楽園・ゲーム

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第三章 フベルト?

64 親の感覚ってこんな感じなのかなぁ…2/4

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そしてまた同じ缶コーヒーを飲んでる俺。
これそこまで好きじゃなかったんだけど…テラスちゃんもレテーナも俺の思考を読んでるはずなのになぜか特に何も気にしてない感じにこれ出してくれたけど…もしかしてだけど、俺今、軽~いイジメとか受けてたりするのか?
「そんな事はありませんよ?」
「そんな事を私がする訳が無いじゃない。なぁに?きよしってもしかしたら被害妄想の強い人って奴なの?」
「お前らだけが俺の心を読むのってさすがに良くない気がしない?」
イージーオープンエンドのプルタブを引いて飲み口を開け、コーヒー飲料を口に含むと毎朝仕事の前に飲んでいた記憶が蘇ってきた。

あ、そうだあの事聞いておかないといけないな。
「なぁテラスちゃん。あのスマホのリンクの時間なんだけどさぁ、もう少しだけ前に出来ないかな?」
「リンクの時間を変えたいの?」
テラスちゃんがレテーナと自分に同じ飲み物を出して優雅に飲みながら聞き返してきた。
「あぁ、あのゴッドバードの鳴き声っぽい音が出るもう少し前にリンクしなおしてくれたら助かるんだけどどうかな?」
毎度毎度あのゴキゲンな笑い声が鳴るのはちょっと…
「そうですか?まぁ清がそうしたいと言うならば変えても良いですけど?ではどのタイミングに変えるかを詳しく言って下さい。」
「詳しくと言われてもなぁ、そろそろ俺がこっちに来て…あー…3日ぐらい?4日経ったのかな?さすがにあの時に何をしたかって思い出せないんだけど?」
「そうなの?それなら少し待ってね。」
テラスちゃんが例の青い半透明の立体映像ビュー?たぶん俺の出せるインベントリに似た何かを見ながら少し指を動かしたら俺に見えていた景色が急に変わった。


『クワッ!クワックワッ!『ア~ハハハハハハッ♪』ギャーギャー『ア~ハハハハハハハッ♡』ホーホー』
気付いたら俺は日本のトット社製洋式便器に尻を出した状態で座ってスマホを片手に持ち画面を見ていた。
「おぉ?ここって…あの時か?」

…あれっ?

…テラスちゃんの反応が無い?

「おーい…誰か居ないのか~?」
「…なぁ佐藤さとう?お前その…何か悩んでるのか?何かあったのか?」
ドアの外から同室の他部署で係長をしている黒田くろだが声をかけてきた。
「えっ?あっ…あー何でもない。ちょっとその…あぁほら、そうだ、SNSに変な書き込みがあったから思わず声に出して読んじゃっただけなんだ。悪い。」
「そうなのか?まぁそれなら良いけど…」

やっべぇ…そう言えば俺、ここでSNSのコラ動画見てて黒田に心配されたんだった。

でも、あの時の黒田って確か…俺が個室から出た時に声をかけて来たはずなんだが…?
これってあの瞬間を思い出してるって訳ではないのか?

まぁいっか。

とりあえずこのトイレに居た時間帯はちょっとよろしくない感じだな。だとすれば…俺のスマホのWi-Fi接続が切れて、データが更新されなくなった状態であまり動いてない時間帯をもう一度探す必要があるって訳か。
まぁでもこの後俺はいつも通り自動販売機であの缶コーヒーを買って自分の机の所に戻るだけか。
特に何も考えずに自動販売機の所に行き財布を尻ポケットから出し、小銭を出してコーヒーを買ったのだが…何か違和感を感じた。

俺そう言えばこの時…小銭が無かったから1000円札を使って買ったはず。
もしかしたらこの今って…あの時とは違ってるって事?

それにしてもテラスちゃんもレテーナも何も言って来ないけど…俺、このまま待ってたらいいのかなぁ…
俺は小さな違和感を感じつつも自分の机まで戻り引き出しの中に入れっ放しにしていた小銭の貯金箱に財布の中に入っていた500円玉を3個入れた。

そして、貯金箱に張られていた付箋に小さく俺宛のメッセージが書いてあった事に気付いた。

『次の時間リンクは車を駐車場に入れた時に。それとこの時間はあいつらには見えてないから今後も気付かれるな。清』

これは…何?…あいつら?そう言えば朝車を駐車場に入れた時も少しだけ早く着いたから時間をつぶしたか。
あのトイレに行った時間と大差無いぐらいの時間車の中に居たと思う。

これ…もしかしたらだが、俺、ここに何度も来る事になるのか?
こんな付箋とか自分で書いた記憶が無いんだが。

考えていたら目の前の景色が急に切り替わった。

「どう?清?思い出せた?」
目の前に座ってるテラスちゃんが聞いてきた。
「えっ?あぁ思い出せたって言うか見てきたって言うか…あれ何が起きたの?」
「今清が見てきたのは清の経験した時間の追体験なんだけど、たぶんまったく同じ事を経験してないと思うわ。清は今一番存在する可能性の高い世界を見てきたって感じかな?」
「一番存在する可能性の高い世界?」
それって…過去が変わったって感じなのか?
「清はまだ上位次元の理解度が足りてないから分からないかもしれないけど存在する次元の位置によってその下の次元は見え方が変わるわ。」
見え方が変わるとか言われてもなぁ…んっ?なぁテラスちゃん?聞こえてないの?…あれっ?レテーナ??

