楽園・ゲーム

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第一章 召喚前?

24 これってゲームだったのか?3/3

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コホン では…私達…あー…そう!神々があそ…えーっと…見守っている?で大丈夫かな?
そう?言い方間違ってない?

あ、そういう感じに言ったらもっと神々しくなるの?
わかった♡

コホン ではやり直します。

我々神が見守っているこの世界は今現在…

この字なんて読むの?
ひんじ?
ひんし?
あぁ、ありがと。

瀕死の状況に陥っている。
その瀕死の状況を回避する為には違う世界から救世主をしょう…

もうっ!これぐらい読めるわよまったく。

召還して世界を立て直さなければならないの。

清?…そう、あなたはこの崩れ行く世界を救う為に召還された救世主なのよ♡


最初、テラスちゃんが必死になって青い半透明ビューを睨みながら何か読んでいる風だったのでその説明をおとなしく聞いていたのだが、なんとなく翻訳でもしながらしゃべっている気がしたので席を立ち近付いて覗き込んで見たのだが…
テラスちゃんが必死になって読んでいたところに表示されていたのは、半年前ぐらいに暇を潰す為にネットレンタルで映画のビューを開いて何気なく見ていた時に、昔学生の頃に映画館で見た事のある映画を見つけて懐かしくなって最初のタイトルから網羅してしまったハリー・ポッターシリーズの映画の中で出てきた、巻いてあった羊皮紙の様な紙に日本語で文字が書いてあるのが見えた。
どうもテラスちゃんは日本語で書いてある文章を自分の理解できる言語に翻訳しながら読んでいるみたいだった。

テラスちゃんどうもひらがなとカタカナは問題無く読めるみたいなのだが、漢字の部分で少しばかり調べなければ読めないらしく何度も言葉が止まっていた。
途中めんどくさくなった俺はテラスちゃんの読めないかもしれない文章の辺りを小さな声で先行して読んであげていたのだが…

なんか…神として今ここに居るテラスちゃんが、そこに普通に表示されているあんちょこと言うかセリフ集と言うか…そんなのを読めないって言うのはおかしくないか?

「なぁテラスちゃんさぁ、なんでこの文字が読めないの?テラスちゃんって神様なんでしょ?神様って言うか女神様?」
「…だって、こんなに早く話が進むって思ってなかったからさぁ…翻訳システムがまだ私の言葉に対応できて無いんだもん。」
色気を振りまいている様に見えるスタイルの女性がまるで少女の様なモジモジな姿で上目遣いで告白してくるとか…

チョットだけ新しい扉が開きそうな気がした♡

「それってもしかしたらだけどメル…メルクリウスだったか?あいつが必要なイベントを無視して話を進めたのが原因って事?」
「…うん。あの子このゲー…えーっと」
「あぁ、このゲームって言っても大丈夫だよ?」
「そう?じゃぁ…あの子ってね?この楽園エデンゲームに最初から居るプレイヤーをサポートしてくれる従者なんだけどね?私さぁ~色々タイプが選べる所でちょっと勘違いしちゃったんだよね。」

どうもテラスちゃん…もうナチュラルにちゃん付けで呼んでるけど俺も彼女もまったくその事に違和感を感じないぐらいの距離感になっていたが…
このエデンゲーム?どうもテラスちゃんの種族の子供用の教育用ゲーム(話を聞く限りではオンラインで何かサーバーみたいな場所から情報を受け取って遊ぶタイプ)らしく、これを無事クリアできなければ大人と認識してもらえないような物らしい。

ちなみにテラスちゃんだが、本来であれば肉体を持たない精神生命体?そんな概念の生物らしい。
寿命はあるそうだが人の様に3次元世界に肉体を持たず、自分の宿る星を求めて宇宙空間を移動して先住者(同属)の居ない星を見つけたらそこに根付いてその星の生物の中から精神的に自分に近い感覚を持つ生物を選び、繁殖して次世代を増やしつつ生きていく様な生態を持つ種族らしい。

だから俺に神みたいな概念だと自己紹介したそうだ。
ちなみにテラスの名前の意味だが、俺の思った天照大神のテラスで正解だってさ。

「それで俺がエデンゲームに呼ばれてニナとソフィーを嫁さんに迎えて子供が出来た辺りであの村が災厄に襲われて全滅したらメルクリウスが使者として俺たちの所に来てここに案内されるってシナリオだったのか?」
「そうなの!だから私さぁ?ゲーム内で最低でも1ヶ月ぐらいは時間があると思ってたしぃ~清の使ってる言葉がちょっとめんどくさいけど3種類の文字が使われている辺りを個別に分解して理解すれば良いと思って少しづつ勉強進めてたんだけどさぁ…あのバカまったく!!」
段々と自分が子供な事を隠す気がなくなってきたテラスちゃんだった。

