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No.1
15 金策と奴隷
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領主一族の食事会を経て、その後合計4回ほどの食事会を行い、なんとか依頼されていた町の政務に関わる連中に対する心付けが済んだ。
「そんな訳で、大黒丸が俺達の住む家として使える様になった訳なんだが…マリア、どうする?」
「そんないきなりどうするって聞かれても…」
船を動かすまではかなりの沖合に大黒丸があったため、盗難の危険があるとしても港周辺を管理している者たちで対処できるとの考えで街に移住する事を予定していたが、大黒丸が街の港から直線距離で200m程度の所まで移動してきたとなれば誰も居ない状態には出来ない。勝手に船に上がって荷を漁る様な連中が出てくる事が予想されるからだ。そんな理由から俺達は大黒丸に住む事にした。
「一応俺とハバキとラルクアとセルビスがこの船に常駐する様に話が進んでいるが、マリアは男ばかりの場所に一人いるってのがあまり良くない気もするんだ。だからもし望むならば街に住む所を用意してマリアにそっちに住んでもらって、たまに俺が顔を出す感じにする事も出来るが、どう思う?」
「…一人で住むってのはちょっと怖いかなぁ」
「そうか!じゃぁ俺達と一緒に大黒丸に住んでマリアに専属の侍女みたいな奴らを用意して生活する感じに準備してみるか?」
「侍女って…んー…一応これまで一人で何でもしてきたんだから、そんな人とか必要無い気がするんだけど…」
マリアは人が常にそばに居るのがあまり好きではない様だ。
「一応これからはこっちの価値観でマリアも見られるようになるから、できるだけ人が世話をする状態に慣れておく方が良いと思うが、そんなに嫌か?」
「んー…絶対とまではいわないけど」
「じゃぁそうだな。街の貴族がいつも連れ回す様な連中だとさすがに気詰まりだろうから、俺達の住む部屋周りを管理するしっかりした人と、普通の使用人辺りをここに受け入れる感じで始めてみるか?」
「この間見た領主のお嬢様達に付いていた人みたいに介護でもしてそうな感じに付きまとってこないなら…まぁ?」
「おっし。じゃぁ今日このあと領主館に行ってその後で奴隷を見に行こう」
「奴隷?!そんなのダメじゃないの?いいの奴隷とか?」
「一応ファウストの街では特に違法って訳ではないらしいぞ。どこから連れてこられたのかまでは定かではないが、家の下働きを任せられる人材を確保するなら今の俺達には奴隷ぐらいしか選択肢が無いって話でな」
マリアは俺の説明を聞いても奴隷という存在にそこそこ強い拒否感を持っている感じだった。
一応ファウストの街では下働きの人を平民に求める事は可能らしい。だが、それにはある程度の期間に賃金を払う必要がある為、それを俺達が用意できるようになっていないと話にならない。そんなわけで、今現在の人員の確保の方法としては、一時的に船の積み荷を売っぱらい、その金額で住む所と食事を提供しつつ、安価に揃えられる奴隷を集めるのが無難という話であった。
それと、それ以外にも問題がある。暗所に湧くモンスター。人の大勢居る環境に大黒丸が近付いたので、湧くモンスターの問題自体はある程度改善されてほとんど無くなったのだが、絶対に湧かないとは言えない感じらしい。それと少し前までネームレスが居た場所という話は今現在街に広く伝っている為、そんな場所に仕事を求める人など居ないらしい。
その結果選択肢は奴隷一本となった。
そんな訳で、俺達はまず、領主の館に向かう事になった。積荷の中から手に入れたワインをそこそこ大量に抱えて。ちなみにラルクアとセルビスは大黒丸の浮き桟橋の上の辺りに小屋を建てて門番に残っている。ハバキをすごく恨めしそうな顔で見送っていたのがちょっと面白かった。
「おぉ!マサル殿。久しいというほどではないがよく参られた。それでそのビンが新しく発掘された酒か?」
俺とマリアが立って迎えた領主のヨーセフが目ざとくテーブルの上に並べて置いたワインの瓶を見てとても嬉しそうな顔を見せた。
「一応生活の基盤を整えるためにも先立つものが必要になりましたもので、まず話を持って行くのであれば領主様の元へと思いこちらをサンプルとしてお持ちしました」
