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No.1
06 船を動かす準備を進めてみようじゃないか(救命ボートですが)
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デザートまで全部食って「アイスは極上デース♡」なんて事言いつつ、とりあえず人が居る事を報告に戻ると言ってハバキは帰って行った。たぶん俺達を街に保護する為に街の為政者と交渉する気なんだろう。
ネームレスの駆除が出来るか聞かれた時に、少しばかり躊躇した俺の心情を察したらしいハバキは「まぁあれだ、2人っきりでこんな所に住んでいてもそんなに長く生きていける気がしないから、一応こっちで受け入れられる様に話をしておくんで、そんな気になったらあっちに見える街に来てくれ」なんて言いつつとある方向を指差し戻って行った。
「船の上でアッチコッチ言われてもなぁ…あいつ本当にこの船が城だと思ってたんだな」
「それでどうするの?ハバキの街に行くの?」
食事前と比べて俺から1m程度距離を取った位置から腕を胸の辺りで組みつつ聞いてくるマリア。
「それなんだよなぁ。一応この船の電源用ジェネレーターがいつまで持つのかと積み荷にどんなものがあるのかを知ってからでないと、ちょっとここを離れるのは怖い気がするからそこらを調べてから決めたいが…お前はハバキについて行きたかったのか?」
ちょっとだけホッとした顔をしたマリアに一応確認してみた。
「そういう訳じゃないけど…でもネームレスってモンスターが居るんでしょ?ここってそこまで安全じゃないみたいだし一応ずっとこんな海のど真ん中に2人っきりっていうのはその…」
だからなんで胸とか股間とかを隠すんだ?俺はお前に欲情なんてしないと散々言ってきたというのに、まだ理解できてないのか。
「まぁそうだな。男と女、年齢差が倍あると言えど二人っきりってのはあまり良くないよな。襲われたりしたら困るからな」
「そこまでは別に思ってないけど…ってなんか変なニュアンスだったけどマサル今あたしが襲われたら困るって話をしてたよね?」
「アァソウダゾ?」
「…まぁ…ソンナコトソコマデキニシテナインダケド…」
俺とマリアの温度差がかなり酷かったけどマリアは気づいてない感じにちょっと赤い顔しつつそっぽを向いたのでそっとしておいた。
さてと、とりあえず最終的にはこの船を動かせる様になりたいが、船舶免許とか俺は持ってないので…
「マリアは船の操縦技術とか持ってたりするか?」
今俺達は、操舵室に向かってショットガンを構えつつ周囲に気を配りながらゆっくり移動している。
「スワンボートぐらいなら動かせるけどこんなに大きな船とかまったくわかんない」
マリアは刺身包丁を両手で持ってキョロキョロしつつ俺に付かず離れずしっかりと付いて来てる。
「何にしても操舵室に行ってから確認するしかないか」
2人で周囲を確認しつつ階段を上り操舵室までたどり着いた。
「あっ、こんなの海賊のアニメで見た事ある!今でもこんなので運転するんだね。へー…」
総舵輪を指差しながら嬉しそうな笑顔で報告するマリア。
初めてこんな所に来たらしいマリアを好きにさせておいて、俺は部屋に隣接する船長室と副船長室の中を物色してみた。
「部屋自体はそれほど荒らされた感じは無いが…」
船のドアは勝手に閉まってフリーで開きっぱなしにならない様に設計されているので閉まっていたが、部屋の中は船長室も副船長室も少し荒れてる感じがある。
2人ともかなり几帳面な性格だったので、慌てて部屋から出たまま居なくなった様に感じる。
船長室には家族の写真がクリップボードにたくさん張ってあって、船長の子煩悩なイメージそのままの部屋だった。
副船長室は船長室と全く違っていて付き合っている女らしき写真がいっぱいデジタルフォトフレームに映っては消えるを繰り返していた。そう言えばあいつって『男の価値は抱いた女の数と質』なんて事を公言していたからこれはそこまで不思議ではない。
2人の部屋を見た感じではこの辺りで誰かが襲われた様な感じはしない。
この船には全部で36人の乗組員が乗船していたはずだが、数人がネームレスになって他の連中を…って事は無いのか。ネームレスに襲われた人は魔素を吸い取られてネームレスになるってハバキは言っていた。
…ネームレスになれなかった奴ってどうなったんだろうか。ネームレス同士が共食いなんて事をしなさそうなのは増えるって言葉からも分かるのだが、俺の想像があっているならば、ここには俺とマリア以外に全部で35体のネームレスが居てもおかしくないはず。
でもハバキが調べた結果全部で今4体ほど徘徊しているって言ってたのが間違いないならば、残りの30人ぐらいが消えた…もしかしたら俺が見てない場所に乗組員の死体がまだ転がってたりするのだろうか?
