貞操逆転世界かぁ…そうかぁ…♡

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二章

104 真琴と姉の会合2/3

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大悟だいごさん…変じゃ無いですか?私その…怪しい感じになってませんか?」
ここは弓枝ゆみえ朱里しゅりあかりさんが厳選したお店の駐車場。

俺は昼少し前に姉の彩苺あやめさんを紙屋町のバスセンターまで迎えに行って山沿いに有る結婚式場のすぐ近くの和風で景色の良いお店まで車で連れてきた。

ここには真琴まこと朱里しゅりが連れて来てくれてるはずなんだけど…
「とりあえず姉さん。特に変な感じも無いし、怪しくも無いし、メイクも崩れたりしてませんから安心してください。」
「は~ふ~ほ~…あっ!私そう言えば用事が…ちょっと待ってて下さいねっ♡」
「彩苺さんの用事は今から真琴とのお見合いです。どこに行く気ですか…まったく…」



弓枝と話をしてすぐに彩苺さんに連絡を取って確認した所、
『えぇ~~!!私が真琴さんとお見合いですかぁ~~!!!』
耳がおかしくなるかと思った。

「お見合いって言うのは言葉の綾でとりあえず顔見せみたいなものです。前に父さんに連絡したのは聞いてますよね?」
『あっ♡はい♡結婚が決まったんですよね♡おめでとうございます♡』
「それで、こっちの世界の結婚相手の家族への紹介の方法を確認したら親と会う前に兄弟姉妹と先に時間を取って話をする必要が有るみたいなんですね。だからそれをしたいんですけど時間取れますか?」
『…えっと…会うのはその…どうしたら良いんでしょうか?私確か真琴さんと前に会ってから…そろそろ9ヶ月位でしょうか?あの時すごく意地悪な言い方をしたから…嫌われて無いですかね?』
そう言えば真琴もそんな事を言ってたな…
でも、今彩苺さんに『真琴は怖くて会いたく無いって言ってましたよ。』とか言ったら絶対めんどくさい事になると思うので言わないけど。

「まぁそこは説明したら真琴も判ってくれるんじゃ無いですかね?」
『そうでしょうか…あっ♡そうだ私とはこっちに戻って来るときにお会いするって事でどうですか?それなら私も心を落ち着けて待てますし♡』
「でも今真琴は妊娠してる可能性が高いのであまり長距離移動はさせられませんよ。だから彩苺さんに来て欲しいって話をしてるんですけど…」
『…そうなんですか?はぁ~…』
すごく重たい溜息だなぁ…

「どうしても彩苺さんが来たく無いって言うなら真琴が赤ちゃん産んである程度落ち着いてから行く事になると思うんで…2年後とかになると思いますけど、それで良いですか?」
『…2年…そんなに?』
「赤ちゃんの首が座って長距離移動とかで大丈夫になる頃って考えたら早くて来年の夏か余裕を持って見るなら冬ですからまぁ最短で1年と半年とかですかね?」
『うぅ~~……判りました行きます…』



と言う遣り取りが有って、本当であれば先週彩苺さんが来る予定だったのを、急に前日になって、
『緊張のせいでまったく寝れませんでした。おかげで今私はボロボロです…出来れば来週にしてもらえませんか?』
と連絡が来た。
バスのチケットも取っていながらそれをキャンセルして予約していたお店も断ってとバタバタしつつもやっとの事で今週来させたのにここに来てもまだ怖がっている彩苺さん。

ついでに言えばこの女…バスを降りてからも何度か逃げようとした。
バスセンターで降りたら集合場所を決めておいたんだが、その場所(バスが停まる場所から見える所)で俺が待って居たらバスから降りて一目散に俺の方を見ない様にして走って逃げようとした。
降りる所を見ていたので何か勘違いしたのかと思いとりあえず追いかけたら自分の乗ってきた場所に向かうバスが待機している所に向かって移動していたので、急いで追い着き抱き止めたら泣きそうな顔で言い訳をされた。
「だって…『目的地まであと10分ほどです』みたいなアナウンスが有ってすごく怖かったから…」

それまでバスの1人旅を楽しんでいたらしいが、目的地が段々近づいてきたら緊張して怖くなってきたらしい。
それでバスの降りる場所に向かって移動している間にここまで来るのに乗っていた同じ会社のバスが停まってるのが見えたから思わず走ってしまったらしい。
ウルウル目でそんな事を言われた。

そして、車まで荷物を取り上げて逃がさない様に肩を抱いた状態で歩き、車に乗せてからも彩苺さんはあがいた。
「あっ大悟さん、私バスで少し緊張していたから忘れていたのですが…その少しお花積みに行きたいのでどこか停めていただけませんか?」
さすがに『真琴と会うのが怖いから時間稼ぎだろ?』とか言えなかったので、怪しいとは思いつつも言われるまま最初に見えたコンビニに車を停めてトイレに行くのを見守り待っていたんだが、10分以上経っても出て来ない。