テーブルには赤ワインが3種類、と白ワインが2種類、スパークリングワインとシャンパンが各1種類ずつ置いてある。
「ずいぶんと見た目にも華やかなものが多いが…これはこの間飲んだ食前酒と比べてどのような違いがあるのだ?」
テーブルをはさんでソファーに腰を落ち着けて手振りで俺達に座るように促してきたのでマリアにうなずいて一緒に座る。
「この間ヨーセフ様にお飲みいただいたシャンパンと似たテイストのものはこちらになりますが、若干お値段は下がります。金額的には大体半額からもう少し低い程度でしょうか。そしてこちらの赤ワインと白ワインに関しては似た様な金額の品となります。それとこちらのワインはこの間飲まれたものよりも少し軽いテイストのワインでして好みが分かれますが、どちらかと言えば女性に好まれるテイストの品となります」
「ほうほうそれは良いな。ちなみに…これらは試飲可能か?」
「一応お飲みいただいて問題ありません。これらは味を確認していただく為に用意した物です」
「ハバキ!」
「はい。確認しますので少々お待ちください。マサル、これにはどんな温度で何をつまみにしたら合うんだ?」
こいつには少し前からいろんな酒を飲ませてきたから冷やした酒がうまい事を知って味を占めた様だ。
「そうだな、赤は常温で肉系、白は冷やして魚系だな。シャンパンは根菜類の煮ものとかが合うって言われてるが、酒にはチーズがあれば十分って話もある」
「よっし。そこの侍女!チーズと干し肉と今話していた料理をすぐに用意してくれ」
ハバキが壁際に立つ女性に指示を出し、さっそくナイフでワインの封を切り腰のふんどしに引っ掛けてぶら下げていたワインオープナーを使って栓を抜くとキュッという音の後にポン!って感じの軽い音がした。
「ハバキ、その機械はマサル殿にもらったのか?」
「えぇ、このあいだの味が忘れられなかったものでお願いして一ついただきました」
イイ笑顔のハバキと気に入らない感じの顔をするヨーセフ。どうもこの世界の貴族というのは感情を顔に出さないのを是とする価値観を持ってる訳ではない様だな。
ワインをグラスに注ぎソムリエみたいに色を見たり匂いを嗅いだりしてるハバキを見てるととても毒見をしている様には見えない。気に入ったワインを開けてテイスティングしているワイン好きのおっさんって感じだ。
ドアがノックされて干し肉とチーズを盛った台座付きの皿を侍女が持って入って来るのと共に、なぜかヨーセフの奥さんのヴィルヴァさんが入ってきた。
「あなた、話は聞きましたよ?なんでお呼び下さらなかったのですか?」
「なんだお前も来たのか。まぁあれだ、一応これは商談だから、その方をわざわざ呼ぶ必要はないと考えたまでだ」
「美味しいお酒が持ち込まれていると聞きましたよ?このあいだ一緒に味わっておいて今回は自分だけで楽しむというのはさすがに悲しいではありませんか。という訳で私もご相伴に預からせていただきますね。さぁ料理をテーブルへ」
奥方がヨーセフさんに有無を言わせず場を取り仕切り始め、どんどん料理が運び込まれてきた。そしてあっという間に試飲の場が整った。
「なるほどなるほど。これはまた味わい深い…」
「芳醇な香りと濃い風味と何とも言えない味わいですね」
「確かに素晴らしい味だ。これであれば王室に贈答品として送っても満足してもらえるだろう」
ハバキがワインを一口ずつ飲んでその5感を共有したヨーセフさんとヴィルヴァさんがワインをそれぞれ口にして楽しみ始めた。その後次々とハバキが赤ワインを試飲して、手酌でグラスに注ぎ楽しみ出す領主夫妻。
「もう4種類ほど試飲してもらうお酒があるので飲み過ぎないでください」
「おぉそうであったな。あと残っているのは白いワインとこの間飲んだ食前酒と似たような酒と軽いテイストの酒と言っておったな。ハバキ、急げ!」
「了解しました!」
言ってる事はなんとなく味見や確認と言えそうな気がするが、赤ら顔の領主夫妻を見ていると、単に酒を飲んで楽しんでいる仲の良い夫婦にしか見えない。
奥さんのヴィルヴィァさんの胸元が赤く色づいてなんともはや…ヒッ!?一瞬今すごい殺気のような何かを感じた気がしたが?マリアの方を見ると一瞬視線が合った気がしたが、目をそらされた。
?
