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第五章 追跡?
120 記憶を探る方法2/5
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ホテルの専用駐車場に車を入れてフロントに向かうと佐々木君が待っていてくれた。
服装は仕事の時によく着ているリクルートスーツより少しだけ大人の雰囲気を感じさせるグレー系色のスーツ姿。
佐々木君が俺の顔を見て笑顔になり、俺に近付いて来ようとした時に急に足を止めた。
「えっ?!…その子がなんでここに?」
そう言えば佐々木君はあの映像を見てるのだから司ちゃんの事を知っていてもおかしくないか。
「この子は俺が保護する事になった司だよ。佐々木君はこの子の事を知ってるよね?」
俺の後ろに3人並んで着いて来た司ちゃんと忍さんと萌歌さんを見て3人の中の司ちゃんを最初に認識して反応した佐々木君だが、すぐに残りの2人の素性にも気づいたらしく、ハッとした顔になり、俺から2歩ほど下がって考え始めた。
たぶん今俺に着いて来た女性3人を見た佐々木君の中で、俺の立ち位置が黒田の側に動いたと確定したはず。
このまま逃がしたら、もし今佐々木君があのUSBメモリーを持っていたとしても必ず捨てる。
それだけは何とかして止めなければならないので…よし。
「佐々木君。まず先に話をしておいた方が良いと思うよ。君が持ってる物は黒田には絶対に渡してはいけないし、もし紛失でもしてしまったらもう君を守る物がなくなってしまうよ。」
俺の言葉を聞いて佐々木君は自分の胸の頂点より少し上の辺りを最初に押さえて、そしてそのまま手を滑らせて胸の膨らみの下辺りで手を止めた。
と言う事は、最初に押さえた辺りに内ポケットの入り口があって手が止まった辺りにUSBメモリーがありそうだな。
ここで俺が彼女に急に近付いたりしたら、佐々木君は過剰反応を見せて叫んで助けを呼んだり逃げたりするかもしれないので、俺はひとまず3人にこの場に止まっている様に手で合図をして、ゆっくりと佐々木君に近付いた。
佐々木君が俺を見る目に恐怖の感情を見せている気がする。
早めに少しだけでも彼女が安心できる様な情報を渡しておかないと逃げるな…佐々木君のパーソナルスペースを侵さない距離を見極めながらゆっくり近付いて話しかけてみた。
「詳しい説明は後でするが、俺は、今君が持ってるそれを手に入れる事が出来たら、黒田の側に着く必要がなくなる。そしてそれは君にとってもメリットがある話のはずだ。君は今黒田にかなり追い込まれてないか?実は俺も昨日から今日にかけて黒田に嵌められそうになった。だから佐々木君が今どんな状況に陥ってるのか少しぐらいは想像できる。もし良ければ話だけでも聞いてみないか?」
自分と同じ様な状況に追い込まれた人との認識を持ってもらえたら、佐々木君は俺の話を聞く辺りまでは受け入れられると思うが…
「佐藤さんはでも…本当に黒田さんの陣営に取り込まれてる訳じゃないんですか?」
もう少しかな…
「実は俺のとある映像が黒田の手元に渡ってしまってね。それに対抗する為に君の持っている映像が絶対に必要なんだ。黒田がどんな感じに手駒を増やしたかは君は部長の所で確認した事があるんじゃないか?」
ここまで言えばあの映像に近い状況の映像を黒田が持ってる事が理解できるだろう。そして俺がそれに対抗する為にも、あの、黒田と高円寺専務と宇野君が映っている映像が必要なのも理解できるはずだが…ここで佐々木君が黒田の為にその情報を消そうと考えて俺がそんな事を言ってると思われたら逆効果になりかねないのでもう一押し必要だな。
「ちなみに一緒に来てる女性2人は司の治療の為に黒田が用意した医者とその助手の人だが、彼女達は今現在黒田の側から俺に乗り換えてくれたよ。」
振り向いて忍さんと萌歌さんを見ると2人とも少し恥ずかしそうにモジモジしながら頷いてくれた。
…その反応は少しまずくないか?君達は俺の足を引っ張りたいのか?
今の2人の反応を男が見れば、80%以上の奴らが『あー…あいつらチンポで落とされてんなぁ…あの男今すぐ死なねぇかなぁ…』って考えてしまう様な動きだったぞ?