俺が2人に心の中で問いかけてもまったく反応が無い。

「なぁテラスちゃん、今ってもしかしたら俺の心を読んで無かったりする?」
「そうよ。さっき清が『苛められてる?』みたいに考えてたからここでは考えてる事を読まない様にしたの。これなら大丈夫でしょ?」
ほんとに?

よっし…こんな時に使えるのはサトリ撃退法だよな♡


俺はテラスちゃんとレテーナの体を陵辱の限りを尽くす勢いで妄想してみた♡



…大丈夫かな?



とりあえずこんな妄想を見せられたらどんな女でも激怒って感じの追加燃料を投下♡




…大丈夫…そう?………だな。


「了解。本当みたいだな。」
「そう言えるって事は、もしかしたら私とレテーナを使ってとんでもない想像でもしたのかしら?」
「キヨシの考える事って少しばかり変質的な事が多すぎますので見えなくて正解かもしれませんよ、テラス様。」
「レテーナも酷いなぁ、俺が二人を使って穴姉妹にする様な想像とかする訳無いだろ?少しは信用してくれないかな?」
「…そう。私達は清の頭の中でそんな感じになってるのね。」
「キヨシは…まったく。」

あっ…ばれた?
どうも今までが考えてる事を読まれるのがデフォルト状態だったおかげでなんとなく声に出して言っちゃってた?
それにしても…俺っていつからこんなふうに心を読まれる事に慣れたんだ?
昔の俺…生前の俺なら恥ずかしくてこう…頬を染めて俯くぐらいの事はしてそうな気がするのだが…♡
やばい、たぶん変な感じに喜んでる俺がいる。

もう少し気を引き締めていこう♪

「コホン。とりあえずそうだな、話を戻そうか。スマホのリンク時間の変更に関してだが、今までリンクしていた時間から…20分ぐらい前に車に乗ってた時に動いてなかった時があるんだけどそこらへんとかどう?」
「ちょっと確認してみるわね…ふーん…そう。ここなら…まぁ、大丈夫みたいだけど…」

んっ?何かちょっと気にしてる感じか?

「確かあのトイレの後って追体験のおかげで思い出せたんだけど、すぐに打ち合わせで移動したはずなんだ。」
「…まぁそれなら清の言った所に設定してみましょうか。」
テラスちゃんは少しの間俺に訝しんだ感じの視線を向けていたが、すぐに青い半透明の立体映像ビューに視線を向けてその上で手を少し動かしながら独り言を言う感じに答えてくれた。

「…これで大丈夫だと思うわ。出して確認してみて。」
テラスちゃんに言われるままインベントリの収納からスマホを取り出したら軽快な感じにドラムの音が鳴り、音楽が流れ始める。

『~~僕らの常識♪非常識♪フワッ♡フゥワッ♡』

「そう言えば俺、車の中ではこいつを車のオーディオにつなげて音楽流してたなぁ…なぁテラスちゃん、これってもう少し後に変更できない?」
「そんなに何度も続けて変更は出来ないの。それにその音楽が止まる時ってどれ位の時間があるの?それによってはうまく合わせられないかもしれないわ。」
「音楽を消す時かぁ…たぶん車を降りる少し前だから俺が歩き始める10秒前とか?」
「無理。そんな短い時間だとリンクさせられないの。ん~~…だとしたら、とりあえずそうねぇ…あぁフベルトの死ぬ時で良いかな。もう一回こっちに清もフベルトも呼ぶからその時にもう一回設定しましょう。清をもう一回あの時間帯に移動させるからそのスマホをまったく動かさない状態にしてせめて5分ぐらい同じ位置に置いたままにしておいて。」
とてもめんどくさそうな顔をしてテラスちゃんが言ってきた。
「とりあえずそれは次にこっちに来た時に言ってくれる?俺たぶん忘れるから。」
「まぁ良いわ。清って本当に何度やっても同じことをまったく…」
テラスちゃん手元を見ながらブツブツと独り言を言いながら何か作業をしてるみたいだが…『何度やっても同じことを』ってどういう意味なんだろ??

まぁ良いだろう。今考えても何か答えが手に入る訳でも無さそうだし…
俺がテラスちゃんを見てたらレテーナが俺の方を瞬きもせずに見てた。

まぁ何にしても今はフベルトの話だな。とりあえず頭を切り替えよう。
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