その後白ワインとシャンパンとスパークリングワインの試飲が行われ、シャンパンとスパークリングワインは奥様が言い値で買うと宣言して部屋から退出して行った。だいぶ酔っていたみたいなので少し気になったが…
「それでは金額の選定に掛かるとするか。マサル殿が用意してくれた酒に関しては全てを領地の金で買い上げる事とする。数量に関してはどの程度が見つかっているのだ?」
ヨーセフさんが身を乗り出して聞いてくる。一応マリアの持っているタブレットPCに内容物の詳細を画像で記録して持って来ていたのでそれを確認しつつ、口頭で説明。
「その数であれば領主館で5年間必要とされる酒の量を超えるな…これは分割で購入する事は出来るか?年に決まった数量を搬入してもらうと言った感じになるが」
「コンテナの中に置いておく限りは特に問題ないと思いますが、問題になるのは船の電源がロストした場合です。その状態では味が保証できなくなります」
「それはハバキから聞いていた船に必要な燃料が原因という事だな。確か石油という天然資源を元に作り出せるかもしれないと聞いていたが、その辺りの話は進んでないのか?」
「はい。一応研究班を立ち上げてサンプルとして大黒丸より燃料を運び込み確認させていますが、原料になる石油というものが見つかっていない為まだほとんど目途は立ってない様です。それとサンプルとマサルから聞いた石油のイメージを元に王国の各地に飛天翔族の連絡員を飛ばして情報収集に当たらせていますが、そちらはまだ誰も戻ってきておりません」
「今のところは何とも言えぬか…では、できる限りの酒を保存状態の良い環境に移動させておいて、金額は毎年使用分を支払うという事でどうだ?」
「そうですね。燃料問題が解決すれば必要のない施設になるかもしれませんが、使用分を期限を決めて支払ってもらう契約であればこちらとしても問題ありません」
ヨーセフさんが手を差し出してきたので握手をして話は終わった。
「とりあえずマサルとマリアが生活するのに必要な金銭に関して俺が一括で支払っておいてその金額を酒の販売額から天引きという感じに処理する様に話が決まったので、買い物には私か大黒丸に常駐する者達を連れて行って払わせてくれ」
「それはいいが、金額的にはこの年間平均支払予定額の大金貨5万枚ってのはどのぐらいの物が買えるんだ?」
「そうだな…私がもらっている賃金が大体年に大金貨8千枚程度なので、マサルとマリアが2人で生活するのであれば一等地にそこそこ大きな家を買って使用人を10人ぐらい入れて優雅に暮らせる感じの金額だな」
「思った以上に高く買ってくれたようだな」
「そりゃぁな。あの味ならば外国からわざわざ至高級の酒を買い付ける必要が無いから、そっちでかかっていた金額を全て回したんじゃないか?それにあの酒の味は今回飛天翔族の連中に国中に伝える様に指示してあったから、それだけでも十分に価値が上がって、かけた金額以上の何かを領主は手に入れると思うぞ」
なるほどね、石油を探させるついでに今回手に入れた酒の味をサンプルを持たずに5感情報の共有で知らしめるような事をするか。やっぱり俺達の為だけに骨を折ってくれているという訳ではなかったか。
ひとまず奴隷を買う資金に関しては目途が立った。そんなわけでさっそく俺達は奴隷商の元へと足を運んだ。
「ここが奴隷商かぁ…」
