざけるな!この協力関係を築いた理由は運命に逆らうという強く高い志を持ったからだろ!」

「じゃあ敵を殺すか?また短い平和を手に入れるために戦争を繰り返すか?大元を潰さないことには意味があるとは思えないがな」

「くっ…」

「まぁ俺が決めることじゃない、ここは多数決で決めようじゃないか?賛成は挙手を……おや、見て見ろよ慈愛帝ちゃんよぉ?お前以外全員が賛成だとよ」

「……」

「さて、全部済んだことだし…解散としようか、この同盟を」

 思えば短い平和だった……渦中の暴食帝殺しは今どこで何をやっているのだろうか?僕が築いた平和を崩した者は…
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...