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怠惰の章
第12話 一件落着
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「ボス、こっちだ!」
急かす彼の言葉でまた気持ちが焦っていくのに若干の心のもやをかんじる。余裕がない状態にいる僕だからキツイ言葉を投げかけてしまいそうだ。しかし、彼は、いや、彼らは僕を助けに来たいわば命の恩人ともいえる戦友…傷つけるようなことは言いたくないな…
「炎帝の凱旋!」
「…!サミエムの声だ」
「危ない!ボス!」
久しぶり…いや、数日ぶりに聞いた仲間の声に気が緩んだのだろうか。彼の声が耳に入った頃には爆風とがれきが目の前に吹き飛んできていた。死ぬ前に走馬灯が流れるというのはよくある話だが、そんな時間も与えられず、記憶は途絶えてしまった。
「うっ…気を失ったのか…?」
自身に覆いかぶさる焦げた跡のある木片をけだるそうに動かす。まるで平日の朝の一幕の…そんなことをしている場合じゃなかった!どれくらい寝ていたのか分からないが、さっさとサミエムたちを止めないと交渉が…とにかく急がないと!まだ熱を帯びているがれきに間に合うと希望を持ちながら一心不乱に…
「…あれ?何か柔らかいものが…」
明らかに硬さの違う物体に少し戸惑いながら手元をよく見てみると…召喚士の彼が僕を守るように膝の上で呻いているのに気が付いた。いや、彼女なのか?すすで汚れた端正な顔立ちは女性とも男性とも見れる。顔がよく見れないような服装だったから勝手に男だと勘違いしていたが…ともかくダメージが深刻な状態か。
「…これでよし、さぁ行こうか!」
その辺にあった紐のようなもので彼?を身体に縛り付け、僕たちは先を急いだ。
「侵略者ども!くらえ!!」
「待て!我々は交渉をしに来ただけだ!」
「うるさい!外壁を壊して交渉だなんて信じられるか!」
「くそっ…おい、あんたが派手に攻撃してくれたおかげで最悪の状況だぜ!」
「…こちらの戦力を見せていわれのない迎撃を防ぐだなんて言っていたのはどっちだ」
「伝達!伝達!侵略者が内側から現れました!挟み撃ちです!」
「なんだと!あちらは囮だったか…弓兵、構え!」
やばい…バレた上にこっちに攻撃準備してきてる!緊急事態だから隠していたが、猛暑の掘削作業に超高層からの落下で身体はボロボロなんだ…しかも、意識不明の仲間を背負いながらこの布陣を突破するなんて不可能だろう。引き返すか?いや、そんな時間もくれなさそうだ!
「撃てぇぇ!!」
「全く世話が焼けるな…風帝の連撃!」
「なんだと!」
「た、助かった」
「灰崎、動けるか?どうやらここの奴らは交渉という言葉を知らないらしい、体制を整えて殲滅する方が…」
「交渉の余地はある!」
「…自分の仲間以外は敵という国の長が話し合える人物だとはとても思えないぞ」
「それは心外だなぁ~」
「チッ、おでましか…兵士は雑魚だがあいつは用心しなくてはな」
「うん、面白そうなことになってるね!怪我人は伝介くんとそこの…人だけみたいだね」
「いくら怠惰帝と呼ばれる強者とはいえ神器がなければ戦力は半減だろう、灰崎…やるなら今だぞ」
「まぁ両陣営でけが人も一緒だし痛み分けということで引いてくれないかな?」
「ふざけるな!」
「分かりました」
「なぜだ、灰崎」
「信用出来るかどうかはさておき彼なら話し合えるからだよ」
「理解あるリーダーじゃないか、うんうん」
「交渉の余地か…はぁ、分かった」
サミエムは剣を不服そうにしまう。おそらく今の彼なら神器無しの怠惰帝と互角以上の戦いが出来るだろう。しかし、今回は殲滅ではなく交渉…今後起きる戦争の戦力拡張が目的だ。戦った所で意味なんてない。こうして、奪還戦という名の小競り合いは幕を閉じた。