なんかイメージでは刺々しいというか物々しいというかけばけばしいというか…そんな本能に何か語り掛けてくる様な建物を想像していたが、至ってシンプルと言いますか…
「言われないとここに奴隷が売ってあるとか分からないね」
「ほんとにな」
「そうか?私には奴隷商らしい建物に見えるが」
ハバキには俺達には見えてない何かが見えてるみたいだ。
「とりあえず入るか」
俺の言葉を聞いてハバキが奴隷商の建屋のドアに近付いて門番らしき者に話をしたらその人が建屋の中に消えて行った。
少しして出てきて、「主人がお待ちしております。お入りください」と言ってまたそれまで立っていた所に戻って動きを止めた。
「あの人も奴隷なのかな?」
「かもしれないな」
3人そろってドアに入ると少し広い空間に一人の男が歩いて近づいてくるのが見えた。
「いらっしゃいませ。うちで扱っている商品をお求めのお客様は…?」
「こちらのマサル様が奴隷をお求めだ」
「そうですか。かしこまりました。私は奴隷商を営んでいるゴドウィンと申します。それでどのような奴隷をお求めでしょうか?家事をさせるのか、護衛をさせるのか、閨の相手をさせるのか…?」
男は案内する様に先に歩き、俺達をそこそこ整った調度品の多い部屋に連れて行った。
「そうだな、とりあえず掃除など、家事全般が出来そうな人を5名ほどと…そんなものか?マリアは何か要望無いか?」
「要望って言われても…ご飯はマサルが作るんでしょ?それに洗濯物は船の洗濯機に入れるだけであとは回収するだけなんだから自分で出来るし…だったら掃除してもらえるだけで十分じゃない?って言うかどこまで掃除してもらう気なの?まさか船の全部じゃないのよね?」
「あぁそうか…船の中も放っておいたら汚くなるか…あの船全体を掃除させる人員…」
「マサル、魔法が使える奴隷であればあの船をキレイにするのはそこまで人を必要としないぞ。10人も必要無い。魔法が使えない人にさせるのであれば恐らく…20人か30人ぐらいいないとすべてを綺麗に出来ないかもしれないが」
「そうか…それであれば…月に一回程度人を雇って船全体を掃除する形にして、俺とマリアとハバキ達の住む辺りを重点的に綺麗にしてもらう子を5名って所でいいか?」
マリアが俺を見てうなずいた。
「先ほど船と言われてましたが、もしかしてうわさで聞く先日街の近くに移動してきた大型船がマサル様のお住まいという事でよろしいのでしょうか?」
「あぁ。そうだが?」
「それであれば少しは戦う術を持つ奴隷をお買い求めになられた方が良いのではないかと存じますが…」
なるほど、この認識があるから平民を下働きに雇えないと。奴隷商が戦力になる奴隷を提案する程度には危険な場所だと思われているのが分かる。
「それに関しては気にしなくてもいい。兵士が5名常駐する事になるのでネームレス対策もモンスター対策もこちらで行う」
「そうですか。それであれば安心ですね」
ゴドウィンは、奴隷の生活環境を少しばかり気にしてる感じの言い方をしてる。人間を商品として扱うならば割り切った対応をしそうだが、そんな反応があまり感じられない。
「とりあえずどんな奴隷が居るのか見せてもらってもいいか?」
「もちろんです。ですが…お嬢様には少しばかり刺激の強い姿の者たちも居ますので、できればこちらでお待ちいただいた方が良いかと思われますが…」
マリアを見てちょっと下品な顔を見せた奴隷商のゴドウィン。
俺の期待値(性的興奮レベル)がちょっと上がったのはしょうがないよね?