…さすがに情報が足らなさ過ぎて現状の把握が難しいな。
船長室と副船長室をざっと見て操舵室に戻るとマリアがとあるアニメのオープニングソングを口ずさみながら総舵輪を勢いよく回していた。
「あっ…」
そして俺にそんな姿を見られて恥ずかしかったらしいマリアがまた俺を一回殴ってきた。
ボスンなんて音がしそうな勢いだったので甘んじて殴られた俺だが、俺ってこんなに子供に優しい奴だったのかなぁ…?
その後操舵室の中を色々物色してみたところ、非常用マニュアルなるものを発見した俺達は、とりあえず主エンジンを止めて燃料を電源ジェネレーターに全て割り振る様に調整してから操舵室を後にした。
「それで?救命ボートに乗ってハバキの街に行ってみるの?」
「あぁ。こんなでかい船を動かすにしても海図も何も無い状態で行ったら簡単に座礁するのが目に見えてるからな」
操舵室で設備を色々確認した感じだと、当然ながらGPSは機能してなかった。無線設備も完全に沈黙していたし、羅針盤(デジタル表示)も、レーダーも動いていたけど何も表示してなかった。
やっぱりこんな状態ではデジタルな何かっていうのは意味が無いみたいだ。出来ればアナログな設備を少しでも残しておいてほしかったよ。
「とりあえず保存性の良い食材を出来るだけ救命ボートに乗せて、ついでにもしかしたらこの世界で価値があるかもしれないって物もいくつか見繕って持って行きたいが…そんな顔するな。お前に一人で動けとか言わないから」
ほっとした顔で俺の腕にそっと手を触れてくるマリア。
「別にそんなに怖いとか思って無いけど…でも!子供は守られて当然だもんね!!そうだもんね!!!」
俺の顔色を読むのがうまくなっているマリアだった。
その後ドライフルーツや缶詰、他にもパッケージングされている肉や半分調理されている根菜類なんかを荷台に乗せて4艘設置されている救命ボートの1つに載せ、その後もう一回操舵室まで行って一応船が勝手に移動しない様にアンカーを降ろして固定してから、誰かの部屋から持ってきたタブレットPCに積み荷の一覧データを画像の状態で取り込み、その中から貴金属や宝石らしきものが入ってそうなコンテナを確認して回収。
「どうどう?こんなのあたしに似合う?」
マリアの胸元と両手の指が金色銀色色とりどりの宝飾品で飾られていた。
子供がゴッテゴテに飾る状態っていうのは悪趣味なんだな。俺には嬉しそうなマリアの心情が理解できなかったが、子どもでも女って事なのだろうか?
ちなみにマリアの身に着けている宝飾品は合計金額が数千万なんて感じになりそうだ。
「俺が彼女に送った宝石がそんなのだったら、あの時もっと違う感じにサービスしてもらえたのかなぁ…」
過去の記憶を思い返しながらため息しか漏れない俺とスキップで外に飛び出しそうなマリア。
「女の心が動くのは値段じゃないの。まぁでも値段でも動く事はあるんだけどね♡」
温度差の激しい二人で救命ボートに乗り込んでハバキが指差した方に向かって移動を開始。
そして少し時間が経過した辺りでマリアがとても静かになった。
「酔ったかも。気持ち悪い…」
酔ったらしい。
「間違ってもそこらに吐くなよ。それとこの救命ボートにもトイレは無いからもし吐きたくなったら外に顔を出して海に吐いてくれよ」
「うー気持ち悪いぃ…も?」
ん?あっ…失言だったかも。
「救命ボートに『は』って言ったよ。そう言えばマリアは俺の言葉が何語に聞こえてるんだ?ポルトガル語か?」
「あたしにはマサルの言葉はポルトガル語に聞こえてるけど…えっ?マサルってナニ人なの?中国人?」
やっぱり気付いてなかったみたいだ。
「俺は日本人で、一応聞くだけなら英語とフランス語ぐらいまではなんとか分かる様になってきたけど、話すのは日本語だ」
「まったく気づかなかった…うぅ…」
ビックリしながら鎖骨の辺りを押さえて切羽詰まった顔?になるマリア。
「吐くなら外でって言ったろ!」
俺はマリアを抱えて、マリアは自分の口を両手で押さえて、揺れるボートの中をハッチに駆け寄りマリアの体を両手で持って船外に身を乗り出させたら、乙女とは思えないダイナミックな音と共に何かを大量にマリアが吐き出した。
「ハァハァ…こんな姿を見せるなんて…オボゴホエェェ!!」
何かを悔やみながら再度勢いよく吐くマリア。