急かす彼の言葉でまた気持ちが焦っていくのに若干の心のもやをかんじる。余裕がない状態にいる僕だからキツイ言葉を投げかけてしまいそうだ。しかし、彼は、いや、彼らは僕を助けに来たいわば命の恩人ともいえる戦友…傷つけるようなことは言いたくないな…
「炎帝の凱旋!」
「…!サミエムの声だ」
「危ない!ボス!」
久しぶり…いや、数日ぶりに聞いた仲間の声に気が緩んだのだろうか。彼の声が耳に入った頃には爆風とがれきが目の前に吹き飛んできていた。死ぬ前に走馬灯が流れるというのはよくある話だが、そんな時間も与えられず、記憶は途絶えてしまった。
「うっ…気を失ったのか…?」
自身に覆いかぶさる焦げた跡のある木片をけだるそうに動かす。まるで平日の朝の一幕の…そんなことをしている場合じゃなかった!どれくらい寝ていたのか分からないが、さっさとサミエムたちを止めないと交渉が…とにかく急がないと!まだ熱を帯びているがれきに間に合うと希望を持ちながら一心不乱に…
「…あれ?何か柔らかいものが…」
明らかに硬さの違う物体に少し戸惑いながら手元をよく見てみると…召喚士の彼が僕を守るように膝の上で呻いているのに気が付いた。いや、彼女なのか?すすで汚れた端正な顔立ちは女性とも男性とも見れる。顔がよく見れないような服装だったから勝手に男だと勘違いしていたが…ともかくダメージが深刻な状態か。
「…これでよし、さぁ行こうか!」
その辺にあった紐のようなもので彼?を身体に縛り付け、僕たちは先を急いだ。
「侵略者ども!くらえ!!」
「待て!我々は交渉をしに来ただけだ!」
「うるさい!外壁を壊して交渉だなんて信じられるか!」
「くそっ…おい、あんたが派手に攻撃してくれたおかげで最悪の状況だぜ!」
「…こちらの戦力を見せていわれのない迎撃を防ぐだなんて言っていたのはどっちだ」
「伝達!伝達!侵略者が内側から現れました!挟み撃ちです!」
「なんだと!あちらは囮だったか…弓兵、構え!」
やばい…バレた上にこっちに攻撃準備してきてる!緊急事態だから隠していたが、猛暑の掘削作業に超高層からの落下で身体はボロボロなんだ…しかも、意識不明の仲間を背負いながらこの布陣を突破するなんて不可能だろう。引き返すか?いや、そんな時間もくれなさそうだ!
「撃てぇぇ!!」
「全く世話が焼けるな…風帝の連撃!」
「なんだと!」
「た、助かった」
「灰崎、動けるか?どうやらここの奴らは交渉という言葉を知らないらしい、体制を整えて殲滅する方が…」
「交渉の余地はある!」
「…自分の仲間以外は敵という国の長が話し合える人物だとはとても思えないぞ」
「それは心外だなぁ~」
「チッ、おでましか…兵士は雑魚だがあいつは用心しなくてはな」
「うん、面白そうなことになってるね!怪我人は伝介くんとそこの…人だけみたいだね」
「いくら怠惰帝と呼ばれる強者とはいえ神器がなければ戦力は半減だろう、灰崎…やるなら今だぞ」
「まぁ両陣営でけが人も一緒だし痛み分けということで引いてくれないかな?」
「ふざけるな!」
「分かりました」
「なぜだ、灰崎」
「信用出来るかどうかはさておき彼なら話し合えるからだよ」
「理解あるリーダーじゃないか、うんうん」
「交渉の余地か…はぁ、分かった」
サミエムは剣を不服そうにしまう。おそらく今の彼なら神器無しの怠惰帝と互角以上の戦いが出来るだろう。しかし、今回は殲滅ではなく交渉…今後起きる戦争の戦力拡張が目的だ。戦った所で意味なんてない。こうして、奪還戦という名の小競り合いは幕を閉じた。
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