「そんな訳で、大黒丸が俺達の住む家として使える様になった訳なんだが…マリア、どうする?」
「そんないきなりどうするって聞かれても…」
船を動かすまではかなりの沖合に大黒丸があったため、盗難の危険があるとしても港周辺を管理している者たちで対処できるとの考えで街に移住する事を予定していたが、大黒丸が街の港から直線距離で200m程度の所まで移動してきたとなれば誰も居ない状態には出来ない。勝手に船に上がって荷を漁る様な連中が出てくる事が予想されるからだ。そんな理由から俺達は大黒丸に住む事にした。
「一応俺とハバキとラルクアとセルビスがこの船に常駐する様に話が進んでいるが、マリアは男ばかりの場所に一人いるってのがあまり良くない気もするんだ。だからもし望むならば街に住む所を用意してマリアにそっちに住んでもらって、たまに俺が顔を出す感じにする事も出来るが、どう思う?」
「…一人で住むってのはちょっと怖いかなぁ」
「そうか!じゃぁ俺達と一緒に大黒丸に住んでマリアに専属の侍女みたいな奴らを用意して生活する感じに準備してみるか?」
「侍女って…んー…一応これまで一人で何でもしてきたんだから、そんな人とか必要無い気がするんだけど…」
マリアは人が常にそばに居るのがあまり好きではない様だ。
「一応これからはこっちの価値観でマリアも見られるようになるから、できるだけ人が世話をする状態に慣れておく方が良いと思うが、そんなに嫌か?」
「んー…絶対とまではいわないけど」
「じゃぁそうだな。街の貴族がいつも連れ回す様な連中だとさすがに気詰まりだろうから、俺達の住む部屋周りを管理するしっかりした人と、普通の使用人辺りをここに受け入れる感じで始めてみるか?」
「この間見た領主のお嬢様達に付いていた人みたいに介護でもしてそうな感じに付きまとってこないなら…まぁ?」
「おっし。じゃぁ今日このあと領主館に行ってその後で奴隷を見に行こう」
「奴隷?!そんなのダメじゃないの?いいの奴隷とか?」
「一応ファウストの街では特に違法って訳ではないらしいぞ。どこから連れてこられたのかまでは定かではないが、家の下働きを任せられる人材を確保するなら今の俺達には奴隷ぐらいしか選択肢が無いって話でな」
マリアは俺の説明を聞いても奴隷という存在にそこそこ強い拒否感を持っている感じだった。
一応ファウストの街では下働きの人を平民に求める事は可能らしい。だが、それにはある程度の期間に賃金を払う必要がある為、それを俺達が用意できるようになっていないと話にならない。そんなわけで、今現在の人員の確保の方法としては、一時的に船の積み荷を売っぱらい、その金額で住む所と食事を提供しつつ、安価に揃えられる奴隷を集めるのが無難という話であった。
それと、それ以外にも問題がある。暗所に湧くモンスター。人の大勢居る環境に大黒丸が近付いたので、湧くモンスターの問題自体はある程度改善されてほとんど無くなったのだが、絶対に湧かないとは言えない感じらしい。それと少し前までネームレスが居た場所という話は今現在街に広く伝っている為、そんな場所に仕事を求める人など居ないらしい。
その結果選択肢は奴隷一本となった。
そんな訳で、俺達はまず、領主の館に向かう事になった。積荷の中から手に入れたワインをそこそこ大量に抱えて。ちなみにラルクアとセルビスは大黒丸の浮き桟橋の上の辺りに小屋を建てて門番に残っている。ハバキをすごく恨めしそうな顔で見送っていたのがちょっと面白かった。
「おぉ!マサル殿。久しいというほどではないがよく参られた。それでそのビンが新しく発掘された酒か?」
俺とマリアが立って迎えた領主のヨーセフが目ざとくテーブルの上に並べて置いたワインの瓶を見てとても嬉しそうな顔を見せた。
「一応生活の基盤を整えるためにも先立つものが必要になりましたもので、まず話を持って行くのであれば領主様の元へと思いこちらをサンプルとしてお持ちしました」
テーブルには赤ワインが3種類、と白ワインが2種類、スパークリングワインとシャンパンが各1種類ずつ置いてある。