数度の大波を乗り越えてマリアは戻ってきた。
「ハァハァ…もう大丈夫だと思うから…できればそろそろ…」
青い顔で赤い顔になりつつ俺に困った感じに視線を向けるマリアは結構器用だな。
って言うか今の体位はちょっとまずいってマリアの視線で気づけた。体位って言う言い方は語弊があったな。
「悪かったな。ボートの中に据えたにおいを充満させたら俺ももらいゲロしてしまいそうだったんでこんな感じに支えたが…初めてのバックスタイルを俺がもらってしまった様だな。スマン」
俺とマリアは今、俺の体がマリアの体に後ろから覆いかぶさる様な状態で密着した感じで、俺の両手がマリアの胸の辺りをがっちりつかんで支えている。
分かりやすく言えば、膝立ちバックおっぱい持ちスタイル。なんて感じ。そりゃぁマリアでなくても顔を赤くするさ。
「まぁでもこれで分かっただろ?お前の体は俺をどうにかできるステージにまだ登れてないって。安心して甘えてろ」
とりあえず茶化すような物言いでこの場の気まずさをどうにかしようとした俺の想いを汲んでくれたらしいマリアは何も言わずに俺に向き合い一回のアッパーカットで船内に漂う気まずさを払拭してくれた。
「俺はどっちかと言えばお前の少女としての立場と尊厳を、それとこの船の居住性を守ったはずなんだがなぁ」
「うっさい…バカ」
まだ完全には宵から覚めていない感じのマリアは尻を俺の方に向けてハッチから顔だけ出して手すりをしっかりつかんで外を見ている。
…確かにこうしてみれば胸元が見えない状態であれば女らしい体つきなんだな。マリアをチョットだけ見直した俺だった。
「あっ!陸が見えるよ!」
笑顔のマリアが振り返って報告してくれた。
とりあえず見当違いの方向に移動して無かったようでホッとした将だった。
ネームレスの駆除が出来るか聞かれた時に、少しばかり躊躇した俺の心情を察したらしいハバキは「まぁあれだ、2人っきりでこんな所に住んでいてもそんなに長く生きていける気がしないから、一応こっちで受け入れられる様に話をしておくんで、そんな気になったらあっちに見える街に来てくれ」なんて言いつつとある方向を指差し戻って行った。
「船の上でアッチコッチ言われてもなぁ…あいつ本当にこの船が城だと思ってたんだな」
「それでどうするの?ハバキの街に行くの?」
食事前と比べて俺から1m程度距離を取った位置から腕を胸の辺りで組みつつ聞いてくるマリア。
「それなんだよなぁ。一応この船の電源用ジェネレーターがいつまで持つのかと積み荷にどんなものがあるのかを知ってからでないと、ちょっとここを離れるのは怖い気がするからそこらを調べてから決めたいが…お前はハバキについて行きたかったのか?」
ちょっとだけホッとした顔をしたマリアに一応確認してみた。
「そういう訳じゃないけど…でもネームレスってモンスターが居るんでしょ?ここってそこまで安全じゃないみたいだし一応ずっとこんな海のど真ん中に2人っきりっていうのはその…」
だからなんで胸とか股間とかを隠すんだ?俺はお前に欲情なんてしないと散々言ってきたというのに、まだ理解できてないのか。
「まぁそうだな。男と女、年齢差が倍あると言えど二人っきりってのはあまり良くないよな。襲われたりしたら困るからな」
「そこまでは別に思ってないけど…ってなんか変なニュアンスだったけどマサル今あたしが襲われたら困るって話をしてたよね?」
「アァソウダゾ?」
「…まぁ…ソンナコトソコマデキニシテナインダケド…」
俺とマリアの温度差がかなり酷かったけどマリアは気づいてない感じにちょっと赤い顔しつつそっぽを向いたのでそっとしておいた。
さてと、とりあえず最終的にはこの船を動かせる様になりたいが、船舶免許とか俺は持ってないので…
「マリアは船の操縦技術とか持ってたりするか?」
今俺達は、操舵室に向かってショットガンを構えつつ周囲に気を配りながらゆっくり移動している。
「スワンボートぐらいなら動かせるけどこんなに大きな船とかまったくわかんない」
マリアは刺身包丁を両手で持ってキョロキョロしつつ俺に付かず離れずしっかりと付いて来てる。
「何にしても操舵室に行ってから確認するしかないか」
2人で周囲を確認しつつ階段を上り操舵室までたどり着いた。
「あっ、こんなの海賊のアニメで見た事ある!今でもこんなので運転するんだね。へー…」