「そうですか…3人全員が佐藤さんの…虜になってしまったのですね…」
なんとなくだが、佐々木君にも似た様な事を思われてしまったかもしれない。
今、佐々木君…俺の下半身に一瞬視線を向けたよね?
まずいなぁ…
「彼女達のそっち側の話はまた別の話だろ?今は君の安全に関する話をする為にここに来たんだ。どうだろう?少し他の人の居ない場所で話をしてみないか?」
こんなに人畜無害な俺を花壇に咲いてる花の枝に着いてるイモムシでも見る様な目で見なくても良いんじゃないか?
「…佐藤さんは童貞だと思ってたのに失望しました。でも…こちらへどうぞ、一応部屋を取ってますので。」
佐々木君にとっては俺は童貞じゃなければ価値が無かったのか?
「一応自分の名誉の為に言っておくが、俺は大学に通っていた頃に1人の女性と付き合っていたからね?彼女達としてなかったとしても童貞ではなかったからね?そこん所しっかりと理解しておいて欲しいのだが…」
俺…なんで女4人が一緒に乗ってるエレベーターの中でこんな釈明をさせられてるのだろうか?
「って言うか佐々木君は俺の情報を部長の所で色々確認したんだろ?だったら俺が大学の頃に付き合っていた人が居た事ぐらい知ってるだろ?」
「えっ?なんでその事を?」
佐々木君が少しばかり驚いた感じに俺を見上げてきた。
「なんでって…」
あぁ、そう言えば佐々木君が俺の情報を部長の所で確認したのを教えてくれたのは…そうか、前のループの時だったか…
「まぁほら、俺には俺だけの情報源があるから。そこらの事も部長の所で色々確認したんじゃないのか?」
なんとなくだが、俺って時間を何度も繰り返してこんな感じに口を滑らせてきたんだろうなぁ…そしてその都度うやむやにしつつ誤魔化してきた事で、俺のバックに何やら妙な情報源があるらしいと言った黒田や部長の評価に繋がってるんじゃないかって気がしてきた。
だとすれば俺が覚えてない過去10年程度の間の2年毎の長期休暇や俺が1年程度行方不明になった事が、何かの理由があってそんな事に使われていたんじゃないかとほんのちょっとだけ思ったりしたんだが…
やっぱり今の俺にそこらの記憶が無いってのは、これからそんな事がおきるって事なんじゃないかなぁ…
少しばかり嫌な想像をしていたら部屋がある最上階の辺りの階にエレベーターが止まった。
「着いて来て下さい。」
佐々木君が案内してくれた部屋は部屋番号の無い場所でそこそこ豪華な感じで…少しばかり生活臭が感じられる場所だった。
「ここは私の身内の人が管理している部屋です。今は私が使わせてもらっているので誰も来ませんのでどうぞ。」
佐々木君はそう言って鍵を開けて入り、すぐにあった部屋の奥の方の階段を上がって行った。
「これってもしかしたら佐々木君って…」
「たぶんこのホテルの経営者の親族なんでしょうね。」
「あっ、ワインセラーまでありますよ♡」
「あっ!ゲームがあるぅ~♪」
忍さんは少しばかり部屋の異常性に気付いてるみたいだが、萌歌さんと司ちゃんは『すごい部屋だ♡』程度の認識しか持ってないみたいな感じに部屋の中を物色し始めた。
「なぁ忍、これって普通じゃないよな?」
「まぁ…そうですね。だってこのホテルって外資が入ってる所でしたよね?」
「確かそうだと思う。」
「こんな場所に自分達専用の部屋とか持ってるのってちょっとヤバイ人だとしか思えません。」
「一応親族の持ってる部屋だって言ってたから…まぁ可愛がってくれてるおばあちゃんが持ってる部屋とかって話かもしれないから…一応気をつけておくか。」
「そうですね。一応萌歌さんの方は私が注意して見てますので司ちゃんの方をお願いしますね。」
一応役割分担が決まった頃になって佐々木君が部屋着の様な姿で現れた。