「ずいぶんと見た目にも華やかなものが多いが…これはこの間飲んだ食前酒と比べてどのような違いがあるのだ?」
テーブルをはさんでソファーに腰を落ち着けて手振りで俺達に座るように促してきたのでマリアにうなずいて一緒に座る。
「この間ヨーセフ様にお飲みいただいたシャンパンと似たテイストのものはこちらになりますが、若干お値段は下がります。金額的には大体半額からもう少し低い程度でしょうか。そしてこちらの赤ワインと白ワインに関しては似た様な金額の品となります。それとこちらのワインはこの間飲まれたものよりも少し軽いテイストのワインでして好みが分かれますが、どちらかと言えば女性に好まれるテイストの品となります」
「ほうほうそれは良いな。ちなみに…これらは試飲可能か?」
「一応お飲みいただいて問題ありません。これらは味を確認していただく為に用意した物です」
「ハバキ!」
「はい。確認しますので少々お待ちください。マサル、これにはどんな温度で何をつまみにしたら合うんだ?」
こいつには少し前からいろんな酒を飲ませてきたから冷やした酒がうまい事を知って味を占めた様だ。
「そうだな、赤は常温で肉系、白は冷やして魚系だな。シャンパンは根菜類の煮ものとかが合うって言われてるが、酒にはチーズがあれば十分って話もある」
「よっし。そこの侍女!チーズと干し肉と今話していた料理をすぐに用意してくれ」
ハバキが壁際に立つ女性に指示を出し、さっそくナイフでワインの封を切り腰のふんどしに引っ掛けてぶら下げていたワインオープナーを使って栓を抜くとキュッという音の後にポン!って感じの軽い音がした。
「ハバキ、その機械はマサル殿にもらったのか?」
「えぇ、このあいだの味が忘れられなかったものでお願いして一ついただきました」
イイ笑顔のハバキと気に入らない感じの顔をするヨーセフ。どうもこの世界の貴族というのは感情を顔に出さないのを是とする価値観を持ってる訳ではない様だな。
ワインをグラスに注ぎソムリエみたいに色を見たり匂いを嗅いだりしてるハバキを見てるととても毒見をしている様には見えない。気に入ったワインを開けてテイスティングしているワイン好きのおっさんって感じだ。
ドアがノックされて干し肉とチーズを盛った台座付きの皿を侍女が持って入って来るのと共に、なぜかヨーセフの奥さんのヴィルヴァさんが入ってきた。
「あなた、話は聞きましたよ?なんでお呼び下さらなかったのですか?」
「なんだお前も来たのか。まぁあれだ、一応これは商談だから、その方をわざわざ呼ぶ必要はないと考えたまでだ」
「美味しいお酒が持ち込まれていると聞きましたよ?このあいだ一緒に味わっておいて今回は自分だけで楽しむというのはさすがに悲しいではありませんか。という訳で私もご相伴に預からせていただきますね。さぁ料理をテーブルへ」
奥方がヨーセフさんに有無を言わせず場を取り仕切り始め、どんどん料理が運び込まれてきた。そしてあっという間に試飲の場が整った。
「なるほどなるほど。これはまた味わい深い…」
「芳醇な香りと濃い風味と何とも言えない味わいですね」
「確かに素晴らしい味だ。これであれば王室に贈答品として送っても満足してもらえるだろう」
ハバキがワインを一口ずつ飲んでその5感を共有したヨーセフさんとヴィルヴァさんがワインをそれぞれ口にして楽しみ始めた。その後次々とハバキが赤ワインを試飲して、手酌でグラスに注ぎ楽しみ出す領主夫妻。
「もう4種類ほど試飲してもらうお酒があるので飲み過ぎないでください」
「おぉそうであったな。あと残っているのは白いワインとこの間飲んだ食前酒と似たような酒と軽いテイストの酒と言っておったな。ハバキ、急げ!」
「了解しました!」
言ってる事はなんとなく味見や確認と言えそうな気がするが、赤ら顔の領主夫妻を見ていると、単に酒を飲んで楽しんでいる仲の良い夫婦にしか見えない。
奥さんのヴィルヴィァさんの胸元が赤く色づいてなんともはや…ヒッ!?一瞬今すごい殺気のような何かを感じた気がしたが?マリアの方を見ると一瞬視線が合った気がしたが、目をそらされた。
?