「うん、まぁでも…メルに関してはもう変えられないんだろ?」
「…うん。1回性格システムを組み込んだらもう変えられない。だってそれを変えるのって死ぬ事と一緒だから。」
ちなみに今回メルが俺の元に来たのはニナとソフィーが言葉を話せる様になっているかを確認するだけでニナ達から『何か妖精みたいなのが来て話をした』と情報をもたらすまでが予定だったそうだが、どうもメル…好奇心が強い性格の設定にしていたおかげで勝手に居座って俺に見られてしまったとかなんとか…
話を聞いてなんとなくだが、メルを使者に使った事自体が致命的な失敗だったのではないかと思った。

…どうもこのテラスちゃんの遊んでる…と言うか勉強してる?エデンゲームだが、人を管理する神様になれるゲームの体験版みたいな感じの様だな。

たぶんだが、テラスちゃんの種族的には星に存在する生物の中から自分の繁殖に必要な精神を持つ個体を育成する為に必須な知識が無い状態では試行錯誤を繰り返す必要があるのだろうが、それを情報共有せずに延々繰り返していたら種族としては繁栄できないと頭の良い奴が考えたらしく、こんな体験版ゲームを作って子供達にノウハウを学ばせる様な事をしてるって感じみたいだ。

「まぁある程度の背景は理解した。それで?俺はどこまでの事をすればいいんだ?」
「あ、そうだね。えーっとたしか…それなんだけど…ねぇ清?この目的リストを清に見せても良いのかなぁ?」
良いのかどうかを聞かれても困るが…
「ゲームっていうか教育用の教材みたいなものなんだろ?このエデンゲームってさぁ?だったらしたらダメな事って警告とか出るんじゃないのか?『これは禁止事項です』みたいに。」
「そうなのかなぁ…まぁじゃぁ…一応このエデンゲームだけどね…」

★目的リスト★
01.人を繁殖させる。
02.別の集団を作り交易させる。
03.狩猟生活から農耕生活への転換。
04.2次産業の発展
05.3次産業の発展
06.戦争の回避
07.宇宙進出
08.情報世界(箱庭)の構築
09.上位次元の理解者の誕生
10.子作り♡

とりあえずテラスちゃんが見せてくれたビューにはこんなリストがあった。


なるほど…だから村の壊滅から話が進むって訳なんだ。
「なかなかに先は長そうだな。」
「そうなのよぉ~でもね?私が今まで作った村で一応今の所…えーっと…05まではクリアしてるのね、でもさぁ、どうしても作った村どうしで戦争を始めちゃって次に進めなくってね。だから新しく清を召還したって訳なの。よろしくねっ♡」

軽く『よろしくねっ♡』とか言ってるけどさぁ…
「なぁテラスちゃん?この08位までなら俺の居た世界でも達成出来てるけど戦争は何度も繰り返してるよ?それに09とかさぁ…人には理解できないって言われてるんだけど…もっとほら、俺達よりも進化した奴とか呼べなかったの?」
俺とか呼び出せるシステムなら俺よりも精神的にもテクノロジー的にも進化した種族を呼び出せてしまいそうなんだが?

「それがねぇ…この新しく召還する人のリストがあるんだけどさぁ…最初は私も09まで達成してる奴を出したらあっという間にクリアできんじゃね?とか思って出したんだけどさぁ…あいつらって自分の生活している場所に有る物が何も無い場所では生きて行けないみたいなのよ。」
どうも何回かトライアルアンドエラーを繰り返してきたらしいテラスちゃんが言うには、文明が進んだ生物を何度か召還したそうだが、1週間も持たない奴ばかりだったらしい。
なんとなくだが人の居る世界でしか繁殖できないフレンチブルドッグとか羊もそうだったと思うが、最近の日本人も無人島などに放り出されたらそう長く生きていけないと思う。
その様な感じでより上位の項目をクリアしている生物と言うのは初期の段階では生存できないらしく、最後までギリギリクリア出来そうなのが俺みたいな奴だったらしい。

ちなみに新しく召還する人のランクは文明度で選べるそうで、俺が召還された時の設定項目は宇宙進出できてるレベルらしい。
なるほど…どうもまだ08の情報世界の構築までは行けてないみたいだ。

「さてと、一応目的は確認できたが、俺達はどこで繁殖して文明度を上げて行けば良いんだ?」
とりあえず説明が終わったので、テラスちゃんの傍に4人集って椅子に座った状態で聞いてみた。

「そうね、では♪そろそろあなた達が生きていく世界へ行きましょうか♡」
テラスちゃんそう言って元気良く立ち俺を見下ろしてきた。
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