「ずいぶんとリラックス出来そうな姿になってきたな。」
ちなみに佐々木君、短パンにノースリーブシャツを着た姿で現れた。
…胸元がすごくツンッ♡ってなっててもう…視線がどうしても吸い寄せられてしまうのはしょうがないのではないだろうか?などと考えて自己弁護の言葉を捜してしまう様な姿だった。
「どうせ私も佐藤さんに身を捧げさせられるんでしょ?ならもう服を着てても一緒かなぁ~って…」
潔いと言うか何と言うか…
「佐藤さんが欲しいのはこれよね?」
そう言って佐々木君が見覚えのあるUSBメモリーを投げて渡してくれた。
「中に入ってるのは確か日付の書いてある…PDFファイルと、こっちも日付の書いてある…1年ぐらい前の日付の動画ファイルだと思うが、合ってる?」
「…本当にすごいわ。佐藤さんってどこでそんな情報を手に入れてくるの?そのメモリーって私が用意したんだけど動画のファイルに関しては幾つかあってその中で好きなのを使って良いって志郎く…湯島部長が言ってた中から私が選んで入れたから…あの時の私の事を見てないと分からないはずなんだけど…」
「部長の事を志郎君って呼ぶのは止めような。勘違いされるからな?」
「…ねぇ佐藤さん。もしかして私と湯島部長の関係の事も知ってたりするの?」
まぁ知ってるけど…
「詳しくは知らないよ。確か君と湯島部長は親戚だって話を聞いてるぐらいかな?」
さすがにこの釈明は厳しいかなぁ…咄嗟に出てしまったせいでこう言うしかなかったが、本来であれば2人の関係の事を知らなければ、仲の良いおじさんと姪って感じる人が多い言い方だったかもしれないから、本来であれば咄嗟に彼女が部長の事を名前で呼んでもほほえましい顔でスルーするのが普通の人の対応なんだろうが…
あんたらだってさぁ、女王様と下僕プレイまでしてるセフレだからさぁ…そりゃぁそんな関係だって知ってたら普通の奴なら止めるよね?
やっぱ俺、こんな感じに何度も言わない方が良い事を言って失敗してきてる様な気がしてきた…
「まぁ私と部長の事は今はいいわ。それで?佐藤さんは本当に黒田の側の人じゃないの?その証拠は?」
やっとここまで話が進んだか…一応俺の方の目的は達成してるからこのままトンズラしても構わないのだが、これからもしかしたらまだ一緒に仕事をするかもしれない佐々木君に少しは安心してもらえる様に説明しなければならないだろう。
とりあえずネクタイを少し締めなおして、気合を入れなおした俺だった。
服装は仕事の時によく着ているリクルートスーツより少しだけ大人の雰囲気を感じさせるグレー系色のスーツ姿。
佐々木君が俺の顔を見て笑顔になり、俺に近付いて来ようとした時に急に足を止めた。
「えっ?!…その子がなんでここに?」
そう言えば佐々木君はあの映像を見てるのだから司ちゃんの事を知っていてもおかしくないか。
「この子は俺が保護する事になった司だよ。佐々木君はこの子の事を知ってるよね?」
俺の後ろに3人並んで着いて来た司ちゃんと忍さんと萌歌さんを見て3人の中の司ちゃんを最初に認識して反応した佐々木君だが、すぐに残りの2人の素性にも気づいたらしく、ハッとした顔になり、俺から2歩ほど下がって考え始めた。
たぶん今俺に着いて来た女性3人を見た佐々木君の中で、俺の立ち位置が黒田の側に動いたと確定したはず。
このまま逃がしたら、もし今佐々木君があのUSBメモリーを持っていたとしても必ず捨てる。
それだけは何とかして止めなければならないので…よし。
「佐々木君。まず先に話をしておいた方が良いと思うよ。君が持ってる物は黒田には絶対に渡してはいけないし、もし紛失でもしてしまったらもう君を守る物がなくなってしまうよ。」