その後白ワインとシャンパンとスパークリングワインの試飲が行われ、シャンパンとスパークリングワインは奥様が言い値で買うと宣言して部屋から退出して行った。だいぶ酔っていたみたいなので少し気になったが…
「それでは金額の選定に掛かるとするか。マサル殿が用意してくれた酒に関しては全てを領地の金で買い上げる事とする。数量に関してはどの程度が見つかっているのだ?」
ヨーセフさんが身を乗り出して聞いてくる。一応マリアの持っているタブレットPCに内容物の詳細を画像で記録して持って来ていたのでそれを確認しつつ、口頭で説明。
「その数であれば領主館で5年間必要とされる酒の量を超えるな…これは分割で購入する事は出来るか?年に決まった数量を搬入してもらうと言った感じになるが」
「コンテナの中に置いておく限りは特に問題ないと思いますが、問題になるのは船の電源がロストした場合です。その状態では味が保証できなくなります」
「それはハバキから聞いていた船に必要な燃料が原因という事だな。確か石油という天然資源を元に作り出せるかもしれないと聞いていたが、その辺りの話は進んでないのか?」
「はい。一応研究班を立ち上げてサンプルとして大黒丸より燃料を運び込み確認させていますが、原料になる石油というものが見つかっていない為まだほとんど目途は立ってない様です。それとサンプルとマサルから聞いた石油のイメージを元に王国の各地に飛天翔族の連絡員を飛ばして情報収集に当たらせていますが、そちらはまだ誰も戻ってきておりません」
「今のところは何とも言えぬか…では、できる限りの酒を保存状態の良い環境に移動させておいて、金額は毎年使用分を支払うという事でどうだ?」
「そうですね。燃料問題が解決すれば必要のない施設になるかもしれませんが、使用分を期限を決めて支払ってもらう契約であればこちらとしても問題ありません」
ヨーセフさんが手を差し出してきたので握手をして話は終わった。
「とりあえずマサルとマリアが生活するのに必要な金銭に関して俺が一括で支払っておいてその金額を酒の販売額から天引きという感じに処理する様に話が決まったので、買い物には私か大黒丸に常駐する者達を連れて行って払わせてくれ」
「それはいいが、金額的にはこの年間平均支払予定額の大金貨5万枚ってのはどのぐらいの物が買えるんだ?」
「そうだな…私がもらっている賃金が大体年に大金貨8千枚程度なので、マサルとマリアが2人で生活するのであれば一等地にそこそこ大きな家を買って使用人を10人ぐらい入れて優雅に暮らせる感じの金額だな」
「思った以上に高く買ってくれたようだな」
「そりゃぁな。あの味ならば外国からわざわざ至高級の酒を買い付ける必要が無いから、そっちでかかっていた金額を全て回したんじゃないか?それにあの酒の味は今回飛天翔族の連中に国中に伝える様に指示してあったから、それだけでも十分に価値が上がって、かけた金額以上の何かを領主は手に入れると思うぞ」
なるほどね、石油を探させるついでに今回手に入れた酒の味をサンプルを持たずに5感情報の共有で知らしめるような事をするか。やっぱり俺達の為だけに骨を折ってくれているという訳ではなかったか。
ひとまず奴隷を買う資金に関しては目途が立った。そんなわけでさっそく俺達は奴隷商の元へと足を運んだ。
「ここが奴隷商かぁ…」
なんかイメージでは刺々しいというか物々しいというかけばけばしいというか…そんな本能に何か語り掛けてくる様な建物を想像していたが、至ってシンプルと言いますか…
「言われないとここに奴隷が売ってあるとか分からないね」
「ほんとにな」