総舵輪を指差しながら嬉しそうな笑顔で報告するマリア。
初めてこんな所に来たらしいマリアを好きにさせておいて、俺は部屋に隣接する船長室と副船長室の中を物色してみた。
「部屋自体はそれほど荒らされた感じは無いが…」
船のドアは勝手に閉まってフリーで開きっぱなしにならない様に設計されているので閉まっていたが、部屋の中は船長室も副船長室も少し荒れてる感じがある。
2人ともかなり几帳面な性格だったので、慌てて部屋から出たまま居なくなった様に感じる。
船長室には家族の写真がクリップボードにたくさん張ってあって、船長の子煩悩なイメージそのままの部屋だった。
副船長室は船長室と全く違っていて付き合っている女らしき写真がいっぱいデジタルフォトフレームに映っては消えるを繰り返していた。そう言えばあいつって『男の価値は抱いた女の数と質』なんて事を公言していたからこれはそこまで不思議ではない。
2人の部屋を見た感じではこの辺りで誰かが襲われた様な感じはしない。
この船には全部で36人の乗組員が乗船していたはずだが、数人がネームレスになって他の連中を…って事は無いのか。ネームレスに襲われた人は魔素を吸い取られてネームレスになるってハバキは言っていた。
…ネームレスになれなかった奴ってどうなったんだろうか。ネームレス同士が共食いなんて事をしなさそうなのは増えるって言葉からも分かるのだが、俺の想像があっているならば、ここには俺とマリア以外に全部で35体のネームレスが居てもおかしくないはず。
でもハバキが調べた結果全部で今4体ほど徘徊しているって言ってたのが間違いないならば、残りの30人ぐらいが消えた…もしかしたら俺が見てない場所に乗組員の死体がまだ転がってたりするのだろうか?
…さすがに情報が足らなさ過ぎて現状の把握が難しいな。
船長室と副船長室をざっと見て操舵室に戻るとマリアがとあるアニメのオープニングソングを口ずさみながら総舵輪を勢いよく回していた。
「あっ…」
そして俺にそんな姿を見られて恥ずかしかったらしいマリアがまた俺を一回殴ってきた。
ボスンなんて音がしそうな勢いだったので甘んじて殴られた俺だが、俺ってこんなに子供に優しい奴だったのかなぁ…?
その後操舵室の中を色々物色してみたところ、非常用マニュアルなるものを発見した俺達は、とりあえず主エンジンを止めて燃料を電源ジェネレーターに全て割り振る様に調整してから操舵室を後にした。
「それで?救命ボートに乗ってハバキの街に行ってみるの?」
「あぁ。こんなでかい船を動かすにしても海図も何も無い状態で行ったら簡単に座礁するのが目に見えてるからな」
操舵室で設備を色々確認した感じだと、当然ながらGPSは機能してなかった。無線設備も完全に沈黙していたし、羅針盤(デジタル表示)も、レーダーも動いていたけど何も表示してなかった。
やっぱりこんな状態ではデジタルな何かっていうのは意味が無いみたいだ。出来ればアナログな設備を少しでも残しておいてほしかったよ。
「とりあえず保存性の良い食材を出来るだけ救命ボートに乗せて、ついでにもしかしたらこの世界で価値があるかもしれないって物もいくつか見繕って持って行きたいが…そんな顔するな。お前に一人で動けとか言わないから」
ほっとした顔で俺の腕にそっと手を触れてくるマリア。
「別にそんなに怖いとか思って無いけど…でも!子供は守られて当然だもんね!!そうだもんね!!!」
俺の顔色を読むのがうまくなっているマリアだった。
その後ドライフルーツや缶詰、他にもパッケージングされている肉や半分調理されている根菜類なんかを荷台に乗せて4艘設置されている救命ボートの1つに載せ、その後もう一回操舵室まで行って一応船が勝手に移動しない様にアンカーを降ろして固定してから、誰かの部屋から持ってきたタブレットPCに積み荷の一覧データを画像の状態で取り込み、その中から貴金属や宝石らしきものが入ってそうなコンテナを確認して回収。
「どうどう?こんなのあたしに似合う?」
マリアの胸元と両手の指が金色銀色色とりどりの宝飾品で飾られていた。
子供がゴッテゴテに飾る状態っていうのは悪趣味なんだな。俺には嬉しそうなマリアの心情が理解できなかったが、子どもでも女って事なのだろうか?