俺の言葉を聞いて佐々木君は自分の胸の頂点より少し上の辺りを最初に押さえて、そしてそのまま手を滑らせて胸の膨らみの下辺りで手を止めた。
と言う事は、最初に押さえた辺りに内ポケットの入り口があって手が止まった辺りにUSBメモリーがありそうだな。
ここで俺が彼女に急に近付いたりしたら、佐々木君は過剰反応を見せて叫んで助けを呼んだり逃げたりするかもしれないので、俺はひとまず3人にこの場に止まっている様に手で合図をして、ゆっくりと佐々木君に近付いた。
佐々木君が俺を見る目に恐怖の感情を見せている気がする。
早めに少しだけでも彼女が安心できる様な情報を渡しておかないと逃げるな…佐々木君のパーソナルスペースを侵さない距離を見極めながらゆっくり近付いて話しかけてみた。
「詳しい説明は後でするが、俺は、今君が持ってるそれを手に入れる事が出来たら、黒田の側に着く必要がなくなる。そしてそれは君にとってもメリットがある話のはずだ。君は今黒田にかなり追い込まれてないか?実は俺も昨日から今日にかけて黒田に嵌められそうになった。だから佐々木君が今どんな状況に陥ってるのか少しぐらいは想像できる。もし良ければ話だけでも聞いてみないか?」
自分と同じ様な状況に追い込まれた人との認識を持ってもらえたら、佐々木君は俺の話を聞く辺りまでは受け入れられると思うが…
「佐藤さんはでも…本当に黒田さんの陣営に取り込まれてる訳じゃないんですか?」
もう少しかな…
「実は俺のとある映像が黒田の手元に渡ってしまってね。それに対抗する為に君の持っている映像が絶対に必要なんだ。黒田がどんな感じに手駒を増やしたかは君は部長の所で確認した事があるんじゃないか?」
ここまで言えばあの映像に近い状況の映像を黒田が持ってる事が理解できるだろう。そして俺がそれに対抗する為にも、あの、黒田と高円寺専務と宇野君が映っている映像が必要なのも理解できるはずだが…ここで佐々木君が黒田の為にその情報を消そうと考えて俺がそんな事を言ってると思われたら逆効果になりかねないのでもう一押し必要だな。
「ちなみに一緒に来てる女性2人は司の治療の為に黒田が用意した医者とその助手の人だが、彼女達は今現在黒田の側から俺に乗り換えてくれたよ。」
振り向いて忍さんと萌歌さんを見ると2人とも少し恥ずかしそうにモジモジしながら頷いてくれた。
…その反応は少しまずくないか?君達は俺の足を引っ張りたいのか?
今の2人の反応を男が見れば、80%以上の奴らが『あー…あいつらチンポで落とされてんなぁ…あの男今すぐ死なねぇかなぁ…』って考えてしまう様な動きだったぞ?
「そうですか…3人全員が佐藤さんの…虜になってしまったのですね…」
なんとなくだが、佐々木君にも似た様な事を思われてしまったかもしれない。
今、佐々木君…俺の下半身に一瞬視線を向けたよね?
まずいなぁ…
「彼女達のそっち側の話はまた別の話だろ?今は君の安全に関する話をする為にここに来たんだ。どうだろう?少し他の人の居ない場所で話をしてみないか?」
こんなに人畜無害な俺を花壇に咲いてる花の枝に着いてるイモムシでも見る様な目で見なくても良いんじゃないか?
「…佐藤さんは童貞だと思ってたのに失望しました。でも…こちらへどうぞ、一応部屋を取ってますので。」
佐々木君にとっては俺は童貞じゃなければ価値が無かったのか?
「一応自分の名誉の為に言っておくが、俺は大学に通っていた頃に1人の女性と付き合っていたからね?彼女達としてなかったとしても童貞ではなかったからね?そこん所しっかりと理解しておいて欲しいのだが…」
俺…なんで女4人が一緒に乗ってるエレベーターの中でこんな釈明をさせられてるのだろうか?