「そうか?私には奴隷商らしい建物に見えるが」
ハバキには俺達には見えてない何かが見えてるみたいだ。
「とりあえず入るか」
俺の言葉を聞いてハバキが奴隷商の建屋のドアに近付いて門番らしき者に話をしたらその人が建屋の中に消えて行った。
少しして出てきて、「主人がお待ちしております。お入りください」と言ってまたそれまで立っていた所に戻って動きを止めた。
「あの人も奴隷なのかな?」
「かもしれないな」
3人そろってドアに入ると少し広い空間に一人の男が歩いて近づいてくるのが見えた。
「いらっしゃいませ。うちで扱っている商品をお求めのお客様は…?」
「こちらのマサル様が奴隷をお求めだ」
「そうですか。かしこまりました。私は奴隷商を営んでいるゴドウィンと申します。それでどのような奴隷をお求めでしょうか?家事をさせるのか、護衛をさせるのか、閨の相手をさせるのか…?」
男は案内する様に先に歩き、俺達をそこそこ整った調度品の多い部屋に連れて行った。
「そうだな、とりあえず掃除など、家事全般が出来そうな人を5名ほどと…そんなものか?マリアは何か要望無いか?」
「要望って言われても…ご飯はマサルが作るんでしょ?それに洗濯物は船の洗濯機に入れるだけであとは回収するだけなんだから自分で出来るし…だったら掃除してもらえるだけで十分じゃない?って言うかどこまで掃除してもらう気なの?まさか船の全部じゃないのよね?」
「あぁそうか…船の中も放っておいたら汚くなるか…あの船全体を掃除させる人員…」
「マサル、魔法が使える奴隷であればあの船をキレイにするのはそこまで人を必要としないぞ。10人も必要無い。魔法が使えない人にさせるのであれば恐らく…20人か30人ぐらいいないとすべてを綺麗に出来ないかもしれないが」
「そうか…それであれば…月に一回程度人を雇って船全体を掃除する形にして、俺とマリアとハバキ達の住む辺りを重点的に綺麗にしてもらう子を5名って所でいいか?」
マリアが俺を見てうなずいた。
「先ほど船と言われてましたが、もしかしてうわさで聞く先日街の近くに移動してきた大型船がマサル様のお住まいという事でよろしいのでしょうか?」
「あぁ。そうだが?」
「それであれば少しは戦う術を持つ奴隷をお買い求めになられた方が良いのではないかと存じますが…」
なるほど、この認識があるから平民を下働きに雇えないと。奴隷商が戦力になる奴隷を提案する程度には危険な場所だと思われているのが分かる。
「それに関しては気にしなくてもいい。兵士が5名常駐する事になるのでネームレス対策もモンスター対策もこちらで行う」
「そうですか。それであれば安心ですね」
ゴドウィンは、奴隷の生活環境を少しばかり気にしてる感じの言い方をしてる。人間を商品として扱うならば割り切った対応をしそうだが、そんな反応があまり感じられない。
「とりあえずどんな奴隷が居るのか見せてもらってもいいか?」
「もちろんです。ですが…お嬢様には少しばかり刺激の強い姿の者たちも居ますので、できればこちらでお待ちいただいた方が良いかと思われますが…」
マリアを見てちょっと下品な顔を見せた奴隷商のゴドウィン。
俺の期待値(性的興奮レベル)がちょっと上がったのはしょうがないよね?
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イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
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