とりあえず『まさかなぁ』と思いつつもスマホで電話を掛けてみると車の中に置いて行った荷物の中でバイブ音がしてる。
それから5分ほど待っていい加減待てなくなった俺は彩苺さんを無理やり引っ張り出すために動いた。
コンビニの店員の女性が3人居たんだが、その全員を1回づつハグしてその中の1人の店長さんっぽい30代の女性ともう少しだけ濃厚な交渉をした結果、立て篭もっていた彩苺さんを引っ張り出す事に成功した。

おかげで俺のアドレスには1人の女性が登録された。
はぁ~…でもこの人藤井ふじい 奈緒なおさん…どこかで会ったかな?
まぁそのうち何度か相手する事になるんだしその時に分かるよな。

そんな事が有り30分遅れで目的地に到着した。
「だって…私は元の世界ではお姫様待遇だったので何も自分で決める事が無かったんですもの…自分1人だけのバス旅行はちょっと楽しかったですけど♡」
「だったらさっさと会って不安を無くしましょう。もう真琴達も予約した部屋に来てるみたいですから。」
そう言って車から出て店に入って行くと急いで後ろのドアから出てきて俺の腕を震える手で取り少し睨んできた。
「大悟さんは女のエスコートがなってませんね、まったく。」
「この世界ではまったく女性をお姫様待遇で扱うって事が無かったのでしょうがないでしょ?」
「元の世界で少しぐらい無かったのですか?」
彩苺さんは仕返しのつもりか俺の心に若干鋭利なナイフをサクサクと突き立ててくれた。

そんなスキル持ってたらここに居ないってば。
お店に入って予約名を告げると部屋に案内してくれた。

「失礼します、お連れ様がいらっしゃいました。」
案内をしてくれたウエイトレスさん?が部屋の襖を開けて俺達を通してくれた。

そこは眺めの良い窓が奥の壁一面にあり、広島市内と海が一望出来るような部屋だった。
室内は畳敷きで床の間などもあり掛け軸とか花まで活けてある。
そして中央に広めの机が置いてあり手前側に真琴と朱里が並んで座って居た。

「やっと来たか大悟、混んでいたのか?」
真琴はまったく微動だにせず正座した状態のまま前を見てる。
そんな真琴を気遣って朱里が話を振ってくれた。
「あぁ、少しだけな。さて、姉さん奥へどうぞ。」

彩苺さんも真琴もどうしてここまで緊張するの?ってぐらいにガチガチになってる。
おもわず『後はお二人に任せて私達はここらで~』とか言って朱里と車に戻ってイチャイチャしたらどうなるかな?とか思ってしまった。
「さて、とりあえず紹介は必要無いかもしれないけど一応俺から説明するな。姉さん、こちらが俺の嫁さんになる事になった村下むらした 真琴さんで、真琴、こちらが俺の姉の彩苺さん。一応説明するとこの彩苺さんだけどな、この世界の人じゃない。俺とは違う世界からこの場所に来たらしいよ。」
一応彩苺さんに言っても良いかを確認していた事を最初に伝えた。

「えっ?じゃぁ私に会った人って…違う人なの?」
「あ、真琴が4月頃に会った人はこの彩苺さんなんだけど、どうもその少し前に入れ替わったらしくてね。訳が判らない状態だったみたいだよ。ねっ彩苺さん。」
「えっ?あっ!そうです!!私自分がそれまで育った環境とまったく違う場所に来ていてその…少し精神的にその…本当にごめんなさい。」

その後彩苺さんが自分の居た所でどんな仕事をしていて真琴とどんな関係だったのかなどを話をしていたら朱里も同じ様に知っていたらしく3人で一気に仲良くなっていったみたいだった。
ただ…朱里を見て彩苺さんの顔がちょっとだけ『あっ!あの人?!』みたいな顔になった感じだったので、彩苺さんの元居た場所では朱里は俺の居た所同様男だったんだろうな。

「そうかぁ…あの車種のデータを弄っていたのか…」
「そうなんです。それなのに気付いたら巫女さんになっちゃって大変でした。」

話が弾んでる所に予約していた食事が運び込まれてきた。
懐石料理のコースで刺身、和牛の石焼き、揚げ物、煮物、酢の物、丼、汁物、デザート
昼間からけっこうがっつりと食べてしまった♡

その後話が尽きなかった3人はそのまま真琴の部屋に移動して夜中まで話をする事になったらしく、朱里の車に一緒に乗ってさっさと家に戻って行った。
女の人が3人居ると話がまったく止まらないのね。俺はコース料理が運ばれて来た頃からまったく話をする事が無かった。

さて…今は昼の3時前か…
実は今日弓枝が俺の実家に行ってるんだけど…どうなったかなぁ…
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