「って言うか佐々木君は俺の情報を部長の所で色々確認したんだろ?だったら俺が大学の頃に付き合っていた人が居た事ぐらい知ってるだろ?」
「えっ?なんでその事を?」
佐々木君が少しばかり驚いた感じに俺を見上げてきた。
「なんでって…」
あぁ、そう言えば佐々木君が俺の情報を部長の所で確認したのを教えてくれたのは…そうか、前のループの時だったか…
「まぁほら、俺には俺だけの情報源があるから。そこらの事も部長の所で色々確認したんじゃないのか?」
なんとなくだが、俺って時間を何度も繰り返してこんな感じに口を滑らせてきたんだろうなぁ…そしてその都度うやむやにしつつ誤魔化してきた事で、俺のバックに何やら妙な情報源があるらしいと言った黒田や部長の評価に繋がってるんじゃないかって気がしてきた。
だとすれば俺が覚えてない過去10年程度の間の2年毎の長期休暇や俺が1年程度行方不明になった事が、何かの理由があってそんな事に使われていたんじゃないかとほんのちょっとだけ思ったりしたんだが…
やっぱり今の俺にそこらの記憶が無いってのは、これからそんな事がおきるって事なんじゃないかなぁ…
少しばかり嫌な想像をしていたら部屋がある最上階の辺りの階にエレベーターが止まった。
「着いて来て下さい。」
佐々木君が案内してくれた部屋は部屋番号の無い場所でそこそこ豪華な感じで…少しばかり生活臭が感じられる場所だった。
「ここは私の身内の人が管理している部屋です。今は私が使わせてもらっているので誰も来ませんのでどうぞ。」
佐々木君はそう言って鍵を開けて入り、すぐにあった部屋の奥の方の階段を上がって行った。
「これってもしかしたら佐々木君って…」
「たぶんこのホテルの経営者の親族なんでしょうね。」
「あっ、ワインセラーまでありますよ♡」
「あっ!ゲームがあるぅ~♪」
忍さんは少しばかり部屋の異常性に気付いてるみたいだが、萌歌さんと司ちゃんは『すごい部屋だ♡』程度の認識しか持ってないみたいな感じに部屋の中を物色し始めた。
「なぁ忍、これって普通じゃないよな?」
「まぁ…そうですね。だってこのホテルって外資が入ってる所でしたよね?」
「確かそうだと思う。」
「こんな場所に自分達専用の部屋とか持ってるのってちょっとヤバイ人だとしか思えません。」
「一応親族の持ってる部屋だって言ってたから…まぁ可愛がってくれてるおばあちゃんが持ってる部屋とかって話かもしれないから…一応気をつけておくか。」
「そうですね。一応萌歌さんの方は私が注意して見てますので司ちゃんの方をお願いしますね。」
一応役割分担が決まった頃になって佐々木君が部屋着の様な姿で現れた。
「ずいぶんとリラックス出来そうな姿になってきたな。」
ちなみに佐々木君、短パンにノースリーブシャツを着た姿で現れた。
…胸元がすごくツンッ♡ってなっててもう…視線がどうしても吸い寄せられてしまうのはしょうがないのではないだろうか?などと考えて自己弁護の言葉を捜してしまう様な姿だった。
「どうせ私も佐藤さんに身を捧げさせられるんでしょ?ならもう服を着てても一緒かなぁ~って…」
潔いと言うか何と言うか…
「佐藤さんが欲しいのはこれよね?」
そう言って佐々木君が見覚えのあるUSBメモリーを投げて渡してくれた。
「中に入ってるのは確か日付の書いてある…PDFファイルと、こっちも日付の書いてある…1年ぐらい前の日付の動画ファイルだと思うが、合ってる?」
「…本当にすごいわ。佐藤さんってどこでそんな情報を手に入れてくるの?そのメモリーって私が用意したんだけど動画のファイルに関しては幾つかあってその中で好きなのを使って良いって志郎く…湯島部長が言ってた中から私が選んで入れたから…あの時の私の事を見てないと分からないはずなんだけど…」
「部長の事を志郎君って呼ぶのは止めような。勘違いされるからな?」
「…ねぇ佐藤さん。もしかして私と湯島部長の関係の事も知ってたりするの?」
まぁ知ってるけど…
「詳しくは知らないよ。確か君と湯島部長は親戚だって話を聞いてるぐらいかな?」
さすがにこの釈明は厳しいかなぁ…咄嗟に出てしまったせいでこう言うしかなかったが、本来であれば2人の関係の事を知らなければ、仲の良いおじさんと姪って感じる人が多い言い方だったかもしれないから、本来であれば咄嗟に彼女が部長の事を名前で呼んでもほほえましい顔でスルーするのが普通の人の対応なんだろうが…
あんたらだってさぁ、女王様と下僕プレイまでしてるセフレだからさぁ…そりゃぁそんな関係だって知ってたら普通の奴なら止めるよね?
やっぱ俺、こんな感じに何度も言わない方が良い事を言って失敗してきてる様な気がしてきた…
「まぁ私と部長の事は今はいいわ。それで?佐藤さんは本当に黒田の側の人じゃないの?その証拠は?」
やっとここまで話が進んだか…一応俺の方の目的は達成してるからこのままトンズラしても構わないのだが、これからもしかしたらまだ一緒に仕事をするかもしれない佐々木君に少しは安心してもらえる様に説明しなければならないだろう。
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