ちなみにマリアの身に着けている宝飾品は合計金額が数千万なんて感じになりそうだ。
「俺が彼女に送った宝石がそんなのだったら、あの時もっと違う感じにサービスしてもらえたのかなぁ…」
過去の記憶を思い返しながらため息しか漏れない俺とスキップで外に飛び出しそうなマリア。
「女の心が動くのは値段じゃないの。まぁでも値段でも動く事はあるんだけどね♡」
温度差の激しい二人で救命ボートに乗り込んでハバキが指差した方に向かって移動を開始。
そして少し時間が経過した辺りでマリアがとても静かになった。
「酔ったかも。気持ち悪い…」
酔ったらしい。
「間違ってもそこらに吐くなよ。それとこの救命ボートにもトイレは無いからもし吐きたくなったら外に顔を出して海に吐いてくれよ」
「うー気持ち悪いぃ…も?」
ん?あっ…失言だったかも。
「救命ボートに『は』って言ったよ。そう言えばマリアは俺の言葉が何語に聞こえてるんだ?ポルトガル語か?」
「あたしにはマサルの言葉はポルトガル語に聞こえてるけど…えっ?マサルってナニ人なの?中国人?」
やっぱり気付いてなかったみたいだ。
「俺は日本人で、一応聞くだけなら英語とフランス語ぐらいまではなんとか分かる様になってきたけど、話すのは日本語だ」
「まったく気づかなかった…うぅ…」
ビックリしながら鎖骨の辺りを押さえて切羽詰まった顔?になるマリア。
「吐くなら外でって言ったろ!」
俺はマリアを抱えて、マリアは自分の口を両手で押さえて、揺れるボートの中をハッチに駆け寄りマリアの体を両手で持って船外に身を乗り出させたら、乙女とは思えないダイナミックな音と共に何かを大量にマリアが吐き出した。
「ハァハァ…こんな姿を見せるなんて…オボゴホエェェ!!」
何かを悔やみながら再度勢いよく吐くマリア。
数度の大波を乗り越えてマリアは戻ってきた。
「ハァハァ…もう大丈夫だと思うから…できればそろそろ…」
青い顔で赤い顔になりつつ俺に困った感じに視線を向けるマリアは結構器用だな。
って言うか今の体位はちょっとまずいってマリアの視線で気づけた。体位って言う言い方は語弊があったな。
「悪かったな。ボートの中に据えたにおいを充満させたら俺ももらいゲロしてしまいそうだったんでこんな感じに支えたが…初めてのバックスタイルを俺がもらってしまった様だな。スマン」
俺とマリアは今、俺の体がマリアの体に後ろから覆いかぶさる様な状態で密着した感じで、俺の両手がマリアの胸の辺りをがっちりつかんで支えている。
分かりやすく言えば、膝立ちバックおっぱい持ちスタイル。なんて感じ。そりゃぁマリアでなくても顔を赤くするさ。
「まぁでもこれで分かっただろ?お前の体は俺をどうにかできるステージにまだ登れてないって。安心して甘えてろ」
とりあえず茶化すような物言いでこの場の気まずさをどうにかしようとした俺の想いを汲んでくれたらしいマリアは何も言わずに俺に向き合い一回のアッパーカットで船内に漂う気まずさを払拭してくれた。
「俺はどっちかと言えばお前の少女としての立場と尊厳を、それとこの船の居住性を守ったはずなんだがなぁ」
「うっさい…バカ」
まだ完全には宵から覚めていない感じのマリアは尻を俺の方に向けてハッチから顔だけ出して手すりをしっかりつかんで外を見ている。
…確かにこうしてみれば胸元が見えない状態であれば女らしい体つきなんだな。マリアをチョットだけ見直した俺だった。
「あっ!陸が見えるよ!」
笑顔のマリアが振り返って報告してくれた。
とりあえず見当違いの方向に移動して無かったようでホッとした将だった。
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