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フラグはどんどん回収しますよ? 良い方だけですけど。(1)
今日は、ティアレット王立学園への入学式である。
王都のローエンガルド別邸で、私とお姉様はメイド達に着飾られているのだけれど――。
「お姉様、宝石は二つまでにしましょう」
メイド達が用意した沢山の宝石を、お姉様は無造作に選ぼうとしている。
でもここでもあるのよ、選択肢。
二つか、多くか。
「二つでは、少なくは無いかしら」
「あまりに多いと、お姉様よりも宝石が記憶に残ってしまいますわ。
それに、真っ白な制服に多すぎる宝石は悪趣味だと思いますの」
ティアレット王立学園の制服は、白を基調として真紅のリボンとペチコートがセットになっている。
前世で流行った軍服ドレスがイメージに近いかな。
お姉様がいま手にしている宝石は、ブローチとネックレスとイヤリングと髪留め。
紅いルビーの髪留めと、お揃いのブローチが正解。
ピンクトルマリンのネックレスとイヤリングは駄目。
赤いルビーの髪留めとブローチは、お姉様の婚約者で公爵子息のレーゼンベルク様に贈られたものなのだ。
なのでこれ以外の宝石を身につけていくと、入学式でレーゼンベルク様とのマイナスフラグが立つ。
レーゼンベルク様、ちょっと独占欲が強いというか、強すぎるというか。
ヤンデレっていうのかな。
お姉様が自分が贈った以外の装飾品を身につけていると、機嫌が急降下するの。
「クリスが言う事も、もっともね。学園は学ぶ場であって、着飾る場でもないのだし」
お姉様はイヤリングとネックレスを置き、紅い髪留めとブローチをメイドに渡す。
うん、マイナスフラグ回避ね。
ちなみにレーゼンベルク様から贈られたアクセサリーだけを身につけていると、当然プラスのフラグが立つ。
ゲームだとはにかむような笑顔で、お姉様に嬉しそうに話しかけてくるんだけど、現実ではどうだろう。
「クリスは、どの宝石を着けていくの?」
「そうね。わたくしは、こちらのサファイアの髪飾りにしましょうか」
お姉様の髪飾りと似た雰囲気の、石の色が違う髪飾りとブローチを選ぶ。
確か、ゲーム内のクリスティーナがこんな感じの髪飾りをつけていたのだ。
たぶんお姉様の色違い。
宝石の色を変更するだけで済むから。
でも現実には、お姉様の髪飾りはレーゼンベルク様が職人に特別に作らせた一点ものだから、同じものは存在しない。
なのでぱっと見は色違いに見える、似たようなデザインで妥協しておく。
わたしはゲーム内では悪役令嬢の妹というだけで、入学式でとくに大きなイベントはなかった。
でも、何が原因でへんなフラグがたつかわからないから、出来るだけゲームと大きく違う格好はしないほうがいいかなって。
行動は多分ゲームとは違ってしまうから、せめて見た目だけでもね。
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